【プレミアム限定】岩手vs秋田 秋田:中村HC、デマーシー選手、ハリス選手 岩手:桶谷HC インタビュー(11月11日)

11月11日(日)奥州市総合体育館(Zアリーナ)で行われた岩手ビッグブルズ―秋田ノーザンハピネッツの試合後インタビュー。岩手:桶谷大HC。秋田:中村和雄HC、ジョーダン・デマーシー選手、ディオン・ハリス選手。
(文・写真/宮川 紀元)

秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

―今日の試合の総括
なかなか思い通りのバスケットができないです。
水町をずっとポイントガードで使っているとらちが明かない。だから長谷川を使った。サプライズって言ってもいいな。こういうひらめきはあるんだ。こういう場面をどうするかっていうのは、夕べ決めた。長谷川を呼んだ。長谷川を呼んで、スタートで行くぞ、って。一往復でもいいから、って。

おれはこの気性だから、審判にはいくらでも行きたい。いくらでも行きたい。しかし、チームが勝つためにはそれは抑えた方が度胸がいる、男らしいだろうが、って。我慢した方が。文句ばっかり言ってるのは女々しいだろうが。しかし、言ってるけど分からない。自分のプレーよりも、今ゲームがどう進んでいるかというのを理解できない人がいるわけだ。これは、チームとして成立しないかなって感じはするんですよ。情けないですね。僕のチームにはああいうバスケットは…。要するに審判に文句言ったりふてくされるためにお客さんはお金を出してきてくれてるわけじゃないんですよ。スポーツだから。一生懸命頑張って、判定がどうとかこうとかっていうのはどうでもいいんだ、そんなの。どうでもいいと思う。そういう意味では、チームとしてはまだまだ大変かなって感じはしますよね。なかなか自分の理想とするチームには。
秋田県民見てもわかるでしょ。すごい。すごいですよ、どっちがホームかわからない。秋田はすごいんだ。あの人たちに、喜んでもらえるようなバスケットを心がけたいんだ。したいんだ。これがなかなかできない。これからも、毎日戦争だ。いま終わったら「コーチ、ゴメンナサイ。」って。終わってからもっともらしい顔していったって、それじゃどうしようもない。これじゃ面白くない。これからもうちょっといいチームに育て上げていこうという感じはするんですよ。

おれんとこには長谷川がいたり、庄司がいたり。あいつらが頑張ってるってことは。今日は(夏にクリニックで交流した)陸前高田の子どもたちも応援に来てくれた。ああいう子たちにね、もっとすがすがしいバスケットを見せれれば良かったかな、って感じはするんですよね。

―ディフェンスの出来はどうですか?
普通だと思います。

―昨日からどんな修正を…
してません、なにもしてません。カズディフェンスです。だから昨日からいってるじゃないですか、バタバタしないって。一回一回の動揺はしない。おれたちがどうすべきか、だから。だから今日もタイムアウトも点数じゃなくて、ちょっとディフェンスの手違いがあった時は、これはダメ、ってとった。だからまだゲームをやるというより、どういうバスケットをやるか。

―長谷川選手の起用について、どんなひらめきだったのですか?
そう。長谷川は今ゲームに出れる状態でもない。体力的にも、技術的にも練習不足だし。けど、おれの気持ちを長谷川と庄司は読めるんだ、やっぱり。おれが今何を考えているかということを読めるんだ。だからそれをコートで表そうとする。だから、昨日だって水町はノーマークで打たない。で、長谷川は打って決めてくれた。この違いがある。おれは打てと言っているんだ。ビビんな、って。5人の中のひとりなんだから。10人に対してのひとりじゃないんだから。ざまーみろ、って感じだな、水町に対しては。ほら見たことか、って感じなんだ。
長谷川はどういう使い方しようがわかってくれるんだ。長谷川も庄司もね。長谷川と庄司は特殊だから。僕が秋田に来た時からいってるけど、長谷川と庄司は他のチームにはいないんだ。これを活かしていきたい。ゲームに出るとか活躍するとかは別にしても。
他の奴らの気持ちもわかるからあいつらは、「おれたちがフォローするよ、フォローするよ」って今日の朝もしゃべってるんだ、ある人に対してな。「大丈夫、大丈夫。」って言ってるんだけども。でもなかなか収まるもんじゃないですね。もうちょっといいチームにしたいな。

