【プレミアム限定】ラビッツが17点のビハインドから一気の大逆転でトヨタ紡織を下す。(73-66)

10月27日(土)、新潟市鳥屋野総合体育館で開催されたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvsトヨタ紡織サンシャインラビッツ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

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新潟アルビレックスBBラビッツ

荒順一HC

-今日の試合について
今日は、中川さんとの戦いだったんですよ。半分はね。中川さんが何を考えているかということで。私は1-2-2のマッチアップゾーンでいけると踏んだんですよ。1Qに上手くいったので、2Qもそれで通そうとしたんですけど、ちょっとゾーンにこだわり過ぎましたね。ハーフタイムに、3Qでとりあえず(点差を)一桁に縮めようということで、ロッカーでは「またゾーンをやる」と言ったんですけど、3分前になった時に、アイシンAW戦で上手くいったスイッチマンツーマンでいこうと。そこで切り替えたのが、結果的に良かったということですね。あとはウチが中途半端じゃなくて、まず攻め気を忘れない。まず走れということで、走るのがウチのリズムだから、リズムに乗って行こうと。前半はリバウンドを取っても、走りが足りなかったんですね。後半は走り切るぞ、ということでした。17点をひっくり返すのはめったにないんですけど、私のゾーンへのこだわりが選手を苦しめたというのもあります。選手たちの躍動感を持ちたいということで、スイッチマンツーマンですね。やはりゾーンというのは引いた守りですから、それでこの点差はダメかなということで、切り替えたのが良かったのかなと思います。今日は出岐が、途中で疲れてちょっと動けなくなったりしましたけど、よく最後まで走りきってくれたと思います。

-最初にゾーンで入った理由は?(新聞)
トヨタ紡織さんがこれまでやってきた8試合を見ると、やはりマンツーマンを上手く攻めているんですよ。これは相手のリズムだし、ウチもアイシンAW戦ではずっとスイッチマンツーマンをやっていたから、やはり中川さんは、スイッチマンツーマンを意識した取り組みをしてくるだろうと。ウチは1-2-2のゾーンをずっと使ってなかったですから、ゾーンでいこうと。裏には、中川さんはゾーンを攻められないというジンクスがあるので、それを使おうと思ったんですけど。ちょっとこだわり過ぎましたね。2Q途中で(ゾーンからマンツーに)切り替えたらどうだったか、というのはありますけど、(3Qに)あそこまでスイッチマンツーマンで抑えられたのは、予想外でしたね。あと、苦しいシュートになっても、リバウンドをよく取っていたと思います。(ゾーンにこだわって)ちょっと選手を苦しめてしまいました。今日は選手に助けられたと思いますよ。

-これで3連勝となりました(新聞)
トヨタ紡織さんは日立HTに2つ勝っていることもあって、紡織さんに一つは勝ちたいというのはありました。この17点ビハインドからの1勝というのは、本当に大きな1勝だと思いますね。これで8の壁(プレイオフ1stラウンドの8チーム)が見えてきたと思います。

-後半開始直前にゾーンからマンツーマンに切り替えようと思った理由は何ですか?(バスナビ)
ひらめきみたいなものなんですよ。ハーフタイムのロッカーでは、私が意地になって、ゾーンで勝負するんだと。ずっと練習してきたものですから、それでやりきってやろうかと思ったんですけど。もうひらめきしかないですかね。これで(マンツーで)後半ダメだったら、また明日ゾーンで強化しようということもあるし、1-3-1ゾーンに切り替えるというのも考えられるから、マンツーマンでやって相手がどうなるか、試してみないといけないな、というのもあったんですね。

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#34出岐奏選手
(38min、22pt、3pt5/11、8reb、3ast、4stl)

-今日の試合について
私たちが今シーズン勝てている試合というのは、1Qから自分たちのバスケットが出来た時に、いいゲームが出来て勝てるという試合が多くて、ビハインドから入ると流れを掴めないまま終わるということが多いです。今日も出だしから自分たちのバスケが出来るように、相手のリズムを崩せるように、ディフェンスからやっていきました。そのディフェンスがあまり機能しなくて、足も動いてなかったし、後手後手になって、オフェンスも上手くいきませんでした。ミスも多くて、悪循環のまま(前半の)20分が終わってしまいました。17点ビハインドで3Qを迎えたんですけど、一気に点差は縮まらないので、とりあえず一個ずつ一個ずつとみんなで言ってました。とにかくディフェンスリバウンドを取らないことには自分たちのボールにならないから、リバウンドを頑張ろうと言ってました。ディフェンスから走るところは走って、速攻に行けるようになってから自分たちの流れが出来て、17点という大きなビハインドだったけど、ひっくり返せたと思います。

-1Qのゾーンは機能していましたが、2Qに点差を離された原因は?(新聞)
1Qをやって、2Qになって相手が(ゾーンに)対応してきて、自分たちがそれを10分間、処理出来なかったです。そこで流れが向こうにいったと思います。

-そこでマンツーに切り替えて流れを持ってきたと(新聞)
ゾーンだとポジションを守っているので、リバウンドが取りづらいというのがあって、あと地域を守っているので、(オフェンスの)ピックアップがしにくいです。それでもディフェンスリバウンドは取らなければいけなかったんですが、マンツーだと一人ひとりがボックスアウトするという意識が強くて、リバウンドが取れたんじゃないかと思います。

-HCはゾーンにこだわり過ぎたという話でしたが(新聞)
最初からゾーンにして、相手のリズムを止めたいという理由だったんですけど、それがあまりうまく行きませんでした。で、今はリバウンドを取って走らなければいけない、(それが)まだまだだという話が(荒HCから)ハーフタイムにあって、それが実行できました。ディフェンスを頑張って、走るところは走るというのが、出来たと思います。

