ラビッツがOTで三菱電機を下し今シーズン初の2連勝(77-75)

10月16日(日)、新潟市東総合体育館で行われたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvs三菱電機コアラーズ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

前日は前半のリードを追い上げられながらも何とか逃げきったラビッツ。この日は序盤から三菱のインサイドに圧倒されリードを許すも徐々に盛り返し、最後はホーム新潟の大声援に後押しされて延長の激戦を制し、今シーズン初の2連勝を飾る。

新潟アルビレックスBBラビッツ

#1高橋礼華選手、#34出岐奏選手(共同)

-今日の試合の総括について
出岐:今日は出だしが自分達のリズムになれなかったんですけど、粘って粘って、追いついて離されて、追いついて離されて、最後は延長まで行きましたが、こうやって勝ちきれたことは本当に自分達の自信になったと思うし、今は勝てて本当にほっとしています。
高橋:出岐さんも言った通り、2日目の出だしはどうしても悪くて、このまま離されちゃうかな?とちょっと思ったんですが、最後まで食らいつくことができました。諦めないという気持ちを一人一人が持てていたと思うので、それが勝利に繋がったと思うので、すごく嬉しかったです。

-出岐選手が延長戦で決勝となるシュートを決めました(雑誌)
出岐:今日はジャンプシュートが入ってなかったし、延長5分は足が攣ってたんですけど……ドライブが出来なかったのはそのせいじゃないですが(笑)。ドライブで行かなきゃいけない場面で行けてなかったので、決めないとという一心と、やはりゴール下のほうが確率がいいというのはありました。

-前日の試合を受けて、今日の試合で変えた点は?(新聞)
出岐:2試合やって、この2試合でアジャスト出来た部分もあるし、試合中に、「この人はこういったプレーをする」、「このチームはこうやって攻めてくる」というのが昨日でだいぶ頭に入っていました。あとはボールのある所からパスだったりシュートだったりドライブがあるのですが、シュートは一人でしか守れないけど、ドライブだと周りが絶対にカバーできるから、ドリブルをつかせようという話をみんなでしていました。中へドリブルで行かせたところをローテーションして苦しいシュートを打たせてリバウンドというのを意識していました。

-インサイドについては?(雑誌)
高橋:昨日は王さんにインサイドでゴリゴリやられて得点を取られました。今日も絶対に同じプレーで来るだろうと思ってたんですが、やはり守り切れない部分もあって、どうしても私がドライブからのカバーに出た時に捌かれて得点という場面もありました。そういった部分のカバーダウンについても、これからもっとしっかりやっていきたいと思います。

-この2試合で、スタミナ面で自信がついた部分はありますか?(雑誌)
出岐:自分と高橋はこのチームが始まった時からこのようになるのは分かっていたので、それなりの準備はしてきました。スタミナ面に関しては、いつも通りという感じです。ただ今日は5分多かったですけどね(笑)。

-今シーズン初の2連勝はチームにとって大きいですか?(新聞)
出岐:そうですね。先週もホームですごい応援があった中、2日目に押され負けてというのがありました。2日目に負けると1日目に勝っても1勝1敗でイーブンになってしまうので、今日2連勝できたのは本当に、本当に個人個人としても自信になったと思うし、チームとしても星の数が増えたので良かったと思います。

-このような応援は過去にはなかなか無かったと思いますが、実際にプレーしてみてどうですか?(雑誌)
出岐:ウチのチームはベンチが少ない分、そうやって周りから「頑張れ」とか、審判のジャッジに対しても声を出してくれるので、自分達の味方が周り一面にいてくれるし、どこからも応援の声が聞こえたので、それは本当に「頑張らないと」という気持ちにさせてもらいました。

-前日の試合を受けて、今日の試合は苦戦が予想され、そして実際に序盤は三菱ペースとなりましたが、気持ち的に受けてしまった所があったのでしょうか?(バスナビ)
出岐:自分の中ではそういった気持ちは無かったけれど、やはりプレーではそんな風になってしまって、第1Qはあのような点差が付いてしまったと思います。気持ちと一緒に体もそのように持って行かないと。2Qから出来るなら、最初から出来るように、そこも修正していきたいです。

-逆に第4Qから延長戦にかけてはラビッツの勢いで試合が進みましたが、気持ち的に「行ける」というのはありましたか?(バスナビ)
出岐:「勝てる」というのはありましたし、「負けられない」という気持ちも強かったです。

-これで3勝3敗となりました。次週からの試合への意気込みは?(新聞)
出岐:ホームで出来るというのは、本当に、自分達はチームが8人という事もあって、本当に周りからの声、声援だったり、拍手が力になると思います。ホームで出来ることに感謝して、それに恩返しできるようにプレーを全力で頑張りたいと思います。
高橋:ホームでこれだけ応援してもらえるというのはそうそう無いと思うので、すごく幸せに感じています。そのように応援してもらえるからこそ期待を裏切りたくないので、しっかりやっていきたいと思います。