―ハリスはどうでしたか?
ハリスにはずーっと言ってるんだ。ずーっと。9回に勝ってる時にホームラン打ったってしょうがねえんだ、こんなの。入れるんなら先に入れて来い、って。ハリスに任せてるんだ、今日もずっと。始まる前に「お前には特別な意識がある。お前に預けてるぞ。」って言ったんだ。おれがコートにいる状態を、あいつに預けてるから。だからああいうくだらないパスミスしたりとかね、ああいうことしちゃダメって。いつでも冷静で、いろんな技術持ってるから。それをずーっとハリスには言い続けてるんだ。ああいう風に期待されることないんだって、今まで。リバウンドも含めて。おれらの中心は、ハリスにあるんですよ。ハリスがもっともっとよくなっていけば、面白いと思いますね。

―昨日はリバウンドで大分負けていましたが、今日は勝っています。
昨日はリバウンドルーズで負けたんだ。今日はなかなかいいルーズ、いい追っかけをした。そこは褒めてやった。なかなかボールに対する執着心がありましたね。昨日はなかった。たぶんあれはアメリカ人よりも、日本人が絡んでいるんだろうと思う。日本人がリバウンドルーズに対してこう、今日の田口みたいにああいう状態になってくればいいかなと思いますね。

でも0/6はねえだろあの野郎、富士大出身(笑)。ったくもう、置いていきたい(笑)、岩手に。あるいは田沢湖に埋めていきたい(笑)。あのヤロー、地元(出身大学があったところ)だろほんとに。たぶんね、意識があるんだ。頑張れてるだ。絶対頑張れてるんだ。逆に、それが裏目に出てるんだ。まあこれからかな。でも置いていきたい(笑)。

―第2Qの攻撃がすごくテンポ良かったのですが、何か理由は…
ありません。ほんとにないんだ。いや、いい方向になればああなるんだ、おれんとこは。大砲持ってるしね。だからティージェイのところがもうちょっとちゃんとやってくれれば。あそこでね。ケントとかがもうちょっとあそこでちょこちょことやってくれれば、あと大砲持ってるから。
昨日はスピードがなかった。スピードが。今日はちょっとスピード出せ、スピード出せ、って。オフェンスもディフェンスも含め。だからオフェンスもシャーっと来てこう、いい状態で。ハリスがちょっと遅かった。ハリスは遅いポイントガードやりたいんだ。(出身大学の)ミシガンはディレイトゲームのチームだから。だから今日は速く、って。そうそう、って。それがうまくいった感じしますね。
昨日の夜言って、今日も白板に、まずは「スピード」って。こいつ(チームマネージャー)にもいっぱい言った中で、こいつもスピードって書いてた。だからスピードが一番、今日うまくいったところかな。(記者に向かって)なんかひとつ(ネタが)あったね。よかったね(笑)。

―デマーシーが第2Qかなり良かったですが、あえて起用したんですか?
全く計算できないんだあの人は(笑)。なにやるか。やってみるまではわからない。で、やりだして調子でてくると今度アホやる。若いからっていえば若いからかなあ。ただ、なかなかのスピードを持ってる。今日はもうちょっとドライブしたら、ってみんなに言ったんだ。最初に庄司に表れて、田口あたりもドライブするって感じになって。ジョーダンもね、能力持ってる子だから。だからこう、落ち着いてさえいれば戦力になるかなって感じはするんですよね。若いから、つまんないファウルもするじゃないですか。全然もう、やらなくていいのにってファウルもする。いつやってるかわからねえもんな、ほんとに。審判だけがわかるって感じだから(笑)。まあでも、もうちょっと落ち着けばね。

