【プレミアム限定】大阪エヴェッサ、横浜ビー・コルセアーズ、HCと選手へのインタビュー(3月4日)

3月4日(日) なみはやドーム サブアリーナで行われた大阪エヴェッサ対横浜ビー・コルセアーズの試合後インタビュー。大阪はライアン・ブラックウェルHC、ウェイン・マーシャル選手、小淵雅選手、高田紘久選手、青木康平選手、横浜はレジー・ゲーリーHC、ジャスティン・バレル選手です。
(写真/文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
昨日の敗戦から何をしなきゃいけないかっていうと対戦してくる相手にいかに立ち向かうかというところで、フィジカルにアグレッシブにディフェンスでもオフェンスでも戦えたと思います。また第2Qでヒロ(高田紘久)、ダイスケ(田村大輔)、ショータ(今野翔太)を投入して、数字には残ってないかもしれませんがコート上にエナジーだったりアグレッシブさを残してくれた。チーム全体の努力の結果が勝利に結びついたかなと思っています。

―こういった試合をしていて沖縄のようなチームに勝てるかどうか、どのようにお感じですか?
タレント性というところではご存知のように非常に良い選手が揃っていますので勝つ可能性はあります。ただ沖縄さんは40分間フルにあたってくるようなチームになりますので、そういった意味では我々は今日以上にプレッシャーの回避の仕方、またそれに立ち向かっていくという形を持っていければ勝つことは出来ると思っています。

―(※アウェイの成績が良くてホームの成績が悪いことに対して)アウェイの時のエヴェッサとホームの時とで成績が違いますが。
なぜかは正直わかりません。いろんな意味でのプレッシャーがアウェイに行ったほうが少ないのかなという部分があるかもしれない。(アウェイのほうが)リラックスしてプレーしているのかなと思います。

―オフェンスが苦労されてますが今後有明に向かうにあたってどう修正していかれますか?
タレントが揃っていますのでどうしても1対1に依存してしまいがちなところで点が取れていない。ただチームとしてボールを回すことが出来ていければ改善出来ると思っています。やはりそこですね。1対1に頼ってしまうと指示したセットプレーに当てはまらなくなってしまいますので、そこをしっかりと修正していけたらもっと良いプレーが出来ると思います。

―高田選手がルーキーシーズンのように3Pをたくさん決めてくれるとバリエーションが増えると思いますが、高田選手に対しての評価は?
今シーズンに関して言うと足首の怪我があって、そこからコンディションが戻ってきた中で、今日もプレータイムを与えて何本も決めることは出来なかったですけどシュートを決めることも出来て良い傾向じゃないかなと思います。彼は昨年はスタートでやっていて今年はブチ(小淵雅)やコーヘイ(青木康平)が来たことでベンチにいることが多く非常に難しいと思うんですが、彼自身そこはコントロールして出てきた時にエナジーを与える今日のような役割、今日のようなプレーをしてくれればチームの期待に応えられるんじゃないかなと思います。

―先週のゲーム後、チームの集中力の欠如についてお話されてたと思いますけども今週このゲームを迎えるにあたってどういう準備をされてきたんですか?
昨日のゲームについてはあまり良い姿勢は見せられませんでしたが今日に関してはそういった部分を見せられた。そこに関してはいかに試合を想定して練習していくか、またチーム内での競争であったり激しさをもう一度チームに与えこんで、そこから始めていた結果、今日に関しては、欠如してしまう選手は交代を上手く使って集中力を発揮できる選手を投入していきながら40分間持続出来たかなと思います。

―良い傾向だと捉えていいですか?
もちろん勝ったことは良い傾向だと思います。勝ちに至る経過、ひとつになって結束して勝てたというところは非常に良い傾向が見られてきているんじゃないかなと思います。

―ここ数試合チームにエナジーが感じられませんでした。
連勝が続いた後、連敗というのが傾向として出ているので、そこはチームとして毎試合勝ちにいくメンタルの部分をしっかりと準備していかなといけない。これからは毎試合持続出来るように選手、スタッフ含めてやっていきたい。

