【プレミアム限定】bjリーグ2011-12プレーオフ 京都が大阪を下しアップセット。チーム初の有明へ進出(5月13日)

5月13日(日) 住吉スポーツセンターで行われたbjリーグ2011-12プレーオフ 大阪エヴェッサvs京都ハンナリーズの試合後インタビュー。大阪はライアン・ブラックウェルHC、今野翔太選手、青木康平選手、小淵雅選手。京都は浜口炎HC、リー・クマード選手、川辺泰三選手、瀬戸山京介選手です。
(写真/文=金澤 朱志)


(写真:第3戦残り時間1秒で3Pシュートを決めたリー・クマード選手)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
素晴らしい試合だったと思います。負けてしまったんですけど第2戦に勝って第3戦に持っていって、第3戦もいろんなことがあった中でしっかり最後まで戦い切った選手たちを誇りに思います。残念ながら今日でシーズンが終わってしまうんですけど、強くなって帰ってくるチャンスを充分得られたかなと思ってます。本当に選手たちには感謝してますし、重ね重ね選手たちを誇りに思います。

―第3戦目に向けてのベンチでの指示は?
前半5分後半5分という短い時間の中でのやり合いという形になりますしファールの数やタイムアウトの数の制限がある中、戦術や指示というよりも気持ちだったりとかエネルギーだったりとかそういう部分が(勝敗を)左右すると思ってましたので、そこの部分をしっかり伝えました。もちろんファールはしないようにというのはありましたけど、それ以外の部分、気持ちの部分で戦うというところ。

わずかな時間なのでどちらに転ぶか、本当に強いのはどちらか、なかなか決めづらい状況だと思いますけど気持ちの戦いになると思ってましたので、そこだけ指示は出しました。

―最終的に3点差で負けてしまったわけですが今シーズン通じて足りなかった部分は?
何が足りないとか何をやっておけば、というのは特に無いです。これがバスケットボールだと思います。たらればの話になってしまいますけどもしマイク(ベル)がシュートを決めていて相手が落としていたら・・・これが起こるのがバスケットボールだと捉えていますので何が足りないというのはありません。

第2戦に関して言いますと指示通り選手は動いてくれたと思いますしディフェンスは相手を60点台に抑え、オフェンスでは70点台のスコアをする我々のゲームプラン通りの素晴らしい試合が出来たと思っています。ただその後の第3戦10分間の中でそれをどう表現するかは難しかったというのが本音ですが選手たちはよくやってくれたと思っています。

―今シーズン、いろんなことがありすぎるぐらいあったシーズンだと思いますが、今改めて今シーズンを振り返ってどのような感想をお持ちですか?
本当にいろいろなことがありすぎた。特にリンの件などいろいろあった中で、選手達がひとつになって全員で戦えたというのが非常に誇りに思いますし、本当に途中から全く違うチーム、違うシーズンが始まったという状況でも有明に行くチャンスは充分ありました。優勝するチャンスすらあったと思っています。そういった意味では本当に全員がひとつになって戦い抜いてくれたことに感謝しています。誇りに思っています。

毎年プレーオフに行って今年は残念ながら有明は逃してしまいましたが、他のチームも我々のようにプレーオフに出て有明を目指し、それを望んでいるチームはたくさんあると思います。その中でこの状況を生んでこられたというのは本当に素晴らしい、誇らしいことだと思います。この状況まで持ってこられたことに感謝してます。

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今野翔太選手
―選手キャリアの中で初めて有明を逃してしまったわけですが今の結果を振り返ってどんな気持ちですか?
選手みんなそれぞれ自分の役割を果たして一生懸命やってたと思いますし、最後ああいうシュートが入って京都のほうが気持ちが上だったんじゃないかなと思います。

―第2戦の大事な試合で出場時間5分41秒でした。どのように受け止めていますか?
正直僕はもっと出来ると思ってコートに立ってますし文句は無いですけど、もっとチームに勢いを与えられると思ってました。

―今野選手にとって今シーズンはどんなシーズンでしたか?
メンタル的に成長できたシーズンだったと思います。すごい良い選手たちが入ってきていろんなことを教えてもらったり、いろいろ学ばしてもらった1年間でした。

―メンバーがたくさん変わった中で、最後はひとつになってまとまったのは見事だったと思います。来季、同じメンバーが残らないにしても大阪のバスケットボールはこれだ、という可能性が見えたんじゃないでしょうか?
次のシーズン、選手がどうでコーチがどうというのは僕も知らないですしどうなるかわからないですけど、大阪っていうチームはこういうチームだっていうのはこれから確立出来ていったら良いなとは思います。

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青木康平選手
―人一倍優勝という言葉を出して迎えた今日の試合でしたが今の心境は?
ただ残念というだけですね。本当に昨日も今日も、今日は残り10秒まで、昨日は残り30秒、どっちに転ぶかわからない試合をしてただけに本当にあとちょっとが遠かったという2日間でした。

