攻守にラビッツを圧倒したシャンソンが快勝(88-65)

10月22日(土)、燕市吉田体育館で行われたWJBL、新潟アルビレックスBBラビッツvsシャンソンVマジック戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

第1Qの立ち上がりからタイトなディフェンスと確実性の高いオフェンスで33-9とリードしたシャンソン、第3Qにも好調なアウトサイドシュートで25-5と大きくリード。ラビッツは最大40点のビハインドから出岐らの活躍で追い上げるも及ばず、シャンソンが確実なゲーム運びで快勝した。

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新潟アルビレックスBBラビッツ

荒順一HC

-今日の試合について
ひとつは1Qの入りですね。誤算の一つが、シャンソンの3ポイントがあれだけ入ったということ、そこまで(入ると)は思って無かったです。ただ1Qはインサイドでやられたのもありますよね。3ポイントはあるにしても、インサイドのミスマッチ、川上を出した時に10センチ以上の差が出てしまう。それも1Qはやられてしまった。前半の出だしが全てですね。

点が離れた時に、選手たちが、出岐にしても高橋にしても他の選手達も、本来のウチの、スクリーンから点を取りに行くのとは違う焦ったプレーになってしまったところがあると思います。

明日もありますし、修正は出来ますから。ウチの本当のオフェンスであったり、ディフェンスは何が(相手に)効くのか。そういった材料を持って帰れるようにということをハーフタイムに話しました。

ちょっとシャンソンの当たりに負けていたり。その面では、当たられた時の経験のなさが弱気になってしまって。相手はしっかりと切り替えてくるのに、ウチは中途半端なプレーになるというのが、やはり選手たちのゲーム経験が無いんだと思います。

4Qにもう1回しっかりプレーを確認してそこそこ出来たので、明日は面白くなると思います。

(今日の試合の)成果はありましたよ。今回は玉井と君山の外角、あの子達に点が行くようなスタイルのプレーもやったんですけど、(3ポイントを)玉井が3本、君山が2本。これは私達にとってみれば今までにない成果ですからね。あの2人が3ポイントをあれだけ入れているというのも、あれが自信に繋がってくれれば、あの子たちも戦力になっていくという事だと思います。

私は、また1歩前進したかなと思いますよ。菅野も今回初得点を入れてくれて。菅野も徐々に(調子が)戻ってきているので、その意味では、成果としていい物をもらえたと思っています。

川上が前の三菱戦であれだけ活躍しているので、そこはきっちりマークされてしまいました。そこはしょうがないと思います。

こういったゲームを薬にして、また成長していければ、これから上位と当たりますけど、戦えるものがあると思いますよ。明日は勝ちたいですよ。勝負できるようにしたいと思います。

-今日の試合ではどのような修正の指示をしたのですか?(新聞)
最初は、高橋やセンター陣が、ウチのスクリーンプレーというものを忘れてしまって。スクリーンをしっかりかけるという仕事をしてくれなかったんです。それでアウトナンバーにならなかったり、チャンスにならなかったりして。センター陣がしっかりとしたスクリーンの角度を取って、その精度を高めてくれれば、チャンスは来ると思います。4Qはそこをしっかり出来たのではないかと思います。外からの得点もありますけど、中へ向かっての得点が多くなりましたよね、4Qは。相手のメンバーが変わったこともありますけど。ウチはああいったスタイルで行かないと。最悪ファウルをもらったりとか、そんな風に行かないとダメだと思います。それまではリングにまで行けない、途中で(シュートを)打ってしまう。逃げたようなプレーが多かったので、それはしっかりやるように指示をしました。

-立ち上がりのビハインドは、シャンソンのシュート確率の高さに面食らったような部分もあったのでしょうか?(バスナビ)
面食らいましたね。あんなに入るとは思っていませんでした。インサイドはだいぶ背が違うんで嫌だったんです。特に川上を使っていくということになると、出岐でもミスマッチなのに、川上だと完全にやられるなと。

うちはスイッチマンツーマンにしていたので、センターは外に引っ張り出されて、中でフォワード陣に攻められてしまった。中が嫌だとセンター陣が(ヘルプに)行けば、外が開いてしまう。作戦を直す間もなくやられてしまいましたね。