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ウェイン・マーシャル選手
非常に激しい試合で両チームともハードにプレーしました。その中で勝てたのは昨日に比べて我々がエナジーという部分で表現出来たのが今日の勝利に繋がったと思います。

―連敗は止まりましたが価値のある連敗ストップでしたか?
連敗の後ということで今日の勝利は意味を持ちますし、それはどの負けた試合の後も同じ意味を持つと思います。これからは逆に連勝出来るように気持ちを切り替えてやっていきたいと思います。

―連勝や連敗の波が大きいですが何故そうなってると思いますか?
ヘッドコーチが言っていたことと似ていますが連勝している時は良いんですが気の緩みからか負けてしまう。そして集中力を失ってしまうことがあります。やはり毎試合変わらぬ気持ち、心の準備というか変わらずにやっていかないとそういうことに繋がっていってしまうと思うので、今後それは無いようにやっていきたい。

―ここ数試合またロースコアが続いていますが原因はありますか?
シュートを沈めるというのは当然ですが、その前の段階でチームのオフェンスの流れが停滞している時が出てきてしまうとどうしても1対1に頼って、それが失敗してしまうという悪循環に陥りがちなのでボールを回したりというところを修正していきたい。良いバスケが出来れば自然と(シュートは)入ると思います。

―リン・ワシントン選手が苦しみながらの決勝シュートを決めましたが、あれはどういう選択だったんでしょうか?
本来としては違う作戦でしたが、リンはうちのチームのゴー・トゥ・ガイであり、ファーストオプションでもあります。よく決めてくれたと思います。

―勝負どころに正しいオフェンスの選択、ディフェンスの選択が出来ていないように見えますがどうですか?
オフェンスで正しい場所にいれないのは足が止まっていたり、次を考えて動くことが出来ていないことだと思います。動き続ける、スクリーンをセットし合うというところを徹底してやっていかないといけないところです。

―リン・ワシントン選手がスタートで出る時とベンチスタートの時の違いはありますか?
彼がいない時は全員がステップアップしないといけない。ここでもし最初の5人が成長して、そこに途中からリンが加わることで更にオフェンスにエナジーや加速を与えることになると思いますので、今後チームとして伸ばしていかないといけない。

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小淵雅選手
―昨日、今日とチームにエナジーの無い試合が続いていますがどう思いますか?
エナジーがうまい方向に行くのとうまく行かない方向の差が今日と昨日の差だと思うんです。いくらエナジーを出して「勝とう、勝とう」と思ってもチームの歯車が狂ったら昨日みたいな試合になるし、今日も全てが良いわけじゃないですけど上手く噛みあえば良い時間帯のように良いプレーになると思う。(持続させることが)一番の課題だと思います。

―チームでハドルを組む場面が非常に少ないように感じますが。
少ないというより無いに等しいですよね。(チームの)課題ですよね。

―チームに今一番必要なのはモチベーターでしょうか?
目の前の対戦相手に勝つためにチームがひとつになって、みんなで勝とうっていう状態にならないと、やってるほうも勢いが出ないです。なんかやってるだけみたいな、そういう時間帯が長いので変えていかないといけない。チームでフォーカスしてやっていかないといけない。

―昨シーズンあたりから浮上はしてきていないけども、どこかにあった課題ですか?
僕は昨シーズンからしかいないのでその前はわからないですけど、昨年からありましたね。昨年よりは今年はまだましかもしれないですけど。けどやっぱりまだまだですね。他の強いチームは「みんなで」っていうチームが上に行ってるので。宮崎さんも今良いですよね。チームにスターはいないけどチームでやってる。そういうところを見習うではないですけど真似していかないと。(そういうチームに)コロっと負けるので。

―勝ってもモヤモヤしたものが残るということですか?
去年なんて本当にそうでした。それはあったしフラストレーションすごい溜まってたし、最後のプレーオフまでに仕上がっていかないと去年と同じか去年以下になってしまう可能性もあります。

