【プレミアム限定】 仙台が厳しいディフェンスでクロスゲームを制する。新潟は5連敗で4位に転落。

2月5日(日)、新潟市東総合スポーツセンターで開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対仙台89ERS戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

立ち上がりは新潟がトランジションでリード。激しい守り合いとなった第2Qはお互いに停滞するが、後半に入り仙台は攻守ともにアグレッシブなプレーで追い上げる。接戦の続く第4Q、仙台ディフェンスに手こずっていたホルムがビッグショットを決めて試合は決まったかと思われたが、仙台はその後も粘り強く守り、最後に志村のビッグショットが決まり新潟を突き放した。仙台の同一カード連勝は11月の信州戦以来。新潟は5連敗だけでなく、ここ8試合で2勝6敗と失速し4位に転落した。

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仙台89ERS

ロバート・ピアスHC

-今日の試合の総括について
前半はなかなかタイミングも掴めずに苦しい展開も見えたのですが、私たちのチームが陥りやすいクセを出さずに、最後までよく我慢してボールを回せたこと、ディフェンスも最後まで集中を切らさずに4Qまで戦えたことが勝因だと思います。日本人選手でも薦田、志村を中心にしっかりとチームプレーを心がけて、全員で掴んだ勝利だと思っています。

選手個人について話すならば、フィッツジェラルドは昨日31点だったんですが、今日は前半0点で折り返していて、彼も非常に苦しかったと思うんですけど、流れが来るまで我慢しつづけた結果、後半に大きな3ポイントを決めてくれました。薦田は今シーズン、何度かいい試合もあったのですが、良くない時も多くて、しかしいつか成長の証を見せてくれると信じて今日も起用しました。今日も最後にしっかりFTを2本決めてくれましたが、ああいった部分がチームの勝利を後押ししたと思います。彼があそこで2本決めきったということは、恐らくプロになってから初めてだと思いますが、彼が大きく成長したことが分かりました。

最後になりますが、新潟のファンの皆さんにとっても、今日はどちらが勝ってもおかしくない試合だったと思うので、エンターテイメントとしてもいい試合をお見せすることが出来たと思います。

-ハーフタイムで指示したことは?(仙台系新聞)
前半はビッグプレーを作ろうとした気持ちがあったのか、焦ってショットを打ってしまったりして、いい形で(オフェンスを)終えていませんでした。後半はテンポをコントロールしてじっくり攻めること、そして新潟さんがデュークスのところに積極的にダブルチームに来ていたので、彼にボールを渡すよりも、他が積極的にボールを持つようにして、それと同時にボール回しもしっかりして、少しペースを落とそうとしました。幸い、ハーフタイムまでの点差が致命的なほど離れていなかったので、後半は1本1本が勝負ということで、大切にプレーするように伝えました。

あとディフェンスで特に注意しなければいけないのは、池田選手が昨日はあまり点数取れなかったですが、今日は必ずどこかで流れを掴んで大量得点するのではないかと常に警戒していました。そこは絶対やられないように、橘を後半のスタートに戻しました。池田にやられたら今日は歩いて(仙台まで)帰れと言ったのですが(笑)、そんなにやられてないので、彼は無事にバスに乗れると思います。

-後半は積極的にインサイドを攻める指示だったのですか?(仙台系新聞)
インサイドは当然なんですが、インサイドの選手に限らず、他の選手もインサイドを狙うように言いました。今までのパターンだと、3ポイントを30本も打って自滅してしまうことが多かったので、今日は13本、いいペースで、いいところで打てたと思います。昨日は3ポイントがすごく当たっていたので、選手はついついそういったことを考えがちになってしまうのですが、昨日は昨日、今日は今日ということで、昨日は3ポイント、今日は違う手を見せなければ相手にやられるぞという話をしていました。あとガードがドリブルしてペイントエリアに入るとディフェンスは収縮せざるを得ないので、そこからのキックアウトが良かったと思います。