―「あとちょっと」が足らなかった部分とはどこでしょうか?
運ですかね。いろんな意味で運が足らなかったのかなっていうのはちょっと思います。ウェインがあの時間でああなってしまったこともそうだし、彼ら(ビッグマン)を休ませるもう一人のインサイド(の選手)がいなかったっていうところもそうかもしれないし、みんな満身創痍で戦ってた部分があった。やっぱりこのエクストラの10分という形で出ました。

―今シーズンやりきったという気持ちは持ちづらいですか?
でもいろんなことがあったのに2位をキープしてシーズンを終えたっていうことに関しては、チームとしても僕としても満足はしてます。それはやるべきことをみんなが一生懸命やって、以前勝った試合の後に皆さんに質問した時よりも全然良いチームだし、ブースターの方に応援してもらえるようなチームになってたと思うんですよね。そういった意味ではプロチームとしても成長出来たと思うし、一人ひとりプロ選手としてもステップアップ出来たシーズンだったと思います。

―大事なプレーオフという試合にもかかわらず昨年よりお客さんの数が減っていたのは厳しいな、ということはありましたか?
どうですかね。(お客さんが)いたに越したことはないですけど、それは今後の課題ですよね、チームとしても。それは大阪エヴェッサだけじゃなくて、どのチームにも言えることだし。成功してるチームもあるんですけど。ただ僕らの努力も必要だしチームとしての努力も必要だし、やっぱり発展途上のバスケットボールの中でこうやって取材を受けてもらえることも僕たちは当たり前と思わないで感謝しないといけないと思うし、みんなで一緒に作っていくっていうのが今必要だと思うので、あとは良いゲームをする、勝っていくってことが一番の効果だと思います。

―昨日(の会見で)は負けても悔いは無いと仰ってましたが悔いはないですか?
悔いは無いといえば嘘ですけど今日の1試合目を勝てたっていうことは僕らの力を証明出来たということですよね。ただこの変則ルールで本当にゲームプラン通りだったと思うんですけど、その一歩が届かなかったということは残念ですし悔いは残ります。どうしても有明に行きたかったので。

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小淵雅選手
―昨日の結果を受けて今日の試合に入りましたが気持ちの切り替えはしっかり出来て入れましたか?
やっぱりそこはメンタルの弱いところで「切り替えよう」とは思うんですけど、ああやって大事な試合でああやって終わったので、全て切り替えられたとはいえないと思います。

―第2戦目に関してはすごく前半から気持ちが前に出るようなプレーに見えたんですが意識して前に出すようにしてましたか?
この京都との試合で何が自分の中で迷わせているのかっていうのをずっと考えていたんですけど、気持ちの面でカバー出来る部分っていうのは結構簡単なので自分で気持ちが入っていれば問題無いんですけど、気持ちの問題じゃなくて向こうの自分へのディフェンスに対する自分の中でこうしようっていうのが気付くのが遅かったです。それがチームの足を引っ張ったし、こうやって負けてしまった原因かなとすごい思います。

―小淵選手自身としては昨シーズン大きな怪我があって今季も序盤いつものコンディションを取り戻せない状態だったかと思いますが、いろいろ収穫の多かったシーズンではないですか?
言われた通り収穫はすごい多くて今回のこのプレーオフでも収穫はあったしシーズン序盤何も出来ない状態でフラストレーションも溜まったんですけど、シーズンの終盤にかかって自分の中でこうしよう、ああしようって考えながらやって上手くいく部分、上手くいかない部分が見えてきて、自分の中でやっぱりそれが収穫になったなって思いますね。

―そういう意味では来季以降に向けて良い意味での宿題も得られたのではないですか?
プレーし続ける限りは完璧というのは無いんで、シーズンの終盤でドライブで点を取れたのがこうやってプレーオフになってドライブが抑えられた時に点が取れない。だからちょっと一歩引いたらすごいフリーになるから打とうって、自分の中でどんどん課題が出てくるんですよね。それは尽きないので、それは来シーズン以降も自分の中で全てにおいて対処していくのは今後課題ですね。

―一回休んで頭も体もフレッシュしてからですか?
早くしっかり休んでしっかり基礎からやっていきたいです。

―プレシーズンの頃から「チームで戦わないといけない」と仰ってましたがプレーオフはどうでしたか?
チームで戦うことの意識の大事さは一人ひとりが持つべきであって、すごい大事だとは思うんですけど、一人ひとりが自分の仕事をするからそれがチームワークになるっていう部分もあるんじゃないかなって思いましたね。チームでやろうっていうだけじゃなくて自分の役割をやってるからチームワークになるんだなっていうのを感じたので今後そういうところはしっかり意識したいです。

