原州:ドンヒHC、チヒョン選手 秋田:中村HC、菊地選手、加藤選手、ケント選手、山口選手の試合後インタビュー(9月8日)

9月8日(土) 三種町琴丘総合体育館で行われたプレシーズンゲーム、秋田ノーザンハピネッツ(bjリーグ)―原州トンブ・プロミ(韓国・KBL)の試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、菊地勇樹選手、加藤真選手、アンソニー・ケント選手、山口祐希選手。原州:カン・ドンヒHC、パク・チヒョン選手。
(山口祐希選手のインタビューはバスナビ独占)
(文・写真/宮川 紀元)

原州トンブ・プロミ

カン・ドンヒHC
―今日の試合の総括
まずは両チームともすごく一生懸命やっていたことに感謝しています。うちのチームがやろうとしていたオフェンスとディフェンスはうまくできず、そこに関しては不満足です。秋田チームもあっていなかったようで、それもあって勝ちましたが、この部分をこれから修正していきたいです。

―秋田の日本人選手の印象をお聞かせください。
特に印象的だったのは12番の選手(菊地勇樹)です。また、bjリーグとJBLの日本人選手には少し違いがあるように感じました。

―違いとは?
すごく全体的なイメージですが、JBLの日本人選手のプレーの水準が少しだけ高いように感じました。

―具体的には菊地勇樹選手のどの部分が印象に残ったのですか?
(ラインの位置より)すごく長い距離の3ポイントもとても正確に決めてきたので、印象に残っています。

―どういったゲームプランでしたか?
外国人選手の動きがとてもいいというのは知っていて、そこを中心にチーム全体でディフェンスしていこうと思っていました。
先ほども言ったように、今日の出来には不満足です。うちのチームは昨シーズンのレギュラーシーズンでリバウンドが1位だったようにリバウンドがとても強いチームですが、今回はそこがうまく出なかったので、少し機嫌が悪いです。

―秋田のインサイドに苦戦したということですか?
オフェンスについても満足できないです。外からの3ポイントが結構あったので勝てましたが、内容的にはあまり良くなかったです。

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パク・チヒョン選手
―秋田の印象をお聞かせください。
パワーがすごく強いという印象です。アップを見た時はシュートがとても正確だという印象を受けたんですが、ゲームではうまく出なかったようでした。でも、元々はすごくシュートのうまいチームだと感じています。

―どんな部分が勝因になりましたか?
試合の最初に3ポイントを決めれたり、ディフェンスがよくできたり、序盤の出来が勝負を分けたポイントだと思います。

―チームの出来はいかがでしたか?
まだ組織力などは完璧ではなく、この遠征もその練習の一環としてきているので、修正していきたいと思っています。

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秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

―今日の試合の総括
最初のゲームのコメントがこれじゃ、ちょっと不愉快だよな(笑)。
いろいろあるけど、ひとつはティージェイ・カミングスが極度に体の重い状態で日本に来て。自分の中では彼が中心だと思っていたんですが、練習をやっていて、彼は中心になれなかったんですよ。でも彼にはキャリアもあるし、プライドもあるし、一応彼を中心にして今日はやってみようと思った。けど…(アメリカに)帰したい(笑)。一回一回勝負だろうが、って相当怒った。彼も甘くみてたと思うんですよ。

それで、ケント。練習を見てても、彼が中心かなっては思ってたんですよ。得点を取るというよりは、ディフェンスとリバウンドが極度にいいですよ。で、彼が中心かなって。でも、片方(カミングスの出身校)は能代工業で、片方(ケントの出身校)は男鹿工業みたいなもんですよ。レベルでいったら。本人も、全く無名だった、って。でも彼はNBADL(Dリーグ)に長くいるんですよ。彼が中心かな。
それから、ジョーダン。5週間前に骨折して、治してきたんですよ。4週間前に手術して、直前までギプスをはめていたから、まだ手首の稼働率が60から70%くらいなんですよ。で、これは(時間がたてば)良くなる。相当いいシューターなんですよ。スピードもあるし速いし。これはいいかな、って。
それからハリスは、練習からちょっと気にはなってたんだけど、ポイントガードではない。2番3番でスコアラーにした方が、シュートやドライブで相当いい働きをするかな、って思います。昨日の練習見てても今日の試合見てても、これはポイントガードではないなって。スコアラーで使えばうまくいくかな、って。練習やってみる、明日から。本人も納得してるから、スコアラーで使いたいと思います。
やり方を変えれば戦えるかな。トンブは今年14番(イ・スンジュン)をトレードで獲ってきて、(韓国では)ダントツで強い。ひとつ抜けてるんだ。そのくらい強いんですよ。大きなのが2枚、3枚といて。これにはちょっと違う感じで(試合してみる)。ジョーダンのところと、ハリスのところと。
今日は一応OKだっていうのはセンターのケント、それから山口かな。小ささが気がかりでもなかったし。
菊地はまあ去年もあのくらいだったから。あれをもう少し確率良く。去年をスタートとして考えれば、もう2本か3本入れる力はあると思うんですよね。調子はいいんだ、実は。
まあ、速さだとか強さっていう面でいえば、庄司あたりはあの体の張りでは追いつかないな。見ての通りあの脚力は年齢からくるものですね。もうちょっとソフトであればいいんでしょうけど、ちょっと庄司は踏ん張らないと田口や菊地に(出場時間を)とられるかな。ハリスも2番3番で使うわけだし、それなりに考えてやらないとなって思いますね。

