【プレミアム限定】新潟が危なげなく連勝を飾る。出口の見えない岩手は8連敗を喫する。(72-62)

11月27日(日)、新潟市東総合体育館で行われたbjリーグ、新潟アルビレックスBBvs岩手ビッグブルズ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

両チームとも重たい立ち上がりながら、新潟が徐々にリードを広げる。オフェンスが単発になりがちな岩手は徐々にビハインドとなり、後半には追い上げの場面を見せたものの、新潟が危なげなく勝利を飾り連勝で5割復帰。岩手はこれで8連敗となる。

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岩手ビッグブルズ

ブライキディス・ブラシオスHC

-今日の試合の総括について
ディフェンスに関してはハードにプレー出来た部分もあったと思うのですが、やはりシュートの成功率の部分で単純に勝ったほうが勝利を収めたという結果だと思います。昨日の方がいいゲームを出来たと思いますが、昨日のゲームの疲労が残っていた選手もいたと思います。シュートの成功率28%という数字にも見られるように、シュートのセレクションが悪かったり、集中力の欠けたプレーが見られたりというのがオフェンスでありました。インサイドの選手がファウルトラブルになってしまったのも、疲れなのか、足が動かず手を出してしまうことが多かったです。そのあとはインサイドのプレーヤーのやりくりにも苦労しました。ベンチから出てくる選手に関しても、オフェンスの流れを変えるというところには至りませんでした。

-シュート成功率が低かったことについて、新潟のディフェンスはどうでしたか?(新聞
新潟のディフェンスというよりは、自滅という印象が強いです。イージーなバスケットを落としたりというのが多かったと思います。

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#1澤口誠選手
※質問は全てバスナビ

-今回の2試合とも似た展開となり、岩手が追い上げる場面もありましたが勝ちには繋がりませんでした。このような接戦から勝ち切る為に、チームに必要な事はなんでしょうか?
何ですかね、それが見えてないから選手がやりにくいというのがあると思います。

-まだチームとしての方向性が見えてないということでしょうか?
コーチはハーフコートバスケをやりたいと言ってますが、早い展開のバスケをやりたいと言っている選手もいるので。

-まだチームとしてのベストのバランスが確立されてないということですね?
そうですね、誰がどんなプレーに合っているというのが、まだ見えてないです。それが一番の勝てない原因だと思います。

-澤口選手自身はbjリーグで2シーズン目ですが、新規チームということで、チーム内のコミュニケーションなど難しさを感じる場面もありますか?
去年は先輩がいて、すごくやりやすい環境の中にいたんですけど、今シーズンは(bjリーグ経験者が)自分しかいないというのがツラいですし、自分からどんどん話さなければいけないというのもあります。会話には慣れたんですけど、バスケットという意味でのコミュニケーションはまだ全然とれてないですね。それが試合の終盤に出てくるのが、やはり良くないです。

-例えば、相手の流れの時に自分達で修正出来ないとか?
修正できないですね。今日も昨日と同じ試合をしているので。1試合で修正が出来ないです。土曜日負けて、日曜も同じバスケをしていたら勝てないので。それで後半はちょっと早い展開にしたんですけど、それで少しは良くなったのかなと思います。

-今日の試合でも日本人選手が切れ込んで外国人選手がフィニッシュしてという場面がありましたが、やはり単発でした。これがチームの共通認識としてまとまるところまで行ってないということでしょうか?
いってないですね。早い展開での練習をしてないので。

-基本は、HCの目指すハーフコートバスケットということですね。
そうですね。

-まだ2年目で、しかしチーム唯一のリーグ経験者ということでいろいろ発言を求められると思いますが、この新しい立場は大変でしょうか?
自分なりにですが、「こうしたほうがいい」という話は先輩にもしています。そういった意味での「言いづらさ」のようなものは無いんですが、それを言ってもコーチのバスケをしなければいけないので。自分がまだコーチのバスケを理解してないんですね。すると自分も、なんて言えばいいんだろう?ということはあります。

-やはり去年の秋田のようにベテラン選手がいるのと違い、新規チームの岩手では難しさを感じますか?
難しいですね。どんなバスケをすればいいのか、分からなくなる時があります。

