11月27日、28日 新潟アルビレックスBB vs 琉球ゴールデンキングス ゲームレポート

11月27日(土)新潟アルビレックスBB vs 琉球ゴールデンキングス@新潟市東総合体育館


【新潟-沖縄】
第1Q 14-16
第2Q 15-9
第3Q 17-23
第4Q 17-20
最終スコア 63-68

【スタート】
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
沖縄:#8与那嶺、#9小菅、#32ディクソン、#5マクヘンリー、#50ニュートン

【レフリー】
#15平出、#22柚木、#24関口

【観客数】
3,449人

【主な個人スタッツ】
新潟:アシュビー24pts、2ptFG11/17、8reb、4TO、澤岻12pts、3pt2/4、5reb、1ast、3TO、アンドリュース8pts、FG4/7、10reb、池田7pts、FG3/7、ヴィーズリー6erb、9ast、2stl、根東5pts
沖縄:パルマー19pts、3pt3/4、2pt4/6、5reb、ニュートン11pts、FT7/9、13reb、3ast、3blk、金城10pts、FG5/9、6ast、2stl、小菅8pts、3pt2/5、FT0/4、ィクソン8pts、与那嶺6ast、2stl

11/27(土)試合後の記者会見の様子はこちら

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第1Q 新潟14-16沖縄

立ち上がりはお互いマンツーマンディフェンス。序盤は沖縄。新潟のインサイドアタックをよく守り、ディクソンの3ptsで先制。更にポストからのパスで与那嶺がジャンプシュートを沈める。これはディフェンスの澤岻のギャンブルによるオープンショット。

沖縄の選手、外国人、日本人選手に限らず、非常にフロアバランスがよく、パスがよく回る。とてもスマートなバスケを展開。

新潟はアシュビーのゴール下が初得点。なんとか押し込んだものの、ダブルチームを交えながら守る沖縄のインサイドを攻めるのは楽ではない。つづいてヴィーズリーが速攻からFTをもらう。

この速攻、実はエンドからのパスからのもので、つまり流れの中で生まれたものではない。ルーズなディフェンスだった沖縄の隙を見逃さなかったヴィーズリーの好プレー。

しかしハーフコートでは攻めきれない新潟。澤岻のミスから沖縄は速攻に走り、小菅が3ポイントを決める。その後もチャンスがあれば打ってくる小菅。

新潟が反撃の流れを掴んだのは、やはりインサイドから。アンドリュース、アシュビーがゴール下で連続得点。ここではアンドリュースのゴール下のフックが上手い。ヴィーズリーのパスから、自らの高さとジャンプ力を活かし、バックボードを上手く使ったバンクショットでした。更に速攻からアシュビーがゴール下でターンして左手のフックで押し込んで9-8と新潟リード。

しかし沖縄もすぐに反撃。マクヘンリーのアシストからニュートンのゴール下でFT。沖縄の外国人は、インサイドのニュートンが軸ではあるものの、彼自身も本来フォワードであり、更にその他の4人も実はみんなフォワード。インサイドよりなのがニュートンとクウソー、パルマーはアウトサイドシュートを中心にドライブも出来る。マクヘンリーとディクソンは似たタイプで、いずれもSGに近くアウトサイドもドライブも出来るし、それでいてリバウンドも強い。彼らが上手く絡み合うだけでなく、更に日本人選手達も上手くボールをシェアしてくるので、新潟としては守りにくい。

お互いが速攻でのシュートを決めらないが、新潟はアシュビーのポストからのシュートが決まり、沖縄もパルマーのタフショットで返す。アシュビーはバンクショットが本当に上手いですが、ステップバックしながらバランスを崩さずロングシュートを決めるパルマーも凄い。

新潟は小松がFTを3ショット落とし、逆サイドでは小菅もFTを2本とも落とすなど流れが締まらない。

終盤、金城がドライブから2本、いずれも左からの難しいシュートを決める。スクリーンプレーを使った1本目はともかく、1on1からほぼ同じプレーを2回連続で決められるのは痛い。

