【プレミアム限定】WJBL 王者JXが圧倒的な試合運びで快勝。ラビッツはこの敗戦で1年目のシーズン7位が確定。(49-70)

2月4(土)、新潟市東総合スポーツセンターで開催されたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvsJXサンフラワーズ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

試合序盤からJXがインサイド、アウトサイドとも高確率にシュートを決めて試合をリード。センター陣がアウトサイドからシュートを狙うラビッツだがその確率は低く、第1Qで29-7、ハーフで40-14とJXが大量リード。後半、ラビッツも追い上げを見せるが試合の趨勢に影響は無く、JXが70-49で勝利を収めた。同日、トヨタが敗れたためJXのシーズン1位が確定し、一方、1年目のラビッツは7位が確定した。

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新潟アルビレックスBBラビッツ

荒順一HC

-今日の試合の総括について
作戦的には、あの子たちは思い切ってやってくれたと感じています。リズムに乗れなくて、特に近藤がビビってしまって。(シュートを)打つところで打たないのですが、それは今回やろうとしたこととは違うことなので。その意味でいけば、今日のデータ的には、3ポイントをセンター陣が5本入れて(高橋4本、菅野1本)、ガードが1本(星)。出岐は全然ダメ。あのように(アウトサイドに出た)センターのところに(ディフェンスの)フォワードが来れば、(味方の)フォワードに(ボールを)振って、そこで出岐やフォワードから攻撃しようということでした。

1Qのゾーンディフェンスが、特に高橋のところでの付き方がちょっと上手くなかったので、そこでミスマッチからゴール下(を攻められる)というのが一番キツかったです。(JXに)3ポイントを入れられるより、あのゴール下を押しこまれるというのがキツかったので。

2Q以降はそこを修正して、特に後半は高橋の(ディフェンスでの)付き方を変えていったら、インサイドに叩き込まれるプレーが止まってきて、相手も得点が止まったんですけど。明日も多分やることは一緒じゃないと守れないと思います。

リバウンド数を考えれば、ウチのシュートが落ちるからこれくらい負けるのはしょうがないとして(ラビッツ45-59JX)、オフェンスリバウンドが相手よりも取れたといのうのは(17-14)、あの子たちの頑張りがひとつ、ここに現れているのではないかと思います。

満足は出来ませんけど、高橋選手のプレーとか、何かを考えていけば、作戦的にも、来年に繋がる何かを見せてくれたかなと思います。高橋については、ブロックもリバウンドも得点も、結構しっかりやってくれたと思います。ただ高橋はそれくらいの得点は読めるんですから、今日は出岐の点数が足りないのはあります(4pts)。近藤とか君山とか、そういったところでもっとしっかり点数を取れるようにならないと、結果的に50点という形になってしまいますね。

でも何か、今までとは違ったものが見えたような気がします。それについては今日の試合前にも話していて、見ていた皆さんも、選手はそのようにやってくれているなと、今までとは違ったラビッツが見えたのではないかと思います。来年の布石にはなれたと思います。

インサイドでひとつ取れる選手がいれば、イン-アウトというのが出来ると思うんですけど。本来であれば、4番、5番の選手が3ポイントを5本入れるというバスケットでは、勝てないと思うんですが、選手個人個人のポテンシャルを高める方法を見つけ出していくという意味では、将来、あの子たちがそういったプレーも出来るということも言えると思います。

1Qが全てでしたけど、2Q以降はそれなりに戦っていけたと思います。

-インサイドの選手が外へ出てディフェンスが寄って、そこからフォワードへの展開が上手くできなかったのでしょうか?(新聞)
まずは(ディフェンスを)引き出してきて、そこから中へ行くよりはまずは打つというプレーを第一にやらせました。パスの精度とか、もっとそこが上手くいけばなんですが、これも(ラビッツが)背が低いからみんな(ディフェンスに)引っかかるんですよ。そういったパスの精度が良くなれば、(ディフェンスが)センターでは間に合わないからフォワードが(出てくる)とか、そんな風になると思うんです。

-今日の戦い方を前提として、明日は+αはあるのでしょうか?(雑誌)
今日は出岐選手の得点がほとんど無かったので、出岐選手を中心に攻めるプレーですね。後半は(出岐選手がインサイドに)入っていったんですけど、気負っていて、ちょっと精度が悪かったですね。

