【プレミアム限定】新潟が連勝でイースト単独首位に立つ。連敗の浜松・東三河は3位に転落。(86-70)

1月4日(水)新発田市カルチャーセンターで開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対浜松・東三河フェニックス、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

立ち上がりから緊迫感の立ち込める展開となったこの試合。マッチアップゾーンを攻めあぐねる浜松・東三河に対して、新潟はトランジションとアウトサイドで点差を広げる。後半、浜松・東三河が追い上げる場面もあったが、新潟は最後までインサイドでの優位を保ち、また確実性の高いオフェンスで連勝を飾った。bjリーグで初めて浜松・東三河に連勝した新潟がイーストで単独首位となり、浜松・東三河は3位に転落した。

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浜松・東三河フェニックス

河合竜児HC

-今日の試合の総括について
故障者が出てしまったということで(前日の負傷で仲西翔自が欠場)、結構つらい状況だったんですけど、結果2連敗という形で悔しいです。選手は最後までボールを追いかけてくれたので、最期まで頑張った選手は褒めてあげたいと思います。

-第2Qは8得点に終わりましたが、新潟のゾーンとマンツーを切り替えたディフェンスは攻めづらかったですか?(新聞)
あそこで(新潟が)ゾーンだったので、僕らがゾーンという認識で入っちゃったのが失敗だったと思います。途中のマンツーマン、まあゾーンをしているので変則のゾーンなんですけど、あのディフェンスをマンツーマンとして捉えればどうという事は無かったと思います。そういった指示も出したんですけど、ゾーンはゾーンに見えちゃうのかな。選手もちょっと止まっちゃったんで。そこでもう一つ動きを入れたかったんですけど、上手く表現出来なかったということだと思います。攻めあぐねたと言えば攻めあぐねたんですが、どちらにしろ、スコア的にはどちらに傾いたというのは無いので。前半で13点差つきましたけど、かと言って向こうがいい状態という訳でもなく、ただシュート率がいい状態で放られたという所ですかね。池田君とか、あの時間帯ですね。(試合全体では3ポイントが)3/8ですけど、前半はいい状態で打ってたので(前半は3/4)。そこが痛かったです。

-昨日のコメントにあった「ボールも人も動かす」という点で、今日はどうでしたか?(雑誌)
どうですかね。う~ん、という状態でしたね。

これで一区切りつくので(浜松の次戦はオールスターあけの1/21から)、このASのブレイクを使ってシステムを新しく変えていきたいと思いますし、もう1度、いろいろ準備したいと思ってます。

-第3Qに新潟が点差を広げる場面で、小松選手の連続3ポイントが決まった場面など、タイムアウトを取る必要があったのではないかと感じたのですが、取らなかった意図は?(バスナビ)
あれはですね、選手達が上手く表現出来なかったというのはあるんですけど、でも頑張ろうとはしていました。僕がそこでタイムアウトを取らなかったのは、確かに敢えて取らなかったというのはあります。

その意図としては、選手達が向こうのフィジカルなプレーに対して、我慢し切れなかったというのがあるんですね。それを、その都度(タイムアウトで)止めて話をしても、やっぱり我慢出来なかったというのが大きいです。で、新潟さんはそのフィジカルなプレーを40分通すわけですよ。それに対して僕らがタイムアウトを何度も取ったところで、あの時点で選手が切れてたんです。今後のことを考えて、やはりそこから這い上がって欲しいです。この後(ASブレイクで)、時間が取れるので、ここは選手に頑張ってもらおうと、敢えてタイムアウトは取りませんでした。

そうでないと今後、僕らが最後のファイナル4を目指して戦うという時に、タイムアウトというのは数に限りがありますし、確かにパッパッパッと取れたらいいんですけど、最後追いついた時に、タイムアウトがないと困りますから。そう考えていくと、今後僕らがやっていく中で、例えば選手の中でハドルを組むなりして盛り返すということも・・・何が悪いって、選手達が一番分かっているはずなんで。

ウェインの足が来ちゃってたというのもあります。始まってすぐ、膝が入ったと言っていてあんな状態でしたし。ここはどう選手達が奮起するか、というところですね。(タイムアウトを)取りたいのは山々でしたけど。

やはり僕らスタッフを含めて、強かった去年の、あの印象があるので。一昨日まで1位ということで、みんな錯覚しちゃうじゃないですか。本来の状態に戻れたということで、その意味では、一旦こうやって落ちて這い上がっていくほうが、最後ファイナル4を目指すときには、いいチームに仕上がるかなと。特に今シーズンは西も東も混戦じゃないですか。その中で1チームが飛び抜けて走るということはまず無いですし、この後も考えられないので。その意味では、一旦こうやって落ちて、這い上がれたほうがいいと思います。

今回ハーブ(ラミナザ)が突然抜けてしまったので、選手達は本当に辛い状況の中、チームの和が崩れた状態の中で、よく踏ん張ってくれたと思います。ゲーム前から空気は相当悪い状態だったので。でもよく踏ん張ってくれました。それも含めて、この時間を有効に使って、またしっかりといいチームにして、そこから這い上がっていきたいと思っています。