―京都はそういう意味でコミュニケーションを取り合ってチームになるのが早かったですね。
すごい良いチームだと思いますね。チームでやろうとしてることもすごい明確になってて、やってて簡単に抑えられる相手じゃないし外からも中からも点が取れるしバランス良いなって思いました。

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京都ハンナリーズ

浜口炎HC
―今日の試合の総括
昨日も同じ事を言ったんですけど非常にプレーオフらしいタフゲームでした。大阪も昨日は固かったと思うんですけど、今日は最初のゲームからシュートの調子が良かったですし、良いゲームだったと思います。

勝敗は一つ目は負けましたけど、2ゲーム目っていうのはどっちかって言うとラッキーな部分というのがあると思うので、そういう意味ではうちもアグレッシブに攻めましたし最後思い切って3Pを打ちましたし勝敗がこちらに転んできて良かったと思います。

―最後60秒タイムアウトを取られましたが、最後上を見上げて考えた後に最後指示を出されましたけど、どういう指示を出されましたか?
どうしようかなと思って。残り9秒で基本的に負けは無い時間帯だったので。難しいことをやってもミスする可能性があるしシンプルなことをやりたいと思って、JB(ジャーメイン・ボイェット選手のこと。以下「JB」と表現)に持たせて(残り時間が)4秒過ぎたら攻めなさい、と。あとスペースの配置をしてチームメイトを信じて良いパスを出してくれたと思います。

―クマード選手に打たせるというのは決まっていましたか?
決まってないです。場所だけです。JBをトップにしてピック&ロールしてボールにスクリーンをして(川辺)泰三を(京都の)ベンチ前とシューターを両サイド。ディフェンスがどう対応してくるかわからないので、あとはJBが自分で行くかキックアウトするかのシンプルな決断です。

―ウェイン・マーシャル選手が(延長の前半で)怪我をしてから、京都がもう一人のビッグマンを出さなかった理由は?
大きなこれっていう理由はないです。自分の感じだけです、このままで行こうかなって。ただそれだけです。

―浜口炎HCは仙台時代に新潟にアップセットされてますが今日はアップセットをしました。その時の経験を生かせましたか?
仙台の時と全く同じシチュエーションですよね、1戦目負けて2日目の一つ目を取っての5分ゲームだったんですけど。前回の京都の時のホームゲームもこのゲームもそうですけど、エキストラゲームで選手に言ったのは、仙台の時に負けた時に思ったのは、アグレッシブじゃないチームは負けると思うんですよね。パスばかり考えていたりとか。自分で決めてやろうというプレイヤーがいかに(多く)いるチームが強いと思うので。そういう意味ではたまたま最後うちに転びましたけど、そういう部分は経験として学びました。

―第3戦が始まる前の30分間での指示と島根戦の経験が生きたことは?
ロッカールームにすぐに下げて選手には「うちがスペシャル8ポイントを取って同点に追いついたから、ここから延長戦だよ」っていう話を伝えて、ブレイクしてあとは好き勝手にリラックしたりとか。残り15分になってもう一回ミーティングして「アグレッシブに行きなさい」、それだけです。

あとは選手を信用するしかないんでね。コーチングスタッフは選手のことを信用しているしチームメイト同士も信頼してやりなさいという話をしただけです。

―いよいよ有明ですが浜口HCにとってどんな舞台でどんな姿を見せたいか。
京都のチームにとっては新しいステップですし、やっぱり今まで沖縄、大阪が4年ぐらい連続で行っているのかな?そういうメンバー変わってもクラブの歴史を覆したりとか、チームとして新しいところに入るのは非常に難しい。そういう意味では選手は非常に良く頑張ってくれたと思います。あとは新しい挑戦なのでチームとしてあと二つしっかり戦いたいなと思っているところです。

―京都に来て1年目で有明に辿りつけてヘッドコーチ自身の気持ちは?
昨年はリーグで2位だったんですけど震災の関係で行けなくて5年で2回行ってるのかな。久しぶりですけど選手がしっかり頑張って行ったものなので、あとは同じバスケットをしたいと思います。同じ仲間でプレーするのは絶対に1回しか無いので。これは小学校、中学校、どのチームでも同じメンバーでやるっていうのは1シーズン1回。このメンバーで優勝したってどうせブレイクするわけですし、新しいメンバー来たり去る者がいたり。そういう意味で長くやりたかったですし、またみんなであと2試合楽しみながら勝ちに行きたいなと思います。