出岐は、3ポイントが0/7で2ポイントが2/8ですが、シューターというのは、打たなかったら仕事しなかった事になりますからね。入った入らないの仕事もあるんですけど、やはり打っていくといのは、シューターとしての大事な部分です。出岐は今日4点だったんですけど、それでどうのこうのというのは無くて、打つという仕事はそれなりにしてくれたと思います。

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#1高橋礼華選手

-今回はテーマ通りアウトサイドからのオフェンスが中心となりましたが(新聞)
練習中から全然入らなかったので、ビックリしています。(3ポイント4本は)入ったほうだと思います。練習中から全然入らなかったというのもあるんですけど、とりあえずボールを持ったら打っていこうというのは思っていたので、上手くいってよかったです。

-これだけ3ポイントを打つことはないですか?(新聞)
初めてかもです。代表でもあれだけバンバン打つことはないので。本当に初めてです。

-打ちながらだんだんと感覚を掴んだ感じでしょうか?(新聞)
1本入り始めれば、「今日は当たり日だな」と自分の中で気持ちが乗れたので。とりあえず入ってよかったです。

-最初が入ると乗っていけるタイプですか?(新聞)
そうですね、1本入ればディフェンスもオフェンスも乗っていけるんですけど、今日は自分の中でいいリズムでゲームに入れたと思います。

-今回の戦い方は新しいチャレンジだったと思いますが、チーム全体としてどのように捉えていますか?(新聞)
JXとはまともにやっても歯が立たないので、大きいセンター陣を(外に)引き出して、そこからドライブ仕掛けたりとか、3ポイントを打つというのを今週はずっとやってきました。それは40分通して出来たと思うし、そこは収穫だったのではないかと思います。

-その戦い方は迷いなく出来ましたか?(雑誌)
今週は、監督から「センターは打っていけ」と言われていたので、シュートに関しては全く迷い無く打つことが出来ました。

-そのような戦い方から普段のセットでの攻めに切り替える時に、やりづらさはありしたか?(新聞)
セットプレーも何個かあったんですけど、今週のテーマは私は外から狙っていくということで、それは40分通して出来たと思います。

-このような戦い方もできるという手応えはありましたか?(雑誌)
監督も「来シーズンに繋げるために思い切ってやれ」と言ってくれたので、来シーズンに繋がる思い切りの良さが出たと思います。

-大きなチームに対しては高橋選手のリバウンドの重要性が更に増しますが、そのような状況には慣れたでしょうか?(新聞)
シーズンを通して自分の仕事はリバウンドであったりディフェンスであったりシュートを決めることであったり、仕事は多いんですけど、今まで以上に自覚を持ってシーズンに入ることが出来ましたし、いい状態でここまで来たのではないかと思います。

-今日は13リバウンドに4ブロックショット、3ポイントが4本ありました。明日はどのようにプレーしたいですか?(雑誌)
監督が明日どのようなオフェンスにするのか指示があると思うんですけど、明日は明日でJXもアジャストしてくるだろうし、その中でもどんどんシュートを狙っていって、いい形でシーズンを締めくくりたいと思います。

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#7星希望選手、#22川上聖子選手
※質問は全てバスナビ

-今回はインサイドの選手がアウトサイドからシュートを狙うというゲームプランがありましたが、それがなかなか決まりませんでした。後半以降はガード陣がよりインサイドへアタックする姿勢が見られ、これが得点に結びつく場面も見られましたが、ガード陣がより積極的な姿勢でゲームに入れなかったのでしょうか?
(星希望)
練習では、ガードもフォワードもセンターも積極的にシュートを狙っていこうという形だったんですが、(ゲームの)作りとして、前半はセンターがシュートを打つことが多くなったと思います。結果的に決めたのはセンターが多くなったんですが、それに自分もこだわってしまいました。(それを)表現しよう、表現しようというとした結果なんですが、それだけで得点も伸びずに終わってしまったという反省はあります。

-後半の積極的な姿勢は意識したものですか?
(星希望)
意識していました。前半は私の得点も無かったので、センターだけが3ポイントを決めているというのもあったし、リングに向かって行こうというのは1試合通しての目標だったので、後半もリングに向かおうというのはありました。結果、リバウンドからのシュートとか、ジャンプシュートも入ったので、そこは、ずっとリングを見続けた結果かなと思います。