-久しぶりの連勝ですが今のお気持ちは?(仙台系新聞)
最後にいつ連勝したのか言えないくらい昔のことに感じています。今回連勝できたのはもちろん嬉しいですが、何が一番嬉しいかといえば、しっかり練習でやったことが試合で出る訳で、今週はいい練習が出来ていて、それがうまく試合に繋がったことが結果として連勝ということになったと思います。先ほど薦田の話をしましたけれど、ああいった若い選手が、今一生懸命練習で頑張ってますけど、それをなかなか試合で出せずにいたのが、今日は練習でやったことがうまく試合で出来たと思います。時々選手達から「なんでこの練習をしているんだ?」なんて不満もあったりするんですけど、今週はそんなことはなくて、練習にちゃんと理由付けして、それがちゃんと出来たと思います。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
ここ5試合と同じですが、我々としては良くない内容のゲームでした。オフェンスに関して言えばボールがあまり動いていなかったし、ディフェンスに関しては、1対1のディフェンスはまだまだ向上しなければいけない部分がたくさんあったのですが、チームディフェンスとしては、いい場面があったと思います。オフェンス、ディフェンスともいくつか崩れてしまった部分もあったと思います。

試合を振り返ると、第1Qはいいスタートを切れたと思います。向こうのタイムアウトから流れが相手に行きかけて、第2Qは新潟にとっても仙台にとってもいい内容のゲームでは無かったと思います。bjリーグとしても、内容の乏しいクォーターになってしまったと思います。第3Qはもう少しタイムアウトを取って流れを切っていったほうがよかったのかもしれないですけど、我々はリバウンドが取れていたので、あの場面ではタイムアウトを取りませんでした。向こうがスコアする、こちらがスコアする、相手を止めて、しかしこちらが得点できなくて、リバウンドは取れているんですけど、なかなかスコアできない。

全体的には、ボールをインサイドに入れて、ボールを動かしていこうとしていたんですけど、インサイドに入れた後に、インサイドの選手がボールを長くドリブルしすぎたり、ボールを持ちすぎていたりしたので、インサイドを攻められなければすぐにキックアウトする、インサイドアウトのボールの動きをもっと作っていかなければいけないのだと思います。

昨日やられたデュークス選手とフィッツジェラルド選手に関してはしっかりと抑えることが出来たと思うんですが、その分、薦田選手と志村選手にはだいぶやられてしまったと思います。

これで5連敗なので、ここでもう1度チームとしてひとつになって、もうちょっとチームをまとめ直して作っていかなければいけないと思います。

-仙台の得点は前半が22点、後半が44点でした。後半の失点が多くなった原因は何でしょうか?(新聞)
後半は仙台さんがすごくアグレッシブだったと思いますし、日本人選手も積極的に攻めていたと思います。またFTが多かったのが、向こうの得点が伸びた要因かと思います。同時に、我々がオフェンスでスローダウンしすぎた、考え過ぎたというのがあったと思います。仙台さんがオフェンスでアグレッシブになったのに対し、我々のオフェンスが考えすぎてしまって流れが悪くなり、これがゲームの流れが向こうに行ってしまった原因かなと思います。

後半だけで44点というのは、我々としてはもっとディフェンスをしっかりしなければいけないのですが、ゲームを通じて66失点というのは悪くないとも思います。しかしオフェンスが62点ではこのリーグでは勝つことが出来ないので、ここはもう一度、どういったオフェンスでスコアするのか、特に2点、インサイドでの2点をどうやって取っていくのかということと、インサイド以外でももっと2点の確率を上げてスコアしていかないと我々の得点は伸びて行かないので、ここは修正していきたいと思います。

-ホルム選手のインサイドアタックが止められるとオフェンス全体が停滞するパターンが続いていると思うのですが、ここを打破する為のチームの課題はなんですか?(バスナビ)
ボールをもっと動かす必要があると思います。人が止まってしまうことが多いので、もっとカッティングを入れたりとか、動きを入れることによって、相手がディフェンスすることを難しくしていかなければいけません。今はあまり動きが無いので相手も楽だと思うので、もっと動いていかなければいけないと思います。また、インサイドアウトがすごく有効だったんですけど、インサイドアウトに頼りすぎてしまう傾向にあり、また相手チームもそれを研究しているので、そこを読まれてしまい、インサイドアウトを上手く作れないというのもあると思います。カッティングを入れたり、もっとモーションを作るということに関してはアイディアがあるので、また来週チームに話して取り組んでいきたいと思います。またディフェンスから動きを作るためにチェンジングディフェンスをしることも、ひとつ出来ることだと思います。

-5連敗しているチームの課題はなんでしょうか?オフェンスでしょうか、ディフェンスでしょうか。(新聞)
66点に抑えているので、ディフェンスはそんなに悪く無いと思います。相手のキープレイヤーも抑えようと言って、抑えることが出来ているので、全体としてディフェンスは悪く無いと思います。

