【プレミアム限定】厳しいディフェンスで新潟のオフェンスを封じた仙台が、終盤の猛追を逃げきり快勝。新潟は4連敗(73-80)

2月4日(土)、新潟市東総合スポーツセンターで開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対仙台89ERS戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

立ち上がりからお互いに厳しいディフェンスの戦いとなったこのゲーム。仙台はかつてのチームメイト、ホルムのインサイドをシングルトンのフィジカルなディフェンスで封じると、攻めてはフィッツジェラルドを中心に高確率の3ポイントで得点を重ねる。終盤、マーリーが第4Qだけで20ptsをあげる活躍で追い上げるが、仙台はファウルゲームのFTを確実に決めて逃げきった。

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仙台89ERS

ロバート・ピアスHC

-今日の試合の総括について
まず、新潟に対して勝利を収めたことは正直に満足しています。十分に戦えたという満足感がありました。オフェンスでもディフェンスでも、やるべきことが出来たという印象があります。今週1週間は、新潟戦を意識して選手達がとてもいい練習が出来ていたので、それが結果に結びついたと思います。新潟は池田選手、マーリー選手という素晴らしいシューターだけでなく、元仙台のホルム選手と、インサイド、アウトサイドとバランスの取れたチームなので、いろいろと対策は練って来ましたが、一番は、長い間ホルム選手とやってきた選手達の負けたくないというプライドが全面に出た、とてもいい試合だったと思います。

-3Qまで仙台の3ポイントが高確率で決まったことについて(新聞)
ここまでの試合では、3ポイントを多く打った試合は負けている傾向があるのですが、今日は幸いな事に決まってくれました。ただしあのように打ち続けるとウチのペースではなくなることが多々あるので、今日はいい結果として出たという事だと思います。

-第3Q終了時点でほぼ試合は決していたと思いますが、そこまで新潟を42点に抑えたディフェンスが良かったのか、それとも今話した3ポイントを含むオフェンスが良かったのか、どちらが大きな要因だったでしょうか?(バスナビ)
一概にオフェンスとディフェンスのどちらかとは言えないですが、ただ仙台はここまでオフェンスで相手に勝ったという試合はありません。現状でどちらかと言えばディフェンス力で相手にスコアさせなかったということだと思います。今日に関しては両方が良かったと思います。

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#17日下光選手
※質問はいずれもバスナビ

-先ほどコーチからは攻守どちらも良かったという話があったのですが、コート上でプレーしている立場で、今日の試合ではどちらが大きな要因になったでしょうか?
やはり新潟はすごく得点能力があるチームなので、コーチが話していたのは、70点台のゲームにさせようと。90点台では相手のゲームになってしまうので、まずはディフェンスの部分と、あとはリバウンド、今日は負けてしまっているんですけど、リバウンドをみんなでやろうという話はしていました。

-今日の試合に関しては、オフェンスもかなり良かったという印象ですか?
先週の課題で、悪い時はボールが全然動いてなかったので、しっかりボールを動かして、チャンスのある選手が打とうという話をしていて、それが出来ていたと思います。

-3ポイントに関しては多少、出来すぎだったんでしょうか?
そうですね、出来すぎなんですけど、打たなければ入らない訳で、しっかりとボールを回してノーマークで打ち切ることが出来たので、だからこのようないい結果になったと思います。

-ここしばらくチームが停滞気味でしたが(ここ10試合で2勝8敗)、今日の勝ち方はチームにいい影響を与えるのではないでしょうか?
ウチは得点力のあるチームではないので、まずはディフェンスから入ることです。強いチームは本当にディフェンスがいいチームだと思うので、まずは気持ちを、一人だけではなくてチームで持つことが必要だと思いますし、3Qまではウチらしい、本当に我慢しながらのディフェンスが出来ていたと思います。