それでも最後のオフェンスで齋藤からポストのアシュビーへのパスが通り、フックシュートが決まり14-16で第1Qを終了。

※リバウンドは新潟が15-11とリードしていたものの、序盤は沖縄、それ以降はほぼイーブンのイメージ。

新潟はアシュビーとアンドリュースのペイントエリアでの得点がチームを引っ張ったものの(13pts、FG6/9)、ターンオーバーが5個もあるのは痛い(沖縄はゼロ)。

ここまで池田のシュートアテンプトは0本、小菅は3ptのみで1/4。

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第2Q 新潟15-9沖縄

いずれも小型のラインナップでスタート。いきなり澤岻兄の3ptが決まる。ドリブルする与那嶺にどうしてもディフェンスが引きつけられてしまう。

そして金城のジャンプシュート、スクリーンから思い切りのいいリリース。続いてアンドリュースのブロックをかわしたフローターが決まり沖縄が23-16とリードを広げたところで新潟は2-3のゾーンディフェンスに切り替える。

これが、沖縄のオフェンスを止めてしまう。新潟のゾーンは2-3、下はアンドリュース、コナーレと池田なので決して大きくはないが、沖縄のパス回しに第1Qほどのキレが無い。それまでスクリーンからのプレーが良く決まっていたのに対し、ここではゾーンオフェンスに苦労してしまう。与那嶺は何とかパスを回そうとするも、自らの単純なパスミスも出る。

沖縄がシュートミスやパスミスを続ける中、新潟は根東の力強い速攻、アンドリュースのオフェンスリバウンドからのダンクなどで追い上げる。これは沖縄の2外国人選手がボールを弾いてしまった新潟にとってはラッキーな得点。20-23の沖縄3点リードでオフィシャルタイムアウト(4:33)。

ゲームのリズムは新潟。池田のシュートは落ちるものの、タイミングはいい。タイミングのいいシュートはオフェンスリバウンドを生む。しかしここはアンドリュース、コナーレのシュートが惜しくも決まらない。

沖縄はまだゾーンを攻められず24秒オーバータイム。続くオフェンスでフェイクから池田が小菅をかわし、ミドルシュートを決める。

そして根東のドライブ。これは落ちたもののディフェンスを切り崩すには十分で、アシュビーがティップで押し込んで24-23と逆転。ここで沖縄のタイムアウト(2:44)。根東は徐々にその良さが出てきています。ディフェンスではハッスルし、ボールを持てばリングを狙う。まだシュート確率は低いですが、チームの流れの中でいいアタックを提供するようになりつつあります。あとはアウトサイドの確率が上がればチームに取って計算できる存在になるはずです。

沖縄も幅のある山城を入れるが、その山城から澤岻がボールを奪ってワンマン速攻を決める。沖縄はまだゾーンを攻められない。ちなみに山城と根東は関西大学リーグで一緒にやっていたせいか、ガツガツとやりあってました(試合後は談笑してましたが)。

終盤に根東の3ポイントがバンクショットで決まる。沖縄は残り1分を切ってから小菅が山城からのパスでゴール下のシュートを決め、実に7分ぶりの得点。最後にわずかですが澤岻兄弟がマッチアップ、しかし最後の澤岻のシュートは決まらず、ここでハーフタイム。スコアは新潟29-25沖縄です。

※実はこのQは、両チームともFTがありませんでした。

なので得点はすべてFGなのですが、そのFG%も大差はありません(新潟:35%、沖縄:31%)。ところが違うのはそのFGの試投数で、新潟の20に対し沖縄は13のみ(新潟:7/20、沖縄:4/13)。この差を生み出したのは沖縄のターンオーバーで、5個もありました(新潟はゼロ)。オンザコート2というのもありますが、沖縄は新潟のゾーンを攻められず、シュートを外すかミスをするという悪循環になってしまいました。

新潟では根東のプレーが印象的です。わずか5ptsではありますが、果敢にアタックする姿勢はチームに勢いを与えました。2stl、2ファウルと、タイトなディフェンスでもベンチを盛り上げます。また、新潟としてはこれだけゾーンが効いているので、後半の勝負所までゾーンという選択肢を残しておく事も考えられます。

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第3Q 新潟17-23沖縄

お互いにメンバーをスタートに戻し、ディフェンスもマンツーマンに戻して後半開始。

沖縄ではマクヘンリーがアタック。マクヘンリーはウィングプレイヤーとしてサイズがあるだけでなく、シュートタッチもドライブも出来る万能選手。つまり、新潟にとっては最もやっかいなタイプで、新潟はアンドリュースがマッチアップしているものの、しかし彼はインサイドの選手なので、動けるマクヘンリーを守るのは苦しい。

