【プレミアム限定】WJBL ラビッツの激しい追い上げも及ばず、デンソーが2連勝で勝利を飾る。(80-68)

1月22日(日)、長岡市民体育館で開催されたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvsデンソーアイリス戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

前日のリベンジを果たすべく序盤からアグレッシブに攻めるラビッツ、しかしその後はデンソーが手堅いゲーム運びで試合をコントロール。終盤、激しいプレスディフェンスからラビッツが追い上げを見せるが、中盤までのビハインドが大きく、デンソーが80-68で連勝。デンソーはこれでリーグ戦4連勝、一方のラビッツは6連敗となった。

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新潟アルビレックスBBラビッツ

荒順一HC

-今日の試合の総括について
今日は、昨日話した70点に近づけるオフェンスを意識しながら戦ったんですが、結果的に最後は68という数字になりましたけど、これは本来の数字ではないと思います。やはり3Qまでの数字で考えると、オフェンスで70というのは、今の状況では程遠いかなと思います。

ひとつ、出岐選手は積極的に攻撃を意識して、チームのポイントゲッターとしての意識で攻めたんでしょうけど、あまりにも入らないというか。

この2試合を振り返ってみると、高橋選手の対角である近藤選手の活躍、いいプレーが見られなかったです。オフェンスリバウンドの回数であるとか、昨日今日とリバウンディングがあまり無い。得点面でも、相手が大きかったからかもしれませんが、本来の得点をゲットできなくて、凡ミスが続いています。近藤選手の得点、働きが読めなくなってきた部分は、私にとってちょっと痛かったです。

近藤選手に限らないですが、前の勝ったゲームでは、近藤、川上といった選手が、ある程度計算できるようになった部分があって、高橋、出岐に(続いて)、川上、近藤と言った戦力が計算できる試合が続いていたので、それが出来上がってきたかな?という部分があったんですけど、オールジャパンからその後、ここ数試合は、彼女達の活躍が読めなくなってきたというのは、チームにとって計算しにくいです。(川上、近藤について)ある程度読めてきたんで、あとは外角の君山、玉井、星といったところで得点を取って、チーム全体の得点力を上げようという考えでの練習をしていたのですが、これで川上、近藤がちょっとポイントがぼやけてきた感じがあって、彼女達がリズムが取れないのかな?と思います。

最初はコンビネーションですから、高橋、近藤といったところにフォワード陣がどうやって絡んで行くか、という練習が多かった時に比べると、今はちょっとズレてるかもしれません。私としては、この不安定な2人が読めなくなってきているのは痛いと思っています。

衛藤コーチから今までの分析であるとか、個人の分析から、今までのラビッツの傾向を分析してもらっているんですけど、3ポイントが入った時は、殆ど負けているんです。やはり2ポイントの確率が高い時に勝っていて、勝ちゲーム4試合の平均得点が68点かな。失点が63点くらい。トータルで見れば、ディフェンスで70点取られているのは否めないので、そこを考えていくと、来年はもう1枚インサイドですね。センターらしいセンターの補強が来年は出来ていませんので、高橋選手にはまた辛いポジションをやってもらう形になると思います。

これからこのチームを育てるにはどのような方向性が本当に必要なのか。これをもうちょっと研究していきたいと思います。

でも昨日、今日と、君山は何らかの活躍が出来てきたというか、ガードとしての役割となるとまだまだですが、今日も積極的に彼女をガードとして使う時間を作ってみました。君山が出た時のプレーも作ってやってみましたけど、ポテンシャルはあるんじゃないかと思います。期待したいと思います。

-ディフェンスではどのような指示をしましたか?(テレビ)
今日はマンツーマンを主体にしていこうと思いました。相手の藤原選手が得点のポイントだったのですが、藤原選手と高田(真)選手、このインとアウトの2つの柱を、マンツーマンでいじめに行くと言うか。ゾーンではなかなかそういったことが出来ないので、マンツーマンを主体として、特に君山には、藤原選手にフェイスディフェンスというか、他のヘルプはいいから、しっかり付いていくと。あとインサイドで高田(真)選手との押し合いを頑張るというところ、これをマンツーマンとしてやっていこうと指示しました.

