2月26日(日) ベイコム総合体育館で行われた大阪エヴェッサ対浜松・東三河フェニックスの試合後インタビュー。大阪はライアン・ブラックウェルHC、小淵雅選手、青木康平選手、浜松は河合竜児HC、太田敦也選手、ウェイン・アーノルド選手です。
(写真/文=金澤 朱志)
大阪エヴェッサ
ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
?3Qの途中からターンオーバーが連続してリズムを崩してしまったと思いますが、あの時どういうふうに考えてらっしゃいましたか?
集中力を切らしたのが全てです。集中力を戻すということに関して選手たち含めて修正していかないといけない。
―今日はあまりゾーンディフェンスを多用しませんでしたがその意図は?
マンツーマンディフェンスが機能していたからです。その上で(ジャメイン)ディクソンがやっかいで守るのが非常に難しかったんですけども、ウェイン(マーシャル)がしっかりゴール下にいることで守ることも出来たと思います。
―相手が東の1位ということで良いテストケースになったと思いますが、これからチームを上げていくうえでは集中力の部分も含めて具体的にはどこですか?
前半のような戦い方が出来ていれば優勝するに値するチームだと思います。それをするには先程から申し上げているように40分間続ける集中力。今日に関して前半に限ってはボビー(セント プルー)も良い仕事をしましたし(今野)翔太も変わらず良い仕事をしました。(田村)大輔に関してもアグレッシブに良い仕事をしてくれたと思ってます。あれが40分間続かないと優勝することはできないです。前半とは全く違うチームになってしまったので持続出来るように。そこだけです。
―集中力の維持についてこれからどういった指示とかどういう方法を取っていくのかというアイデアとか方向性はありますか?
もちろん練習の中でということになってくるんですが、その中でより緊張感を高めて、しっかりとした準備をして今後もやっていきたいと思います。
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小淵雅選手
―対戦相手が東1位の浜松、そして6連勝してきた中で2連敗してしまった意味では痛かったと思いますがどういうふうに感じてらっしゃいますか?
おっしゃるとおり痛いですね。負け方が痛いです。やっているんだけど中々勢いがつかないし向こうが先手先手で来ていて、うちは後手に回って結局答えが出ないまま試合が終わるのでどうしてもすっきりしないまま。これが収穫があっての負けなら先に絶対つながるので良いと思うんですよ。けれど、何かうちのバスケがよくない、向こうはすんなりやってる。もやもや感が残っているので今日はまだ良かったんですけど昨日なんて特によくないし、今日もあれでは勝てないというのがわかりました。もやもや感は残ってます。
―昨日のキーとしてはトランジションのディフェンスでした。ディクソン選手を抑えるという部分で昨日と違った部分はどんなところですか?
相手に対してこうするああするところの部分では良いところも出たと思うんです。ディフェンスについていてこうやったら止まるな、でもここは得意だなっていう部分を(知ることができた)。でも本当に良い選手だから1対1で止めることも大事かもしれないけど足りない部分はチーム全員でディフェンスすることが必要だし細かい部分になってくるんですけどローテーションの部分とか、チームでこれから話しあってしっかりルール決めてやっていかないと(浜松のような)しっかりしているチームには厳しいなと思います。
―相手チームは大阪のインサイドにダブルチームに来て、パスアウトするときのパスを狙われている印象がありますがいかがですか?
浜松はチームのディフェンスの形ができているので、ああいうチームなんだっていうことに対して僕らが対処していかないといけない。今日なんてダブルチームに行かれた時の逆サイドのスペーシングの取り方も悪いし、それはチームのルールでやっていかないと。個人個人が考えてやるべきじゃなくてチームでやらないとああやって来られた時にスペーシングが悪いとか、そうなったらやられ放題だと思うんですよね。修正というよりルールを作っていかないといけないと思います。
―ルールは作れてないですか?
作れてないと思います。インサイドにダブルチームが来られている時の2対3の部分で、こちらが一人多いわけだからフリーで打てるチャンスが絶対出てくると思う。なのに詰まっているのはスペース(の問題)。あとはボールを持ちすぎてしまう部分。アグレッシブに行くという良い部分もあると思うんですけど、チームバスケットができなくなると浜松の思い通りになってしまいますね。
―昨年から大阪でプレーされて怪我した後は客観的に見る時間があったと思いますが、その頃から見て大阪エヴェッサというチームはどういうふうに成長していっているのでしょうか?
成長というよりメンバーが変わって個々の能力がアップしていうのは当たり前として、それでチームバスケットが出来るんだったら一番優勝に近づくと思いますけど、変わっていない部分があると思うので。どこを直すか、どうするべきかというのは明確にはなっていると思うんですよ。そこはチーム自体が実行しないとエヴェッサが優勝していないシーズンと変わらないと思います。
―滋賀以外の上位チームに対して苦戦している印象がありますがファイナルフォーで戦っていく上ではかなり厳しい現状だと思いますがいかがですか?