そのマクヘンリーの1on1に対し、新潟は得点を許すかファウルでFTを与えることしかできない。マクヘンリーはドライブとFTで連続5得点し、アンドリュースは3ファウルとなってコナーレと交代する。

新潟もアシュビーのオフェンスリバウンドからのダンクが決まるが、流れは沖縄。ルーズボールからパルマーが3ポイントを沈め、33-33と沖縄が同点に追いついたところで新潟のタイムアウト(6:17)。自分がルーズボールにしておきながら、最後はそれを3ptで決めてしまうのがさすがのパルマー。

まだ完全に沖縄の流れではないものの、新潟はコナーレがドライブからのダンクショットを外してしまうなど運もない。

逆サイドではパルマーが連続となる3ポイント、更にコナーレの厳しいディフェンスの上から得意のステップバックでジャンプシュートを決める。恐らく新潟で最もディフェンスのいいフォワードはコナーレだけど、彼の長いリーチを持ってしても、パルマーはネットを揺らす。

新潟も澤岻の3ポイントや、アシュビーのポストプレーで反撃。やはりタフなゲームでは彼らが中心になる。特にアシュビーがマクヘンリー相手に押し込んだゴール下のバスカンは、彼だからこそ出来るプレー。

しかし沖縄はチームバランスで勝る。ヴィーズリーのドライブはヘルプに来たニュートンがブロック。ニュートンのティップインは、マクヘンリーのドライブが効いているから。そしてニュートンのオフェンスリバウンドから、金城のジャンプシュートが決まる。

新潟は澤岻が再び3ポイントで返すものの、沖縄もパルマーからのアシストでニュートンがジャンプシュートを決めるなどして、第3Qを48-46と沖縄が逆転して終了。

※このQは沖縄のオフェンスが好転。引っ張ったのは膜ヘンリーとパルマーで、チームとしても3ptが2/3(全てパルマー)、2ptが5/10、FTも7/11と確実。アシストも5個を記録し、リバウンドも13-9とリードしました。新潟のファウルが7個だったのは、主にマクヘンリーのドライブが効果的に機能したからです。

新潟は澤岻の2本の3ptが無ければ、もっと苦しい状況になっていたはずです。

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第4Q 新潟17-20沖縄

勝負所と判断した新潟はこのQを2-3ゾーンディフェンスでスタート。早速コナーレが的確な読みでボールをスティール。そのコナーレはオフェンスも好調で、続くオフェンスでジャンプシュートを決める。

沖縄もボールがよく回ってディクソンが3ポイントを決めるも、新潟もアシュビーがディフェンスを見てハイポストからジャンプシュートを決める。50-51と新潟が追い上げたところで、今ひとつゾーンを責切れない沖縄がタイムアウト(7:56)。

新潟は更にアシュビーのミドルショットが決まって逆転。しかし沖縄は新潟の速攻のミス(根東)から小菅の3ポイントが決まってすぐに逆転。相手のミスからのオフェンスは、よく決まるものです。

新潟がシュートミスやターンオーバーが続く中、沖縄は速攻からパルマーの3ポイントが決まって57-52とリードを広げ、ここでオフィシャルタイムアウト(5:00)。

ここから一気に追い上げる新潟。ダブルチームされたジュリアスから出たパスが回り、池田の3ポイントが決まる。そしてその池田がニュートンのジャンプショットをブロック。ボールは速攻に走る澤岻へ。守るディフェンスはマクヘンリーで、1on1の状態。

サイズだけでなく、運動能力的にもマクヘンリーから得点を奪うのは難しい。誰もがそう判断しかねない場所で、澤岻は果敢にシュートを狙う。それも、体を反転させてのバックシュート。これは「最低でもファウルをもらいに行くプレー」ではなく、必ず得点を決めて、あわよくばファウルももらうというのを狙ったプレーのように見えました。そして、それを見事に決める澤岻。こんなビッグプレーを決めても平然としているのが澤岻らしいところ。ボーナスFTも決めて58-57と新潟が再逆転。

ところが、ここでパルマーが難しいバランスからのジャンプショットを決める。タフなシチュエーションでタフなショットを決めてくるのは、大阪時代から変わらない。

新潟は澤岻の速攻からFT、沖縄もディクソンのFTと続き、再びパルマーのFTとなったところで新潟のタイムアウト(2:02)。パルマーの場合、FTは自動的に2点カウントを意味します。

