Bリーグの各クラブにアナリストやビデオアナリストといった役職が存在している。
まだ馴染みのないアナリストとは一体どのようなことを行うのか千葉ジェッツの木村和希氏に話を伺った 。
アナリストの仕事とは
福岡で大学時代を過ごした木村がアナリストとしてスタートを切ったのは大学2年生のとき。
「九州には関東、関西でプレイすることが叶わなかった選手がいて、関東、関西に勝ちたいという目標はあったが、1年生、2年生と勝てずにいた時、鹿屋体育大学がアナリスト(琉球ゴールデンキングスの森重貴裕アシスタントコーチ)を採用してインカレベストエイト進出した」のを目の当たりにする。
「自分自身も分析や数字が好きだったこともあり、そういう部分でチームに貢献できるのではないかと思った」
「大学3年の時、まだ当時のオールジャパン(天皇杯)はオープンな大会で九州地区で勝てば正月の東京で試合できた。予選通過し、当時はNBDLだった東京エクセレンスと対戦することができた。そのときに初めてプロと本気で勝負して、プロのレベルやプロとはこういうことなのだと学ばせてもらった。相手は全く手を抜かずに試合して、自分はまだまだバスケを知らない」と実感したという。
プロになろうと思うきっかけになった出来事だった。
「アナリストとして食べていけるかと言われると当時の日本バスケ界は今ほどは開けていなかった。末広朋也(公益財団法人日本バスケットボール協会男子日本代表チームテクニカルスタッフ 名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15ヘッドコーチ)さんが日本代表の中で活躍されている姿を見て、頑張れば道も開ける」と信じ大学院を経て千葉ジェッツでキャリアをスタートさせる。
アナリストの定義は彼が所属する日本スポーツアナリスト協会(JSAA)によれば『選手及びチームを目標達成に導くために、情報戦略面で高いレベルでの専門性を持ってサポートするスペシャリスト』とある。
具体的な仕事について聞くと「内容としては映像、データの収集から分析し、提供する」 当然のことながら練習でも試合でもそれは行われる。
「練習に関しての映像はすべて自分が撮影や簡単に編集を行い、選手やコーチングスタッフに見せている。クラウド上に撮影したデータをアップし、選手はスマホなどを使えばすぐに映像を見ることができる。練習ごとに区切っているので、選手やコーチはどの練習の映像が見たいか検索すれば見ることができる」
2019-20シーズンからBリーグの全試合会場でリーグから提供させる映像をその場で見ることができるようになった。
例えば10秒前のプレイを見せてほしいといえばそれは可能だ。
「いつでも見せることができる準備をしているし、実際に多い。ベンチ隣にスキルコーチ(大村将基スキルディベロップメントコーチ)がいるので、『さっきのプレイ見せて』と言われることはよくある」