10月15日(土) 住吉スポーツセンターで行われた 大阪エヴェッサ vs 高松ファイブアローズ 試合後インタビュー。(文=金澤 朱志)
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スコアボード
10月15日(土)18:00
– | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
大阪エヴェッサ | 26 | 16 | 18 | 19 | 79 |
高松ファイブアローズ | 7 | 19 | 18 | 16 | 60 |
【スタート】
大阪エヴェッサ:#1ローレンス・ブラックレッジ、#6竹田智史、#11青木康平、#44リン・ワシントン、#50ウェイン・マーシャル
高松ファイブアローズ:#1マイケル・ナナリー、#7ポール・ビュートラック、#10堤啓士朗、#11菊池宏之、#41高田秀一
【レフリー】
伊藤 正志(いとう まさし)/井村 延広(いむら のぶひろ)/ジェラルド・シャーバー(Gerald Sharber)
【観客者数】
1622人
【主な個人スタッツ】
大阪エヴェッサ:ワシントン18点12リバウンド、高田紘久6アシスト、ブラックレッジ14点2ブロックショット
高松ファイブアローズ:ナナリー13点11リバウンド、堤6点5リバウンド5アシスト3スティール
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大阪エヴェッサ
ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
開幕戦にしては非常に良い試合が出来た。前半に関してはアグレッシブなオフェンス、ディフェンスが出来た。ただ後半に入ってターンオーバーが11個もあったので、そこは気を引き締めて、明日修正していかなければならないところだと考えています。
―2Q以降、比較的競った展開になったんですがこれについてコーチはどういう見解ですか?
相手ももちろんプロですし、40分間の中でこういったことになるのは当然のことかなと考えています。ただそういった中でも引き続き集中して競い合っていくのが大切だと思っていますので、気を引き締めて頑張っていこうと思います。
―今年のエヴェッサが目指すバスケットボールのスタイルは?
オフェンス面に関しては、ウェイン(マーシャル)、リン(ワシントン)、康平(青木康平)、タケ(竹田智史)、今日ベンチから良い仕事をした大輔(田村大輔)など得点の取れる選手がたくさんいますし、みんな自己中心的では無い選手が揃っています。そういったところでボールも良く回せていますし問題ない。テーマとしてはディフェンス。ディフェンスからチームを組み立てていく、ディフェンスから戦っていく姿勢を目指していきたい。
今シーズンから加入したベル(ラベル・ペイン)、タケ(竹田智史)は共に運動能力に長けているのでオフェンスでも武器になりますが、ディフェンスでは更に相手に対して効果的に使えるんじゃないかなと思ってます。
―青木康平選手に期待したいことは何ですか?
康平はプレーオフなど数多くの大きな試合で結果を残していますので、その経験をチームに伝えることはもちろんのこと、バスケットボールのIQが高い選手でボールをシェア出来ますし、チームが必要としている得点を彼はすることができます。
―リン・ワシントン選手が5000点を獲得しましたがどのように感じますか?(コーチとしては)2年ご覧になって彼の凄さはどこにありますか?
5000点は素晴らしい記録だと思っています。大阪エヴェッサに初年度からずっと在籍して3度の優勝、昨年までファイナルフォーに出なかったシーズンが無いという彼の残してきた功績が全て詰まっているのが5000点だと思います。
また彼は長いことプレーしていますが、その中でも努力を怠らずやってきていますし体型を維持するというプロのアスリートとして鏡となるような選手だと思いますし、精神面でも非常に強い部分がありますので、全てが備わった結果が5000点につながっていると思います。
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リン・ワシントン選手
―今日のゲームについて
1Qはベストと言えるような試合展開でした。2Qもそんなに悪くなかった。3Qはまずまずで、4Qは良くなかった。全てのクォーターを通して良いプレーが出来るように、また課題としてやっていきたい。
―5000点取った感想はどうですか?
正直に言うと個人的にはそんなに重要じゃないと考えています。もちろんファンにとってはすごく喜ばしいことだと思いますので(そういった面では)大切ですが、やはりチームとして勝つこと、ハードにプレーすることが一番大切だと思います。今後通算何点目を取ったということもあるでしょうけど、まずは勝つということ、ハードにプレーすることを中心にやっていきたいと思います。
―5000点取ってきた中で、リン・ワシントン選手ご自身の中で印象に残ってるシーンなどありますか?
