【プレミアム限定】WJBL 好調デンソーが試合序盤からラビッツを圧倒し、20点差の快勝。ラビッツは5連敗。(51-71)

1月21日(土)、長岡市民体育館で開催されたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvsデンソーアイリス戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

オールジャパンを準優勝で終えたデンソーに対し、初戦で敗戦となったラビッツの対戦。試合はこのチームの勢いを現したような内容となり、立ち上がりからリードするデンソーをラビッツが追いかける展開。ゴール下を支配し、アウトサイドからも着実にシュートを決めるデンソーに対し、ラビッツは最期まで点差を詰められず、20点差で敗れた。

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新潟アルビレックスBBラビッツ

荒順一HC

-今日の試合の総括について
結果的には今までのような、去年までのパターンから脱皮できないと言うか、やはり得点が50点と、60点を取ることが出来ない形です。

ディフェンスで70点というのは、このチームであれば覚悟しなければいけないです。今日は(ディフェンスで)ちょっと前から出た分、相手も少しリズムが狂っていた部分もあったと思います。

オフェンス、特に1Qは出岐であるとか、高橋、川上、この辺の気負いがあったのではないかと思います。今までのシュートのタイミングではなくて、思い切って攻めるんだという意識、気持ちが強くて。得点を取りに行こうという気持ちは分かるんですけど、バスケットはそう簡単ではなくて、無理なシュートを打って点が伸びていくということは無いので、やはりその辺を整理してもらえればよかったと思います。オフェンスで点を取るために何をしたらいいんだろう?ということで、1対1を強調したりしているんですけど、それが無理なプレー、気負いだけのプレーだけになっていくと、それでは点を取ることが出来ない。

後半に入って、本来のエイトクロスというか、ウチの基本とするカットから入るプレーで、少しオフェンスのリズムも戻ったと思います。明日はオフェンスで基本のところを軸にした組み立てをしたいと思います。

今回はディフェンスでもっと広い範囲から仕掛けていこうというのがテーマだったんですが、彼女達に言ったのは、なんだか踊っているだけで、肝心なボールにプレッシャーがかかっていないということです。前からボールに出るんですけど、そういった効果が現れていませんでした。明日はもう少し強い当たりで出ることから行って、ディフェンスから(ゲームに)入りたいと思っています。

その中で相手のターンオーバーは21、ウチも21なんですけど、これは数字的には、今までと違った効果が現れたのかもしれないと思っています。(ディフェンスで)当たりに行っていた分、相手のターンオーバーが多くなったのかなと思います。

今週はディフェンスから少し強く当たって行きながら、どうやって点を取るか?というのにテーマを絞っていたのですが、明日も(そうやって)戦っていきたいと思います。久々のゲームで、1Qの気負いがちょっと無理なプレーを生んでしまい、点が上手く伸びなかったというのがあるかもしれません。

デンソーさんに勝つには、この71点を下げるのはなかなか難しいと思います。この20点のビハインドが重くのしかかってますけど、来年のためにも、50点台で60点取れないという新潟の得点力ではなかなか勝ちが見えないので、引き続き、70点を取れるように頑張りたいと思います。

情けないのは、このFT。例えばFGが取れなくても、ファウルを貰って得点を入れるチャンスがあるのにきちんと決めていけない。これもリズムに乗れないひとつの原因ですよね。FTというのは選手の気持ちで打つものですから。そこはしっかりやってもらいたいと思います。

-相手チームとのシュートの決定力の違いについては?(新聞)
後半は高田(真)選手も休んだりしていましたけど、やはり高田(真)選手のように最後までしっかり攻撃が出来る、そういった選手がいる、いないの差はあると思います。デンソーさんの成績が上がってきているのは、中と外のバランスがいいチームに出来上がってきているというのがあると思います。

ウチはそういう人材がいないので、ああいったバスケットはできないと思いますけど、バスケットのチーム自体としては、デンソーさんは非常にバランスのいいチームが出来てきていると思います。