-その成果はどうだったでしょうか?(テレビ)
高さの部分でインサイドの高田(真)選手に付ききれない部分はありますけど、藤原選手は前半9点取られましたが、後半は多分0点だったと思うんです。そういったターゲットを止めに行くディフェンスの足というのは、出岐選手にはちょっと難しくて、その部分での君山選手の貢献度は高かったと思います。

-それは来年を見据えてということですね?(テレビ)
もちろんそうです。小さいチームですから、早く引いて守るというのよりは、もうちょっとコートを前から広げていきながらということを来年は考えていかなければと思います。

(来年は)人数も少し増えますから、ファウルトラブルを怖がらなくても戦えるという部分はあると思います。その辺の意識は、今シーズンから布石としてやりたいと思ってます。

-前からのディフェンスというのは、第4Qに見せたようなプレスディフェンスでしょうか?(新聞)
ああいった形ではなくて、今日は1Qからやりましたけど、ウチが得点した後に、マンツーマンなんですが、引いて守るのではなくて、(コートの)2/3くらいから守っていくようなディフェンスです。それから、4Qにやったダブルチームをを使ったトラップディフェンスですよね。

小さいから怖いんですよ。どんどん(ディフェンスの)上を飛ばされちゃうんで。ボールに二人行って、飛ばされてしまえばアウトナンバーになりますからね。ダブルチームの技術なんかも、もう1回やり直さなければいけないと思います。

-先ほどの君山選手について、今後はガードとしての役割も期待していきたいということでしょうか?(バスナビ)
我々がやろうとしているバスケットというのは、コンビネーションですから、スクリーンを使いながらアウトナンバー、そこでのチャンスに飛ばすパスというのが大事なんですよ。小さい選手は、それがなかなか見えないんですよ。そこからパスが出しにくいとか。君山は(身長が)170を超えてますんで、その意味では、将来はそういった役割も持たせたガードになればいいかなと思ってます。ただ今のところは、あの子のいい所はシュートなんですよ。だからそのシュートを、(チームの)得点力を上げるというところで、出岐、高橋が攻めて行ったところで外角を誰が決めるのかというところですね。ガードのポジションであれば、当然背の低い選手が守ってますから、そこからの得点を取りたいのが君山を使った理由です。将来的には、コンビネーションのところでパスも出せるというようになっていけば、可能性はあると思ってます。両方を睨みながらですね。

まあ今まで(君山はガードを)やったことがないですからね。ずっとガードというポジションはやったこと無いでしょうから。初めてトライするポジションなんで、そう簡単にはいかないと思います。

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#21君山舞夕奈選手
※質問は全てバスナビ

-このシリーズはディフェンスで積極的に仕掛けるのが目的だったと思いますが、この2試合を振り返って実際にどうでしたか?
昨日は、(相手が)3を打つというのがあって、中にも入られたというのもあって、中締めと外締め、やはり簡単にボールを持たれるとフォワード陣が打ってくるので、ディナイを張っていこうと試合に臨みました。今日は、昨日と一緒だったんですけど、途中から荒さんの指示で3クォーターから当たっていくディフェンスでした。昨日は藤原さんがすごく得点を取っていたので、フェイスガードで藤原さんに付けと指示があって、打たれないように守っていました。

-やはりディフェンスで頑張れないと、オフェンスのリズムを作れないというのはありますか?
ありますね。自分達の今週の目標はディフェンスからだったので、ディフェンスからの勢いで、(相手がディフェンスを)作る前に1本攻めたりとか、流れの中で攻めていくのが自分達のバスケだったので、やはりディフェンスから頑張れないと足も止まってしまいます。

-このシリーズではガード的な役割として、ボールを運んだりゲームメイクをする場面が出てきましたが、実際にプレーしていてどうでしたか?
やはりフォワードだとなかなかシュートを打たせてもらえない部分があったんですけど、ガードの位置だと、ガードのディフェンスがセンターに寄ったりするので、そこで3を打つようなプレーも監督が作ってくれました。そういった部分で、シュートチャンスが出てきたと感じました。

-ガード的なポジションということでいくつかミスもありましたが、やはり課題だと感じますか?
そうですね、はい。

-過去にガードポジションでのプレー経験は無いですか?
あまり無いですね。JALの時も1回もガードはやったことないので、新潟に来て初めてです。

-今まではベンチからスポット的に出場する場面が多かったですが、今回のようにある程度出場時間がある中でプレーするようが、自分のプレーのリズムを掴みやすいというのはありますか
やりやすいですね。でもやっぱり控えなので、短い時間でも決められるようにはなりたいです。

-荒HCからは、将来的にガード的な役割も期待しているという話があったのですが、君山選手自身としてはどう考えていますか?
自分自身としても、どこのポジションもプレーできるようにしたいというのはあります。シュートエリアも広がると思うので、やはり自分のシュートを生かすには、どこのポジションもプレーできたらいいなというのは感じています。

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#34出岐奏選手

-今日の試合について
やはり点数が取れなくて、全部(のQ)が取れなかった訳じゃないですが、取れなかったQ、今日は1Qが良かったのに2Qがダメで取れなくて、やはりオフェンスでもディフェンスでもそこで点が取れないと、相手の速攻でやられてしまい、それで点差が開いてしまい、それが最後まで縮まりませんでした。

-第2Qに得点できなかった原因は?(テレビ)
シュートまで行けないミスとか、今日はミスを減らそうとやっていたんですけど、やはりそれでもミスが多くて、簡単なパミスとか出て。自分達はシュートまで行けなくて、それを相手に取られて、簡単に点を取られるという悪循環でした。