―これから1週間はどういう過ごされ方をされますか?
基本的にはいつも通りです。いつも通りの予定にしています。月・火リラックスして水曜日から。

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リー・クマード選手
―最後の3Pを打つ瞬間、どんな気持ちで打ちましたか?
最後はJBのためのプレーで、JBがスクリーンを使ってドライブしてファールを貰うというような、そういうプレーだったんですけど、JBが上手いことドライブして相手のディフェンスをひきつけて僕のところがワイドオープンになるようにプレーを作ってくれたので、ボールが指先から離れた瞬間に入ったなと感じました。

―ボールが来て打つ瞬間の気持ちは?
過去にもこういう瞬間というか最後のシュートを打つ機会がありましたが、過去は結構緊張しましたが今日は何故かわからないですけど、JBからボールが来た瞬間には落ち着いてシュートを打てました。先程も言った通り打った瞬間入ったと思いました。

―プレーオフ1回戦でも決勝シュートを決めたり、土壇場の部分で力を発揮されますがご自身としても活躍の予感というか行けるという感じがありましたか?
過去8~10試合ぐらい調子が良いというかリズムに乗ってます。自信はありました。3Pを打つ前のプレーでフリースローを2本決めているんですけど、あれでリズムに乗れました。

―外しても延長戦になるという意味で楽に打てたということはありますか?
もし向こうが1点でもリードしていればもう少しプレッシャーがあったかもしれないです。仮にシュートを落としても同点ということも落ち着けた理由なのかなと思います。

―今後に向けての意気込みを。
とても週末楽しみにしています。(対戦相手が)沖縄ということで過去4試合、かなり接戦で良い勝負になりました。向こうにもマッチアップでアドバンテージがあると思いますし、うちにもマッチアップでアドバンテージがあると思ってますのでとてもエキサイティングですし楽しみにしています。

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川辺泰三選手
昨日と一緒で我慢、我慢の戦いでどっちが勝ちたいかっていう気持ちを表に出せるかどうか、というのと運とかそういうのが全部出た試合だと思うので大阪の分も有明で頑張ろうと思います。

―誕生日おめでとうございます。たくさんのメッセージが届いたと思いますが、その力が今日は出せましたか?
今日は30歳になってメモリアルな誕生日だったしファンの人とかおめでとうと言ってくれるんですけど、この試合を勝ってからじゃないと心から笑って「ありがとうございます」と言えなかったので、今はみんなに「ありがとうございました」という気持ちで一杯です。

―有明に向けてこれからどういう気持でいきますか?
粘って粘って守って守ってリバウンドを取ってチーム一丸となって戦ってるのが僕らハンナリーズのバスケだと思うので、これを崩さずこのままみんなで一致団結して誇りを持って戦っていきたいなと思います。

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瀬戸山京介選手
先週に引き続き最後までどちらに転んでもおかしくないゲームで何とかチームとして我慢して勝つことが出来ました。僕達は島根の分の気持ちもあったので、そういったところでのプラスアルファがあったかなと思ってます。

―昨日の取材では、自分は何も出来なかったとおっしゃってましたが、今日は序盤から積極的にアタックする場面が見られましたがそういう気持ちがありましたか?
最初から攻めていこうと思ったんですけど後半ちょっと疲れもきてて、しんどいところもあったんですけどチームメイトが助けてくれたりしたので何とか最後まで戦えました。

―決定戦の前は前回と同じようにのんびりされてたんですか?
そうですね。横になって靴も脱いでダラーっとしてました。

―第3試合前の気持ちの切り替えはどういうふうに?
とにかく短期決戦というかすぐに終わっちゃうので出来るだけリフレッシュするために、だらんとして、そこからまた気持ちを入れ直して。10分間しかないのでそこに向かって集中して戦いました。

―2連勝目指しての戦いだったと思いますが2戦目に負けても上手く気持ちの切り替えが?
うちは1勝1敗が多く連敗はしないので3戦目は勝てるかなって思って、チームメイトを信じて戦って何とか勝つことが出来てよかったです。

―初めて大阪の有明行くをストップさせた意義は?
僕達は京都らしく戦うだけで大阪さんがどうこうっていうのは特に無かったんですけど、強豪ですし経験もありますし最後までもつれるだろうなっていうことは考えながら戦ってました。

―今日もブースターがたくさん駆けつけていて第3戦の前に選手の名前を一人ずつ呼び上げて、ホームみたいな雰囲気でしたがいかがでしたか?
本当にホームみたいな環境というか雰囲気もありましたし、すごく後押ししてくれたので。ブースターの皆さんのブーストも勝利をひきつけたひとつの要因だと思います。

―大阪と同じようにレギュラーシーズン最後に2連勝して沖縄を対戦相手に迎える今の気持ちは?
有明で戦うのは京都としては初めてなので、どういうゲームになるかっていうのはわかりませんけど、でも京都らしく皆さんに楽しんで頂けるようなゲームが出来ると思っています。ただ一生懸命戦うだけです。

―いつも通りという感じですか?
そうですね。ただ興奮はすると思いますけど。