それは去年からもそうだしそれは思います。勝った時も何で勝ったんだろう、と去年思っていたので。個々の能力だけで(勝っていた)。ここをこうしたから勝ったんだという部分が見いだせないままで、今年もそれが結構あるんです。最近はボールのシェアという部分では良くなっていたんですけど今日、昨日で言えばやっぱり良くないです。ボールシェアしてる部分はあったけど相手のディフェンスのほうが優っているんです。ローテーションも良いし。そこをどうやって変えていくのかはチームでやっていかないと本当に上に行った時に絶対に勝てないので直していかないといけないです。
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青木康平選手
―6連勝してきた中でイースト1位の浜松に対して2連敗。小淵選手も痛いと仰ってましたがいかがでしたか?
(昨日負けたので)1勝1敗で終わりたかったというのが正直な気持ちですけど、この負けは今の僕らにとって必要だったと思う。その前にも負け試合を勝ってきたので、やっぱり強い相手だとこうなるのが今のチームの現実です。勝ってたから見えなかった部分と負けたから見える部分が出てきたと思うので、これから本当に強いチームになったらディフェンスしっかりしてくるだろうし、プロだからそういうチームに1対1では絶対に勝てない。だから自分たちがもっと何をしないといけないかというのは明確です。
―もやもや感というのを感じますが選手間同士では何かありますか?例えば今日、試合終盤リン・ワシントン選手がタイムアウト中一人だけ円陣から離されてましたが。
見ての通りですよね。だからそうなるのも良くないし、僕は去年まで大阪と戦ってきたチームにいたので、ああなると(相手の)勝ちですよね。そうさせたいですよね、相手にとっては。強いからこそそうなると弱い、そこが弱点になる。そこはチームとして動くことが、僕らが優勝するのであれば、というかしなきゃいけないから、そこが一番の修正点。本当に口だけでひとつになろうって言うけど、ひとつになろうとしているのかと言ったらプレーを見たら一目瞭然ですね。
―何度も同じような質問になってるかもしれないですが、そこを良くしていくためにはどうすることが一番良いのでしょうか?
本当に僕が望むのはこれだけの選手が揃っていてタレントで言えば一番って言っていいのが揃ってる中で、機能していないっていうのはガードの責任もあるかもしれないけどボールが上手くシェア出来ていない部分とディフェンスでやられたのを引きずる部分がすごくあって、トランジションに弱いというのがこの2試合で明確になってしまった。でもこれがさっき言った見え無かった部分。でも今回見えたのでここは修正すべき点だし、練習も結構良いんですけど現場で僕らが(やらないといけない)。今日は僕自身もチームメイトにもっと声をかけなきゃいけない時間帯にかけれなかったのはすごい反省してます。残り3分を切った時に全員が下を向いていたので。何回も速攻をやられてファールしてっていうあの時間帯に僕がもっとかけるべきだったんですけど、僕自身下を向いてしまったので。
違うところで戦ってる選手もいたし、そこはみんなで同じ意識を統一させる必要がありました。それが僕の今のバスケット以外での役割だと思ってます。それもバスケットですけどプレー以外の重要な部分のひとつ。
―上位チームに対して2連勝出来ない。あまり勝てていない今の状況をどう思ってますか?
大阪エヴェッサに対しての対策は毎年変わらないと思います。どのシーズンでもリンという存在に重きを置いて対策してくる。そこにひとつになれば(相手にとっては)物凄く良いウィークポイントになると思う。でもタレントは揃っているので、ボールシェア出来ていけばリンが物凄く怖い存在だし、このリーグで一番ファールを貰える選手だと思うので、そこをみんなが上手く使えて、彼も周りを上手く生かしてくれるようになれば、どのチームにも負けないと思う。上位のチームになると自分がやらなきゃという意識が強いと思うんですよね。そこが空回りしたりするときにどうするかというところが今後の課題というか大阪エヴェッサの永遠の課題だと思います。そこで僕が出来ることもあると思うので。そこは彼と喋ったりしてるんですけど、もっとコミュニケーションをとりたい。優勝したいので。やるしかないです。
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浜松・東三河フェニックス
河合竜児HC
―今日の試合の総括
歴史ある大阪さん相手にアウェイで2つ取れたというのは嬉しいことで、選手が我慢して一人ひとりが自分の役割というものを把握してくれた結果がああいう巻き返しが出来たのかなと思います。また浜松や東三河から多くのブースターさんに駆けつけて頂いて、大阪のブースターさんに負けないぐらいの声援を送っていただいたので選手にとっては非常に励みになったのではないかなと思います。
―1Qかなり離されましたけれどどういった指示を出されたのでしょうか?
