【プレミアム限定】大阪エヴェッサ、宮崎シャイニングサンズ、HCと選手へのインタビュー(11月26日)

11月26日(土) 守口市民体育館で行われた大阪エヴェッサ対宮崎シャイニングサンズの試合後インタビュー。大阪、ライアン・ブラックウェルHC、青木康平選手。宮崎、遠山向人HC、ディクスター・ライオンズ選手、清水太志郎選手。
(文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
今週が始まった時にもチームの練習の中では、宮崎は我々に対して非常にアグレッシブにやってくるということを言っていて、今日のゲームに入る時もそれを伝えて、我々もそれに対してアグレッシブに、またフィジカルに戦うことを徹底したんですけども、そこが少し欠けていたのかなというのが今日の正直な印象です。また宮崎はディフェンス面でハッスルに向かってきましたし、我々もそこに立ち向かわなければいけなかったんですが、1対1を多用してしまったりしてチームとして沈んでしまった部分が強かった。

―今日のゲームは7アシスト(公式記録は13アシスト)と少なかったんですが、チームオフェンスに何が起こったのでしょうか?
チームとしての流れが停滞してしまった理由としてはスクリーンをかけなかった、もうひとつパスを出せばいいところを出さなかった、1対1に徹底してしまったことです。宮崎は我々に対して戦ってきた。最後はああいう笛になってしまいましたけど、あれが起こるのもバスケットボールのゲームで、そういった部分も含めて結果かなというふうに捉えてます。

―連勝が止まってしまったわけですが、この1敗はこれから引きずるものになりそうですか?ならなさそうですか?
もちろん我々はプロバスケットボールの世界で戦っていますので、この1敗を引きずるわけにはもちろんいきませんし、明日から切り替えてしっかりやっていかないといけない。もちろん明日からゼロからスタートという形になりますので、そういった気持でフレッシュにやっていかなければいけないですし、彼らはプロとしてやっているので、そこでしっかりと自分自身のプレーを見つめてですね、勝つために切り替えて修正してやり直していきたいです。

―今日は宮崎が3Pを36%(公式記録では29%)決めていて、今まで大阪は相手チームの3Pの確率を低く抑えていましたが、それについてはどう思いますか?
やはりアグレッシブにプレーしなかった結果です。これが起こるのがプロのバスケットボールです。

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青木康平選手
―今日の試合を振り返って
(10月22・23日の)沖縄戦みたいな感じでしたね。ずっと終始重い試合で、どうにか打破したかったんですけど完全に相手のペースに自分達がハマって抜けられない状態でした。

―チームのアシスト数が7(公式記録は13アシスト)でしたが何が起こってしまったのでしょうか?
要するに個人でやろうとしてムキになってたというところですね。目の前の敵に集中してしまって、パスが全然無かったしオフェンスで1回、2回のパスでシュートを打ってしまってると思うんですよね。それに対して相手チームはボールをプッシュして、パスを回してすごい動いていたので、本当に完全に相手のペースに巻き込まれた感じです。

―宮崎に対してはどういう対策で臨みましたか?
勝敗・勝率の割には全然すごく良いチームだと思っていたし、沖縄戦(宮崎vs沖縄)のゲームを見ていたんですけど、まさに今日みたいなゲームで彼らは負けたんですけど、でも僕らも前半から沖縄戦(宮崎vs沖縄)と同じような展開だった。すごく重い。相手はディフェンスでプレッシャーをかけて「乱す」という感じだと思うんですけど。それに完全にやられていたっていう。

―10月22・23日の沖縄戦の後に選手同士で話し合って、そこからすごくオフェンスが良くなったのに、また今日こうなってしまいましたが。
ひとりがボールを持ちすぎたってことですよね。誰がっていうよりも、一人ひとりがボールを持ちすぎてて、僕がもうコールせざるを得なかった状況になってしまったところが一番の問題だと思います。(大阪の)良い時は相手にシュートを決められてもハーフコートに(ボールを)持っていくのが早かったんですけど、今日みたいな試合は誰もボールを出せないし、下向いてハーフコートまで歩くっていう状態だったので、それも良くないですよね。