63-59と沖縄リードでの新潟オフェンス。ジュリアスがポストからのジャンプシュートを沈めて61-63と追いすがる。苦しい状況とは言え、ここで得点できるアシュビーの存在はやはり大きい。

しかし沖縄のオプションはパルマーで続く。アンドリュースでは守れない為、ここまでコナーレが守っていたものの守りきれない新潟。この場面ではサイズこそ足りないものの、タイトなディフェンスでは新潟随一のヴィーズリーがマッチアップしていました。しかし、そのヴィーズリーの頭の上からパルマーはあっさりと難しいフェイドアウェイショットを沈める。この数分だけで2本目となる、タフなタフなショットを決めて沖縄が65-61と再びリードを広げる。新潟は再びタイムアウト(1:19)。

残り1分で4点差なので、3ポイントではなくとも早く得点のほしい新潟。しかし沖縄のディフェンスを崩せない。コナーレのゴール下、そして澤岻のショートレンジのシュートがいずれも決まらず、これで万事休す。

その後はファウルゲームとなり、沖縄のFTの確率も悪かったものの(終盤のFTは3/6)、新潟も得点を決めきれず、68-63でアウェイの沖縄が勝利を飾りました。

※終盤のファウルゲームによるファウル数とFTを除くと、沖縄のパルマーを止められなかったというのが何より大きい。

第4Qだけで3ptが1/1、2ptが2/2、FTが2/3と、沖縄の20得点のうち9得点がパルマーというだけでなく、彼のFGが100%というのはさすがとしかいいようがありません。その他にも小菅の3ptや、大事な場面で確実に決めたニュートンのFTなどもあったのですが(3/4)、やはりパルマーの活躍なくして沖縄の勝利はありませんでした。

新潟はこの試合24ptsのアシュビーがここでもFG3/3、6ptsと奮闘したのですが、もう一人、いやあと二人の活躍が必要でした。

試合を通じて両チームのスタッツに大差は無く、だからこそ最後のタフな場面での決定力、澤岻の言うフィニッシュ力の部分の差が、試合の結果となって現れました。

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続いて日曜の試合です。

11月28日(日)新潟アルビレックスBB vs 琉球ゴールデンキングス@新潟市東総合体育館

【新潟-沖縄】
第1Q 19-21
第2Q 17-17
第3Q 18-20
第4Q 17-13
OT 8-9
最終スコア 63-68

【スタート】
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
沖縄:#8与那嶺、#9小菅、#32ディクソン、#5マクヘンリー、#50ニュートン

【レフリー】
#15平出、#22柚木、#24関口

【観客数】
3,477人

【主な個人スタッツ】
新潟:アシュビー20pts、FG7/16、14reb、6TO、コナーレ15pts、2ptFG4/6、FT7/9、9reb、アンドリュース14pts、FT4/8、9reb、4stl、3blk、澤岻7pts、ヴィーズリー7pts、FG3/12、池田5pts、FG1/6、根東3pts、FG1/7、2stl
沖縄:マクヘンリー21pts、2pt8/14、FT5/7、reb、3ast、ディクソン13pts、FG5/10、6reb、パルマー12pts、FT7/8、10reb、2blk、小菅9pts、FG3/6、FT2/2、クウソー8pts、FG3/4、11reb、金城7pts、3reb、4ast、与那嶺4reb、8ast、ニュートン0pts、4reb、9:24min

11/28(日)試合後の記者会見の様子はこちら

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第1Q 新潟19-21沖縄

いずれもマンツーマンで試合スタート。新潟は、いきなりアンドリュースのラッシュで始まる。前日は今一つ元気のなかったアンドリュースが、ポストでニュートンにアタック。最初のプレーでバスカン、次も全く同じステップからのシュートを決めて連続得点。アクティブなアンドリュースに引っ張られるようにアシュビーもボールに絡むが、得点には繋がらない。

沖縄はディクソンの3ポイントに始まり、速攻から小菅のFT、そしてマクヘンリーのミドルショットが決まる。

新潟は少しばたばたした展開。アシュビーのパワフルなオフェンスリバウンドからのFTなど、インサイドアタックは続けるものの得点は大きく動かない。

一方の沖縄はディクソンのドライブからのジャンプシュート、マクヘンリーのミドル、2ファウルのニュートンと代わったクウソーのゴール下などで着々と得点。マクヘンリーがドライブからの得点を決めるが、このシュートは、この日何度となく思った「マクヘンリー恐るべし」なプレーのひとつ。ディフェンスがルーズと見るやドライブをしかけ、アンドリュースとコンタクトしながらも、バランスを崩さずに確実にバックボードを使ってシュートを決めるフィジカルの強さ、そしてシュートタッチ。素晴らしいの一言です。