―早い時間にデマーシーとカミングスがファウルトラブルになり、そこはちょっと難しかったのかなと思いましたが。
ありません。全然ないです、全くないんだ。全然大丈夫です。はい。ただ、ハリスだけはいなきゃだめだ。ハリスだけはいてほしい。あとはみんないなくていい(笑)。おれとハリスがいればいい。もう後は完全に、だれでもいい。ハリスさえ残ってくれれば、逃げ切れるから。

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ジョーダン・デマーシー選手

―今日のご自身のプレーを振り返って
今日は、試合に出たらまず自分の得意なことをしようと思いました。自分はリングにボールを持っていくのが得意なので、それをやろうと思いました。リラックスしながら、落ち着いてプレーすることを心がけました。特に昨日惜しい試合をして負けて悔しい思いをしたので、今日はコーチ・カズのバスケットボールをして勝つという意気込みでした。

―今日のコンディションは良かったのでしょうか?
自分の調子はなかなか良かったと思います。味方にファウルトラブルがありましたので、自分のプレーするチャンスが多かったと思うんですけど、自分の中では自分のプレーに満足しています。

―昨日は競った試合でなかなか出番がなく、出たいという気持ちはありましたか?
いつもプレーしたいと思っているんですけども、昨日はマッチアップなどの関係でプレーできなかったのかと思います。負けてしまった試合を取り戻すことはできませんし、今日は自分のプレーができて勝てました。それは良かったと思います。

―リバウンドやスティールでも活躍していましたね。
コーチ・カズにはディフェンスだったりリバウンドだったりスティールで期待されていると思いますが、そういった部分も含めてオフェンスにエネルギーをぶつけることができました。こういったチャンスを与えてくれて、感謝しています。

―まだつまらないファウルが多いというHCの指摘もありましたが。
とても高いエネルギーでプレーしていますからたまにつまらないファウルをしたりというのはありますけど、レフリーをコントロールすることはできないので、自分の体、精神状態をしっかりコントロールしてそういったファウルをしないように心掛けたいです。

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ディオン・ハリス選手

―前の試合を受けて今日のゲーム、いかがでしたか?
今日は機能とは全く正反対で、試合の前半からいいディフェンスもできましたし、なかなかよくできたと思います。

―今日の試合前、HCが「スピード」と強調したと聞きました。
スピードをつけると自分たちのオフェンスのリズムが良くなるとわかっていますので、気を付けていました。実際にスピードをつけたところ自分たちのオフェンスはナチュラルにいってシュートも決まったし、いいところがたくさんあったと思います。

―今まではそういった展開とは逆のチームでやってきたとうかがっていますが、そこは気になりますか?
大学でもプロでもここまでペースの速いバスケットはしたことがなかったんですけども、だんだん慣れてきたと思いますし、自分でももっとスピードをつけていけるように努力していきたいと思います。

―今日のシュートタッチはどうでしたか?
今日はなかなかいい感じだったと思いました。昨日も今日もそんなに(本数は)たくさんは決めていないですけど、しっかりと決めてやろうという気持ちでいました。

―HCは先ほどハリス選手が中心だ、とおっしゃっていました。
コーチ・カズは自分にディフェンスをすることも、スコアをすることも、リバウンドを取ることも全て期待してくれています。期待に応えられるように全てにおいて努力していこうと思います。

―これでチームは東の首位に戻りました。
シーズンの終わりにトップにいるのが目標です。残念ながら今回は1勝1敗になってしまいましたが、これから常にトップに君臨できるように頑張っていきたいです。

―次はまたホームゲームが続きます。
今回はアウェーゲームなんですけども、ホームゲームのように感じられました。今度は本当のホームゲームなので、またファンの皆さんに見ていただけるように頑張りたいです。