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#34出岐奏選手

-今日の試合について
今日はすべて出だしだと思います。相手のシュートは入るし、自分達がやらなければいけないことが全然出来てないし、攻め気も無かったから、ああいった結果になったと思います。2Q以降は戦えていたので、明日に繋がるゲームには出来たと思います。明日のために、どういったことが通用する、どういったことがダメか、どこを修正して明日の試合に入らなければいけないのか分かったので、明日に繋がる部分はあると思います。

-通用する部分というのは?(雑誌)
攻め気を出せば相手もファウルが込んでくるし、何らかしらのアクションが起こるけど、1Qみたいに攻めないでパスばっかり探していると相手も楽だし、あとリバウンドを高橋ひとりに任せてしまって。一人で取れなくても、全員で行けば取れるのに1Q、2Qは全然行ってなくて。明日はそれを1試合通して全員でリバウンドを取りに行って取れるようにしたいです。

-シャンソンのディフェンスが激しかったですが(新聞)
そうですね、でも激しく付いてきたら付いてきたなりにやることはあるので、それが1Qは出来なかったです。全員攻め気がなくて、パスばっかり見ていて、悪い方向に行ってたと思います。

-シャンソンの3ポイントは警戒していましたか?(雑誌)
警戒はしていたんですけど、やはりボールに出るディフェンスの圧力が足りなくて。相手に気持ちよく打たれていたので、そこも修正したいです。

-第1と第3、第2と第4のようにゲーム展開に波がありましたが、チームの流れが悪い時、どうやってチームを立て直して行きたいですか?(バスナビ)
悪い時はオフェンスだとシュートまで行けないんですが、ディフェンスでは(相手に)気持よく打たれてしまう時です。なので、まずはディフェンスで、自分達の点が取れなくても、ディフェンスでしっかり守れていればあちらも得点は取れないから、まずはオフェンスよりもディフェンスでリズムを作りたいです。(自分達のシュートを)入れられなかったからと言って、ディフェンスも戻りが遅くなって相手に簡単に速攻で決められたり、簡単に3ポイントを入れられるというのが1Qだったので。

-第3Qはディフェンス的に気持ちが切れているように見える場面がありましたが?(バスナビ)
荒さんからは、明日もあるんだから明日に繋がるような試合を、そして今日も負けていい訳じゃなし、勝ちに行っていました。まずはディフェンスからと行ってたんですが、疲れもあるし、負けている時はメンタルの面でも下がっちゃうことがあるので、多分それが出てしまったのだと思います。

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#1高橋礼華選手

-今日の試合について
ウチらがダメということじゃなくて、相手のシュートが入ったというのもあったと思います。でも、相手の勢いを止められなかったのが敗因かと思います。1Qの33点というのが、後で効いたなと思います。

-試合中、転倒して退場する場面がありましたが?(新聞)
大丈夫です。ちょっと打った感じなんですけど、大丈夫です。

-明日に向けての修正点は?
どうしてもミスマッチになってしまうので、ミスマッチされてしまった時のカバー(ディフェンス)の寄りを早くするのと、そこからパスアウトされた時の自分達のローテーション、結構やることはいっぱいあるんですけど、今日は明日に繋がるゲームが出来たのではないかと思うので、明日は今日の反省を生かして、修正するところは修正して、明日のゲームに臨みたいと思います。

-今日は立ち上がりが悪かったですね(雑誌)
明日はスタートからみんなで気持ちを合わせていきたいです。

-今日のゲームでよかった点は?(バスナビ)
出岐さんも言ってましたが、攻め気を出せばポンと(リングまで)行けたり、シュートまで持ち込めたりするので、明日はその攻め気を序盤から出していきたいと思います。

-高橋選手のインサイドやリバウンドでの負担が大きくなっていることについては?(バスナビ)
それはチームが始まった時点で分かっていたことなので負担とは思っていませんし、それくらいは自分でやらなければと思っています。