そして、ハーフコートで完全なセットプレーからゴール下でフリーになったディクソンにパスが通る。顔を見合わせる新潟の選手達、これは完全にディフェンスのミスでした(ヴィーズリーとコナーレ)。

そして、マクヘンリーがコナーレ相手にドライブからのバスカンを押し込んだところで新潟のタイムアウト(3:57)。ファウルされながらも、大きくリングの上で跳ねてからネットに吸い込まれたボールに向かってマクヘンリーの叫んだ”Get it!(入れ!)”の声が印象的です。

タイムアウト後は新潟も立て直します。アシュビーのジャンプシュート、ヴィーズリーがドライブからフェイクでFTをもらう。コナーレのオフェンスリバウンドからのバスカンや、アシュビーが得意とするポストからのターンショットが決まり追い上げる。

新潟はディフェンスでも根東が金城をしつこく守ってミスを誘う(ジャンプボール)。沖縄もシュートは打っているものの苦しい。

最後、残り数秒で根東がボールを持つと、ゴールに向けて一気に突っ走る。残り時間がわずかとは言え、この時の沖縄ディフェンスはルーズになってしまい、根東があっさりとレイアップで得点。それでも沖縄が21-19とリードを保ったまま第1Qを終了。

※アンドリュースのアタックもあってニュートンが序盤に2ファウルとなり、新潟ペースになりそうなムードの中、ゲームをしっかり組み立てた沖縄。中盤まではボールもよく回り得点を重ねたものの、新潟のタイムアウト後はシュートが決まらなくなり追い上げを許しました。

新潟はインサイドアタックを中心に攻めますが、その効率は決していいとは言えない状態。インサイド偏重よりも終盤のようなよりバランスのいいチームプレーが、追い上げに繋がっています。

リバウンド、シュート確率ともほぼ同じの両チーム。気になるスタッツは沖縄のターンオーバー5個、新潟のアシスト0、あとはアシュビーのFGが3/7と十分に機能していないことです。

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第2Q 新潟17-17

序盤はマクヘンリーのアタックから。またまた難しいドライブからシュートを決めます。コンタクトもあり、バスカンにもなりそうな得点でした。沖縄は新潟のシュートミスから金城が速攻に走りFT。再び金城が新潟のルーズなディフェンスをついてジャンプシュート、そして澤岻兄の速攻が決まって28-20と沖縄がリードを広げたところで新潟のタイムアウト(8:21)。

ここでの新潟のセカンドユニットの働きは今一つで、金城のアシストからパルマーのジャンプシュート、そして与那嶺から澤岻兄へのパスで3ポイントが決まり、33-20と更にリードが広がってまた新潟のタイムアウト(6:54)。

それにしても、沖縄の選手はバスケがうまい。得点の中心は外国人選手ですが、与那嶺、金城、澤岻兄といずれもチームにフィットしつつ良いプレーを続けています(ちなみに小菅は小菅のままですが、彼は彼の良さでチームに十分貢献しています)。そのうまさとは、単にシュートが入る、入らないではなく、ディフェンスとの駆け引き、フロアバランスを見る能力かもしれません。行くときは行く。行くと見せかけて行かない。行かないようで行く。これはディフェンスとしては非常にやりづらい。これを「沖縄独特の・・・」などと表現するつもりはありませんが、彼らのバスケIQとも言うべきものが高いのは間違いありません。金城などはいい例で、単にシュートが入るというだけでなく、打つ時は本当に迷いなく打つし、だからフェイクも効くし、そしてなにより、常に落ち着いてプレーをしている。回りがよく見えている。

ディフェンスが空いたから打ちました、落ちました、また空いたから打ちました・・・ではなくて。

澤岻兄を見ていて、彼がコート上で笑顔を見せる場面がありました。まさに試合中に、ボールを持ってシュートを狙ったりフェイクをしたり、その中でです。遊んでいるとまでは言いませんが、チームメイトと共に、ディフェンスとの駆け引きを楽しんでいるかのようです。そういえば、澤岻が新潟に来て初めて練習試合でプレーしたときに、試合中に笑っていたのが印象的でしたね。最近は笑顔は見えませんが。

