1月30日(日) さいたま市記念総合体育館で行われた埼玉ブロンコス対島根スサノオマジックの試合は67-71で島根が勝利した。均衡した展開が続いたが、島根は終始リードを保ち巧者の戦い方を見せた。埼玉は第4Qの1分14秒にジョン・ハンフリーが2点シュートを決めて67-70まで猛追するも、逆転に至らず。イースタンカンファレンスとの試合が続く島根は、この勝利で4連勝を記録。
(文/写真=西本 匡吾)
スコアボード
1月30日(日)14:00
– | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
埼玉ブロンコス | 16 | 21 | 17 | 13 | 67 |
島根スサノオマジック | 25 | 16 | 21 | 9 | 71 |
【スタート】
埼玉ブロンコス:#7北向由樹、#11ジェイミ-・ミラー、#21新井靖明、#35ジョン・ハンフリー、#41ジョン・フラワーズ
島根スサノオマジック:#1山本エドワード、#3マイケル・パーカー、#4ジェラル・デービス、#8レジー・ゴルソン、#24仲摩純平
【レフリー】
石榑 芳弘(いしぐれ よしひろ)/加藤 和善(かとう かずよし)/関口 久視(せきぐち ひさし)
【観客者数】
1098人
【主な個人スタッツ】
埼玉ブロンコス:ジョン・フラワーズ21点13リバウンド4スティール、ジョン・ハンフリー16点9リバウンド、ジェイミー・ミラー12点8リバウンド、
島根スサノオマジック:マイケル・パーカー29点12リバウンド4スティール、レジー・ゴルソン16点11リバウンド6アシスト5スティール
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埼玉ブロンコス
■ナタリー・ナカセHC
-試合の総括
昨日に比べて、良いプレーができたのではないかと思います。ただ、島根の方が最後にしっかりと試合をまとめて、良いペースだったと思います。(島根は)非常に良い仕事ができていたのではないかと思います。
-ジェラル・デービスが昨日11本のブロックショットを記録したが、今日はどのような攻撃プランを練ったか
今日は彼をディフェンスのエリアからどれだけ出せるか、というのがひとつのプランだと思いました。昨日はブロックをされましたけど、今日はそれをされないところまで出して。いかにタイミングをずらして攻めることができるのか、という部分で、ジョン・フラワーズ選手とジェイミー・ミラー選手に対して(攻撃の)話をしていました。
-マイケル・パーカー選手へのディフェンスについて。昨日は35得点、今日は29得点。彼を抑えられなかったことが失敗だったか、他の選手に得点を与え過ぎてしまったか
まさかパーカー選手にこんだけ得点を獲られるという部分はありますが、諦めた訳ではないです。対応策も考えていましたが、パーカー選手は非常にスマートなプレーし、バスケットボールIQが非常に高い選手です。もちろん、うちには身体能力的にはマッチアップすることができる選手はいるのですが、彼のそういう賢い部分に完全に振り回されてしまったと思います。これから戦うチームにも優れた外国人選手がいるので、我々も5人でディフェンスができるようにしていきたいです。
-最後のワンプレー(※)について。マイケル・パーカー選手に上手く攻撃を読まれてパスカットされたのか
※第4Q残り17秒・67-70。ジョン・フラワーズがパスをしたが、マイケル・パーカーにスティールをされてしまった。
プレッシャーがあったのは間違いないと思います。ただ、セットオフェンスの中での5人は上手く動けていましたが、パーカー選手に上手く読まれて、ボールを獲られてしまいました。基本的には良いプレーができたと思っていました。
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島根スノサオマジック
■ジェリコ・パブリセビッチHC
-試合の総括