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#3大口真洋選手
※質問は全てバスナビ

-この2試合はチームとして非常に波のある展開になったと思いますが、大口選手はこの内容をどう捉えていますか?
ここ何試合か連続して勝っていたのは、ハーブが繋いでいたところもあったと思うんです。彼を入れた中でのチームを組み立てていたので、急にいなくなってしまって、それによるバランスの悪さが出た感じがします。

-オフェンス、ディフェンスともチームの課題は多いと思いますが、チームとしてはどちらにフォーカスしたいですか?
やはりディフェンスだと思います。去年とか接戦を勝ち切る時は、自分達が点数を取れなくても、相手を抑えるということが出来ていたと思います。これだけ点数が入らなければ(浜松は70得点)、相手も同じ70点台とか。そういったゲームを去年は出来ていたと思います。そこをもう1度やり直さないと。オフェンスだけではこの後、絶対に勝っていけないので。

-去年からのメンバーの多くが残っている中で、この連敗も含めて、今年の浜松は元気がないと思っているブースターも多いと思います。やはりチームとしてもここからステップアップを目指したいですか?
それはありますね。これで1位では無くなったので(3位に転落)、もう1度挑戦者の気持ちでやっていけると思うし、いろんな事を組み替えれると思います。もう1段、ステップアップするための試練だと思ってます。

-大口選手はOSG時代からずっとプレーしてきて、HCが変わるのは初めてですよね?
初めてですね。

-すると、やはりチームが変わるという難しさはありますか?
最初はありました。合わせ切れないというか。13年間も一緒にやってきたカズさん(中村和雄HC)は、次に何をしようとしているのかが僕には何となく分かるんです。「ここで試合に出されるな」とか、準備が出来たんです。それが今までは分からなかったから、最初の頃は。今はだいぶ分かるようになってきたんで、その時その時で仕事が出来るようになってきたと思います。リズムであるとか、そういったのも違いがありますね。

-このシリーズでも、チームとしての流れが悪い時は日本人と外国人がバラバラだったりする場面がありました。やはりチームとしてまだまとまりきれていないということでしょうか?
そうですね、任せきりになったりするんで。僕らの良さというのは、チームの組織としてやるオフェンス、ディフェンスだったんですけど、それが今は「行け!」と言うと、本当に一人で行ってしまう状態なんで。それに対して合わせて、合わせて、とか。ディフェンスも、誰かがプレッシャーをかければ次はヘルプに行く、次から次へとディフェンスが出ていくはずなんですけど、そこがまだ・・・。岡田(慎吾)がいないというのが一つの要因ではあるんです(今シーズンの出場は2試合のみ)。それを、仲西がカバーしていてくれてたんですけど、怪我してしまって(1/4は欠場)。

-先ほど河合HCから、まだまだ上を目指すというコメントがあったのですが、チームとしてより向上していきたいとういことですね。
もちろん。この負けを糧に出来なければただのチームになってしまうので。

-bjリーグで新潟に連敗するのは初めてですね?
そうですね。本当ですね。その前に、去年は2連敗というのがなかなか無かったので。負けても次はしっかり立て直したんで(昨シーズンの連敗は1回のみ、同一カードでの連敗は無し。今シーズンは4連敗と3連敗があり、同一カードでの連敗が3回)。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
昨日の試合の前には、1位になるチャンスがあるということで、1位になるためには1位のチームを倒さなければいけない、自分達で掴み取らなければいけないという話をしました。そして勝って今日の試合、選手達は1位という状況にプレッシャーを感じずにしっかり集中して戦ってくれたと思います。練習で確認してきた細かい部分であるとか、結果ではなくプロセスに集中して、自然と結果が付いてくる、そういった戦い方が出来たと思います。

ディフェンスでは浜松にしっかりプレッシャーをかけて、出来るだけ3ポイントを打たせないディフェンスが出来たと思います。浜松さんはとても力があり危険なチームですから、ドライブからFTをもらったりとか、オープンのシュートを決め切る力があるので、リードしていても浜松さんの底力があるのではないのかということで怖さもあったのですが、しっかりとプレッシャーをかけて守り切ることが出来たと思います。

我々のチームでは何人かの選手がいいパフォーマンスを見せてくれました。根東選手は攻守でいいパフォーマンスを発揮してくれましたし、ナイル選手も昨日に引き続きいいパフォーマンスをしてくれたと思います。アーロン選手とクリス選手がリバウンドで貢献してくれたことが凄く大きかったと思います。リバウンドは54-33と圧倒しているのですが、これが我々にとってすごく大きかったと思います。全員がよくリバウンドに絡んでいたのが、これだけリバウンドを取れた要因だと思います。

浜松さんは何人か選手が欠けており、#1の選手(ハーブ・ラミザナ)は家族の事情でチームにいないということですが、#25の仲西選手も昨日の試合で怪我をして出れないということで、昨日30分以上出ていた選手達が、ベンチの層が薄くなった事もあり、出場時間が増えて負担がかかるというのは分かっていたので、どんどんアタックして疲れさせようとしました。

