【プレミアム限定】埼玉ブロンコス、琉球ゴールデンキングス、HCと選手へのインタビュー(11月5日)

11月5日(土) 埼玉県所沢市民体育館で行われた埼玉ブロンコス対琉球ゴールデンキングスの試合後インタビュー。埼玉ブロンコス、ディーン・マーレイHC、北向由樹、寺下太基選手。琉球ゴールデンキングス、桶谷大HC、並里成選手。
(文=定山 敬)

埼玉ブロンコス

ディーン・マーレイHC

―今日の試合の総括
今日は非常に良い試合が出来たと思います。コーチの指示をしっかり聞いている沖縄に賞賛の声を与えたいと思います。沖縄には素晴らしい選手が沢山います。素晴らしいチームだと思いました。

―ケニー・サターフィールド選手が第1Qの途中から出場していないが、怪我でしょうか?
(プレシーズンで)足首を怪我しています。その怪我を引きずったままシーズンインし、今週練習中にもまた痛め、状態が100%ではなく、自身が求めるパフォーマンスが出来ないということで、大事とり休ませました。

―怪我人の影響もあって、第1Qから2-3ゾーンにしたのか?
その通りです。ケニーの不在で2-3ゾ―ンにしました。沖縄はクイックネスもあり、それを防ぐ意味でも2-3ゾーンが効果的に機能した場面もありました。2-3ゾーンは効果的だったと思います。

―リバウンドについて?(沖縄46に対して埼玉36)
いつも話していますが、5人全員でリバウンドにというポリシーを掲げています。その部分は変わらず明日も全員でリバウンド行くこと。特にガードにはロングリバウンドに対するサポートをもっとするようにと話しました。今後もその部分を強調し、選手の自覚を求めていきたいと思います。

―ジェイミー・ミラーの復帰は?
来週再度MRIをとって、最終復帰の確認します。その確認をもって復帰時期を決めていきたいと思います。

北向由樹


写真提供:(C)HiROKO WATANABe / SAITAMA BRONCOS / bj-league
―今日の試合を振り返って
前半は我慢してついて行くこと。後半に我慢ができなくなり、自分たちが焦り出して。早いリズムでシュートしてしまいました。ディフェンスも我慢出来ないプレーが続いたことが、スコアの差に出たと思います。最後に離れた理由はそこにあります。

―自身のプレーについては?
いいタイミングで打てる所でパスが回って来なかったですが、今日はハンフリーが調子が良く、決めていたので、それはそれで良かったと思います。あとは相手の小菅、並里選手に自分の打つタイミングやスペースを消されたと思います。やられたなという感じですね。もう少し自分で(シュートに)行ける部分を創りだしたほうが良かったかなと。シュートチャンスは少なかったですね。

―シュートチャンスは少なかったですね
(その前に)ボールタッチ(ボールに触る)自体が少なかったです。

―怪我人が増えていますが?
その通りですね。そこは日本人選手でカバーしていかなければいけないと思っているので、上手くやっていきたいです。日本人選手は日本人選手同士でのマッチアップが多いので、プライドもあり、やられたくないという気持ちでプレーしています。寺下、新井、原口も同じ気持ちをもっているので、そこは外国人選手にも同じ気持を持って欲しい。簡単にやられるのではなく、プライドを持ってやって欲しいと思っています。ヒューズやフラワーズにもただ得点を取りに行くだけでなく、ディフェンスでも同じ気持でプレーしてもらいたいです。そこが我慢につながると思います。
日本人は性格的も我慢できる人が多いと思うので、ディフェンスから頑張ろうと言えるのですが、外国人選手はどうしても感情的にも視野が狭くなりやすくなる。バスケットで言うとパスが回らず、所謂セルフィッシュ(自己中心的)になってしまう。沖縄の選手はそういうプレーをしませんし、全員でボールをシェアしているので、見習っていかなければいけないと思っています。今日の試合がヒントになったと思います。

―キャプテンとして、その事を皆には伝えた?
多少なりとも。あとは言わなくても分かっていると思います。キャリアも長い選手が多いですし、みんな理解している筈です。今日は今日。明日は明日で気持ちを切り替えていきたいと思います。明日は違うバスケが出来ると思います。

―自身が思う、埼玉ブロンコスの特徴は?
本来は早い展開でプレーすること。ケニーがポイントガードなので、(シュートまで)早い展開をしていくと思っています。彼に引っ張られるようにアップテンポに攻める事と、対照的にディフェンスは固く守ること。基本的な趣旨はそうだと思っています。怪我人もいてコンセプトがずれ始めています。その部分に対応しきれていない結果が現在の結果だと思いっています。本来は(アップテンポで)そうやりたいですが、今は出来ているかどうか分からないです。実際出来ている時は大差で勝利しています。負けているときはロースコアに持込まれるか、反対に足を止められて大差で負けているかのどちらか。必ずどこかのクウォーターで離される時間帯が出来てしまうので、そこを何とかしたいですね。