島根はずっとリードの状況を保つことができました。最後はフリースローを何本か外してしまったために点差が縮まり、逆転される可能性もありましたが、そのフリースローを決めることができれば確実な差で終えることができたと思います。個人的にはアウェーで2連勝できたことはとても嬉しいです。アウェーの状況では1勝を取ることも難しいので、2勝というのは大成功だと思います。特に1試合目にあのような勝ち方をすれば、2試合目のモチベーションを高めるのは大変なので、よく最後まで戦い続けられました。良かった選手をあげると、仲摩純平選手、マイケル・パーカー選手です。パーカー選手はいつも通りのスタンダードなプレイを見せて29得点、12リバウンド、4スティールとこれ以上のスタッツはないでしょう。フリースローは少し外してしまいましたが、ほかの日なら確実に決めるので、心配してません。レジー・ゴルソン選手も16得点、11リバウンド、6アシスト、5スティールと良い活躍をしてくれました。また、埼玉は新しく加入している選手が試合に出れば、さらに力をつけると思います。とても危ないチームになるでしょう。現在は、ケニー・サターフィールド選手はあまりコンディションが良くないと見えたのですが、彼のコンディションが良くなれば、またチームは違う姿を見せられるでしょう。
-イースタンカンファレンスとの試合が続く(5 カード連続・10連戦)がやり難さはあるか
(東と比べて)西のカンファレンスの方が実力が上だと思います。沖縄、大阪、福岡、滋賀、京都、あとは私たちもいます。逆に東は浜松、新潟、仙台、秋田ですね。西は身長が高い選手たちが揃っています。東はポイントガードに良い選手が多いです。西にはポイントガードをやっている外国人選手はいません。今日のマッチアップをしていても、彼らは低すぎる、ケニー・サターフィールド選手とジョン・ハンフリー選手を同時に出せば、高さでは不利になってしまいます。最終的に東はアウトサイドからのシュートを狙ってきます。西の方は外と中のバランスが整っている状況です。バスケットボールの考え方ではどちらが良いというのはないのですが、今までは優勝を経験している浜松がアウトサイドのシューターを獲って、センターが太田選手ともう1人(の外国人)という形だったので、他のチームもそれに合わせて(アウトサイドの外国人選手を)揃えてきているのでしょう。
-ジェラル・デービスのディフェンスの特徴について。彼が昨日に11本のブロックショトをしたことは今日の相手チームに影響を与えたか
デービス選手は自然にブロックショットのタイミングは持っています。相手のジョン・フラワーズ選手はミートしてからフェイクを入れて、次のシュートに繋げます。そういう状況でフェイクに騙されないように調節しないといけません。今日もいくつか指示を出したのですが、そういう部分を直していけばさらに良くなると思います。前半はジョン・フラワーズ選手に点を決められていたのですが、後半はフェイク等にも掛からずにプレーしていました。デービス選手はとても良いセンスで、ジャンプ力もあり、頭の良い選手です。また、最も大切なこととして、彼自身この仕事が大好きだということです。他にも、マイケル・パーカー選手が得点(※1位)、山本エドワード選手がアシスト(3位)で
上位にランクインされています。この3人の活躍を私は誇りに思います。
-ジェラル・デービスが昨年と比べて成長している部分について
デービス選手は昨年、南米(メキシコ)から来きました。あそこはあまりディフェンスを意識しない国なので、ルーズなところがありました。昨年に比べたら、ブロックショットの部分だけではなく、ヘルプした後のポジションの戻りが良くなりましたね。それはブロックショットの確率にも良い影響を与えていると思います。
-仲摩純平選手の起用について。前半は良いプレーをして20分(後半は0分)。ある程度出場機会を決めて試合に挑んだのか
純平選手は約6ヶ月のブランクがありました。東京にいた時にはシーズンが中断して、その後に手術も行いました。ここ数ヶ月は彼が復帰するために起用して、本当の純平選手に戻ってきました。彼は今日は20分間プレーして、その後は横尾選手だったのですが、相手がずっとゾーンをやっていました。横尾選手は外からのシュートで確率が良く、それが上手くいっていたこともあって、交代はしませんでした。
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■ジェラル・デービス
-多くのブロックショットを決めているが、ジェリコHCから特別な指示はあるのか