試合に戻ります。第2Q、新潟2回目のタイムアウト。廣瀬HCはスタートメンバーをコートに戻します。同時にアシュビーもベンチへ。

ここから新潟を引っ張ったのがアンドリュース。試合の出だしから気合いの入った、それでいて集中したプレーを見せていましたが、ここからしばらくは今まで見た事のないようなハイテンションでプレーを続けます。ポストからバスカンを押し込むアンドリュース、この試合ではゴール近辺での決定率の高さがかなりアップした印象です。アンドリュースはバッシュを前日まで履いていたブルーの鮮やかなナイキから、ネイビーのエアジョーダンに替えていたのですが、好調なプレーと何か関係あるのでしょうか?

すでに4ファウルとなった沖縄に対し新潟はアタックを続け、1and1のFTも確実に決めます(澤岻、アンドリュース、コナーレで6/6)。オフィシャルタイムアウト(4:51)後も新潟の勢いが続きます。アンドリュースが異常なまでにディフェンスで気合を入れ、フロアを叩きます。前日の悔しさなのか、鬼気迫る形相でディフェンス。これがチームメイトにも伝わり、リバウンドから速攻で池田の3ポイントが決まります。これで31-35の4点ビハインドまで追い上げてきました。アンドリュースのただならぬ雰囲気を感じたのか、桶谷HCはすぐにタイムアウトをコールします(4:24)。

前日も第2Qの沖縄の停滞を止めたのは小菅の得点でしたが、ここでも小菅の3ポイントで一息つきます。しかし新潟も勢いを保ちます。アンドリュースがまたまたハッスルし、オフェンスリバウンドに飛び込んでボールを繋ぐ。これがコナーレのFTに結びつきます。更に小松の3ポイントが続き、その後もまたまたアンドリュース。ディフェンスでは素晴らしい気迫を見せ、金城のシュートをブロックすると、その速攻からのシュートミスに飛び込んでファウルをもらう。このFTもしっかり2本決めて36-38の新潟2点ビハインドで、再び沖縄のタイムアウト(1:07)。この前後のアンドリュースの気合は、かなりのものがありました。

その後はお互いに得点を決められず、36-38と沖縄がリードを保ったままハーフタイムへ。

ちなみに隠れた好プレーをひとつ。最後の場面、沖縄は2-3ゾーンでしたが、左下に小菅がいました。ディフェンスのタフさなら負けない小菅、ポジション取りでアシュビーに優位な場所を与えません。我慢できずにアシュビーは少し肘が出ます。これはギリギリセーフ、でも伏線となりました。直後に小菅と押し合いとなって倒れるのですが、レフリーのジャッジはアシュビーのオフェンスファウル。最後のプレーだけで見ると微妙かもしれませんが、流れで見ると我慢できなかったアシュビーの負けであり、小菅の粘り勝ちでした。

※新潟が拙攻を繰り返していたのは事実で、このQの2ptFGは1/7、わずか14.3%。それでも試合が崩れなかったのは、主にインサイドアタックでファウルを稼ぎ、FTを決めたことです(9/13)。なので沖縄のファウルは9個もあったのですが、逆に沖縄が踏ん張っているのは、このQだけで7astとチームプレーを継続しているから。更に、第1Qの序盤で2ファウルのニュートンをさげてからずっとそのまま戦っているので、つまりニュートン抜きでもチームとしてのクオリティを保ったまま戦えるという事です。ご存じの通りニュートンはbjリーグを代表するビッグマンであり、ファイナルMVPにもなった実力者。彼抜きで戦えるというのが、つまりチームとしての沖縄の強さです。

新潟でジュリアス抜きでずっと戦えるか?と言えば、ちょっと(かなり?)苦しい。実はこのQは、アシュビーがいない約4分間で新潟が14-5とラッシュしたのですが、ではこれをもっと長い時間続けられるかというと厳しいでしょう。

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第3Q 新潟18-20沖縄

出だし、3ファウルのニュートンに代わってスタートしたクウソーが、オフェンスリバウンドからバスカンを決める。マッチアップしていたアンドリュースほどのジャンプ力は無いけれど、幅とパワーならクウソーがマサル。その後もニュートンの代役を果たすべくポストで頑張るも、ミスになってしまう。