-日下選手自身は仙台でずっとプレーしてきて、コーチが変わるというのは初めての経験だと思いますが、この難しさは感じていますか?
いい選手は誰がコーチであろうとしっかりパフォーマンスできると思うので、正直、戸惑いもあったんですけど、そこで自分らしさを消さないようにということはすごく思っていました。去年までの炎さんのバスケットもすごく尊敬するところがありましたし、もちろん今のピアスHCのバスケットもありますし、そこで自分自身のいい所を出していきたいと僕自身も考えていました。戸惑いはありましたが、今日のようなゲームが出来ると証明出来たので、こういったいい部分を続けていきたいと思います。

-ピアスHCのバスケットは、ベースはディフェンスから入るということですね?
そうですね、ウチは得点力があるチームではないですし、ディフェンスからリズムを掴んで、それがいいオフェンスにも繋がると思うので、ディフェンスという部分をチームとしてしっかりやっていきたいと思います。

-仙台が今後イーストの中位を抜け出すための課題はなんだと思いますか?
僕は、チームにまだ波があると思います。今日みたいないいゲームが出来ても、次はまるで同じチームとは思えない悪いチームになったりするので。それはディフェンスが大半を占めていると僕は思っているので、しっかり集中しながらチームディフェンスをして、そうすれば絶対に大崩しないチームになると思います。後半戦に向けて、その部分は僕達がステップアップできるポイントになると思います。

-いろんな人に話を聞きますが、スラスラと話す人はきちんと考えているという印象があります。
はい、僕はしっかり考えてますから(笑)。ただバスケットやってるわけじゃないので、やはり考えるこということ、前のHCもそうですし、今のHCもそうですし、ただやってるだけじゃ絶対にダメだと思うんで。それは忘れずにやっていきたいと思ってます。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
今週のディフェンスの練習で強調していたのは、危機感を持ち、しっかりスタンスを取ってディフェンスをするということでした。ゲームの中でディフェンスがちょっとずつズレてしまい、ボールが動いた時のディフェンスの動きが少し遅れていたように感じました。オフェンスでも、みんなが焦っているように感じました。

スタッツを見ると、オフェンスリバウンドが33個取れているのですが、これはシーズンの中でも恐らく一番多いと思いますので、リバウンドは良かったと思います。オフェンスリバウンドを取った後にキックアウトするとか、もう1本組み立てるとかが出来ていなかったと思うので、焦りがあったように思います。これは明日修正していきたいと思います。

仙台さんのディフェンスはスクリーンに対してスイッチしてきたので、スペーシングがなかなか取れませんでした。FTはもう少し確率を上げたいと思いますが、ターンオーバー12個というのは、悪くなかったと思います。

勝敗を分けた大きなポイントは、2ポイントの確率だと思います(新潟の2ptFG16/60、26.7%)。インサイドで全然フィニッシュ出来ていません。インサイドでシュートは打てているのですが、パワームーブが出来ていなかったりとか、フィニッシュし切れてないので、2ポイントの確率をチームとして上げていかなければいけないと思います。

-相手の3ポイントが高確率で決まりましたが、これに対する指示はありましたか?(新聞)
チーム全体としてはインサイドを守る意識を高めていたのですが、(仙台には)シューターもいるので、シューターに簡単に打たせてはいけないというプランでした。その理解が徹底できていなかったのか、シューターに対するシュートチェックが遅れていたりしたので、シューターをリズムに乗せてしまいました。ゲームの途中からはしっかりクローズアウトしてプレッシャーをかけていたと思うのですが、相手がリズムを掴んで流れに乗ったあとだったので、難しいシュートも決められてしまいました。ここはまた選手達と確認して、徹底していきたいと思います。

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#54クリス・ホルム選手

-個人として、仙台の大きなフロントラインに対するオフェンスはどうでしたか?(新聞)
全く酷かったと思います。簡単なシュートを外しすぎていたし、イージーなレイアップやプットバックを外してしまいました。難しいムーブや難しいシュートを打った訳ではないので、簡単なシュートを外しすぎてしまったと思います。

