Bリーグ(1部)秋田ノーザンハピネッツは11月6日、7日東京代々木競技場第二体育館でアルバルク東京と対戦した。
両日の試合結果は以下の通り。
11月6日試合結果
11月7日試合結果
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11月6日記者会見(秋田は長谷川誠ヘッドコーチ、A東京は伊藤拓摩ヘッドコーチ、正中岳城選手)
長谷川誠ヘッドコーチ
-今日の試合を振り返って
第1クォーターで相手のギャレット選手にオフェンスで自由にさせてしまった。そこから我々のディフェンスが崩れていき、コミュニケーションのミスが続いた。
肉体的(フィジカル)にもタフな試合になるであろうと予想していた部分で、チームの得点源である選手たちが相手の守備に見事に止められたので、明日はしっかりと修正して自分たちのバスケができようにしたいと思う。
-試合の入り方はどう想定していたのか
間違いなくギャレット選手でくるであろうと(思っていた)。スクリーナーになるビッグマンのディフェンスを含めてチームディフェンスで守ろうと想定していた。それがなかなか出来なかった。
ファーストショットのスリーポイントを気持ちよく打たせてしまった。第2クォーターでも松井選手。前の試合ではあまり調子が良くなかった分、今日の試合では入るだろうと。そういうことを想定しながらも自分たちのミスでノーマークを作らせてしまった。
マンツーマンでやられてしまった部分が大きくあったので、後半はゾーンディフェンスにした。(マンツーマンのままであれば)正直50点60点差をつけられていてもおかしくない試合だった。
数字では勝っているかもしれないが、リバウンド、勝負どころでのオフェンスリバウンドを気をつけなくてはならない。
-谷口選手の2ファールも誤算だったのか
それも誤算。谷口には自分は取らなくても良いから竹内譲次選手のリバウンドを取らせるなと言っていた矢先に2つファール。彼を責める訳ではないので、今日の経験を今後に活かしてほしい。
あとは3ポイントシュート。今日は2本。打つなとは言っていないので、ノーマークであれば狙っていこうと(言っている)。確率が良くなれば今後も良くなると思う。
-ターンオーバー18。ボールが回っていない感じがするが、どう思うか
周りの選手がノーマークを作れない状態。ボール貰っても1対1ができない選手が多い。しっかりインサイドとアウトサイドのバランス(を見極める必要がある)。良いときはしっかりとインサイドにボールが入って、そのシュートが入らなくても(リバウンドに絡んだりと様々な状況が起きるので)良いかなと思うけど、今はボール入れても(シュートを)決めてくれないだろうという不信感があると思う。5人が同じ意識でインサイドにボールを入れてほしいと思うし、チームは安藤、田口が得点源なので、今日の試合は相手のスカウトがしっかりと対応していた。菊地、田中選手はうちのガード陣をしっかり抑えていた。
すぐに変えることが出来れば良いが、レベルもサイズも違う相手にどう戦っていくかが今後の課題。
-オンザコートを2-1-1-2に変更するつもりはないのか
いろんな方法は考えています。今日は相手がスタートで2(第1クォーターから)でくるので我々が1でどれくらいできるのか(試した)。ここまでやられるとは思ってなかった。前回(の対戦)は前半リードできたけど、今後変えていくことは大いに有り得る。
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伊藤拓摩ヘッドコーチ
-今日は試合を振り返って
今日はシュートがよく決まった印象があるが、それ以上にディフェンスで第1クォーター6点。前回の2試合は第1クォーターに点差で負けていたので、理想的なスタートを切ることができた。
そこからも緩めることなく1試合通して我々がやりたいディフェンスができたので、シュートが入る入らないよりも今後もこういうディフェンスができる試合をしたいと思います。
-ギレンウォーター選手の足の具合について
今は病院に行っている。本人は少し怖がっていて、レントゲンの結果次第です。今日は点差も開いたこともあり、本人が怖がったこともあったので(プレイさせなかった)。
(明日の出場は)レントゲンの結果次第です。少し痛みがあると言ってます。
-ザック・バランスキー選手について
彼は年齢の割にはバスケIQも高いし、自分の活かされ方も活かし方も知っている。
今日のような試合では相手(ケビン・パルマー選手)もストレッチフォー(4番だが広い動きができる)ということでインサイドでゴリゴリやってくるタイプではなかった。オフェンスはザックが活かすシステムになっている。
-ザック選手のシュートレンジが広くなっている
そうですね。シュートの入らない試合が続いていたが、今日の試合になればこうなる(14点 3ポイントシュート2本成功)のかなと思う。
-秋田の安藤選手を田中、伊藤選手がよく抑えた
彼は秋田のキープレイヤーの一人。今シーズン好調でアウトサイドのシュートが入っている
。やはり良い選手だ。今日はそれほど(シュートを)決めてないが、7アシスト。体も出来ているし、良い選手。明日も色々なディフェンダーを当てながら、彼に良いプレイをさせないようにしたい。
-先週の千葉戦(での乱闘騒ぎ)からチームが何か変わったのか
結束は強くなった。(結束が固まる)きっかけになった。先週のことはメディアにも色々と扱われたが、選手は悪いことをしたわけではないし、ルールはルールなので仕方ないが、チームメイトを守ろういうかチームのためにしたこと。
チームの結束は更に強くなったと思う。
-どういう部分で結束の強さを感じたか