メンタルの部分はプレーにも影響するしプレーを変えるよりメンタルを変えることのほうが難しいので、やっぱり一人ひとりですよね。

―(オフェンスの時に)ダブルチームされた後の対処が今回も良くなかったですが。
例えばピック&ロールした後、ダブルチームに来られる。僕に(ディフェンダー)二人がついていたら(味方が)一人余る(フリーになるという意味)。でもスペースが狭い、上手く使えていない。相手チームはダブルチームし放題です。そういうところを早く気づかないといけないですよね。

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高田紘久選手
エネルギッシュにプレーしたりすることが求めてられていることだと思うので1分でも2分でも出て流れが変えられるんだったらそれで良いと思うし、それが長く続けられるのであればそれで良いと思います。チームに求められいることがはっきりしたのでやりやすかった。

―ここ数試合点が取れてませんがオフェンスに関してはどうですか?
外国人選手が変わって選手は揃っているので、あとは僕達がどういうふうにボールを回していくか。僕達も点数を取らないと。外国人選手や康平さんだけじゃなくて。良い時は全体的に点数が取れていると思うのでそれをやっていけるようにしたい。シュートセレクションを考えながら自分たちの持ってるものを最大限に出せば点数は取れるようになると思います。

―チームの集中力が続かないというヘッドコーチのコメントが多いですが選手としてはどう感じてますか?
コーチの言う通りで個人個人がわかっていることだと思う。昨日もベンチから見てて僕らの悪いところだとすごい反省もしています。チームの流れもあると思うし昨日も6点差まで行ったからまた流れが悪くなって、流れが悪いとフラストレーションもたまるし精神的にも辛くなってきて良くないほうに気持ちがいくと思う。そういう時にベンチから声を出していけるチームは強いと思う。的確なことを声をかけて出来るように。僕達のチームは本当に変えていかないといけない。

―3シーズン前からチームにいらっしゃいますがこういうチーム状況に今までなったことはありましたか?
あったと思います。1年目(高田選手のルーキーシーズン)とかも負けてる時期もありましたし。長いことbjリーグでプレーしている選手も多いので乗り越え方というかどうやっていくかはみんなで話し合っていけているので大丈夫かなと思ってます。

―連敗を止めて結果を残したことは次に繋がる良い傾向だと捉えてますか?
あと16試合戦っていく中で、今何が良い、何が悪いというのをちゃんとわかってやっていかないと有明行って優勝ということにはならないと思う。これを良いふうに捉えて、勝ち方もあると思いますけど、点数が取れていないので次の火曜日の練習から改善していけるようにしていかないといけない。

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青木康平選手
―非常にフラストレーションの溜まる2試合でしたがいかがでしたか?
まさに見ての通り。うちはああいうチームに弱いというのが露骨に出ました。良かったことはホームで勝てたことだけですね。終盤のディフェンスやディフェンスから入れたオフェンスという意味では昨日とは全然違ったと思うんです。終盤だけですけど。あとは我慢出来たこと。昨日は良い時間帯が1分か2分ぐらいしか無かったと思うんですけど昨日よりは長くて最後はリン(ワシントン)がタフショットを決めた。拾った勝ちですけど、ビデオ見て反省して練習するしかないです。

―負けゲームを拾ってきたというコメントが多いですが。
こういう展開ばっかりになると悪循環ですよね。見ててわかると思うんですけど同じような攻めしかしてなかったり同じ選手がボールを持っていたり。みんな能力は持っているのでチームで戦えば、うちは優勝する可能性は物凄く秘めている。それをもし今のままを続けていれば優勝はかなり厳しい。でも僕は本当に優勝したいので、言っていかないといけない。

―ハドルを組まないのはチームに問題があるんでしょうか?
問題というよりもコート上でもそうだし練習中もそうで、やらなきゃいけないですよね。チームとして戦えてる時間帯というのが40分を通して何分あるかっていうところ。それを40分間やるチームがチャンピオンになるチームだろうし、何度も何度も言ってるんですけど行動が(伴ってない)。最終的には個人で戦っている状況になってる。昨年から大阪エヴェッサを観ている人はみんなそう思ってると思います。同じ負け方をしてると思うんですよ。タレントもいるし変わらなきゃいけないと思うし、そこは他所(よそ)から来たという言い訳をつけてでも、僕が言うべき部分だと思います。