でも、よーいドンで始まってカミングスを中心にやろうとしたら、彼の状態がひどい。それから、あんなんじゃないですよフリースローは、データを見れば。ジョーダンはまあ手首の状態があれですからかわいそう、いまは入ればラッキーって感じだけど、カミングスもあんなに落とすシューターじゃないです。
フリースローとゴール下とつまらないターンオーバーを、一番最初のゲームでありったけ怒れたからよかったかな、って。ハーフタイムで相当ボロクソ言った。怒られるの初めてだから、(日本に)来てから。そういう意味では、いい状態の練習ゲームだったと思いますね。

―昨季はインサイドで苦戦しましたが、今季はインサイドにかなり自信を持ってやる、という感じですか?
いや、あまり関係ないです。外が入れば外だし、中がよければ中だし。気にならないもんですよ、インサイドがどうとかこうとかって。ケントがよければ、吉宗が出れないわけだから当然小さくなるし。

―ハリスをスコアラーで使うとすれば、ポイントガードはやはり日本人ですか?
日本人です。今のところ山口を中心にして、水町をアシスト(バックアップ)にするのがいいかな。まあ、その二人が逆になる日もあるでしょうけどね。
ハリスをポイントガードにしたら(ゲーム展開が)遅くなる。ドリブルが多い選手で。だからどっちかと言うとスコアラーで使った方がいいかな、って感じはします。その分小さくなるけれども。

―新加入でない選手の、シーズン前からの練習の成果は出ていましたか?
それはすぐ出ませんよ。これからでしょう、ゲームをしながら。練習をやって成果出たら、そりゃあそんなもんじゃないですよ。
それは日本人だけでなく、外国人が入ったばっかりだから。外国人が入ると全く違ったスタイルになるから。それに田口なんかは相当戸惑ってる。菊地はあんまり考えなくていい人だから。立って打ってりゃいいから。田口あたりは、いろんなことが要求されますよ。

―イージーミスが多かった印象がありますが。
全部、連携の問題でしょう。それは良くなりますよ、これから。初めてのゲームだから。まあしょうがないですよ。練習ゲームだから。まだあと5試合あるから、この中で練習していったり、メンバーを替えてみたりするようにすればいいと思います。

―新加入の加藤選手に今日はだいぶ檄を飛ばしていましたが、どう印象ですか?
あー、ド素人みたいだと思いましたね。要するに、勝たなきゃいけないバスケットをしなくちゃいけない。これから彼には地獄が待ってると思います。第3Q、加藤がノーマークを2本入れてれば追いついたんだ。ああいうところがやっぱり。ただ、悪い選手ではないから。いいハートを持ってるし練習もするし。だから加藤がちょっとつないでくれれば、加藤さえうまくつないでくれれば、ケントがいて、ジョーダンがいて、ハリスが(同時に)使えるんですよ。加藤は相当重大なポジションを持ってると思っていいですね。
練習でやっても、第3Qのスタートのメンバーが強いんだ。スターターとやっても。5分ずつのゲームをこの2日間で3回か4回やったけど、何回やってもスタートだと思った方が勝てないんだ。ケントのいる方、ケントがいて加藤が4番をやって、ジョーダンがいて菊地がいて、山口か水町をいれたチームの方が、勝つんだ。
ケントが中心。ケント外せないな、って。体力もあるんですよ。でも最初からカミングスを外すと、(カミングスの)プライドが許さない。でもそういう意味では(あとから出ていったメンバーでうまくプレーできたことは)良かったかな、って。だからケントを中心にやろうと思います。

―カミングスにも奮起してほしいという思いはあるんですか?
できればね。そのままであれば、そのままでしょうし。

―奮起してくれれば、また中心に?
いや、中心はやっぱりケントでしょう。ケントを中心にやって、カミングスをベンチから使えればいいな、って思ってたんですよ。ただ、プライドがあるからなかなか2線におけなかったんですよ。でも彼がベンチにいた方が、うまくいく可能性がある。困ったら出ていくって感じで。そういう意味では今日は良かったかな。

―選手層が厚くなった感じはありますか?
うーん…まあどうだろうなあ…。加藤がもうちょっと頑張れば厚くなったって言えるのかな。山口は良かったですね。ずっと日本人のポイントガードは水町1本って感じでやってたから。加藤が頑張れば厚いです。