いつかは憶えてないんですが(ライジング)福岡戦で、チームは負けてしまったんですが、48点を記録した試合が一番思い出に残っています。
―日本に来た時は、5000点取るほど長く日本でプレーすると思ってましたか?
新潟にいた時から含めてここから離れたくないなって思っていた部分がありましたので、正直に言うとその頃からどういうビジョンで、どういう目的で、という将来設計までは立てていなかったんですが少しでも長く残りたいという気持ちはありました。それが5000点という結果に繋がったと思います。
―今後この得点はどれぐらいまで伸ばしたいというのはありますか?
そんなに記録を伸ばす前に引退するんじゃないかなと思います(笑)
―今年のチームのポテンシャルはどうですか?
康平(青木康平)、タケ(竹田智史)を加えて日本人選手もタレントが揃ってますし、ポテンシャルに関しては(リーグでも)トップだと思う。その中でも昨年から残っている選手も努力を続けた結果が今日(の試合の結果)にも現れていて大輔(田村大輔)、翔太(今野翔太)が良い結果を残してきている。引き続きチームとして熟成を高めていくことで、他の選手達も能力が際立ってくるんじゃないかなと考えています。
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青木康平選手
―試合を終えられた今の率直な感想をお願いします。
勝てたことが一番の収穫だったと思います。
―ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか?
チームが上手く回るように、ということを考えて。あとは調子の良い選手にパスを出そうかなと思ってました。
―ご自身の役割は?
シチュエーションによっては僕がアタックしなければいけない場面が出てくると思うんですけど、今日は比較的僕が行くっていう場面もなくてパスを回せば簡単にノーマークが出来たので、そういう点では満足してます。ただ今後僕がアタックしなくちゃいけないシチュエーションが出てくると思うので、その時はしっかりやっていきたいと思ってます。
―震災などいろんなことがあって、開幕のコートに立てた今の気持ちは?
3月にシーズンが終わってしまって、チーム(東京アパッチ)も休止した状況ですごい複雑な思いもあったんですけど、またこうやってプレー出来る、開幕のコートに戻ってこれた喜びをすごく感じてました。
―バスケットが出来ないかもしれないという状況もありましたけど、今エヴェッサでやれてる状況はどうですか?
バスケット選手としてプレー出来る環境があるっていうことは本当に最高だと思います。チームが休止したり、シーズンが途中で終わったりしたというのは僕にとってすごく衝撃的な出来事でしたし、今までも感じてないわけではないですけど「ありがたみ」を感じるようになりました。
―大阪のブースターの方に一言お願いします。
早く大阪に馴染んでチームがこの勢いのまま最後まで行きたい。チャンピオンから遠ざかっているので、その役割を僕も果たせたらなと思います。
―東京のブースターと違うところはありますか?
うーん、どうですかね。まだわからないですけど。今日も東京からブースターの方々が来てくれたし、やっぱりブースターっていうのは僕の中では地域関係なくて、応援してくれる方々っていうことで、一人ひとり大事に思ってます。
―今シーズンの最終的な目標はどこに置いてますか?
僕が大阪を選んだ理由というのはチャンピオンになれる力を持っていて、その可能性を秘めたチームだし、そこで自分が何か出来ることがあるんじゃないかなというところで。本来であれば東京が続けてあれば東京でチャンピオンになりたかったとずっと思っていたんですけど、こうなった以上チャンピオンは絶対取りたいので。そういう選択肢の中で大阪を選んで。やっぱりチャンピオンにならないと僕が来た意味は無いし、僕がこのチームに貢献出来ることはあると思うので、そこで十分力を発揮したいなと思ってます。
―青木選手がエヴェッサに貢献出来るといったことは具体的にはどういったことですか?
今日は得点でいうと2点なんですけど、相手が僕に持ってる印象は、以前のプレースタイルから言えばアウトサイドであったりアタックする印象を持ってると思うんです。ピック&ロールだったりそういうところで警戒してくるんじゃないかなと。今までの大阪エヴェッサのチームでガードが得点を取るとかピック&ロールを多く使ってくることはほとんど無かったので、オフェンスのオプションが増えるという意味ではそういうところで貢献出来ると思ってます。
―エヴェッサの黒いユニフォームを来た自分をご覧になっていかがですか?