―フロアバランスという面では新しい外国人選手が入ってきて改善されたと思いますが、オフェンスがよくないのはチームケミストリーの部分でしょうか?
一人ひとりが自信があると思うんですよね。個人で打破出来る力を持ってる。チームのためにと思ってやってる人間がいるとは思いますが、自己犠牲では無いですけど、それがもっと必要です。こんなに難しい事とは思わなかったんですけど、このチームに関してはすごく難しいです。

―連敗を止めて勝ったことが今の状況の改善に繋がるようなことはありますか?
ならないと思います。この勝ちは僕らの手応えのある勝ちではないし良い時間帯も少なかった。この反省をいかして先ほど言われたハドルであったりチームでコミュニケーションを取ることがもっと更に必要です。僕らが必要なのは多分そこだけです。ものすごい強い武器をいっぱい持ってるけどチームとしてそれを使えてない。意思の統一だったりが、はっきりしてないことですよね。

―勝った試合の後とは思えないもやもやした表情が全てを物語ってますね。
今日は本当にラッキーでしたね。埼玉戦の時も負けてたと思うし。プレーオフという部分では6位以内には入れると思うので次のステップはどうやって勝っていくかだと思う。そこに関していえば、(「まだまだ」を強調して)まだまだ、まだまだ、まだまだですよね。これで優勝出来る実感は誰ひとりとしていないだろうし、見てても僕らが優勝するチームなのかと言われたら疑問だと思うんですよね。でも僕らは変わらないといけないし、あと16試合ですから。

―有明で優勝するためにはどこが足りないですか?
チームのため、優勝のために自分を犠牲に出来るかっていうところ。本当にそれだけです。

―来週は3月11日を迎えるということで1年前のことを考えるとプレー出来る喜びやいろんな思いがあると思いますがいかがですか?
人間は欲深いものでプレー出来る喜びを最初はすごく感じていたんですけど、時が経って今は物凄く優勝したいという思いがあります。頑張ることで東京アパッチのブースターの方達に応えることだと思うし、僕以外の(元アパッチの所属)選手もそう感じてると思う。3月11日にバスケットが出来るというのは特別な意味があると思います。

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横浜ビー・コルセアーズ

レジー・ゲーリーHC
―今日の試合の総括
両チーム共、素晴らしい戦いだったと思います。土日の両方、タフなバトルになりました。勝てなくて残念です。

―チームはまた5割に戻ってしまいましたがここから抜け出すにはどういったふうに修正していこうとお考えですか?
今やっていることを続けることです。2012年に入ってから良いバスケをしているのでファイトし続けることです。いろんな意味で、エクスパンションチーム・新しい組織ということもありリスペクトを得るのが難しいというところもあります。

―今日のジャッジについては?
彼らのベストを尽くしたと思います。大阪はタフにファールせずにディフェンスをしたと思います。

―試合終盤でリン・ワシントン選手がシュートを決めたあとの横浜のオフェンスのプレーはどういった選択だったんでしょうか?
バレル選手をエルボーの位置で貰わせてそこから強いムーブで得点するかファールを貰う、それが出来たと思ったんですけど決めることは出来なかったです。

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ジャスティン・バレル選手
プレーオフのような激しいフィジカルな試合でした。

―チームが5割に戻ってしまいましたが連勝出来ない要因は何でしょうか?
うちは今まで連勝もしてます。プロバスケリーグですし相手もバスケを思い切ってプレーするために給料をもらっています。我々もそうです。簡単に2連勝というわけにはいかないですね。向こうもファイトして戦ってきてひとつひとつのプレーがタフになるので勝っていくのは楽ではないです。

―大阪というチームの印象は?
中・外のバランスが良く、ドライブして周りにキックアウト出来るガードもいますし、インサイドの選手はもちろんですけど、#11(青木康平選手)はやっぱりシュートが上手いという印象でした。