―明日はそういう点を気を付けるということですか?
まずは(相手の)ボールマンがボールをプッシュしてるのに誰も(ディフェンスに)ついてなかったというのがすごく問題だと思うし、そいつを抑えることと、あとはゾーンの守り方っていうのがぐちゃぐちゃになってしまった。あれは完全に自滅なので、その守り方です。

―ゾーンを敷いたところで簡単に3Pを決められたりだとか。
そうですね、だからあれは完全にコミュニケーションのミスだし、あってはならない時間帯にノーマークにさせてしまったというところ。ディフェンスから崩れてしまった。

―かなりフィジカルにディフェンスされてましたが。
あれもギリギリのラインですよね。審判次第だと思うし。だから早く(相手のファールが)4つになってくれないかな、そうすればプレーしやすかったんですけど。4つになっても後半フリースロー打てなかったので、すごい難しいところですけど。

そこで僕がガツガツやるのも必要だったかもしれないですけど、僕までやってしまったら今日は多分もっと崩れてた気がするんですよね。だから僕がもっとパスを回して、いろいろ動きたかったし、僕から離れなかったら僕がスクリーンすれば良いスクリーナーになれると思うから、そういったところでもっと動いたほうが良かったかなと思いますね。

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宮崎シャイニングサンズ

遠山向人HC
―今日の試合を振り返って
首位のチームに勝利できたということは、選手も自分達のバスケットに自信を持てると思うので良かったと思います。またディフェンスの面でも(相手を)60点台に抑えることが出来たので目指してるゲームに少し近づけたかなと思ってます。

ただ、ところどころで非常に雑なプレーが目立っていたので、それをしっかりと40分間通じて常に丁寧にプレー出来るチームにしていきたいと思います。明日はもっとハードなゲーム展開になると思うので気持ちで負けることのないように明日のゲームも良い準備をして戦いたい。

―(同点の場面、残り時間1.2秒からの)最後のプレーは狙い通りでしたか?
もしもの時のために準備していたプレーで狙い通りだったので良かったと思います。残り3秒から大阪チームのベースラインのプレーで押し込まれるだろうなと思っていたので、冷静に対処することが出来ました。ただ結局マーシャル選手に押し込まれたんですけども、そういうことがないように、そういう部分を修正していかなければ(いけない)。1秒で逆転するのはなかなか無いと思うので、それ以前の問題だと思っています。

―(この試合を除いて)ここ6試合で4勝と好調ですが好調の原因は何ですか?
まずひとつはチームとしてディフェンスを頑張れるようになったことです。失点が少なくなってきているので。開幕当初は「出来ないんだったらやめよう、出来ないことはやめて次のこと」という考えがチームとしてあったんですけど、出来ないことをやめようというよりも、チームとしてやることを追求して「出来ないんだったらやらせる」という方向(になって)から良くなってきた。まずディフェンスを出来ないけどやらせるっていう僕と選手達が強い意志を持ってディフェンスに取り組めたことがひとつ。それと宮崎には絶対的エースみたいなスター選手はいない。もっとすごい選手がいれば1対1でファールをもらって点数取ればもっと楽なんでしょうけど、その中で1対5でやらずにとにかく5人でボールをシェアしてバスケットをしよう、ということを少しずつ外国人選手が理解してきているのかなと思います。

―大阪に対してはどういった対策を?
やっぱり非常に危険なのがリン・ワシントン選手と青木(康平)選手。基本的に大阪の選手は全員危険なんですけど、その中でも勝負どころの強さが際立っているのがリン・ワシントン選手と青木選手。そこのリン選手に対するディフェンス、青木選手に対するディフェンス、その他は例えばブラックレッジ選手のオフェンス、ディフェンスの特徴だとか、それぞれの選手の特徴を考えて、絶対にやられちゃいけないところと最低限やられても仕方ないところを明確にしました。

―40分間通じて狙い通りでしたか?
予定外のこともたくさん起こりましたけど、多分うちのほうが予定通りゲームが進んだのではないのかなと思ってます。僕らも苦しかったですけども。

―今野翔太選手が入ってきた時に彼のディフェンダーをヘルプに行かせていたのは指示通りだったんでしょうか?彼の外のシュートが無いというのを判断して?
そうですね、見て頂いた通りです。