(記者たちに逆に質問)どうですか?(笑) オールスターで黒とか着てたんで。最初はすごく違和感ありましたけど、プレシーズンがあって自分の写真とか見たりして意外と似合ってるんだなって思ってます。
―大阪に住んでみての印象は?
今住んでる地域かもしれませんがすごく住みやすいです。周りに何でもあるんで。
―大阪ならではの体験はありましたか?
コンビニ入ったらおじさんが来て、いきなり「今日阪神勝った?」て言われました。「いや、俺知らないっす」って。大阪に来たなぁーって感じですね。
―大阪の最初のチーム練習に参加した時の印象は?
はっきり言えば違和感ですよね。初めての移籍だったので。移籍慣れしてないし、他のチームのルールで練習するってことが初めてだったし。もちろん選手は知ってるんですけど。ただチームに合流して練習するってことが最初はすごい不思議な感じでした。
―やり方や進め方が違うのは具体的にはどこですか?
ヘッドコーチが変わればやり方はいろいろ変わるだろうし、僕もこのリーグに入って(ライアン・ブラックウェルHCが)4人目のHCなんですけど、基本はアメリカ人HCが多いのでそういった意味では違和感なく取り組めます。もしかしたら(HCが)日本人でやってたら「おっ」と思うところはあったのかもしれないですけど。
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高松ファイブアローズ
前田顕蔵HC
―今日の試合の総括について
見ての通りです。第1Q、すごく緊張しました。僕も選手も含めて緊張して浮き足立ってしまった。そこからリズムを立て直すのに時間がかかったというところが今日一番問題になった部分。それは今日の経験を生かして、明日は出だしから行けるようにやろうと思います。
―「開幕戦」の緊張ですか?
僕も初めてのヘッドコーチをさせてもらって、チームも選手が半分変わった中で、リーグの強豪である大阪と(試合を)やるということで不安があった中、ちょっと浮き足立ってしまったというのが本音です。
―スコア的には20点近くの差になったんですが、その中での今日の収穫は?
第1Qが思いっきり失敗したということが身に染みた経験になったかなと。それを明日どうやって選手が気持ちを作り、僕自身も作って戦えるのかというのが一番問題になると思います。あと良かったのは選手達が最後まで戦ったこと。すごく大きかったかなと。それがすごく嬉しかったです。
―後半の立ち上がりはテンポ良く攻めたと思いますが、あれは何かアドバイスがありましたか?
「緊張しないで行こう」と言いました。
―戦術的に何か指示をされたりとかは?
気持ちだけのことですね。
―外国人選手の出来はどうでしたか?
やっぱり昨年から所属する大阪の選手達のフィジカルの強さに対して、最初のほうは全然対応出来なかった。「タフに行け」と言い続けて終盤やっと最後のニカ(ウィリアムス)のプレーだったりとかが生まれてきたので、明日はしっかり対応出来ると思います。
ニカ(ウィリアムス)にも最後言ったんですけど、途中まで日本人選手も外国人選手も大阪の高さを気にし過ぎてシュートがそれてしまう、手打ちになってしまってたんですけど終盤はしっかりと気持ちを出して(シュートに)行ってくれたのですごく良かったと思います。
―ベンチメンバーを頻繁に変えてましたがあれは今シーズン目指していくスタイルでしょうか?
全員で戦いたいというのはもちろんありますが、今日に関してはケヴィン(スミス)がいなかったし長いシーズンなので外国人選手のローテーションというところをなるべく細目にやって、連続して10分出るようなことがないように意識した。日本人選手も駒はいるのでどんどんフレッシュな選手を出していきたいなと思って交代を使ってみました。
―オフェンスに関して現在のチームの完成度は?
良い時と悪い時(の差)がすごくある。しかも、しょうもないミスが出ている中で今日のターンオーバー15個というのは、もっと(ターンオーバーを)したんじゃないかなと思うぐらいでした。オフェンスの完成度としては良い部分(もあれば)、悪い時間帯というのがあるので、まだまだだなと思ってます。
―それではディフェンスに関しては?
今日あれだけやられて79失点は悪くないのかなと正直思っていますが、やっぱり守れる時間帯を40分間どれだけ出来るかっていうのが問題なので、そういう意味では完成度としては低いのかなという気はします。