―明日の抱負は
先程も言いましたが、今日は今日、明日は明日なので、気持ちを切り替えて、勝てるようにベストを尽くしていきたいとおもいます。自分自身ではもっと走れる時間帯を作って、チームに活力を与えられたらなと思います。

―走る事ができないのは、相手にスプリントバック(ハリーバック)されているのか、それとも自分たちが走っていないかの、どちらでしょうか?
元々沖縄はトランジション良いですし、ガード陣が速いと思います。マクヘンリー、ニュートン選手もしっかりバックコートに戻ってくるので、スペースも消されてしまいますし、ノーマークでレイアップに行けると思ってもブロックに飛んで来られたりします。それを気にし過ぎて試合に入ったので、明日はそんな事は考えずにもっと早い展開に持ち込める時は持ち込んでいきたいと思います。アーリーオフェンスが基本ですが、我慢する時は我慢してボールをシェアしていきたい。勿論、調子の良い選手がいれば、その選手をプッシュしていきますけど、それ以外に我慢しなくてはいけない所をどう我慢するかですね。相手チームの日本人選手に失点を多く許しているので、そこは相手の良さを消していきたいです。

寺下太基


写真提供:(C)HiROKO WATANABe / SAITAMA BRONCOS / bj-league
―今日の試合を振り返って
前半はずっと我慢して我慢してついて行くことが出来ましたが、後半になって自力の差が出たと言うか、チームで戦ってくる相手に個人個人で挑んでしまいました。リズムが悪くなってこれだけの結果に繋がったかなと思っています。

―自力の差とは?
沖縄は外国人選手が皆、フォワードかセンターなので、高さでミスマッチが生まれますし、ヘルプに行くと外から決められたり、後手後手になった感じです。その部分で沖縄は非常に上手く攻めてきたと思います。

―反対にケニー、寺下選手は相手のガードもよりもサイズがあってミスマッチを作り出せるのでは?
ケニーが(怪我で)途中退場したことで、選手も何が起きているのか分からなくなってしましった。ミスマッチを突いているときは上手く攻めていたので、リズムは良かったと思います。

―第4Qに得点したのが、フラワーズとハンフリーだけでしたが?
ハンフリーはあれが持ち味なので、シュートが決まっている内は良いのですけど、外れた時にコントロール出来る人間が今日のコート上では居なかったです。沖縄はパス、パス、パスとノーマークを探して、リズムよくシュートを打っていますが、うちは個人での1対1、1対1で戦ってしまいました。そうなると1対1ではなく、1対5になってしまい、どんなに良い選手でも1対5では勝てないです。

―コート上で求められている役割は?
特別な指示はありませんが、昨シーズンとポジションが変わりました。4番(パワーフォワード)に近い3番(スモールフォワード)になりました。ポジションの移動はシーズン始まる前には自分自身でクリアにしていましたが、シーズン最初戸惑いはありました。こういうプレーはダメとコーチからは言われないです。コーチに求められているのはリバウンドと走ること。(ポジションの関係から)相手の外国人選手にマッチアップする事は求められていますね。得点を取りなさいとか、そういった部分は求められていないです。

―3番から4番に近いポジションになったことで、自分自身を変えた部分は?
意識という部分ではないですね。体重は少し増やしました。ポジションが変わることは予想してましたので、準備はしていました。

―どれくらい増加した?
bjリーグに来てからずっと82kgでしたが、今は87kgくらいです。5kgくらい増やしました。初めてです。

―体調面では問題ない?
ちょっと重いですかね(笑)ですけど、当たりは強くなったと思います。3番から4番に変ったことで迷いもあります。ここでこのシュート打って良いのか、と迷いがあります。

―第4Qの3Pシュートにも迷いがあった?
そうですね。(ここで得点を取りに行くのが)自分の仕事なのかと思ってしまいます。打ってはいけないという指示はないのですが、自分自身の迷いですね。最終的に自分で決めればいいだけだとは思ってます。そこ(精度を上げること)は練習次第です。

―ヘッドコーチの印象?
ナッシュHCはどちらかと言うと日本人寄りなコーチでしたが、(マーレイHCは)あまり細かいことは言わないタイプです。外国人コーチは自由奔放にプレーさせてくれるイメージがるのですが、(マーレイHCは)自分にはピッタリの感じです。

―練習も試合も自由度の高さは変わらない?
そうですね。変わらないです。今シーズンのブロンコスは自分一人で状況を打開出来る選手が多いので、その意味ではやりやすいと思います。裏目出るとセルフィッシュになります。負けた試合全てがそうだと思います。ここまで1勝1敗で来ているのも、土曜日は圧勝して、日曜日は対策されて攻めることが出来ないからだと思っています。

―先週の岩手戦はまさにそんな印象ですね
そうですね。1対1で打開できない時に如何にチームが機能出来るか。1対1で戦える時は「イケイケドンドン」で良いと思います。コーチもそいう考えだと思いますし。ダメな時にどうするか。それが課題ですね。今のbjリーグはもう1対1だけでどうにか出来るリーグでもないと思いますので。