-ベンチメンバーを使う時間も多くなりましたが、この効果は?(新聞)
君山選手は、プレイングタイムを多くして使っていくという事だったんですけど、今日は近藤選手のリズムが非常に悪かったです。高田(真)選手に付かれていて、リバウンディングもシュートも逃げながらやっているというか。今日は近藤選手のいい持ち味が出なかったと思います。その面から考えると、今日の近藤選手の不調は、菅野選手に頼るしか無いというところでした。

君山選手は、ガードとしての役割は今ひとつですけど、今日の4Qでもガードのポジションでシュートを決めてましたが、(ガードとして)どうなるか?ということで使ってみました。2Qの君山を見ていたら、ガードになってしまった感じがあったんですね。フォワードの時のように自分のシュートチャンスは狙えない、パスの意識が強いプレーが見えました。今日も君山選手には言おうと思いますけど、あくまでガードのポジションであっても、得点を取ることを期待されているガードということを強調して、育てていきたいと思います。

玉井が、ちょっとポイントが掴めなくなってますね。

-シュートの成功率の低さについて、シュートそのものの精度と、シュートに至るプロセス、どちらが課題でしょうか?(バズナビ)

結果的には、この38%、40%というFG確率は(シーズンを通して)ずっと続いている数字なので、一概に気負いが理由だとは思わないのですが、やはり相手がピシャッと決めるシュートが(ラビッツは)決まらない。このシュートの確率の問題は、まだ(チームに)残ってます。

ただ打ちに行くまでのプロセスが、1Qはしっかり出来無かったかなと。後半になってくるとそのプロセスは出来ているので、あとは決めるか決めないかになると思います。

明日はもうちょっとしっかり(オフェンスを)作りながら、シュートを打つのを見てみたいと思います。

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#53近藤沙奈選手

-今日の試合はどのような気持ちで入りましたか?(新聞)
オールジャパンで勝たなければいけない試合に負けてしまったことはチームで分かっていたので、その次の試合で、その悔しさをしっかりとコートで出そうと試合に臨みました。

-試合の序盤でなかなか得点できなかったことについては?(新聞)
プレッシャーや緊張という訳ではないんですけど、今日の試合はディフェンスをしっかりやるということを重視していたのですが、そこで相手の大きい選手にインサイドで点を取られることが多くて、自分達のリズムをなかなか作れなかったのではないかと思います。

-やはり相手の大きさは感じましたか?(新聞)
個人的には、相手の一番大きな選手に付かれているということで、もうちょっと状況を見てしっかりシュートを打たなければいけないのに、相手の大きさもあって最初の1本、2本を急いで打つというか、焦って打ってしまった部分もあって、そこはしっかり自分のリズムで打てればよかったと反省してます。

-ディフェンスで手応えを感じた部分はありましたか?(新聞)
全部が全部、ディフェンスで出来た訳じゃないんですけど、ダブルチームにいくところとか、ディフェンスを頑張ってマイボールにした後の速い攻めとか、何本かはあったと思います。そこは明日に繋がる部分だと思います。

-サイズのある相手とのマッチアップについて、出来た部分と出来なかった部分について教えて下さい(バスナビ)
出来なかった部分のほうが多かったんですけど、やはりシュートの部分で、相手との距離を保って外を打つとか、(ディフェンスが)大きい分、それを考えて自分のシュートを打てれば良かったのに、ちょっと(距離を)詰めてしまって、焦ってシュートを打ってしまった部分がありました。

あとはディフェンスに意識が行ってしまい、オフェンスリバウンドに飛び込むことも出来なかったと思います。

出来た部分は、相手に(ディフェンスで)詰められた時に、一人抜ければ、ヘルプに寄ってきてパスを出せるというのが、ひとつふたつあったので、そこは頭に入れて明日もやりたいと思います。

-やはりインサイドでは相手の大きさを感じましたか?(バスナビ)
マンツーの場合は、私は高田(真)選手ではなくて牛田選手についているので、そこまで身長差もないし、体格の部分でもそんなに変わらないというか、それ程ガタイがいい訳ではないので、牛田選手との体格の差はそんなに感じないです。