オフェンスは、チームとしてどうやってスコアしていくのかということをしっかりと明確にしていかなければと思います。ただ劇的にオフェンスを変えるということではなくて、いくつか細かい修正を加えていくこと、その修正というのは先程の通りボールを動かすこと、2点の確率を上げてスコアしていくことです。

今日の試合のディフェンスは悪くなかったのですが、リバウンドは向こうが取っているので、クリス選手だけに頼るのではなくて、5人が、少なくとも4人がリバウンドに入るということ、もう一度チームリバウンドという意識を徹底させなければいけないと思っています。

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#3アーロン・マキシー選手

-今日の試合について
ゲームの出だしはチーム全員がフィジカルに、ハードにプレーしていて、何をやらなければいけないのか集中できていたので、出だしはすごく良かったと思います。間違いなく気持ちも入っていたと思います。ただルーズボールがいくつか向こうにいってしまったり、リバウンドが向こうに行ってしまったり、またスコアし切れなかったりとか、いくつかもったいない場面が出てしまって、なかなか我々のゲームに持っていけませんでした。とても激しい戦いであったのは間違い無いと思います。

-62点しか取れなかったオフェンスについて、マキシー選手自身も1Qは10得点でしたがその後は4得点に終わりました。このオフェンスについては?(新聞)
私自身のパフォーマンスについては、普段打つようなショットをなかなか打てないというのはありましたし、それは仙台が激しくディフェンスをしてきたというのがありました。シュートは入るときも入らない時もありますが、しっかりと打てるシュートは打って、それを決めきるようにしていきたいです。

-チームが今後オフェンスで得点を増やすために、インサイドではどのようなプレーをしていきたいですか?(新聞)
一生懸命プレーし続けるしかないと思います。個人個人のスキルを上げていくしか無いと思うし、フィジカルにプレーすることを止めずに続けていくことだと思います。オフェンスは入ったり入らなかったりが必ずあると思うんですけど、だからこそバスケットというゲームを毎日愛さなければいけないし、毎日向上していかなければいけないと思います。ゲームの中ではしっかりとディフェンスを見て、どこで攻めるのかしっかり認識して攻めなければいけないですし、誰もシュートを外そうと思って打っていないので、継続して戦い続ける、向上しつづけるしか無いと思います。

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#54クリス・ホルム選手

-個人として、今日の試合はどうでしたか?(テレビ)
前半と後半で全く違うゲームになってしまったと思います。前半はすごくいいディフェンスが出来たと思うし、オフェンスも流れがあったと思います。後半、引き続きオフェンスはいい流れがあったんですけど、ディフェンスが緩くなってしまって、ハーフタイムで気が緩んだのか、すごく対照的な内容になってしまったと思います。

-ディフェンスを立て直せなかった要因は何でしょうか?(テレビ)
今は具体的に言えませんが、少し考えすぎてしまい、普段みんながやらないことをちょっとずつやってしまい、一人のミスがみんなに伝染してしまい、チームとして崩れてしまい、上手く行かなかったという感じでした。

-ホルム選手自身はリバウンドを取れていたと思いますが、これが得点に結びつかなかったのは?(テレビ
今は5連敗しているので、これから切り替えていかなければいけない、それだけだと思います。チームの状態は決して悪いとは思わないので、自分もリバウンドを取ったら、そこから決めきれる自信もありますし、そこでしっかり決めるだけだと思います。自分のリバウンドを信頼してくれるから、シューター陣はシュートを打ち続けてくれるので、しっかりリバウンドを取って、そこからスコア出来ればと思います。

-今後、どのようにチームを立てなおしていきますか?(テレビ)
集中して戦い続けるだけだと思います。あれが悪い、これが悪いと非難しあったりすることは我々は絶対に無いですし、優勝するチームでも、こういったことは経験することだと思います。我々はみんなが一生懸命練習しえて、一生懸命プレーするチームなので、これを続けていくだけだと思います。次の試合はすごく大事で、もちろん連敗のストップもあるんですけど、しっかりとやるべきことやって勝つということです。下位のチームが相手ですが、しっかりと勝っていくことがすごく大事なゲームになるので、今週しっかり練習して、アウェイの岩手戦でかっていきたいです。

-マッチアップで自分より強くタフな相手とやることはこれまでのキャリアでもあったと思いますが、どのようにこの状況を打破していきたいですか?(バスナビ)
自分も大きいですが、シングルトン選手は自分より大きく、ショットブロッカーでもあるタフな相手だったんですけど、そういった中でも何かしらの方法で相手にダメージを与えて、チームの手助けになる方法を見つけていかなければいけないと思います。昨日の自分は全くダメなパフォーマンスだったんですけど、今日はそのようなタフなマッチアップで、どうやってスコアしていくのか見つけ出そうとしていました。リバウンドは常に自分は取っていかなければいけないと思ってるし、スコアできない時はディフェンスとリバウンドで貢献する、他の方法でチームの勝利に繋がるようにプレーしていきたいと思っています。

