11月4日(日) 秋田県立体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―東京サンレーヴスの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、庄司和広選手、田口成浩選手。東京:青木幹典HC。
(文・写真/宮川 紀元)
東京サンレーヴス
青木幹典 HC
―今日の試合の総括
チームがこういう状態だからこそ勝ちたかったという思いは非常に強かったです。ただ結果的に2つ負けてしまったということは本当に悔しいし、残念な気持ちでいます。
うちのビッグマン、ジャレットが早々にファウルを2つやってしまって、そこでちょっと、外国人が3人しかいない中でゲームプランが崩れてしまいました。そこで次の手を準備しておかなかった私の責任かなと思います。ただ選手は本当に、少ない人数ですけど最後まであきらめることなく戦ってくれたと思います。次節からホームが2つ続きますのでしっかり修正して、4つ勝って早く五分に戻したいと思います。
―前半アウトサイド主体だったのは、カーター選手のファウルがかさんだためでしょうか?
そうですね。インサイドのキーが、試合開始早々だったので、(ファウル)2つ。控えの外国人は小さくなってしまうので。インサイドのJJ(ジョナサン・ジョーンズ)中心で昨日はいけたんですけど、そこが今日は全く。ジョナサンがボールを持つことすらできない状態の中で、アウトサイド中心になってしまったというのがありました。
―第3Q以降はインサイド主体に立て直してきましたが。
そうですね。前半2つでジャレットが我慢してくれたので、後半は実際のゲームプランでプレーできて。インサイド中心からキックしてアウトサイドということで、いいバスケットができたんじゃないかなと思います。
うちはジョナサン・ジョーンズを起点にするバスケットと、今回は出てないですけど青木康平を起点にするバスケットの2本の柱にいかにオプションを加えていくかということで作っている中で、今日はそれがファウルトラブルによってできなかったということです。実際はうちはそういうところ(インサイド)でバスケットを展開していきたいと思っています。
―カーター選手がもう少し出れれば、もっとジョーンズ選手が起点になることができたということですか?
間違いなくそうだと思います。
―秋田のディフェンスへの対策について
ローポストにフルフロントでついてうちのJJにボールを入れさせないというのが昨日今日で見えていたところで、それに対してはしっかりハイポストが反対側をうまく使えば。ハイローとかが出来うる話だし、JJもローポストだけでなくハイポストのプレーもうまいスキルを持っているので、JJがハイポストに来た時にはもう一人のビッグマンがローポストに入ってハイローを狙うというのが、うちがやりたいところではあるんですけど。まあそこがジャレットのファウルトラブルで、井上がインサイドをやらなきゃいけない中で、井上のローポストはそんなに高さも(ない)というところがあったんで。特に前半は。
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秋田ノーザンハピネッツ
中村和雄HC
―今日の試合の総括
ひとつひとつ積み重ねていくことかな、オフェンスもディフェンスも。まあ全部いい状態になればいいでしょうけど、そうはなかなかいかないですね。でもまあ、一応は形になってきてるかなという感じはしますね。
(報道陣に対して)えーと、今日新聞見た?「ディフェンスのほころびが」ってあったけど、これわからないじゃん。どういうことすればいいのか、ちょっとわからないですね意味が。こんなのは最終的に、最後に…。おれもわからないじゃん。でも書いた人は分かるんだろう、きっと。それは、たとえば今日みたいにポスト抑えるとなれば抑えられますよそんなの。だから、それはその時その時の状況で変わると思ってます。たぶん書いた人は僕よりもよくわかるんでしょう、ディフェンスを。何が悪いかということを。今度ぜひ聞きに行きたいと思いますね。以上です。
―開幕6連勝を切れた要因はどこにあるんでしょう?
わかりません。わかりません。たまたまうまくいってるんでしょう、きっと。他になければ終わります。
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庄司和広選手
―今日の試合を振り返って
昨日の反省を活かして、今日の朝コーチから修正する部分を指摘されました。入り方は良かったんですが、何回かコーチからされた指示と違う動きをしてしまってミスにつながったこともありました。前半は良かったんですが後半の入り方、チームとして機能しなかった部分が第3Qに出てしまったんだと思います。
全体的にみるとバランス、チームの組み合わせ的なものが悪い時間があるのかなと思いましたが、そこはプロなので言い訳はしないで、いい結果を出せるように各選手頑張りたいと思います。
―修正点というのは個人的なことですか?それともチーム全体に対してでしょうか?