今日はゲームの最初からタフなゲームになる、また昨日勝ったことで注意して入るようには言ったんですけど、必ずどこかでやられてああいう状態になるという話はしておいたので、今が一番の我慢のしどきだっていうことで慌てるなということと、これは想定の範囲内ということで選手を落ち着かせて、少しずつ盛り返せば良いと。特別な指示は無く、我慢我慢ということしか喋ってないです。
―我慢出来たという部分では2連覇した選手が多いというところはありますか?
いや、多いといっても半分ぐらいしか選手残ってないです。またこれが前任の中村HCでしたら心配無いのかもしれないですけど、僕に変わってますから。去年のチームからは全くの別チームという感じです。そんなに2連覇したことが、というのは無いと思います。
―前半は大阪のペースで我慢の展開だったと思いますがハーフタイムの指示は?
ハーフタイムでも一緒ですね。自分たちがこれだけ悪い状態で4点差ということに自信を持とうと。ただロッカールームで大差で負けているような雰囲気でした。いやいや下を向くな、ということで特別大きな指示はないです。自分たちがやってきたことを当たり前にやっていこうと。
―ジャメイン・ディクソン選手の怪我の状態は?
大したことないみたいです。ひねったわけではないと言っていたので。そんなに心配はしてないです。
―今日の勝ちは残りのシーズン戦うにあたって大きな勝ちになるのでは?
選手には自信になったと思います。それぞれが大きな活躍はなかったにしろ仕事はしたっていう実感を持てた試合だったと思うので。小さいことの積み重ねが最後ああいうふうな形で勝利に持っていけるってことを身を持って選手たちが経験出来たんじゃないかなと思います。
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太田敦也選手
大阪は3連覇したことのある実績のあるチームなので直接戦って改めて確認できましたし、僕がマッチアップするセンター相手に少しぐらいはやれたかなと感じはありました。
―他のチームよりもウェインマーシャル選手といったビッグマンが多い相手に対してどういうふうに対応しようとしていましたか?
僕とか日本人選手がボールを入れられてから外国人選手相手に立ち向かおうとすると無理があるので(ボールを)貰わせる前に戦って、なるべく貰わせないようにしていました。
―年々ファールの数が少なくなってますがステップアップ出きているという実感はありますか?
昔よりファールせずにディフェンスやってオフェンスをやれているということは多少なりともスキルが上がってきているのもありますし、周りからも言われているので多少自覚はあります。
―オフェンスの成長という部分ではいかがですか?まだまだと感じてらっしゃるのかどうですか?
まだまだですね(笑) やっぱりコンスタントに点を取れるようになっていかなければならないかなと思ってます。
―アウェイで大阪相手に2連勝出来たことはどういうふうに感じてらっしゃいますか?
大阪相手に2連勝しなければ最後の最後、沖縄や大阪だとかトップのチームが来ると思います。ファイナルだと思ってやっていて、ここで勝てなければ最後も勝てないと監督が仰っていたので、そういう気持ちでやってました。勝ったというのは大きかったと思います。
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ウェイン・アーノルド選手
―シーズン序盤チームがつまづいた形でスタートとしてそこから今に来ましたが、今のチーム状態とどういったところに違いがありますか?
シーズン最初っていうのは上手くチーム状態が回らなかったです。いろんなことがありました。今に至るまで選手も変わりましたし、コーチも1年目っていうことで少しの時間リーグにフィットするのに時間がかかりました。今チーム状態は良いですしみんな同じ方向を向いてますし今の状況がすごく良くて、収まるべきところ1位のポジションに収まってきたので、少しずつ選手・スタッフのみんなで勝ち取ってきたものだと感じてます。最終目標は優勝することです。それをまだ勝ち得てないので、まだ途中だと考えています。
―浜松のバスケットは変わってないと思いますが、ヘッドコーチが変わったということでアーノルド選手ご自身の役割に変化はありますか?
コート上での役割は変わってないです。コーチも変わりましたし、やり方も少し違うのでリーダーシップという言葉が大きなウエイトを占めています。それが大きな違いだと思います。
―昨年も大阪相手にアウェイで2連勝してますが大阪に対して苦手意識無かったですか?むしろ得意にしている感じですか?
大阪に限らずどのチームとやっても2連勝出来る自信を持ってますし2連勝出来る実力を今兼ね備えていると感じています。ただ大阪も少しずつ選手も変わってますし少しずつ良くなってくると思いますしファイナルフォーの時には恐らくすごいチームになってると思いますので要注意はしてます。
―3連覇する自信はありますか?
もちろんそれがゴールですし、それが出来る自信がチーム内にあると思ってます。
試合以外の質問
―フェイドアウェイシュートのこつを教えてください。
テクニックとしてはそんなに多くを語れることはありませんが、バランス良く自分でシュートを打てるスペースを持ってきちんとシュートを決めきるということが自分の中ではテクニックだと思ってます。ゲームでそれを決めると止めるのが難しくなりますのでそれが出来るように努力していくしかないです。