信州ブレイブウォリアーズB2初優勝

信州ブレイブウォリアーズ 勝久マイケルヘッドコーチ


-今日の試合を振り返って
今、初めて(決勝の)スタッツを見ます。
以前から言っているがリスペクトしている群馬には感謝を伝えたい。ベテランの選手らがハートをみせていた。特に小渕選手はルーズボールでもハッスルしていた。
試合はタフなタフな展開だった。試合前にも一番タフな1勝になると選手にも伝えたが、実際にそうなったと感じた。(石川選手の)タフショットを決めて勝てた試合だった。
ウェイン(マーシャル)とカバ(蒲谷正之選手)以外とは初めての選手たちと毎日を大切にチームを作ってきた。ここまで成長したチーム全員を誇りに思う。

-満員の中でこのフランチャイズで優勝できたことをどう思うか。
800、900人という観客数から始まって今日は満員(フルハウス)。本当に嬉しい。信州のバスケが盛り上がり、(試合後に)ハイタッチしながらチームは凄いことを達成したのだなという感じだ。

-今日のビッグショットを含め今シーズンの石川海斗選手への評価
ファイナルだけでブザービーター3本。彼のキャリアにとっても今シーズンはベストでもあり、(リーグの中でも)スター選手になったかなと思う。自分が求めていること、遂行力やどのような「読み」でバスケをするかを理解している。頭がよくハートも強く度胸もあり、シーズンを通してチームを引っ張ってくれた。
今日の最後のプレイもマック(マクヘンリー選手)に違う形でフリーを作ればよかったと今にしてみれば思うが、群馬に機会を潰されてタフショットで終わった。シュートを放った瞬間に入ると思ったという嘘になるかもしれないが、入った時はびっくりしなかった。非常にタフで我々のゲームプランでは遂行出来なかった試合だった。アンダー(ピックアンドロールに対して守備がスクリーナーの後ろ)で守られ外のシュートを捨ててきていた。タフな試合にも関わらずタフなシュートを決めてくれたと思う。私のベンチのリアクション(お手上げ)でもそうでしたが、不思議と驚かなかった。

-プレシーズンからプロセスにこだわりベストな試合をみせたいと言っていたが、今日はそれが出来たか
我々のベストゲームだったというとそうではないが、ワンシーズン通してベストな状態に持っていったことは間違いない。
(島根との)セミファイナルや昨日(ファイナルの1試合目)の方がベストな試合だと思う。
ロッカールームでも若い選手たちに伝えたが、毎日毎日細かいことを積み重ね結果がチャンピオンになるチャンスがあるのだと。
そのプロセスを経験したことがかけがえのない財産になる。チャンピオンになることよりもそれ(プロセス)が何よりとも(自分にとっては)嬉しいし、ハングリーにやってほしい。

-終わったばかりだが来季への意気込みを
何が必要かを学ぶというのが一番の財産になる。それを忘れずにさらに成長を心がけていきたいし、チームとして前進しつづけたい。
-コート上で選手たちにドリンクをかけられていたが、その時に気持は
こういうことがあるからスウェットを持ってきたのですが、着替える前にやられました(笑)

-優勝Tシャツに袖を通したときの気分は
まだ(表面のプリント)を見ていなかった(笑)
嬉しい。

-次の夢は
ここ(信州)に来た理由も同じで、自分自身はバスケバカでバスケのことばかり考えている。同じようにバスケを愛している選手たちと一緒に働きたい。マックのような選手がいたからここに来たいと思ったし、どこに居ても一緒に連れていきたいウェインもそうだ。彼ら二人を例に挙げたが他の選手たちも同じで、良いバスケがしたい、グレートなチームが作りたい、その一員でいたい。
そのピュアな気持ちでい続けたいし、そして日本一を目指したい。
日本一を目指したいが、どういう人たちと一緒に働くのか。その2つが自分にとって大切なことだ。

-ブースターも増え、フランチャイズを変えた手応えは
チームのみんなと変えることができた。ライセンスの件からホワイトリング(長野市真島総合スポーツアリーナ)の使用など色々な動きがあった。信州のバスケを盛り上げ、勢いをつけることができたと思うし手応えは感じている。

-石川選手は以前ここまでタフショットを決めることは無かったと言っていた。キャプテンになり責任感が芽生え変わったといっていたが、彼の成長について
Bリーグではタフなシーズンは送っていたが、もともとから良い選手だ。編成が決まってからシステムを導入した。大きなスペースを与えることやピックアンドロールを使うこと、クリエイトさせることは良いチームメイトがいるからこそだと思う。
頭も良いので、プレシーズンから相手のカバー、すべてのカウンター(=相手がどう守備するのか)を練習し続けて一番(コーチの戦術を)理解したひとりだ。
チームを見てもられば分かるように、最初から彼にボールを預けた。オフェンスの動きの中でファーストオプションが成功せず連続して攻撃するものもあれば、彼に一度ボールを戻すことも多かった。メディアにも彼自身にも言っていますが、失敗したり、ギャンブル性が高いプレイする可能性もある。しかし闘争心やスピリット、向かっていく気持ちが彼の良さであり、それを(全面に)出して欲しかった。チームは彼を信頼し頼っていることも理解しているからこそ、迷いのないシュートにつながっていく。
何よりも彼のハートだと思う。

-栃木時代にアシスタントコーチをしていたことが、今信州でコーチしていることにつながっているか
栃木は素晴らしいフランチャイズだと思う。オフェンスのスペーシング、オフェンスとディフェンスのシステムは真逆だ。ベース(基本)もスタイルも真逆だが、栃木の素晴らしさはエナジー、チームワーク、激しさ、ハート(マインド)でありカルチャーが一番大きい。カルチャーという部分で信州が見習うべきは、(栃木の)観客がハイライトプレーだけではなく田臥勇太選手がルーズボールに飛び込んだり、リバウンドとる場面で一番盛り上がる。ハイライトひとつ作るにしても泥臭いプレイやハート見せる映像を取り上げている。

-今日の試合でそのカルチャーが少し築けたか
カルチャー(文化)作ることは時間がかかるが、少しでも築き上げられたら良いと思っている。

-試合終わった直後ですが、これから何をしたいか
さきほどチームにも言いましたが、シャンパンはどこだ(笑)
ロッカールームに戻っても何もなかった。今は選手たちとそれ(シャンパンファイト)をやりたい(笑)
ネットカットも良かったが、優勝の味わい方として選手たちに経験させてあげたい。