********************

荒順一HC

-今日の試合について
今日こそ、気力で勝った(まさった)ゲームだったと思います。彼女達も話していましたが、諦めないという話。前半の出だし、マンツーマンの時にちょっと長く使いすぎたところがあって、三菱のリズムで13点差までリードされました。慌てずにしっかり付いていく、諦めないということを盛んに選手達に話していました。それ以上に、あの子達が粘る気力というのがすごく感じられた試合だったと思います。

(第2Qに)6点差まで追いついて前半を終わって、ここで何とか追いついていくのを、3Qでまた離れましたね。11点まで離れたんですね。普通ならここでリズム的におかしくなっていくのが、これを一時期は4点リードまで行きました。ちょっとガードのミスが出てもつれたゲームにしてしまいましたけど。

プレー的には、相手の弱点というのはインサイドに切れ込んでいった時に、相手の大きな選手にありますよと。それを前半は忘れていて、外からのシュートが多くなっちゃったんですね。最後の最後も、疲れてはいるけれど、外からシュートを打ったら勝てない。相手は外から打つかもしれないけど、ウチは外から打ったら勝てない。しっかりと作りながら、リングに向かっていってドライブをしていくというプレーに徹して欲しいということで、最後は出岐がドライブしながら(シュートを)入れましたけど、その前に出岐が止まってシュートを打ったんですよ。さっき(出岐が)「足が攣ってたから」とか言ってましたけど。昨日の勝利がそれだった訳で、そこを出だしから忘れてしまって。中への攻めを徹底して欲しいということで、それを最後に気力の中で見せてくれた勝利だったと思います。

-前日も5人がほぼフル出場という中での今日の勝利は大きいでしょうか?(新聞)
大きいですね。今日はもっとディレイド(オフェンス)でと思ったんですけど、ちょっと点差が離れてしまったので、ディレイドが出来なくなってしまったんです。ディレイドにしたらオフェンスのリズムがもっと悪くなってしまうかもしれないので。やはりもうちょっと早く攻めながら、中に切れ込んでいって、ですね。

その意味からしても、2日間走りきった子が3人くらいいますからね。その面では、あの子達は「体力は大丈夫」と言いましたけど、全然大丈夫じゃないですよ(笑)。大丈夫じゃないけど、気力だったんだと思います。それが、三菱を上回ったような気がします。本当に……勝ちはいいですね。

今日は聖子(#22川上)の起用が当たって、良くやってくれました。今日はPGの星が、ガードとしてちょっと狙いが絞りきれてなくて。あの子の考えている狙いどころがちょっと悪くて、途中で変えるしかなかったです。あの子はそこを勉強しないと、ガードとしてはまだまだかなと。

-前日、足を攣ったからとかではないんですね(新聞)
そうじゃないです。今日は、私達がパスを出して欲しいところの逆にパスを出していたんです。今ここならチャンスなのに、逆を選択してしまっているから。ちょっとチャンスが見えてない。案の定、最後にエンドからパスミスをしてしまって。前もあったんですよ。アイシン戦だったかな。勉強していけば、もっともっと分かってくると思います。

-川上選手に関しては、ある程度のターンオーバーは目をつぶってという感じでしょうか?(雑誌)
川上はディフェンスというよりオフェンスで使っています。玉井と君山では掴めなかった4試合なので、川上を入れてオフェンスのリズムを作ろうと。昨日が良かったから、やはりそういうリズムは捨てたくなかった。

-6試合を終えて、チームが成長しているのを感じますか?(新聞)
それは感じますよ。もうこんなに出来るはずがないと思ってましたから。特に近藤とか川上は、こんなにも出来るとは思わなかった、初めてのステージですから。その分、玉井あたりが1年経験した分、星もそうなんですけど、もうちょっと私のバスケットを理解してくれるかなと期待していました。ここがまだエンジンかかってませんね。ここをもうちょっと練習していかないと、5人のバスケットではキツいですね。8人いるんですから、8人出ればいいんですけどね。

-終盤の近藤選手のインサイドでのプレーについての評価は?(バスナビ)
近藤を一回(ベンチに)下げて、菅野を入れたんです。あの時は近藤が、(三菱の)王が(ベンチに)落ちているのに、藤井、近藤の高校の先輩なんですけど、3本やられたんです。あれが解決できなかったので、1回下げて、絶対に前に出られないようにと指示して。菅野にも、ファウルになってもそれだけはやられないように指示しました。あそこを止められないと、点差を追いつけないというのがありました。忘れてしまうんですよ、疲れてくると。

-菅野選手の腰については?(新聞)
腰の痛みは無くなっているんですけど、やはり1ヶ月休んだのでプレーであるとか筋力であるとか。今はまだ感覚が戻ってないと思います。徐々に行けると思います。最初は菅野をスタートで走るつもりだったんですからね。早い復調を待ってます。