若いチーム。若いというのは新しく6人選手を入れ替えたということ。昨シーズンはチームとして成熟していて、この選手のこの位置でパスしてくれるとかディフェンスでスイッチしてくれるとか息が合っていた。
(今シーズンのチームは)先週の試合から我々はチームなのだという結束は強まったと思う。
-チームの成熟度はどれくらい
全然まだまだ。30から40%くらい。オールジャパンまでに60%には持っていきたい。
-我々のディフェンスが出来たといったが、理想とするディフェンスはどのようなものか
対戦相手のことを理解して、相手のやりたいことをさせずに苦手なことをさせる。非常に大きく言うと、そういうことになる。ウィングの選手もビッグマンもパワーはあるので、そこで(相手の体力や気力)を削りながら、プレッシャーで相手を後ずさりさせるようなオフェンスにさせられれば良いと思っている。
秋田はセットオフェンスの数が豊富で、スカウティングしただけでも何十種類もあり、それすべてに対応することは無理なので、プレッシャーディフェンスやフィジカルが必要になってくる。
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正中岳城選手
-今日の試合を振り返って
3試合目の秋田のホームで試合して、自分たちが上手くいかなかったので、とにかく自信を持って試合に挑まなくなていけないと思った。(秋田が)良いチームだとも分かっていましたので。
二試合続けて良い試合を作ろうと、コーチにも言われていましたので、チーム一丸となったというか理解しあえたゲームだったと思う。
-自身のプレイについては
チームが上手くいっていたので、その中でチームの一員としては上手く出来たと思う。
-3ポイントシュート連続成功について
一回入れば入ります。上手くいって良かった。
-今シーズンのアルバルク東京はどのようなチームなのか
まだまだ表現するには時間が足りていないと思う。
色々な見方をされるチーム。自分たちが思っている以上に色んな見方をされるチームだと思う。それを(自分たちで)理解しいないと、様々な場面(だけ)を切り取られて色合いをつけられてしまうので、自分たちがどうとかではなく、他からどう見られるのかを意識しないといけないと思っている。その中で自分たちが実力でもクラブとしての立ち振舞いにしてもリーグの中心的な存在でありたい。
色々なリスペクトを勝ち得なければいけないし、強さも兼ね備えなければならないとも思う。
Bリーグ初年度ですが、そういう思いを持ってプレイしている。
-東地区はタフか
確かに東地区に良いチームがいるが、中地区も西地区にも沢山の良いチームがあるので、自分たちだけがフェアではない中で戦っているとは思えない。
これはプラスにしか作用しない要素だと思っている。この(タフなチームが多い)中でも光を放たてる存在感のあるチームにならなくてはいけない。
前半戦は地区内の試合が多いので、「あの地区で一歩前に出ているな」と思われないとリーグの中でも一歩も二歩も前出ることはできない。周りにそれを見せていく時期だと思っている。
-伊藤コーチがさかんに「息が合う」とい.うことを強調しているが、今はどれくらい出来ているか
パーセンテージではなかなか言いにくいが、試合の中でまだフィットしていないところもある。それぞれが良い選手なので、やりいたい(プレイの)主張もあるので、これが噛み合うのは難しい部分もある。けれども、向かっている方向は正しいと信じているので、半分くらいまで年内にいければ良いのかなと思う。
-完成度がまだまだの中で大勝したことについて
(少し考えてから)相手のシュートが入っていないということもあったと思う。完全に試合を支配出来ていたわけでもない。先週の試合(大量の退場者を出した)もあり、我々が見せることははっきりしていた。ホームの帰ってきてモチベーションもあったし、試合でやるべきことは出来たと思う。
-その(試合でやるべきこと)部分は明日も変わらないのか
変わらないですが、明日が今日と同じ展開になるとは思えない。今日の良かったイメージは一旦置いて相手のシュートがどれくらい入ったとしても自分たちが勝てる試合をしなければいけない。
もう一つ二つ上を目指していきたいと思う。
-試合出場できない時間も長いがモチベーションを落とさない方法は
モチベーションを上げないこと。いつもそこ(コート)に居ることを意識し、モチベーションで体を動かすことをやっていない。淡々と上げすぎないことが一つ。
ただ、自分はこうやって10年目のシーズンを過ごしているが、全選手ができるか、自分自身も若い時に問われればできていなかっと思う。良いチャンスをもらいながらここまで来たので、こういうことも言えるし、こういう思いでベンチに座っていることもできる。(試合中)他の選手の評価もしながら自分の準備もできますが、時間がそうしてくれた部分もあるし、選手たちがそれを教えてくれた部分もある。
選手としての思いもある。それは何かを問われるとずっとプレイしたいということ。チームの真ん中でプレイすることが個人の評価にもつながる。そういう思いを持っている。
それ(チームの中心としてプレイできる)が必ずしも一致しないことを理解するのに7,8年はかかった。
今は若手に引っ張ってもらう心地よさを感じながらプレイできていると思う。
-若手が成長したなという感じで年寄り臭くなることはないのか
あると思う。ただ、それで終わりではないから。若い選手にまだまだ負けたくないという僕らの世代の思いがきっとある。
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