-澤口選手自身のプレーについてですが、今シーズンは一定の出場時間を与えられています。その中で出来ている点、逆に課題となる点はどこでしょうか?
出来ているのは自分のプレーを続けられている点、ドライブが多く出来るからFTももらえるということです。FTが多いのは自分の強みだと思うので、FTをもらって、それを入れるといのは、今出来ていることだと思います。出来ていないのは、まだ自分にはチームをまとめ上げる力が無いのかなと思います。プレーでは、長く出続けている分、最後の集中力だったり、体力的なことですね。去年は10分弱とかだったので全然問題なく出来たんですけど、やはり20分、30分と出ると終盤で集中力が落ちたり、続かなかったりするのが自分の課題ですね。

-シーズンはまだ序盤ですが、これからどのようなチームにしていきたいですか?
今はまだチームになってないと思います。早くチームを作って、ギリギリでもいいので、プレイオフ争いに絡めるようなチームにしたいです。序盤で決まってしまったら、やっていても面白くないですから。

-逆に岩手がチームとしてまとまるならば、このリーグで戦える力があると思えますか?
そうですね、20点差を10点差まで詰めるというのは試合の中であるので、そのまとまっている時間が長ければ勝てると思います。今日もまとまってないのに新潟相手に10点差だし、一桁差で付いていけたので。力が無いという訳ではないと思います。チームとしてまとまる時間が長く続くというのが大事ですね。

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#21寒竹隼人選手
※質問はすべてバスナビ

-2試合とも後手となる展開で、しかし岩手が追い上げる場面もありました。ここから勝ち切るチームになるためには、何が必要でしょうか?
1試合の中で戦えている時間というのは、前よりは増えてきていると思います。そこで相手が対策をとってきて、それに僕達がアジャスト出来ていないというか、それで流れを切られてしまって相手の流れになってしまうというのが、先週も含めてすごく感じています。いい時間をいかに自分達に引き寄せることが出来るかというのが勝負の分かれ目というか、まだ僕達が上手く勝てないのはそこにあるんじゃないかと思います。

-新規チームで外国人HCと多くの外国人選手ということで、寒竹選手自身、コミュニケーションの難しさを感じることはありますか?
そうですね、やはりJBL時代より外国人の比率が多いので。日本人だけで話したことを外国人選手に伝えるのがなかなか難しくて、100%伝わらないこともあるので、その辺はもっとコミュニケーションを取っていかないと、試合の中でも別々になってしまったりとか連動できてなかったりとか、そういった部分が試合の中でも出てしまっているので、そこの意思疎通をやっていかないと、状況は変わらないと思います。

-寒竹選手自身のプレーについてはどのように評価していますか?
オフェンスではシュートの確率とか全体的に納得いってなくて、もっとアタックしていかなければいけない時とか、シュートのセレクションとかも、まだ探り探りというか、まだ自分のリズムをつかめてないところがあります。今日は外のシュートが入っていたのでちょっと自分のリズムが掴めていたんですけど、相手が小さい日本人だったらポストアップしたりとか、3番ポジションだと僕のほうが身長大きいことが多いので、そこで臨機応変に、外で打つべき時は打って、中でファウルを貰える時は貰うというように、状況に応じて対応していかなければいけないと思ってます。

-プレーのイメージとしては、アウトサイドをメインに、しかし中でも出来ると言う感じでしょうか?
そうですね、それが僕の強みだと思っているので、第2Qなら僕がミスマッチを作れると思いますし、今日も1回ファウルをもらえたんですけど、ポストアップしてファウルをもらえるプレーを臨機応変にしていきたいです。

-一定の出場時間は与えられていますが、まだ自分の納得できるプレーが出来てないということでしょうか?
僕の中では全然、全く納得出来てないです。ただディフェンスに関しては、外国人選手に対しても守れる自信はあるので、オフェンスはもちろん貢献したいですけど、ディフェンス面でももっと貢献できるように、自分の持ち味を出して頑張って行きたいです。

-チームの話に戻りますが、岩手がイーストでプレイオフレースに絡んでいくためには、どのような点を意識していきたいですか?
直さなければいけない所がたくさんありすぎて・・・。やはりディフェンス面が一番の課題だと思いますね。ウチのチームは失点がかなり多いと思うんです(11/27現在でイースト最下位の85.1失点)。そこを減らしていかない限りは上を目指していけないと思います。

