プロって何だろう…。第1回『プロチームの作り方(千葉ジェッツに聞く)』

プロって何だろう…。

第1回『プロチームの作り方(千葉ジェッツに聞く)』
男子バスケットボールではNBLとbjリーグという2つのリーグを一緒にまとめた統一プロリーグを作ろうと話し合いをしています。
日本のバスケではプロという言葉の意味があいまいではっきりしません。
そこで、プロチーム、プロ選手って何だろう?ということを調べてみることにしました。
(文=定山 敬)

********************

nbl_chiba
第1回は千葉ジェッツを作った人の1人、梶原健(かじはら たけし)さんにプロチームの作リ方と経営について聞きました。
3年前にも梶原さんにインタビュー(2011-12シーズン新参入 千葉ジェッツ代表取締役・梶原健インタビュー)して、どうしてチームを作ろうと思ったのか聞いていますが、今回はより本格的なチームの作り方や運営方法となります。

-いつ頃プロチームを作ろうと思っていたのでしょうか?
「プロチームを作る準備は2009年からです。その時はbjリーグとJBL(今のNBL)が3年後には一緒になると言われていた頃でしたね。
千葉は千葉県バスケボール協会の土台がしっかりしていることもあり、JBLへの申し込みを考えていましたが、その時はチームを増やす募集が無かったので、JBLへの参加はむずかしいと思いました。
2つのリーグが一緒になることが出来るという前提で、チームの土台や基盤作りを考え、申し込みの出来るbjリーグにしました。
ただ、先にお伝えしておきたいのは、プロチームをつくることは簡単です。おそらく想いとちょっとしたコネ(コネクション)があれば誰でもできると思いますが、継続と維持ていくのは何百倍も難しいことです。現に私も1年目の経営に失敗して、現在の取締役陣に助けてもらって、今日(こんにち)の千葉ジェッツがあります。どこのプロチームの社長も生きるか死ぬかの厳しい状態で人生をかけて取り組んでいて、その考えが正直私には足りなかったと思っています」

-次にどんな事をしたのでしょうか?
「思い立ったら吉日(きちじつ)ということわざではないですが、2009年12月、bjリーグに連絡しました。それから2ヶ月後にリーグの関係者にお会した時に、同じ千葉県で別の所からプロチームの参加の希望があると聞かされました。千葉にチームを作るのであれば一緒にやっていきたいと思い紹介してもらいました。
バスケにおけるネットワークはありましたが、ビジネスについては持っていませんでしたので、そういった人たちと出会えるというのはメリットがあると感じましたね。それが2010年3月31日です。
その時に2011-12シーズンから参入希望の申し込みを出しました。約三ヶ月後の6月15日までに3つの条件をクリアしなさいと言われました」

クリアするべき3つの条件とは…
①資本金(会社を作るときに最初に必要なお金)と初年度の収益(会社が得るお金)を合わせたお金(全額ではなく一部)を集める事

②ホームタウンとなる自治体(この場合は千葉県)への許可をもらうこと

③その地域(都道府県)のバスケットボール協会への許可をもらうこと

-①はどうやってクリアしたのですか?
「お金がすぐに集められるわけではなかったので、中心となってくれる人を探すことになりました。
千葉県プロバスケットボール準備委員会と組織を立ち上げて、協力してくれる仲間を集めました。
人数としては30人くらいです。月一回集まって、どのようなチームにしていくのかを話し合いました。委員会の中心メンバーには、以前プロチームを作ろうとしていた千葉バジャーズ(今の千葉エクスドリーム)のOBもいましたね。
その委員会のほとんどがチームの株主になっています。メンバーが持ちよったお金が千八白万円になり、そのお金を資本金にして会社を作りました。売上げに必要なスポンサー(広告やPRなどにお金を払う人や会社のこと)についてはまだチームがあるわけでも無く、右も左も分からない状態でしたので、委員会のメンバーが働いているそれぞれの会社から少しずつOKの約束をもらい、スポンサーになってもらいました」

-②については?
「委員会のメンバーの中に森田知事に近い人がいましたので、紹介してもらい会うことが出来ました」

-③については?
「私の恩師に千葉県バスケットボール協会の理事や理事長がいましたので、プロチームを作りたいという話をしました。私がやるのであればという事で、反対はありませんでした」

3つの条件をクリアして、6月15日に申し込み、8月27日にOKが出ています。それから9月17日に千葉ジェッツを運営する株式会社ASPEが出来ます。

********************

ここまでがチームを作る土台です。
次はチームが出来たことをどうやって多くの人に知ってもらうのか。そしてヘッドコーチや選手の集め方、試合会場の決め方を聞きたいと思います。

次のページヘ