ただゾーンで相手が中に入ってきた時に、どうしても身長と幅のある選手に対して、もう少しうまく守るとか・・・。ゾーンなのでどうにかパスが入らないように守った後のボックスアウトがなかなか出来ないというのがありました。そこの難しさは感じます。

-練習では自分より大きな選手とマッチアップする機会が少ないと思いますが、やはり試合ではこのような場面も出てくる訳で、そこは厳しい部分でしょうか?(バスナビ)
そうですね、8人しかいないので、練習で上手い大きな選手と競いあう部分がないというのはあると思います。高橋さんとマッチアップするといろいろ学ぶ部分も多いし、盗む部分もあるんですけど、やはり他の(チームの)5番ポジションの人はプレーが違うので。衛藤コーチが時々入ってセンタープレーをやってくれるので、そういった部分でイメージしながらやっているんですけど、やはり試合は違う部分があると思います。

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#34出岐奏選手

-今日の試合について
リーグが再開して後半戦ですが、このメンバーでやるのはあと6試合と決まったから、自分達が今までやってきたことを出さないといけないし、ホームで応援してくださる新潟の人達と、一緒に勝ったという星を取りたかったです。それがやはり自分達にミスが多くて、点を取れないというのに繋がったという感じです。

今週はディフェンスを重点的にやってきたんですけど、それもまだ足りないところがあって点を取られてしまい、オフェンスもダメでディフェンスもダメで、という悪循環な感じでした。

-立ち上がりの悪さについては?(新聞)
ウチがやるべきことは、オフェンスでは、動いてリズムを作るというオフェンスなのに、それが止まってしまいました。止まった所から動かすというのはなかなか難しいので、出だしから自分達のペースにしないとです。今日は相手のシュートが出だしから入って、相手のほうが先にリズムに乗ったのを、止めることが出来ない感じでした。立て直す力が無かったです。

-前回のデンソー戦は怪我で欠場していましたが、今回やってみた印象は?(新聞)
今シーズンでのデンソーは初めてだったんですけど、去年も一昨年もやってるし、あまりメンバーも変わってないので、大体どんなことをやってくるかは分かっていました。それをウチがチームディフェンスで止めることが出来ませんでした。

-残り5試合はどのように戦いますか?(新聞)
自分達がやることをやれば戦えないことはないと思うし、そういった姿を見せることが出来れば、自分達もいい形で終われるのではないかと思っています。失うものは何もないですから、常にチャレンジ精神でぶつかっていく、気持ちを全面に出してやりたいと思います。

トーナメントとリーグはまた戦い方も違うし、そこをズルズルひきずっていたら自分達のプレーも出来ないから、そこはしっかり切り替えて、明日の試合に全力を尽くしたいです。

-荒HCは立ち上がりのオフェンスで気負っていたという表現をしていましたが、実際のコート上ではどのような状態でプレーしていましたか?(バスナビ)
シュートをいい形で打てなかった、打たなきゃいけないから打ったとか、そういったのが多かったと思います。自分達のリズムで作って作って、それでシュートなら外れてもリバウンドに行けるタイミングだと思うし。だけど多分、(自分達が)動けてなくて、動けないまま無理なシュートセレクションになったのが多かったから、リズムに乗れなかったのかなと思います。

-その意味では、シュートそのものよりその前のプロセスの部分が課題ということですね?(バスナビ)
自分達のシュートまでの動きを作れなかったですね。あまりセットオフェンスにこだわらずに、ディフェンスを頑張ってマイボールにして、ボールを前にすすめるという練習をしてきたんですけど、なかなかディフェンスが機能しなくて、(オフェンスで)セットになった時に、パスから入るというか、パスを探したり、一人抜けば5対4なのに、攻め気が無かった訳じゃないんですけど、そこは躊躇じゃないですけど、そういったものがあったと思います。