【プレミアム限定】秋田vs富山 富山:ナッシュHC 秋田:中村HC、加藤選手、ハリス選手 インタビュー(10月14日)

10月14日(日) 秋田県立体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―富山グラウジーズの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、加藤真選手、ディオン・ハリス選手。富山:ボブ・ナッシュHC。
(文・写真/宮川 紀元)

富山グラウジーズ

ボブ・ナッシュHC

―今日の試合の総括
昨日、秋田のディフェンスは素晴らしいと思ったのですが、今日はもっとすごかった。非常に素晴らしかったと思います。
第1Qに相手を抑えることができたのは、非常に評価すべき点だと思います。ただ、試合全体を通して本当に秋田のディフェンスが素晴らしかったです。また、ハリス選手はアウトサイドショットでうちを苦しめました。26得点という数字も素晴らしかったです。
フリースローが入らなかったのもひとつの要因です。向こうはフリースローを決めるべきところでしっかり決めた。そこも差のひとつです。

今日は負けてしまいましたが、改善しなくてはいけない部分がたくさんあるので、またいいバスケットをしたいと思います。

―なぜ第2Q以降、展開が変わってしまったのですか?
向こうは要所でシュートを決めてきました。あとはディフェンスが良くなってきたので、こっちがターンオーバーを多く犯してしまったのが原因です。また、昨日の試合の疲れも選手には残っていたと思います。

こちらは外国人選手が3人という状況で非常に厳しい戦いが続くんですけども、また近いうちに新戦力が来ることを願っています。

中村サンは素晴らしい采配をされたので、そこは本当に尊敬します。中村サンと秋田の選手は、今日本当に素晴らしい仕事をしました。秋田の会場、ブースターの雰囲気はとても熱狂的で、それに対して自分たちがここで勝つというのはとても大変なことだと感じました。

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秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

えーと、ディフェンスについて何か質問があるでしょうか(笑)?先にしゃべっておくよ?何かありますか(笑)?
(記者:えー…。ありがたいお言葉をいただいてから…)
おー、そうですか(笑)。
―今日の試合の総括
ティージェイがああいう状態で、自分でも経験がないくらいに落としたそうだ。相当やっぱり、マンツーマンでプレッシャーがかかってきたんですよ。(富山からすれば)負けるってことは、次の日はそうなるってことだから。相当気合入ってきた。それに対して、うちの選手は一歩ずつ引いてきた。外へ外へ、楽をしようとして。中に押し込むんじゃなくて。特にティージェイが、無謀なシュートをどんどん打ち出していった。だんだん遠くなって。これがやはり一番、苦しんだ原因かな。

で、難しいですね。これからまたいろいろ組み合わせもあるんでしょうけど。ハリスはいいってわかってるんですよ。もしかしたらハリスをスタートで使うと、もっといい働きをするかもしれない。けどバランスからすると、オンザコート2では難しい。ただやはりこれからも、ハリスをちょっと第1Qのうちにどっかで出しておいて、すると吉宗、加藤が踏ん張ってくれると、またティージェイとかケントがダメなときに逆にいい感じになるかなと思いました。
いずれ、前半にティージェイがダメで引っ込めてる時も、とにかくあわてないで、じっくり見ておけ、と。じっくり休んでおけ、とベンチで何回も諭してた。でも1試合ダメだったな。
でもよく第2Qで追いついた。一桁差くらいでいいかなと思ってた状況から見ればね。前半は。それが一番の勝因じゃないかと思います。

ディフェンスが…ちょっと難しいんです。たとえば今日うまくいったからって、次のゲームでもうまくいくとは限らない。相手が違ったバスケットをするから。それにはそれでまた対応しなきゃダメなんですよ。だから、こっちが「こう」と決めるんでなくて、相手があって、相手に合わせて対応しなきゃダメなんですよね。だからこれは、何とも言えないんですよね。これからまたいろんなことが出るでしょうけど。やりながら、いろんなチームにいろんな対応をしながら、利口になってくれればいいかなって気がしますよね。
もうちょっと油断しなきゃ、(相手のボールを)取れるのにっていうのが2,3あるんですよね。そういう予測能力があればもうちょっといいかなと思います。
まあいずれ、守ることがチームとしてのひとつの武器になって行ってくれれば。これでいけるな、って感じがおれはあるけど、選手たちはまだやらなきゃわからないから。買っていくことによって選手がそう思ってくれれば、いいようにいくかな。

今日もロッカーでしゃべったけど、頑張って勝ち続けよう、と。とにかく負けないで、という気持ちを強く持って。この、強く持つことがやっぱり大切なことだから。負けてもいい、じゃなくて、負けられないぞというプレッシャーの中で、ひとつひとつ消化していってくれればいいと思いますね。

―第2Qに一気に流れをつかんだ一番の要因として、どこが良かったのでしょうか?
第2Qあたりから、ちょっと守りだしてきた。完璧に守りだしてきた。相手のオフェンスが、リズム悪くなっていった。その時に、ハリスがきた。完全にリーダーシップ取って。なかなかですね、やっぱり。わからないんだ。あれだけられるならもっとやればいい、って。そうでもないんだ。タラっと。わからないですねー。あの性格がわからない。やっぱり嬉しいんでしょうけど、悲しくとも嬉しくとも表情は変わらない。ミスやってもなんてことない感じ。でも昨日の第4Qと今日を見ていると、さすがミシガン大で4年間スターターを務めて、それなりの成績を残した選手だなあ、という感じはやっぱりしますよね。いいところはやっぱり、落ち着いてるといえば落ち着いてますね。子供4人いるから。まあ落ち着かざるを得ないよな(笑)。けど、だから読めないですよね。興奮もしないし。でもやっぱりハリスですよ。ハリスの使い方をこれからもうちょっと僕も考えてやれば、チームとしていい状態になるかなと思ったゲームでしたね。昨日の第4Qと今日のゲームは。インサイドがちょっと機能してきた。それでハリスがいいところで入れたってことですね。
それから、アホ田口がちょっとよくなってきた。みんなも言ってた。「ヤキ入れられてよくなるんなら、毎日入れられたらどうだ」って(笑)。入れてやりたいな、ほんとにな。しょっちゅう入れてやりたいな、あいつには(笑)。まだ若いから(笑)。けど田口がいい状態になると、田口菊地ハリスって、強みがありますよ。どっからでも確実にショットが来る、3人で。これはやっぱり武器になりますよね。それで行けって言ったら、調子乗って外からやりだすから(笑)。もっと中で。あそこでティージェイがもうちょっと中で収めてくれれば、チームとして安定するでしょう。