-オフェンス面でHCからどのような指示がありましたか?(テレビ)
昨日は動きが止まっていたので、今日は動きを作ってシュートに持っていくように朝から練習してきて、動きながらシュートに行くということでした。

-出岐選手個人としては前半が1点、後半が20点でしたが、後半から調子が出た感じでしょうか?(テレビ)
自分ではそんなつもりはなくても、たぶん足が動いてなくて、攻め気が無い時がミスに繋がっていたと思います。自分の立場としてはミスをしてはいけない、1個もしてはいけないと思うし、周りのミスもカバーできるように、ちょっとパスが悪くても取れるようにとか、それをしっかり決めてくるとか、みんなで作ったひとつのシュートだから、大事に決めて行きたかったと思います。

-新潟のホームではあと2試合となりましたが、ブースターの皆さんにどのような試合を見せたいですか?(テレビ)
今日の最後のように、全員で気持ちを出せば出来るチームだから、それを最初から40分間声を出し続けてやっている姿を見てもらいたいです。

-積極的な攻めを見せていたのは?(雑誌)
ハーフタイムに荒さんから、1Qは良かったのに2Qは相手に点を取られているから、点を取りに行くこと、無理やり作ったタイミングで打つんじゃなくて、自分のいいタイミングであれば、落ちても打つ時は打てと言われました。

-相手のプレッシャーもありましたが、とにかく打とうということですね(雑誌)
ただ空いているから打つとかじゃなくて、動いて動いて、相手のとのズレを作って、そこにパスを出して、それがシュートチャンスなら打つと言う感じでした。

-出岐選手自身がチームを引っ張る意識でプレーしていたのでしょうか(雑誌)
やはり打たないと入らないですし、決めるのが一番なんですが、打つのが仕事だと思ってます。それを無理やり打つのではなく、みんながリバウンド取ってくれて、パスを出してくれたのを、打っていこうと決めていました。

-4Qは前からプレッシャーを掛けていきましたが、来季を見据えた上で、チームとして意識していたのでしょうか?(新聞)
特に今週のゲームは、ディフェンスで強く当たって相手に気持ちいいシュートを打たせないとか、ちょっとでも嫌がらせるとか、それで落ちたシュートをリバウンドするということをやっていました。とにかく最初はプレッシャーが足りていなくて、相手にシュートを決められてしまい、自分達は逆に決めれなかったです。

-終了間際にルーズボールに飛び込む場面がありましたが、やはり点差が離れても頑張ろうという気持ちがあったのでしょうか?(新聞)
最後までコートに出ているからには、諦めたくないと思っています。

-次週からトヨタ、JXと上位との試合が続きますが、この4試合をどのように戦いたいですか?(新聞)
やはり自分達のチームは小さいし、シーズン当初から決めていたディフェンスでハンズアップして相手に気持ちいいシュートを打たせない、そして落ちたボールを5人で取りに行くというのをずっとやっているんですが、未だ徹底できてなくて、それをどこまで徹底できるか、練習通りにできるかということだと思います。

-敢えて聞きますが、土曜日が上手く行かず日曜が良くなる、前半がダメで後半に盛り返すというパターンが多いですが、出だしから攻めていけないというのはチームとしての課題でしょうか?(バスナビ)
出だしは今シーズンずっと悪いんです、(シーズン)最初のほうは良かったんですが。私個人としてはそんなに気負っているというのは無くて、最初から行こうとしているんですが、やはりそれをチーム全体でやらないといけないです、一人では追いつかないし。チームみんなで波に乗れるように、自分が決めるべきシュートを決めるとか、ルーズボールを追うとか、そういったプレーを出だしから出して、チームを盛り上げていかなければいけないとずっと思ってます。それがなかなか出来てないですね。

-今日は第4Qで30-18、後半だけを見ても46-41とリードしていますが、それを試合全体で発揮できないのがチームとしての難しさでしょうか?(バスナビ)
個人個人が出だしの1本目のシュートだとか、一つ目のドライブとかが、各々で上手く行けば、多分その人は波に乗れると思うんです。それがディフェンスだろうがオフェンスだろうが、チームであれば(チームの)ディフェンスが上手く行かないと落ち込んじゃうんですが、そうならないように先手、先手というのは意識しているんだけど、やはり変えきれないです。まだそれは試行錯誤中ですね。今シーズンずっと出だしが悪いのは課題です。

(出だしが)良かった試合も少ないけどあるから、それをイメージするなり、頭に入れるなりして、残りの4試合、点が取れなくてQで一桁というのを無くせるようにやっていきたいです。

自分の中では、オフェンスはその日の波とかあるけど、ディフェンスは(波が)無くて、やってきたことが出るだけだから、やはりディフェンスから頑張って、チーム全員が乗れるようにやっていきたいです。