―自分自身が思う、埼玉ブロンコスらしさとは? 「イケイケドンドン」なバスケ?
そうですね。今の所は。勝っている試合が全てそうですから。自分の中のイメージはジェットコースターのような感じです。良い時は上まで昇って、ダメなときは急降下で「ドーン」と落ちて行く。試合に出ていてもそう感じるので、そこを何とか安定して、右肩上がりにしていきたいと思います。誰かが気づいて、それを今後の試合で出していきたいと思ってます。

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琉球ゴールデンキングス

桶谷大HC

―今日の試合の総括
試合の出だしは、中々リズムに持ってくることが出来ず、乗りきれず、ジタバタしたのですが、後半からやっとディフェンスが機能し始めて、チームで良いヘルプディフェンスが出始めてからやっとリバウンドも取れ、速攻に繋げることが出来ました。そこから自分たちの勝ちパターンに持っていくことが出来たかなと思います。
ただ、やはり自分たちが目標にしているハッスル、2400秒ハッスルしようという部分は徹底しきれなかった部分は反省して、もう一度明日は2400秒ハッスルできるよう頑張りたいと思います。

―埼玉が早めにゾーンをしたことについて
インサイドのショートコーナーを使って攻めようと思った部分はあったのですが、中々機能出来なかった。それでもジェフ(ニュートン)の所から良い起点が出来て、ジェフのショートコーナーからハイポストダイブである程度攻めることが出来た。後半はその部分(インサイド)を埼玉が締めてくるかなと思いましたので、アウトサイドのシューターがどれくらい決めてくれるかと思っていましたが、うまい具合に小菅が決めてくれました。アウトサイドが入ればこの位はできるかなと思います。ただアウトサイドのシュートが入らなくなった時に(どうするのか)。明日もう一つ策を練っておかないと同じような試合展開にはならないと思います。

―第2Qはシュートの精度が悪かったが?
そうですね。外打ち(アウトサイド)になっていた部分がありましたので、もう一度まずインサイドにボールを入れる、基本的な所を徹底したいと思います。

―前半苦しみましたが、ハーフタイムでの指示?
3つです。
1つ目はディフェンスをしっかり、コミュニケーションを取ること
2つ目はヘルプに行くこと。1対1ではなく、1対2、2対3とローテションを作ること。
3つ目はアウトサイドに偏っていたのでインサイド中心に、先ずはインサイドにボールを入れてから攻撃すること。インサイドアウト(インサイドからアウトサイド)、インサイドアウトからインサイド(インサイド⇒アウトサイド⇒インサイド)にいう風にバランスを持つことを指示しました。

―bj1年目の並里選手への評価
ゲームがまだまだ。最近試合に出ていないので、試合慣れが出来ていない部分が少しあります。個人技に関しては日本の中でも卓越したハンドリングを持っているので、これからもっともっとチームに貢献してくれるように期待しをしています。

―第4Qで並里選手に指示した時、「えっ?」という表情を見せていたが?
あれは私と喧嘩してました。チームバスケが出来ていなかったので、彼を呼んで、「君がフロアリーダーなのだから、きちんとやりさない!」と言いました。もっともっとしっかり言っていかないと。彼の顔色ひとつひとつを見て、チームメイトがそれを判断してプレーするので、リーダーとしての立場を教えていきたいと思います。

―金城選手の怪我の具合は?先々週の会見では復帰できそうな話だったが?
そうですね。また怪我の具合が(前の状態に)戻ってしまっています。もう少し時間をかけてやっていきたいと思います。

―怪我人(金城選手)居て、ガードを4人でローテーションしているが、与那嶺選手の出場時間の減少について?
今日の試合は与那嶺は良かったと思います。シューター陣(小菅、澤岻)のダメだった時の与那嶺という風に考えています。小菅でいってダメだった時、私は澤岻を本当はどんどん試合に出場させて経験を積ませていきたい。ディフェンスでもオフェンスでもしっかりプレーできるように成長させたい。そこがダメだった時に与那嶺を使って2ガードで行こうと思っています。

並里成

―今日の試合を振り返って
自分自身にはまだまだ課題があります。しっかり40分チームを引っ張って、スキの無いバスケットを求めているので、明日もそれが出来るようにプレーしていきたいと思います。

―第4Qヘッドコーチと議論していたが?
コーチが「これ」といった時に、自分では「これ」ではないのではないかという感じで話をしていました。コーチの意見を信じているので、(コーチの指示通りに)プレーしました。

―1ヶ月ほどですが、bjリーグでプレーしてみての印象は?
試合前の会場、ブースターの雰囲気、各チームのバスケスタイルであったり、そういう部分は好きです。これからがもっとももっと楽しみです。

―地元の沖縄について?
そうですね。生まれ育った所ですから(落ち着きます)。バスケットに集中出来ています。

―休みの日は?
温泉に行っています。体のケア、アイシング、トリートメントです。元気であればトレーニングしています。

―バスケット漬けな日々ですね?
オフの朝は少しだけ遅く起きています(笑)