まあ一応全体にはなりますが、直すところは各ポジションだったり、ディフェンスの修正ポイントだったりです。
―今日は一段と気合が入っていたように感じましたが。
いや…そんなことはない、いつも通りだと思います。ただやはり得点はね、去年に比べていつでも取れるメンバーが揃ったと思うので、自分がどんどん積極的にというのは減らしていると自分でも思っています。ただやっぱりチームが停滞しているときには、自分もそういう得点に絡めればな、とは思っています。
―田口選手や菊地選手が昨日からHCに厳しいお言葉を受けていますが、庄司選手から見てもう少し若手に奮起してほしいというのはありますか?
いや、たぶん中村さんは期待しているからだと思うし、それに「怒られる」というか…。感覚的に、見てるとそうなのかもしれないですけど、やっぱり怒られるのは試合に出ているから。そういう風に試合に出られるように一生懸命頑張ったから試合に出られるわけで、それで怒ってもらえるということは直せる、修正できるというか。そこでまた直せるか直していけないかがその選手の成長過程の中で、長く使われるか、もうそこで終わってしまう選手か、になると思います。そういったことに対してしっかりアジャストして。うちの若い選手はみんなやっていけると思うので、安心はしてます。
―(次節、夏にチームで訪問して交流した)陸前高田の子どもたちの前でプレーするというのは、思うところがありますか?
そうですね、いろんなことがあって。私たちもそうやって出向いてできることをやって、「仲間」という感覚でいるので。もちろん岩手にあっても、例えば宮城にあっても、チームがそこにあったとしても、違う県でもやはり行った時はみんな仲間になるので。そこはもちろん、応援するのは岩手であったりうちだったり。でも僕らが一生懸命プレーしてるのを見てやはり何か気付いてもらえればな、と思います。
(次節、岩手県奥州市でのアウェーゲームに、今夏に交流した陸前高田の小学生~高校生が秋田の応援に訪れる件に関して)
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田口成浩選手
―2日間を振り返って
トータルにしてみるとまだまだ全然、納得のいかない2日間でしたね。
―どんなところが自分の課題として明確になってきたと思いますか?
ディフェンスの面でボールマンに仕掛けるところは自分なりにこの前の試合よりできたと思います。でもオフボールになった時に、今回の相手はインサイドが大きくて、それに気を利かせたディフェンスというか、読みが甘いですし。全然チームをヘルプするディフェンス、頭を使ったディフェンスが出来なかったなと思います。反省しています。
―HCには2日続けて勝利インタビューで厳しい言葉をかけられていましたが、どんな思いで聞いていましたか?
情けないです。ああいう風に皆さんの前で行ってもらえるということは期待されているということだと思いますので、それに応えられていない自分は情けないです。今日は思い切ったシュートが打てなくて全部打たされたシュートだったのかなと思ってますし、打てるところで打たなくてその次に打たされるシュートを打っていたので。自分のリズムで打てず、悪いシュートを打ってしまいました。
―これからスカウティングされてくると、田口選手や菊地選手は厳しいマークにあうと思います。どうやって活路を見出していきたいですか?
自分がドライブして中のディフェンスを縮ませて外に出すとか。そういう、自分が作るバスケットをしたいなと思います。
―チーム全体の雰囲気としては、どうですか?
今は連勝ということでいい感じにはなっていますけど、やっぱりまだまだ自分たちのやりたいことをやって勝ててるわけではないので、試合の最初から最後までいい形でいってようやく自分たちの形だと思います。まだまだ点差が離れた時とか、もっと気を引き締められるんじゃないかと思います。
―HCが、その試合その試合ではなくシーズンが終わった時までのビジョンが大切とおっしゃっていましたが。
最後はそこ(優勝)が目標なので。今良くても、結局は最後に有明で、プレーオフでいいプレーができないとダメなので。やっぱり継続していかなければ結果はついてこないと思います。ひとつひとつ丁寧にやっていくことが最後に失敗しない一番の近道だと思います。