―練習試合ではありますが、明日の抱負はありますか?
抱負はないな。とりあえずハリスを2番にして。それからケントをスタートにして、ケントを中心っていうのをみんなに認めさせる状態を作っていきたい。それから、加藤はもう一回使いたいから。(インサイドの組み合わせは)ケント、加藤なんです。ケント、吉宗はないんです。(バランスを考えると)このふたり(を同時に起用すること)はなかなかできないんです。だから今日はやったことないけど、庄司に4番を手伝ってもらった。(加藤選手の出来次第では)まあそういう場合もあるかなって思います。

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菊地勇樹選手

―3年目最初のゲームを振り返って、いかがだったでしょうか?
チームとしての部分はたぶんカズさんがコメントしてると思うので、個人的にはフリーで打ててるチャンスを生かし切れていないというか。確率が良くなかったので、もっと信頼してもらうためには、そういったフリーのシュートをしっかり決めていかなくてはいけないと思います。

―原州のHCは遠いところからのシュートが印象的だったとおっしゃっていました。
意識はしてないです。打てると思ったので。

―去年のチームよりはリバウンドを取ってくれる場面が多かったと思いますが、シューターの心理としてはどうですか?
リバウンドを取ってくれるのはとても心強いと思いますし、安心してシュートを打てるので、そういった意味では存在は大きいと思います。

―オフはどういったトレーニングをしていましたか?課題の部分などは?
股関節ですね(笑)。股関節。
あとはなんですかねー、体系維持とか。まあ全部です、全部。

―久々の実戦で、声援もありましたが。
シーズン前にこういった経験をできるのはなかなかないと思いますし、実践のような雰囲気でやれてるので、もっとファンの皆さんにはいいゲームを見せられれば良かったんですけども。頑張ります。

―特に頑張りたいことは?
まず勝つというのが一番にあるんですけど、その中で自分の役割と言うのを。シュートだったりディフェンスを頑張りたいです。
僕としてはできることはシュートを打つことなので、打ったシュートを確率良く決めるのを目標というか、課題としてやりたいです。

―チームとして、昨季との違いをどこに感じますか?
チームですか?チームは…カズさんに聞いてください(笑)。

―韓国の印象について
高校の時も試合したことがありますが、体が強いというのと、あとはシューターが多いっていうイメージがありました。やっぱりシューター陣は確率のいいシュートを打ってくるし、インサイドもガツガツなプレーが多かったです。そういった意味では中と外のバランスが良かったと思いますし、明日はそれに対応していきたいです。

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加藤真選手
―秋田に加入して初めての試合でしたが、いかがだったでしょうか?
全体的にチームとしてミスが多くなっていたんで、そこを修正していかないといけないなと思いました。

―ご自身の出来は何点くらい?
点数がどうのこうのとはいえないですけど、決して良くはなかったので次につなげたいと思います。

―求められている役割はどういったものですか?
インサイドをやる中でも機動力を生かしていくのが僕のすべきことだと思うんで。他にもボールをつなぐ役割とか、そういったところでチームにアジャストできればいいと思います。

―チームの手ごたえは?
まだまだ試合形式は初めてなので、まだなんですけども。プレシーズン数試合やっていく中で、いい感じで開幕を迎えれるようにやっていきたいなと思います。

―チームの雰囲気はいかがですか?
経験のある選手もいますし、若い力もありますし、年齢層が広いってところを強みにしていきたいと思ってます。

―中村HCは怖いですか(笑)?
まあ怖いというか、厳しいですね(笑)。

―今日もかなり名指しで怒られていましたが。
球ぎわの動きで相手に負けてしまった部分があったので、次は底を課題にしたいと思います。

―今シーズンの意気込みをお願いします。
チャンピオンを目指してますし、目指せるチームだと思っています。その中で自分の役割を見つけて、勝利に貢献できるようにやっていきたいです。

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アンソニー・ケント選手
―ご自身のプレーを振り返って、いかがだったでしょうか?
試合に負けてしまったので、自分がどういうプレーをしたというのも、勝ちにつながらなかったら意味がないと思います。

―チームとしての初戦でしたが、良かった部分と悪かった部分を教えてください。
今日はチームメイトと、お互いがどういったプレーをできるのかできないのかを学ぶいい機会だったと思います。とにかく、こういった経験を積み重ねていけばチームとしては良くなっていくと思います。まず明日は、今日よりうまくプレーすることを考えます。

―どういったプレーでチームに貢献しようと思っていますか?
とにかく全員で走り回ること。ディフェンス、リバウンド、あとスクリーンをしっかりかけること。そういったことが自分の仕事です。

―中村HCの印象について
コーチのスタイルは好きです。バスケットボールをよく知っていますし、何か問題が起こったらどういった風にそれを直していかなければいけないのかを知っています。各々に要求してくることもはっきりしていて、プレーヤーとしてはそれに応えるだけなので、やりやすいです。

―チームメイトの印象
とても頑張り屋が多くて、素晴らしいシューターもいるし、一緒にプレーしやすいと思います。自分も一緒のプレーをエンジョイしています。

―菊地選手がリバウンドを取ってくれて打ちやすいとおっしゃっていました。
リバウンドは自分の得意分野でもありますし、それをコーチや―チームが求めてくれるのであれば全力でチームのためにやるだけです。

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