-自身のプレーについて(新聞)
私がシュートを打てたのは、まわりがドライブしてくれて、マークマンを引き寄せてノーマークにしてくれたり、スクリーンをかけてくれてそこにパスを出してくれたり。一番は、リバウンドを取ってくれてマイボールにしてくれたから私も走れたというのがあって、みんなで取った点数だと思います。あと、今シーズンはFTがずっと自分自身の課題なので、そこだけは解決したいです(この日のFTは3/6)。

-明日に向けては(新聞)
今日勝ったけど、勝ったから良しという部分もあるから、そのグレーな部分を明日解決出来るように。しっかり落ち着いてプレーをやれば勝負できない訳じゃないから、自分たちのバスケットを最初から出せるようにしたいです。そうすれば自ずと結果は出てくると思うので、何が何でも勝ちに行きたいと思います。

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#53近藤紗奈選手
(35min、16pt、FG6/9、FT4/4、9reb、3ast、3stl)

-後半のディフェンスが大きかったですか(新聞)
ディフェンスが変ったというのもあるし、自分たちがいい時というのは、ひとりひとりが攻め気をもっている時だと思うんですけど、2Qの途中から相手のリズムになって攻めに行けなかったところがあったと思います。3Qに入って、シュートを打つ時は打つし、フォワードの人は積極的にドライブしてくれました。そういうことによって流れが良くなって、リバウンドも入りやすくなるので、そうやって攻め気をもってオフェンスを出来たことが、そういった流れに繋がったのかなと思います。

-今シーズン最多得点でしたが、手応えは(新聞)
1Qが自分自身でもすごく大事だと思っていて、今日は1Qでたぶん10点取れたんですけど、もらったFTをしっかり決めれるとか、フォワードの人がパスしてくれたのを、しっかり自分のシュートが打てました。そうやって1Qで自分の流れを作れたので、その後も、例えばシュートが落ちたとしてもいいシュートを打てたりとか、自分の攻めをしっかり出来ていれば、気持ち的に安定というか、しっかりした心境でバスケが出来ていました。最初に自分のリズムを作れたというのが良かったのかなと思います。今までは1Qでファウルが混んだりとかそういった事が多くて、あまりいいシュートチャンスが来なかったりとか、なかなか前半でリズムを作れるということがありませんでした。個人的にはこの試合はすごくいい状態で出来たと思います。

-明日に向けて(新聞)
明日、勝つか負けるかで全然違うと思います。今日も最終的には勝てたけど、途中を考えると、相手に流れがいってもおかしくない試合だったと思うので、最初からしっかり自分たちのプレーをして、途中で気を抜くというか、ダラダラすることなく、1試合通して、自分たちのバスケットで勝てるようにしたいと思います。

-去年は高橋選手と対角でプレーしていましたが、今年は新加入の井上選手や小松選手とプレーしています。新しい選手たちとプレーする際に、意識することはありますか?(バスナビ)
スタートで出ている井上さんは、どちらかと言えば外が好きなので、あまり変わらないというか、むしろ私が(インサイドで)頑張らないとというのがあるんですけど、小松さんの時は、ハイポストでの合わせだったりとか、小松さんが下(ローポスト)にいるんだというのをいい意味で受けて、私がハイポストから打ったりとか。すごく意識しているということは無いですけど、多少、合わせを意識する部分はあるかなと思います。

-新加入の選手がいるので、今年は去年のような極端なプレータイムではなく、ある程度ローテーションしながら出場している状態になっています。これは自身のプレーに影響していますか?(バスナビ)
試合をやっている時に、正直、私としてはたくさん試合に出たいのですが、荒さんはリズムを変える為だとか、女子の場合だと1本シュート落としたら交代とかあるんですけど、もうちょっと(コートに)出ていたいなというのが、多いと言えば多いです。でもその分、いつも自分がスタートでいられるという保証もないし、小松さんにも井上さんにもそれぞれいい所があるので、自分も荒さんに練習でしっかり見せて、試合により多く出してもらえるように、信頼されるようにならなきゃいけないと、今は思ってます。

今年は危機感があると(バスナビ)
ありますね。去年も菅野さんがいたので無かった訳じゃないですけど。でも今年は人数が多くなった分、余計に危機感はありますね。

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#7星希望選手
(36min、6reb、4ast、1stl、1TO)

-この試合を勝てたのはチームにとって大きいですか(新聞)
トヨタ紡織さんには、プレイオフに残る為には負けられない相手だったので、2Qの悪い流れを作ってしまったのは反省点なんですけど、そこから17点ビハインドを勝ちきれたというのは、チームがまとまれば、諦めなければちゃんと出来るというのが見えたと思います。そういった波を無くしていかなければいけないとこの試合は感じました。

-試合後、センターコートでのコメントで開志学園(星選手の勤務先)について話されていましたね(新聞)
(開志学園に近い)鳥屋野ということもあって、生徒も先生方も応援に来てくれていました。私は職場の方に支えてもらっているというのが本当に大きいので、嬉しかったので言ってしまいました。生徒にも声をかけてもらって「頑張ろう」と思うし、先生方にも支えてもらっているので、見に来てもらった時に勝ちたくて。東総合(エバラ戦)にも見に来てくれたんですがその時は負けてしまって悔しかったので、今日は勝ちゲームを見せることが出来てよかったです。

-明日については(新聞)
今日は17点ビハインドの場面を作ってしまったので、相手も諦めてないというか、もっと詰めてくると思います。明日勝ち切って2勝して、本当の勝ちになると思うので、明日は更に気合を入れて、40分気持ちを入れて、みんなで試合の臨めるようにしたいです。