-かつて所属していた仙台に連敗したことについて(新聞)
古巣相手に連敗というのはキツいですが、この2試合は本当に勝ちたいと思っていたし、ただ試合は終わったので、やることを全てやって次のゲームに備えることだけだと思います。最終的な目標はファイナルの試合で勝つことなので、そこまでの勝ち負けというのはひとつひとつはそんなに関係なくて、そこまで行けるかどうかなので、やることを全てやって、最終的な目標に届くように努力することだと思います。

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#32池田雄一選手

-これで5連敗ですが、池田選手として感じていることは?(テレビ)
一番悪いところはディフェンスだと思います。失点は少ないですがやられ方の問題だと思うので、もう一度練習からディフェンスを意識して、また作っていきたいと思います。

-オフェンス面に関しては?(テレビ)
この2試合に限れば2ポイントの確率がすごく低くて、インサイドでの得点が全く無いです。勝っていた時はインサイド、アウトサイドのバランスがすごく良かったので、インサイドのビッグマンだけではなく、チーム全体として2ポイントの確率をあげるのが今後の課題だと思います。

-ディフェンスのプレッシャーが厳しくなっているという実感はありますか?(テレビ)
プレッシャーがキツいのはこの試合だけではないし、特別キツいということも無いです。今回はボールに触る機会が少なくて、僕自身が攻める機会が少なかったので、チームプレーなので、そういった試合もあると思います。

-次の試合に向けて(テレビ)
連敗中ですが後半戦ですし、どんな形であれまずは連敗を止めて、そこからまた1個ずつ勝っていくのが大事だと思います。今週1日1日を大切にして、しっかり準備をして次の試合に臨みたいと思います。

-新潟商業高校の先輩である日下選手とのプレーは意識しましたか?(テレビ)
(対戦は)初めてではないので、特別な思いは無いんですけど、高校時代の先輩なので、対戦相手ですが、一緒にまたプレーできるのは嬉しく思います。

-ディフェンスはどこが課題になりそうですか?(テレビ)
細かい部分なんですが、スイッチのコミュニケーションミスだとか、ヘルプサイドに寄れなかったとか、そういった細かい部分が大事なところで出ているので、そこは集中力と危機感を持って、練習中から取り組まなければいけないと思います。

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#13小松秀平選手

-今日の試合について
勝ちたかったというのがすごく強くて、悔しい気持ちで一杯です。第4Qずっと出してもらっていて、勝負どころで決められなかったというのは、まだまだ練習不足だと思うし、そういった勝負強さというものをしっかり練習からやって、試合に向けていきたいと思います。

-第4Qについて、HCから何か指示はありましたか?(テレビ)
指示は特に無かったんですが、1試合を通してディフェンスのスタンスをしっかり取ることと、昨日もシュート打っていたんですけど、そのままシュートを打ち続けるということを意識してゲームに臨みました。

-第4Qの終盤に2本の3ポイントを落としたことが大きかったと思いますが(テレビ)
その前に同点になって、そこから(リードを)広げられなかったというのもあるし、第4Qの5分を切ってから、相手のオフェンスがすごく機能してきて、こっちのディフェンスが後手に回ってしまう時間が多くなってしまったと思います。1試合を通してディフェンスができるということ、状況にもよりますが、あの場面でノーマークになって、シュートを決めきれなかったというのは敗因のひとつだと思うので、しっかり反省していきたいと思います。

-シュートタッチ自体はどうでしたか?(テレビ)
悪くは無かったですし、試合に出ている以上は自信を持ってプレーをしたいと思ってます。シーズンを通しても、それをキープして(コートに)立ち続けたいと思います。

-相手のプレッシャーは感じましたか?(テレビ)
志村さんがついてきてミスマッチで、懐に入ってきてすごくやりづらい相手だったんですけど、もっと(ボールを)貰いたいところで貰ったり、(ディフェンスを)割って行ったりして、そこの駆け引きというのをやっていかなければいけないと思います。

-今後に向けて(テレビ)
今はちょっと負けが込んでますが、修正点を今週の練習でみんなで話し合って、次の試合にむけて1試合1試合頑張っていきたいと思います。