―ティージェイが不発の中で90点取れたことには手ごたえはありますか?
90取ったって言ったって、最後はもう勝負が決まってから。僕はあれはあまり好きじゃないんだ。9回の表に、10対0で勝っててホームラン打つやつな。あまり信用してねえんだ、こういうやつは(笑)。別に打たなくたっていいじゃん、って。そういう感じだったな、ジョーダンはな。決まってから張り切ってな(笑)。ならもうちょっと先にやれよ、って感じがある。まあ、成り行きだったかな。

やっぱり、相手が攻めれなかった。いろんな手を尽くしてた。いろんな手を尽くしながらやって、最終的にはもう広げて1on1っていう風になっていったんですよね。それで単発でやられることはあるでしょうけど、一応ディフェンスは機能したとみていいかなって感じはします。今日に限ってはね。

―立ち上がりの悪さが今まで見てるとこう…。スロースターター気味なのかな、と。
いつ?昨日?そうでもないでしょ?
(記者:プレシーズンとか…)
プレシーズンはプレシーズン(笑)。もうわけわかんねえな(笑)。プレシーズンは練習ゲーム。あなた方はすぐ「第1Qと第3Qはダメだ」とかね。昨日も悪くないですよ、第1と第3はね。もうなんかやればすぐバタバタするけど、メディアはバタバタしない!冷静に。そうじゃないですか、別に(笑)。今日たまたま悪かっただけです。あとは普通じゃないですか。

―じゃあ、そんなに心配していないということですか?
(質問者以外の報道陣に向かって)ほかに、何か質問ありますか(笑)?

―加藤選手も頑張っていたように思いますが。
(事実上、試合が)終わってからね。終わってから。
加藤と吉宗の出番がもうちょっと出てくると、ハリスが出れるんですよ。だから、これを自覚してほしいんですよね。うん、あいつらいい歳なんだから。もっと吉宗、加藤が出ると、ハリスがもうちょっとプレータイムが多くなる。ぜひ頑張ってほしいなと思います。

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加藤真選手

―振り返って、いかがですか。
できた部分もありますけど、ディフェンスミスやいろんなミスもありましたんで、反省のほうが多いですね。

―HCは、「加藤と佐野の頑張りによってハリスの出場時間が増え、バリエーションが増える」と言っています。
そうですね。僕が出ることによって、ハリスがいい形で使える。まあハリスに限らずですけど、味方がいい形でシュートを打てるとか、イージーなシュートを打てるといったところでも、いろんな役割を求められていると思うので。そこは意識しながらやっていきたいな、と思います。

―バスケットカウントを決めた時には雄叫びおあげていましたが、やはり気持ちは高ぶっていましたか?
そうですね。あの時間帯はみんなで走って点を取って、いい状態だったので。

―4番ポジションでのプレーについて
僕のところでミスマッチができるという場面もあるので、そういうところを僕のひとつの持ち味にも、もっともっとしていきたいと思っています。プレーの幅を広げたいと思ってます。

―長いシーズンに向けて
まだまだ修正すべき点はいっぱいあります。ただホームで開幕を迎えられて2連勝というのはすごく大きかったので、今のうちにいろんな反省、課題を修正して、もっともっと成長していけたらなと思います。

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ディオン・ハリス選手

―第2Qはかなり素晴らしいプレーでした。
昨日カズさんにも言われたので、今日は最初からアグレッシブにアグレッシブに、という気持ちでやっていました。昨日よりはアグレッシブにできたのではないかと思います。

―第1Qに得点が取れなかった中で、自分が取らなくては、という気持ちがあったのでしょうか?
今日も全力を尽くして、自分にできることは何でもやろうという風に思いました。特にチームに求められているのは自分がスコアすることと、ディフェンスで頑張ることだと思いますので、そこに集中して。チームがスコアできないときにはやはり自分がやらなくてはいけないという風に、責任を持ってプレーしています。

―3ポイントは6本成功しましたが、調子は良かったですか?
自分にとっては自信というものが重要になってくるんですけども、練習でもたくさんシュートを打つようにしていますし、練習以外でもたくさん打ち込んでいるので、どんどん自信をつけてきています。

―どうしてどんな局面でも冷静でいられるんですか?
自分のバスケットボールキャリアの中でずっとそういう風にしてきたので、自分にとってはこれが自然のスタイルです。

―得点で、今までのキャリアハイは何点ですか?
プロでは32点です。

―最近のコンディションはどうでしょうか?
自分の調子としては、90%くらいだと思います。体重を減らすことに力を入れてトレーニングしていますし、脚力もちょっと強くなってきたように思いますので、調子はどんどん上がっていると感じています。

―長いシーズンが始まりましたが、抱負を聞かせてください。
長いシーズンですので、けがをせずに健康で、いいコンディションでプレーし続けること。それを目標に頑張っていきたいと思います。