またFTをしっかり決められたことも勝因のひとつだと思います(新潟のFT21/27)。

ディフェンスでは、浜松を前半30点に抑えられたのはとても良かったと思います。彼らを驚かすことも出来たと思います。2-3のゾーン、これは最近あまりやり込めてなかったんですが、とても有効に効いていたので、効いてる時間帯は2-3のゾーンを続けました。よかったのは、ゾーンの中でもすごくフィジカルに守ったことだと思います。2-3のゾーンをやるとリバウンドを取れなくなる傾向があったのですが、今日はロングリバウンドを取れたことも、ゾーンが有効に効いていたということだと思います。

-根東選手のディフェンスへの評価は?(雑誌)
怪我人の状況もあり、この6試合、8試合では根東選手に疲れやファウルがあっても長い時間出る状況が続いています。これによって彼自身リズムを掴みやすくなっていると思います。彼がとても上手いのは、ディフェンスのポジション取りです。彼は出来ないことはやらないですし、他のポジションに入りすぎるなど余計なことはしません。彼はポジション取りのタイミングが絶妙で、それが彼の良さだと思います。長い時間プレーすることで、彼もより自信を持ってプレー出来ていると思いますし、彼がチームで求められている役割というのも、よく理解できていると思います。彼は自分の得意な方法でチームに貢献する方法を知っています。それがディフェンス面での貢献に出ていますし、オフェンス面でも、長い時間プレーすることで自信がついているからか、キャッチアンドシュートが入っているので、そういったプレーが出来る選手になってきているのではないかと思います。

-2日後にはアウェイでの宮崎戦が控えていますが、どのように挑みますか?(新聞)
宮崎までは長旅になるので、飛行機を降りたらすぐに試合の準備という、そういった気持で臨みたいと思います。2日間しかないですし、大事な試合をホームで勝って、みんな気持ち的にはすごく上がっている状態だと思いますが、これで満足してしまったりとか、アウェイに行くことで気持ちが下がってしまうとか、そういった事は避けたいと思います。気持ち面でもフィジカル面でも、この状態を維持したまま、更に高いレベルで戦えるようにしたいです。この遠征のスケジュールも、移動してすぐに練習して試合に備えるスケジュールなので、試合の出だしから気持ちを出して、フィジカルに戦って、今の選手達の高いモチベーションを落とさないようにして、試合に入りたいと思います。

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#15根東裕隆選手

-特に第2Qのディフェンスが素晴らしかったですが、どこを意識しましたか?(雑誌)
(相手が)やってくることは分かってましたし、外国人をいかに止めるか、3ポイントをいかに止めるかという事しか考えてなかったです。(3ポイントシュートを)打たせないことで、ドリブルをさせようというのが出来ました。2ポイントはいい、という感じですね。

-昨日の試合を受けて、今日の試合で修正したことはありますか?(雑誌)
やはり読みというか、「こう来るだろう」という事だけですね。スカウティングも結構やっているので、それもひとつだと思います。ディフェンスをしっかり守ろうという意識が今はだいぶ出来ているから、言われたことをやれば勝てるんだなと。勝つという結果がついてきているので、それをずっと続けていきたいです。

-第2Qだけでスティールが3もありました。(雑誌)
そうなんですか。ボールが転がってきた、みたいなところもあったので。でも、みんながしっかりディフェンスしてくれるからこそのボールだし、誰の物でもないボールは取りたいという気持ちはあります。そこは譲れないということで、走りました。

-相手の外国人に対するスカウティングが効いたでしょうか?(雑誌)
去年も1回やっているので、大体はやらせないように出来ると思ったんですけど。昨日はポンポンと3ポインと入れられたので、それだけはやらせないと思ってました。しっかり手を上げて、ドライブだけをやらせて、2点はいいと考えてました。何回か打たれましたけど、よく守れたと思います。やれることをやる、言われたことをやるだけです。

-チームでの役割は?(雑誌)
いかにみんなをまとめるかというか。たまに、オフェンスリバウンドを取って、単発で打って外れて逆速攻、みたいな場面があったので、オフェンスを1回止めてしっかり攻めようと。それは相手にとって嫌だと思うので。そういった事をしっかりやっていって、地道にボディブローのように効けばと思ってました。あとはみんなのタイミング、パス回しの起点になろうとは思ってました。

-長くプレーすることで、リズムを掴みやすいというのはありますか?(雑誌)
最初から出るようになってから、リズムが出てきたと思います。自分のリズムでいけるから、結構いい感じでシュート打ててますし。パスも回せてるし、ディフェンスも出来てるから、ゲーム勘が戻ってきたというか。

-初MVPについては?(雑誌)
ビックリしました(笑)。嬉しかったです。

-オフェンスに関して、ドリブルを多用したのは意図的なものですか?(雑誌)
いえ、意図した訳じゃないですけど、(ディフェンスのラインナップが)小さくなってたので。ボールを奪ってからのドリブルも、相手が小さかったので、それは(攻めて)行こうと思ってました。

-外国人選手とのマッチアップはどうですか?(新聞)
やはり体格がいいのでキツいですけど、楽しいですね。「止めてやるぞ」という気持ちが出てくるんで。昨日はやられましたけどね。