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岩手ビッグブルズ

桶谷大HC

―今日の試合の総括
チームの、今までのびのびバスケットをやらせていて、その弱点というものがすべて出たんじゃないかなと思います。ほんの少しのハッスルバックだったり、ボックスアウトだったりっていうのが全てあちらにもっていかれてしまったので。自分自身がこうなる前にチームに話をできていれば、違うゲームをできたんじゃないかなと思います。選手たちができない部分は自分の責任なので。もう一回選手たちに、自分の思ってることを表現すること、それで自分たちの持ち味をしっかり活かすことをもう一回やって出直したいと思います。
昨日は出だしでいいバスケットができて、最後にいい結果に持って行けたんですけど、今日はもう出だしからあっちがきっちりとしたバスケットをやって。ルーズボールとかの部分でやられてしまったので。そこの部分、これから出さないように。

―ルーズボールも相手に転がる展開でしたが、何がそれを分けましたか?
シュートが入らないときでも勝てるバスケットを目指さないといけない。そういうところで、ハッスルな部分をすべて秋田にもっていかれた。ルーズボールにしても、ハッスルさせきれなかったです。一週間、そういう意識を2試合続けてし続けられるように、自分自身もそうですしチームもしっかり出直さないといけないと思います。

―前半終わった時点で、点差以上に相手のファウルトラブルでダメージを与えたかと思ったんですが。
そうですね。技術的には、そこにパスを入れきれなかった部分。そこの部分でやっぱり秋田さんのほうが一枚上手のディフェンスをして、かなりインサイドもディフェンスしてきていたので。それに対して自分たちがアウトサイドを決めきれなかったっていう問題ですし、シュートはいらないときにももっとオフェンスできるようなチーム作りをしていかないといけないと思いました。

―スニードもインサイドで激しくマークされましたが、次の対策はどんなものだったのでしょう?
もっと、入らなかったときにセカンドチャンスと、ディフェンスですかね。ディフェンスの部分も崩壊してしまったので。今日はインサイドも50%以上やられましたが、3ポイントも30%以上やられてるので。そういうどっちもやられるようなバスケットをしていると勝てないので。
もうちょっと激しいディフェンスができたんじゃないかなと思います。僕らは14くらいですか。あちらは28くらいなので。それでもあちらは60点台に抑えた。僕らも見習って、激しいディフェンス、ファウルしてでもとめれるような激しいディフェンスをできるように練習からもっと厳しくやっていきたいなと思います。

―秋田の印象はどうですか?
自分たちが本当に100%集中した状態で臨まないと勝てないチームだと思います。

―ハーフタイム中はどんな指示を出したんですか?
ディフェンスがかなり崩壊していたんで、その部分でもう一回ハードワークをしよう、っていう話をしました。

―それでも止められなかったということですか?
そうですね。やっぱり自分たちが、点数を見過ぎてバスケットをしていた部部があります。ひとつひとつ、勝ってる時なら丁寧にやるはずのことを今日は…。機転がきかなかったり、ルーズボールも相手に先に飛び込まれたり。ディフェンスリバウンドもボックスアウトしなくて取られたり、いうような。本当に、100%自分たちが集中しきったバスケットができなかった。もう一回それは練習から、姿勢ですね。バスケットに対する姿勢っていうのを見直していかないといけないと思いました。

―外国人選手がかなりイライラしているようでしたが。
そうですね。まあ自分自身がいいプレーできなかったことと、采配の部分で、自分がプレーしたかったんじゃないですかね。ただまあ、やるべきことをやっていなかったんで。やるべきことをやっていたらゲームには出しますけど。まあそこのやり取りはあったんですけど。その部分もしっかり、もっともっと規律の部分でまだ甘さがあったな、と思うので、規律の部分をしっかりして言いたいと思います。

―ファウルに対してではない?
それを言うと審判批判になるので(笑)。

まあ、あっちはファウルが多かったんですけど、うちらはファウルしてないというのが今日の一番のキーだったんじゃないかと思います。あっちはファウルしてでもとめにきてたので。そのぐらい自分たちもやらなきゃいけない試合もあるんじゃないかなと思いました。