-相手のディフェンスにはプレッシャーを感じましたか?(新聞)
ディフェンスが特にキツかったということはないですけど、彼らは我々に対して自信を持ってディフェンスをしていたのではないかと思います。特に何をしたということはないですが、体をコンタクトして、ブロックショットに来て、実際に我々もペイントエリアでしっかり決め切ることができませんでした。自分達がしっかりフィニッシュできなかったことで彼らが自信を持ってしまい、ガードが切れ込んだ時もショットブロックされてしまったので、彼らとしては狙い通りだったと思います。

-明日はどのように修正していきますか?(新聞)
今の時点では分かりませんが、ああすれば、こうすればというのはあるかと思いますが、あとはやるだけだと思います。言い訳している時間もありませんし、明日ゲームもありますから、あとはゲームの中でしっかりやるだけだと思います。

-かつてのチーム、仙台と対戦してどのような気持ちでしたか?(新聞)
倒したかったです。仙台にいた時はとても楽しい思い出が多いので。今は新潟でプレーしていますから、過去にプレーしていたチームというだけですので。この試合も個人的にすごく楽しみにしていましたし、2連勝したいと思っていました。最初の試合は勝てなかったので、明日は倒したいと思います。

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#32池田雄一選手

-オフェンスの確率の低さについて(新聞)
数字でもはっきり分かるように3ポイントの確率がすごく悪くて、やはりインサイドで効率よく得点出来ないとアウトサイドも入ってこないし、アウトサイドもタフなショットが多かったです。攻撃回数やリバウンドに関しては取れているし、その精度を上げていくのが今後の課題だと思います。それが今日の敗因かと思います。

-シュートの精度が低かったのは焦りなのか、それとも仙台のディフェンスによるものか(新聞)
インサイドでボールは取れるんですけど、ポロポロ落とすシーンが目立って、3、4回落として結局相手に取られる、相手に効率のいいオフェンスをやられるというパターンで、点差が開いてしまいました。相手もいいインサイドプレーヤーがいますし、その中でどうやって得点できるかというのは、ビッグマンの課題でありチームの課題であると思います。

-相手のディフェンスは想定内でしたか?(雑誌)
ミーティングでもコーチに言われたのですが、相手はインサイドのディフェンスで、(新潟のビッグマンに)ボールをもらわせるようなディフェンスをしていました。(ポストにボールを)入れるのは楽なんですけど、そこで1対1で(シュートを)落とさせろという指示だったと思います。その分、アウトサイドのシューター陣に(ディフェンスが)すごく張り付いてきました。2ポイントの精度が今後、カギを握ると思います。

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#20ナイル・マーリー選手

-今日はシュート確率が悪かったですが、明日はどのようにゲームを組み立てたいですか?(新聞)
まずはディフェンスからだと思います。今日は仙台さんにやりたいようにやられてしまったので、まずは仙台さんにやりたいことをやらせないということだと思います。オフェンスはどうしても波がありますが、ディフェンスはどの試合も同じようにできるものだと思うので。オフェンスに関しては、今日は全体的に焦っていたというか、我慢し切れなかったところがあるので、もう少し落ち着いていけばいいシュートが打てると思います。明日はそういった部分をしっかりやっていきたいと思います。

-第4Qだけで20得点しましたが、どんな気持ちでしたか?(新聞)
仙台さんは全体的にいいプレーをしていたと思いますが、自分自身は前半のプレーが全然ダメで、シュートも「入る」という感覚があったのですが、入っていませんでした。後半はもっと調子を上げていかなければというのがあったので、後半はアグレッシブに攻めて行きました。チームメイトも自分の力が必要であると思ったので、後半は積極的に得点を取っていこうと思いました。3Qはまあまあのパフォーマンスだったと思うんですけど、4Qは20点離されてしまっていて、自分は負けるのが大嫌いなんで負けたくないと思いましたし、なので20点負けている中でどんどんシュートを打っていこうと思いました。シュートが入って当たってきたので、とにかくどんどん打ち続けました。