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ディクスター・ライオンズ選手
―今日のゲームの感想を。
両チームともハードにプレーして良い試合だったんですけど、ディフェンス面で今日はうちのほうが少しだけ優っていた結果、勝てた試合だったと思います。

―最後のプレーは狙い通りでしたか?
タイムアウトでHCが「落ち着け、シュート打つ時間は十分ある」と言った。ミスマッチを把握した状況をHCが指示してくれたので、その通りに選手が動いた。みんなで勝った試合だったと思います。

―ウエスト首位の大阪に対して、まずどういう形で試合に入ろうと思いましたか?
1週間ずっとリン・ワシントン選手と青木康平選手のやることをずっと研究して、彼らにやらせないための練習をずっとしてきたので、今日はそれが上手くいったと思いますし、うちはディフェンスからリズムを作って勝つチームだっていうことが少しずつ確定されてきたので、どんどん良くなってくると思います。

―リーグを代表するリン・ワシントン選手とのマッチアップは見応えがありました。どういうふうに彼を守ろうと思いましたか?
彼は闘争心が素晴らしい。僕もここまでプロとしてやってきたので、その二人が激しくぶつかり合ってとても良いマッチアップになったと思いますし、また彼とマッチアップ出来るのを楽しみにしています。

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清水太志郎選手
―今日のゲームの感想は?
勝てて良かったと思います。僕らは(順位で)下の方にいるんで。やはり1位のチームに勝てるっていうのは序盤と言えども、他のチームは順位通りの結果を期待していたと思うので、とても大きな1勝だと思います。

―この1週間リン・ワシントン選手と青木康平選手の対策を考えてこられたとHCが仰っていたんですが、そのプラン通りになりましたか?
やはり大阪というチームはリン・ワシントン選手を中心に、今シーズンは康平さんが加入して非常に厚みを増した。その二人を乗せてしまうと周りも乗ってしまうので、そこを常に一番気を使った。守り方はどういう守り方をしろっていうわけじゃないんですけど、とにかくそこに気を使うことを1週間意識して練習してきたので、非常に良いディフェンスをしてくれたと思います。

―青木選手に対してかなりフィジカルなディフェンスをしてましたが。
あれはファール覚悟で、という感じです。(彼との距離を)詰めて。若い選手がファールを考えずに、とにかく3人で(青木選手に)つく。臆することなく向かっていってくれたことが良かったと思います。

―大阪に対して勝ったことについて正直な感想はどうですか?
本当に大きな1勝だなと、本当に思います。最後にリン選手が出てくるかなとちょっと思ってましたが出てこなかったので。最後マーシャルに押しこまれたんですけど、二つの選択肢(ワシントン選手と青木選手)があるところが一つ(青木選手)になったところで、みんな集中して良かったと思います。

―ここ7試合で5勝とチームの好調の原因は何でしょうか?
全員でバスケットをしようというところです。開幕の連敗してる時というのは、うちの外国人選手は初めてのbjリーグという選手が多くて「俺がどうにかしてやる」っていう部分もあったり、経歴を見れば非常に良い選手が集まっていてプライドももちろん高い。そういったところでなかなか(上手くいかなかった)。勝ちたいというところで同じ方向は見てるんですけど、それがバラバラになっていたところがひとつの大きな線になった。そこが今の勝ちの要因かなと。お互いのためにプレーをして、それがチームの勝利に繋がるという意識ですね、考え方というか。外国人選手も日本人選手を今は信用してますし、日本人選手も外国人選手を信用してるので、そういう気持ちの部分じゃないかなと思います。

―ライオンズ選手と清水選手が試合中にルイス・ウィッチャー選手に対してかなり何かを言っていた場面がありましたが。
「行けるんだから、行けよ。相手に止められてないよ」っていう話で。「ただ自分がファンブルしてるだけで押し込めてるんだから行けよ」って。練習中からも言いますし、若いので止められるまでどんどん行けって。もし止められたらまた次の手を考えるし、止められてないから俺は信用してボールを入れ続けてるんだから、どんどん行けよっていうような(話をしてます)。アメリカ人の選手ですけど、やっぱり大学卒業したばかりの選手で、ハートがまだまだ弱い部分があるので、そこを強く言いながら、そしてフォローしながら良い部分を引き出せていけたらなと良いなと、そんな感じでコミュニケーションをとっています。