【B.LEAGUE】2019-20シーズン B.LEAGUEクラブライセンス第1回判定結果

大河チェアマンへの質疑応答

3期連続の赤字が判明するのは19年6月決算期となるが、4月までにライセンス交付するのは見通しで審査することになるのか
どのクラブも3期連続で赤字を乗り切れる確証を得られるのが一番ベスト。微妙なケースは一旦はライセンス交付するしかないが、8月くらいまでに赤字かどうか判明するのでライセンスの取り消しなど厳格に対応せざるを得ない。

3月の理事会で持ち越され、4月の理事会で劇的に変化して交付される可能性は低いと思われる。そもそもなぜ3月と4月に分かれて交付されているのか
原則では3月中に交付されなければならないが、理事会の開催時期が3月前半でもあり、またリーグがまだ3年目ということもあり2回分けてできる限りチャンスをみて交付させたいのが趣旨だ。将来的には1回にするつもりだ。
劇的に変わるかどうか質問だが、火事場の馬鹿力ではないが意外と変わる。追い込まれると人間は頑張る。その頑張りが翌期につながるケースをサッカーでも見ているので、頑張ったほうが良い。ただ施設基準については行政がからむ問題でもあり、そこは簡単にはいかないと思う。

福島ファイヤーボンズの黒字の見通しをついているのか
見通しはついている。ほぼ黒字でいけると思うが、万が一の場合はグループ会社からのさらに支援して黒字化するという確約を得ている。

3月から4月の変化だが、翌期に結ぶスポンサー契約を前倒しすることなどが可能なのか
厳格にはB1ライセンスは『発生主義(会計)』で来期結ぶスポンサー契約を前借りしても決算上は来期の収益にしかならない。それをもって黒字化するこは難しい。原則は今シーズンなんとかする必要がある。
たとえだが、今シーズン1000万で契約したスポンサー料をさかのぼって1500万で契約し直してもらう。そうすれば今シーズンの収益として500万増えることになる。
3月から6月まで新規スポンサーになりにくいので、3月から来年6月までの1年3ヶ月または1年4ヶ月で契約し、その3,4ヶ月のスポンサー料を計上する。
最後の1枚でも多くチケットを売り、グッズを沢山売るという「バネ」は働くと思う。
奈良は今シーズンの当初は今期も赤字だと思っていたが、リーグのスタッフが奈良へ行き何度も何度も向き合ったおかげでクラブ職員全員「黒字化」が合言葉のようになっていった。一回自信がつけば変わるので、そういった意味で「バネ」は働くと思う。

信州はそもそもB2のラインセンスしか申請していないのか
そういうことになる。

地元の報道(長野県)では首位を走ることもあり、急ピッチにアリーナ基準を充たすことに努力をしていたが、申請できないことについて率直な感想は
理解は出来ないわけではないが、周囲の雰囲気もあり(クラブ側が)言い出しにくくなったのではないか。
われわれも直接行政に説明して、それでも行政側は次のチャンスを待つと言ってくれている。
そもそもな話となるが、債務超過しているのは往々にして選手などの人件費を身の丈以上に使っている。ファイナンシャル・フェアプレーとは言えない。身の丈を守るクラブからすると、債務超過に陥っても選手に投資して強くなれば良いのであれば、強くしてB1に昇格してから実は債務超過でしたと言えてしまう。競技としてのフェアプレーは勿論だが、ファイナンシャル・フェアプレーをするというのがライセンスの趣旨でもある。
身の丈を大きくしてから人件費をかけることは良いことだと思う。

今の説明では長野の行政ともコンタクトは取っていることになるが
すでに取っている。(B1昇格の報道が)地元メディアなどで出ていて勘違いから傷つく人もいるので、本来クラブから説明する正しい情報をわれわれも一緒になって説明した。そのうえで(行政側が)応援してくると言ってくれたことはありがたい。

行政側へ説明も含めてアリーナ変更の認定につながったのか
そういうことだと思う。今シーズン末までに債務超過を解消しないと来シーズンも同しこと(B1ライセンスへの交付ができない)になる

福島、奈良以外のB2の3期連続赤字クラブについて
話のできる範囲では西宮、島根はオーナーがしっかりしている。しかしオーナー側が赤字だからいって補填し続けることはモラルの問題からもできない。クラブが自立した経営がしているということで、オーナー側がスポンサー料を出すことになる。それがクラブの最後の頑張りだと思う。群馬のオーナー的な存在がいるが、奈良には居ないので自力で頑張るしかない。同じことは金沢にも言える。

アリーナ基準として新設アリーナの計画が今シーズン出てきたクラブはあるのか
東京エクセレンスがそれに該当する。アリーナの基準でB3へ降格しているので、新設計画がうまく行き着くかどうかが(ライセンス交付の)ポイントになると思う。

アルバルク東京の代々木第一体育館利用は新設計画が遅れていることが要因か
東京オリンピックの問題もあり、計画が後ろ倒しになっている。アルバルクだけがずっと後ろ倒しでも良いわけではないし、22-23シーズンまでに各クラブには5000人規模のアリーナ新設または確保をお願いしていて、アルバルクとも話を続けた結果として代々木第一の利用となった。

栃木と滋賀は国体で体育館建設が予定されているが、栃木は国体以降もブレックスアリーナを利用するのか
栃木は国体以降にブレックスアリーナを含めどうするのか再度話し合いをもたれると聞いている。

ブレックスアリーナの5000人収容はどう認定されたのか
(総数に対して)立ち見は1割以内と決めている。4500個の席数と消防法上で500人が立ち見できるかをアリーナ検査要項に基づいて実地で確認した。4700人で満員御礼となったが、立ち見を入れれば可能だ。3階に増設した席の後ろ側(バックヤード)が広く空いている。まだそこまで使用していないが、そういった場所で立ち見すれば可能だ。

アルバルク東京が利用する代々木第一の収容数が1万人規模。琉球もだが1万人規模のアリーナについて率直な感想は
代々木第一の立地場所は良いと思う。首都圏で1万人規模のアリーナを利用するクラブが存在する時代になった。3000人規模の代々木第二でやるクラブではないと思うし、大きな箱で強豪との対戦する際には1万人入る意気込みでやってほしい。

大都市圏ではない場所に5000人以上のアリーナを建設するのは難しいことではないか。5000人規模を緩和することはないのか
緩和することはない。J2の入場数の平均は7000人。週一か週二の違いはあるがB1は入場数平均が約3000人で、2試合でも6000人でJ2の1試合よりもまだ少ない。B1としてのふさわしい箱をもってこそ、産業しても大きくなると考えている。
防災拠点を含めて考えた場合、しっかりと屋根で覆われているアリーナとサッカー場では値打ちが異なる。街づくりの一環として公的使命を帯び、かつプロフィットセンター(収益の出せる場所)化も狙えるアリーナをつくること。行政が作ることに限らず民間が作ることもあり得る話だ。青森の八戸にゼビオが新設を計画をしているアリーナは収支が儲かるから建設するのであって、公共事業の発想を変え民間の力を導入してコンテンツ力を高めアリーナ自体を儲けさせる。さらには公共の使命を帯びた防災拠点にもなり得るのではないか。それが私の夢のアリーナ構想でもある。