-確かに今日も新潟のドライブをフィニッシュまで許してしまう、それが連続で続くという場面もありましたね。
そうですね、チームディフェンスという面でも、ウチの外国人選手は他のチームに比べて経験が足りない部分もあるのですが、そのハンデを個人個人で埋めるのはなかなか難しいので、そこはチームとしてリスクを冒してでも攻撃的なディフェンスをしなければいけないと思います。チームディフェンスの連携をもっと高めていかないと、なかなか勝ちに繋がらないと思います。

-今回初めて新潟でプレーしましたが、アウェイで戦うという感覚はどうでしたか?
新潟は根強いファンの方がたくさんいると思うので、本当にアウェイという感じを肌で感じました。でも、アウェイですけどプレーしていて楽しいですね。こういった感じでバスケットが盛り上がっていけばと思います。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
第1Qから第3Qまではとてもいいゲームが出来たのではないかと思います。ルーズボールも取れてましたし、岩手にセカンドチャンスを与えすぎてしまったのは反省点なんですが、常にボールをプッシュして、アグレッシブに向かっていたし、そこからジャンプシュートや、インアウトの展開に持っていけたので、第3Qまではゲームプランに近いかたちで試合を進められたと思います。第4Qに関しては疲れてしまったのか、向こうのディフェンスが良かったのか、またビデオを見てみないと分からないですが、第4Qに関してはパフォーマンスが落ちてしまったと思います。

-62点は今シーズンの最少失点ですが、今日のディフェンスについてはどうでしたか?(新聞)
今朝のシュートアラウンドで、昨日のゲームの反省点というのを確認したのですが、選手達もその反省点に関して納得して試合に臨めたので、その昨日からの反省点を上手く出来たと思います。朝確認した事を、ゲームの中でしっかり遂行できたと思います。その結果が62失点だと思います。

-修正したというのは具体的には?(新聞)
3-2ゾーンのマッチアップの仕方であったりとか、向こうはフレックススクリーンというプレーがあるんですけど、これに対するポジショニングを修正しました。また昨日はピックアンドロールでやられていたので、この守り方のテクニックでの部分のキーポイントを強調して確認しました。

-イースト最下位の岩手相手に10点差というのはどのように考えていますか?(テレビ)
第4Qはウチだけでなく岩手も良くなかったと思います。bjリーグの試合として、興行としては第4Qの内容は良くなかったと思うのですが、第3Qまでは我々はいいパフォーマンスが出来たと思っています。もちろん10点差の勝ちというのは決して喜ばしいものではないですが、同時に、我々は学ぶこともたくさんあります。この試合からしっかり学んで、成長できるという材料も見つかったので、ポジティブな部分にフォーカスして、この経験を糧に成長することが出来ればと思います。

恐らく、後でビデオを見たら、もっと落ち込むことになると思います。

-根東選手がルーズボールなどでハッスルプレーを見せていましたが、これはチームにいい影響を与えていますか?(テレビ)
ご覧になった通り、根東選手が飛び込んだ時に、ベンチも立ち上がって、お客さんもすごく喜んで盛り上がったと思います。これが新潟だと思います。新潟のお客さんはルーズボールに飛び込むという姿勢がとても好きで、それを見に会場に来ていると思います。今週の練習でも言ったのですが、新潟はそんなチームなんだと。ルーズボールに飛び込むことでチームがあるんだと。そんな歴史を持ったチームであると話していて、ルーズボールに飛び込むことをすごく強調して話していました。これまでも佐藤優樹選手であるとか根東選手がルーズボールに飛び込んで、そんな姿勢を見せてくれたのですが、今日も根東選手だけでなく、公威選手もルーズボールに飛び込んでタイムアウトを取ったプレーがありましたけど、あれもチームにとっては大きなプレーでした。あれこそがアルビレックスのプレーだと思います。会場は盛り上がりますし、これがお客さんが求めているものだと思うので、チームの歴史として、続けていかなければいけないと思っています。

根東選手については、ナイル選手と2人で岩手のケネディ選手をよく抑えてくれました。もしケネディ選手がいつもどおり20点オーバーの試合をしていたら、ゲーム自体、より難しくなっていたと思うんですけど、この2人でよくケネディ選手を抑えてくれたと思います。

-来週の信州戦への課題は?
スクリーンアンドロールに対するディフェンスです。あとルーズボール。信州はインサイドアウトのうまいチームなので、そこからのペネトレーション、ディフェンスを引きつけてからのキック、そこに取り組んでいきたいです。(信州#5の)ライビオ選手が最近とてもいいプレーをしているので、このマッチアップが大事になってくると思います。