新潟はスクリーンプレーから澤岻が右に切れ込んでシュートを決める。次のオフェンスでも全く同じ展開になるも、今度は決まらない。

沖縄では与那嶺のパスに合わせて小菅のミドル、新潟では澤岻の1on1からの得点が決まるなどするが、お互いに得点は伸びない。沖縄では再びクウソーがゴール下でバスカンを決める。クウソーは器用ではないけどパワーがあるので、ポジション争いでアンドリュースに勝ってシュートを決めました。じわじわと点差を広げられつつある新潟のタイムアウト(6:28)。

新潟は流れに乗れないまま。引き続きアシュビーが攻守ともに中心ではあるけれど、ミスもあり、そこから速攻で小菅のシュートが決まる。相変わらず小菅はスピードがありますね。DADAのシューズも沖縄のユニフォームに似合ってます。

状況を打破したい新潟は根東、コナーレを投入。その根東はボールを持てば積極的にリングに向かう姿勢を見せ、ディフェンスでも気を抜くことはない。根東がパルマーのボールをスラップし、速攻でヴィーズリーの得点。ここで廣瀬HCよりヴィーズリーに活が入る。すぐにドライブからのシュートを決めるヴィーズリー、やはり不調はメンタル的なものか。

メンタル的なら、まるで動じないのがマクヘンリー。さすがに前日の活躍があってパルマーは厳しく守られているけれど、この日はマクヘンリー。プレッシャーのかかった難しいミドルを沈める。マクヘンリーに負けじとパルマーも本領発揮。3ポイントに、更にFTを確実に決める。

新潟もヴィーズリーのシュートミスをアンドリュースがリバウンドで拾ってフックで得点。続いて齋藤の3ポイントが決まる。

終盤、速攻からのコナーレと根東のFTや、アンドリュースのブロックからコナーレのドライブなどで新潟が追い上げるが、最後のオフェンスでディクソンが3ポイントを沈めて会場を静まり返らせる。沖縄が58-54とリードしたまま、第3Qを終了。

※得点的には大きな差がつかなかった10分間。沖縄はインサイドでクウソー、アウトサイドのパルマー、速攻で小菅とバランスがいい。一方の新潟は引き続きインサイド重視ですが、ヴィーズリーと根東のプレーにキレが出てきているのが好材料か。しかしFGは40%を切っており、オフェンスの修正が必要になりそうです。

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第4Q 新潟17-13沖縄

接戦のまま迎えた最終Q。新潟は絶対に負けられないし、ここから新潟のラッシュも予想されるけれど、沖縄もこの戦い方ならば十分にチャンスを狙える状態。

序盤は新潟のアウトサイドが決まらない。更に、速攻からアンドリュースのアリウープのチャンスがあったものの、外してしまう。両手なら決まったかな?というプレーですが、ヴィーズリーからのパスも微妙にズレていました。

それでも新潟のディフェンスは厳しく、沖縄は得点に繋がらない。このQからコートに戻ったニュートンはFTを決められず、更に4つ目のファウルをしてしまいベンチへ。アンドリュースのロールターンに対するファウルですが、ちょっと厳しいかな。

クウソーもパワフルとは言え、やはり高さのあるニュートンよりは劣る。アンドリュースがそのクウソー相手にドロップステップからダンクをたたき込み、更にアシュビーがマクヘンリー相手にポストからのシュートを決めて60-58と逆転。ここで沖縄のタイムアウト(6:21)。第4Qが始まってから沖縄はまだ無得点です。

※この2試合を通じて外国人同士のマッチアップは非常に興味深いものがありました。アシュビーはニュートンを守っていましたが、彼がベンチの時は、主にマクヘンリーがアシュビーを守りました。マクヘンリーはアウトサイドの選手ですが、幅もパワーもあり、しかも動けるのでディフェンスも強い。何度かアシュビーに押し負ける事はありましたが、基本的には厳しく守り続けていました。新潟にとって問題だったのはパルマー、マクヘンリーを誰が守るのか?という点。前日はパルマーを止められなかった。アンドリュースでは無理、コナーレでも厳しく、ヴィーズリーではサイズが足りない。同じくマクヘンリーも守りづらいので、アンドリュースが守ったり、アシュビーがマークしたり。新潟は最後までこのディフェンスの打開策が見いだせなかったかもしれません。