-同じ質問ですが、川上選手はどうですか?
(川上聖子)
今年に入ってから自分のシュートに自信が無くて、(ディフェンスが)出てこないのに突っ込んでいって潰されてというのをずっとやられていました。外のシュートを練習しても、試合では打てなくなってしまって、中途半端に突っ込んでしまって。レイアップも、JXはセンターの寄りが速いので、外に捌くのか自分で行くかという駆け引きなんですが、迷ってしまってレイアップが外れたりとか。そこでしっかりパスするならパスするで、正確にというより迷いなく判断して行ければ良かったんですけど、自分の中でまだ迷いがありました。

ハーフタイムに荒さんから、「行くなら行け」と。練習の時は外から打てと言われてたんですが、試合では、「突っ込むなら突っ込むでいいから行け」と言われて。そう言われて「やっていいんだ」と思ってから、自分の気持ち的にも楽になって、行くなら行く、打つなら打つ、(ディフェンスが)来るならセンターが空いているんでパスするとか、迷いなくプレーが出来るようになったので、良かったと思います。

-この試合に限らずシーズンを通してですが、チームの悪い流れを変えられないまま時間が過ぎてしまうという場面がよく見られますが、ゲームを作る立場のガードとして、この部分についてどう考えていますか?
(星希望)
1試合の中で、1週間練習してきたことがどのくらい相手に効いてどこがダメかということを、試合の中で修正できる力が私達全体に足りないというのは感じています。これは課題だと思いますが、では全部出来ないかといえばそうではないと思います。1試合の中で意地でもこれだけは、というのを3Q、4Qになってやっと出せるという試合はあって、ではなぜ最初から出来ないのだろう?というのは、見ている人も思うだろうし、私達も思っています。

来シーズンの課題に残りますけど、1試合でどれだけ自分達を変えていくのか?というのが、1シーズンやってきての課題だと感じています。

(川上聖子)
やはりミスを怖がったプレーをして、得点が離れてしまうと、逆に思い切りやってるというか。開き直りじゃないですけど、気持ち的に楽になっているのかなと。それも、試合が終わって次の試合に向けての練習が始まる時に、練習の持って行き方とか、盛り上げ方がちょっと足りないのかな、というのは個人的に思っています。

それはやはり誰かがやるんじゃなくて、自分が出来ないとどうにも出来ないし、(メンバーの)年齢も近いのに言い合えないというか、練習中に声を出さないなら、「なぜ声を出さないの」と言えないとか。最初に自分がやって、それがどんどん広まるというのがいいんですけど、気づかなかったり、自分のことでいっぱいいっぱいだったりする人もいるので、全員の気持ちが乗って行かないと(勝つのは)難しいと思います。週末の試合に向けて、もっと練習から盛り上げていかなければと思います。

-ゲームの出だしでビハインドになるという試合が続いていますが、立ち上がりの悪さいついては、ガードの立場からどう考えていますか?
(星希望)
自分的には、出だしはしっかり1本作っていこうと思っているんですけど、それが周りの硬さという印象に繋がっているかもしれません。でも気持ち的にはみんな(試合に)入っていると思うし、シーズンを通して、1Qから離されるのは絶対に避けたいというのはみんな思っていました。それをまとめるのが私の仕事だと思いますし、気持ちをひとつにしてリングに向かいたいとは思っていますが、まだ出来ないですね。

(川上聖子)
今の時点では自分がガードとしてどうこうというのは出来ないので、例えば他の選手が何をしたいのか?とかのほうが言いやすいので、そこを聞くとか、自分でリバウンドとかルーズボールだったりとか、そこで流れを持っていけたらチームももっと流れがよくなって、自分達らしいプレーが出来ると思ってます。

勝った三菱戦やアイシン戦では、前半から流れが良くて、オフェンスリバウンドが取れたりとかディフェンスが良かったりしたので、他の選手を助けることもそうだし、自分が何が出来るのかと言えば、ディフェンスリバウンドに飛び込んだり、ルーズボールやディフェンスを頑張るところだったりするので、そういったところから流れを持って行って、オフェンスでは走りまわって、自分がおとりになって周りが空くんであれば、出岐さんとかのほうが確率もいいし、チームも乗ると思うので、それが自分の持ち味のひとつでもあるし、立場も考えていきたいです。「気迫が無い」とこの頃言われるので、そういった部分で自分が最初から出していけば、みんなも乗れると思います。