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#13玉井里英選手

-今日は3ポイントが3本と好調でしたが、どんな気持ちで試合に入りましたか?(新聞)
ずっと言われていた事なんですけど、自分はシュート、3ポイントということを言われ続けていました。今日の試合も、(チームが)自分のためにフォーメーションじゃないですけど作ってもらって、自分達の為に荒さんがやってくれている、他のチームメイトもそのためにやってくれていました。もらったら打つという事しか頭になくて、今日はその意気込みでした。

-3本のシュートを決めたという事に関しては?(雑誌)
目標とかはなくて、とにかく(コートに)出ている時間の中でチャンスを作ってもらったので、本数とかより、とりあえず(シュートを)打つということだけを考えていました。

-その手応えはどうですか?(雑誌)
いつもはいろいろ考えてしまうことがあったので、今日は何も考えずに割りきって打てたので、思い切り打てたと思います。

-明日に向けては?(雑誌)
今日(シュートが)入ったことで、(チームも)シュートが入ると思ってくれているし、明日は相手チームも3ポイントを頭に入れてくると思うので、するとまたいろいろ作戦もいいように考えられると思うので、そんな風にプラスに捉えたいです。今日以上に頑張りたいです。

-今日のように得意のシュートを入れたことは自信になると思いますが、逆に課題として意識していることはありますか?(バスナビ)
今はまだ3ポイントという事しかできていないので、相手からしたらそこを止めてくると思うんですけど、その次にどうするか?といのがまだ出来ていません。その裏をかけるように、ドライブだとかパスだったりとか考えなければいけないし、(ディフェンスが)当たってくるならそれを振りきれるように頭を使わなければいけないと思うので、もっといろんなチャンスを作れるようになるのが課題だと思います。

-自分のシュートが決まって、会場が湧いた瞬間はどんな気持ちでしたか?(バスナビ)
(笑いながら)あんまり覚えてないんです。「入った!」と思って。最初(の3ポイント)は入りそうになくて、「ヤバい」と思ったんですけど、1本目が入ってそれで落ち着いて、そしたら2本、3本と決められました。入ってよかったです。

-明日はその歓声が聞こえるといいですね(雑誌)
明日は歓声が聞こえるように余裕を持ってプレーしたいです(笑)。今日は(シュートが決まったのが)前半だけだったので、それがコンスタントに出来るようになればと思います。

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#21君山舞夕奈選手

-荒HCから、このシャンソン戦では君山選手、玉井選手に期待しているという話がありましたが(新聞)
自分は最初の1本目のシュートが入らなかったので、いつもは1本目が入ってその後が入らないことが多いんですが、今日は1本目が自分のタイミングじゃないのに打ってしまって、ちょっと調子が上がらないところがありました。で、玉井さんが3本入れてくれて、荒さんからは「2人で(3ポイント)4本」と言われていて、今日は玉井さんに託そうと(笑)

-でも後半は3ポイントを2本いれましたね(雑誌)
そうですね。荒さんにも、「明日のためにもいいプレーをしてこい」と言われて。やはりチームが自分達の為に(プレーを)作ってくれていたので、1本でも打って決めなければと思っていましたし、最後までボールを貰ったら打つようにしていました。

-2人で4本のノルマは達成しましたね(雑誌)
そうなんですけど、それ以上に相手の3ポイントが決まったので(シャンソンの3pt:12/29、41.3%)、シューターとしてはまだまだだと思います。

-明日へ向けての課題は?(雑誌)
今日の最後は出岐さんとかドライブに行けてたので、そこで合わせももっとしっかり動いてカバーしてあげて、そこで3ポイントを打てるようにするのと、前半に3ポイントを決めた玉井さんのところは後半は(ディフェンスが)出てきていたので、ドライブからの動きを考えていきたいです。今日は打つことしか考えていなかったので。

-ここまで8試合を消化し、ホームもアウェイも上位チームとの試合も経験しましたが、今は落ち着いて試合に臨めていますか?(バスナビ)
自分はあまり緊張とかしてないと思うんですけど、まだ経験が無い分、ミスが多いというのはあるので、ミスをしないように1試合1試合行きたいと思ってます。