『家族の絆』~千葉ジェッツ エリック・ガードー、ロングインタビューVol.1~

エリック・ガードーHC(Eric Gardow)

11月12日(日曜)秋田ノーザンハピネッツとの4連戦が終わり、記者会見で千葉ジェッツのエリック・ガードーヘッドコーチ(以降HCと表記)は会見中に涙を流した。確かに首位秋田との大事なホームゲームではあったが、プレイオフ進出を決めるゲームでもなければ、優勝のかかったファイナルの試合でもないのにも関わらず、人目をはばからずに記者たちの前で泣いた。
彼は「悔しさ」という言葉を使ったが、それは負けたことに対してではなく、大切な『家族』の一人を失ったことへの悲しさから来ているものであると。
ガードーHCは度々、『家族』という言葉を口にするが、その『家族』という定義がよく分からず、記者会見で正直当惑した。今回改めてエリック・ガードーが考える、チーム哲学、家族、日本のバスケについて聞いてみることにした(※全2回 一部有料)

(インタビュー:2011年11月16日/文=定山 敬)

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―少年時代について
とてもアクティブな子供でした。五人兄弟の末っ子で、野球、ゴルフ、アイスホッケーをして遊んでいましたね。ウィスコンシン州の北に位置する寒い所だったので、特にアイスホッケーが盛んでした。素晴らしい家族に恵まれ、両親も57回目の結婚記念日を迎えたばかりです。家族は皆、ウィスコンシンの近くに住んでいますが、私だけが世界を飛び回っていますよ。

―バスケを始めたきっかけは?
兄弟が始めていたのですが、8歳の時に試合会場に連れていかれたことが最初です。庭や近くの駐車場などにもリングがあったので始めました。屋外は寒いので室内で出来るスポーツだったいうのも大きな理由です。

―バスケを続けていくことに1番影響を受けたのは誰ですか?
野球、バスケ、アイスホッケー、どのスポーツにしても、それぞれのコーチから続けていくならコーチングをやった方が良いよと言われました。もう引退されましたが、高校時代のバスケの恩師が私に1番大きい影響を与えてくれたと思います。今でも連絡を取り合う仲です。ウィスコンシン州は素晴らしいバスケットボールコーチを輩出していて、私はその恵まれた環境の中で育ったと思います。

―秋田との4連戦でも苦しんだフリースローについて?
次の質問をお願いします(笑)
プレシーズンからずっと練習してきていることですが、中々試合で改善していきません。ガストンがあまり得意ではないことは元々計算済みでしたが、見ている人にとってもフラストレーションのたまる部分だと思います。リーグの中でもフリースローアテンプト(試投)は多いチームです。それだけに確率の悪さは残念で仕方ありません。メンタルな面でフリースローラインに立つ時に集中出来ていませんね。ストレスから1日1杯のワインの量が、最近は1日1本の量に変わってきています(笑)

―アルコール中毒にならないように気をつけてください。
はい(笑)
オフェンスは改善する余地が沢山ありますが、それでもこの成績なので、これからどこまで上達出来るのか楽しみです。モリースとは3年間一緒にプレーしてきていますが、秋田戦で2本連続でフリースローを外した所を見たのは初めてです。ただでさえフリースローに自信を持っていないのに、彼らに厳しく言うことが果たして正しいのか悩みます。例えばフリースローの前にタイムアウトを要求して2本決めた後、こういうプレーを次にやっていくよ、といったイメージを与える方が良いのかもしれません。
千葉のように若いチームでは、シンプルなことが自信になる時もあれば、裏目になることもあります。
この話題には実はあまり触れてほしくなかったですね(笑)

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