いつもハードに練習と試合に取り組むことです。ペイントゾーン内を守るようにと強く言われています。リードしていてもリラックスをすることを望まないコーチで、チーム全体がそういう気持ちなり、強くなっていると思います。
-リラックスをしたとき、コーチは素早く気付いて注意をするか
すごく早いです(笑)良くみているなと感じますね。
-第2Qでのディフェンスについて。埼玉のラインナップが小さくなったが、ディフェンスは難しかったか
指示ではペリメーター(※3Pラインの内側からペイントの外側まで)に出ないようにと言われていました。ペイント内で相手を止めることを言われていたので、そこまでディフェンスは変わらなかったのです。外から入ってきた選手は速いので止められない部分もありましたが、(他のクォーターと比べて)そこまで難しいことはなかったです。
-昨日は11本のブロックショットだったが、プレーしている感覚は普段と違っていたか
違っていたということはないですね。昨日は相手が積極的に諦めず、何度もアタックしてきたので、こちらは何度もブロックする機会があっただけです。それが勝利に繋がることができて良かったです。
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■レジー・ゴルソン
-試合の総括
2試合とも勝利ができて良かったです。相手チームは1試合目の内容を見て、2試合目に向けて調節してくるので、今日の方が難しかったです。
-東との連戦は上位と追いつく上でのポイントか
結構大変なゲームが続くと思います。どの試合でも2点や3点差で終わっていたりもします。私たちのアウトサイドの選手はそこまで経験がないので、大変なシーズンが続きます。
-1年前と比べて成長しているか
マイケル・パーカー選手が加わったことは大きいです。彼は多くの得点を奪うことができます。彼のような良い選手が加わると当然チームはまとまりますし、他の選手たちの成長にも繋がってくると思います。
-ジェリコHCと選手の距離感について
毎日の練習で一人ひとりがやるべきことをわかっていますので、そんなに騒がれたりということはないです。たまに練習の中で思いっきりやらない時に、厳しく指摘されることもありますけど、2年も一緒にいたらどういうことをしないといけないか、というのはわかっているので、ほとんどないですね。試合については自分たちのミスで負けてしまったときは激しく言われてしまうこともありますが、きちんと戦って負けた場合は言われることは少ないです。
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■仲摩純平
-試合勘について(※シーズン前に手術をしたこともあり、昨シーズンから数えて6ヶ月間実践から離れていた)
それについてはコーチとも話していて、昨年の12月まではブランクがあるから、あまりそれを気にせずにと言われていました。1月になって自分が思う様なプレーができてきたので、これからですね。
-試合でもそこまで力を入れずに挑んでいたか
いや、試合ではもちろん100%でやっていました。ただ、ブランクがあるから去年までのようなプレーはすぐにできないぞ、という感じでコーチと話していました。年明けからは問題なくできていて、調子もあがってきていると思います。
-途中出場が多いことについて。プレーし難い部分はあるか
全然問題ないですね。東京のときはシックスマンの機会が多かったので、全然気にならないです。
-ボブ・ヒルHC(※昨年の東京アパッチのHC)との共通点はあるか
コーチ(ジェリコHC)もボブ・ヒルも色々と話しかけてくれるので、その時に良くコミュニケーションはとるようにしています。
-異なる点について
ボブ・ヒルは結構ポジションを固定していましたね。3番ならその動きを行うようにと。一方で、コーチはシューターだったら、シューを打つだけでなくて、いろんな動きをと。(ボブ・ヒルは)シューターならコーナーで待つ、ポイントガードはピック&ロールで攻めるとい言った具合でした。
-次戦への意気込み
(東との対戦が続くが)相手が東といっても、特別な部分はないです。相手に合わせてというより、自分たちのバスケットボールをしっかりと行うというのがチームスタイルなので。それをやるだけだと思います。