試合は次第に熱くなっていきます。コナーレ、パルマーのFTの後、与那嶺のドライブに対してファウル。しかしディフェンスの澤岻がスクリーンでパルマーに倒されたと廣瀬HCが猛抗議。これがテクニカルファウルとなり、与那嶺はパーソナルとあわせて3本のFTを決めます。これで62-62の同点。

新潟はコナーレがパルマーの上からジャンプショットを沈めるものの、マクヘンリーもミドルシュートで返す。ここでオフィシャルタイムアウト(4:43)。

お互いにシュートを決めきれず、マクヘンリー、アシュビーがそれぞれFTを決めた後の沖縄オフェンス。ディクソンの3ポイントは外れるが、そのオフェンスリバウンドをポストで取ったのが与那嶺。目の前にはアンドリュース。ここで与那嶺は軽くポンプフェイク。アンドリュースは見事に引っかって跳んだのを見てファウルをもらいに行き、これでアンドリュースは5ファウル退場。運動能力なら、たぶんアンドリュースは与那嶺の3倍くらいあるかもしれません。でも、与那嶺はよりスマートな判断で、そのアンドリュースをベンチに座らせました。ここは完全に与那嶺の勝ちです。残り3:36で新潟のタイムアウト。

アンドリュースがいてもいなくても、アシュビーが新潟のゴール下の要なのは変わりありません。クウソーのファウルを誘ってFT。これでクウソーも5ファウル退場。クウソーの悔しそうな表情が印象的ですが、ここはアシュビーが格上でした。

新潟は更にヴィーズリーのスティールから根東が速攻に走ってFT。しかしこれを決められない。それではと次はアシュビー。マクヘンリー相手にパワームーブを絵に描いたような力強いゴール下のシュートで得点。新潟が2点リードするも、パルマーもコナーレのファウルでFT、またまた同点。

再びアシュビーのポストで攻める新潟、しかしここはトラベリングのコール。それでもコナーレの見事なヘルプで与那嶺からオフェンスファウルを取る。与那嶺のドライブは無理な物ではありませんでしたが、コナーレがしっかりとポジションを撮っていました。

次もアシュビーのポスト。ダブルチームの上から放つシュートは決まらない。沖縄はディクソンからのパスを与那嶺がよく見て金城に回し、ジャンプシュートが決まって71-69とリード。新潟のタイムアウト(51:0)。

なんとしても得点したい新潟は、澤岻のパスからコナーレのゴール下、しかしこれが決まらない。だが沖縄もニュートンがFTを落とし、池田がファウルをもらったところで沖縄のタイムアウト(24:8)。

池田は動ずることなくこの1and1のFTを沈め、同点となって最後の沖縄オフェンス。マクヘンリーが残り10秒からコナーレ相手に1on1を仕掛けるも、このシュートが外れて71-71のオーバータイムへ。

※両チームともファウルが9個もあったこの第4Q。お互いにじっくりと守りあう展開となりました。

沖縄はシュートを決められず、FTで何とか繋ぐような状態でしたが、一方の新潟はアシュビーを中心としたインサイドで何とか追い上げました。しかしお互いにあと1本の決め手に欠けていたのは事実で、勝負は5分のOTに持ち越されました。

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オーバータイム 新潟8-9沖縄

アシュビー対マクヘンリー。この対決でOTが始まります。最初にシュートを決めたのはマクヘンリー。続いてファウルからのFTも決めて74-71とリード。新潟は池田、ヴィーズリーのシュートが決まらない。

アシュビーのFTの後、澤岻がサイズの無い与那嶺をポストからの1on1で攻めてファウル。これで与那嶺は退場しますが、このオプションがもっと前に出ても良かったかもしれません(第4Qに齋藤も同じプレーから得点しています)。

FTは安定している澤岻、しかしここはミス。ところがコナーレがオフェンスリバウンドを押し込んで74-76と食い下がる。

それではとマクヘンリー。1on1からアシュビーのファウルをもらい、FTを決める。逆サイドではそのアシュビーがマクヘンリー相手にリバースレイアップを押し込んでまた同点。

勝つためにはどこかで止めなければいけないし、決めなければいけない。ここで目立たないが大事なプレーが出ます。

金城のシュートは外れるも、そのボールをティップで外に戻したのが小菅。再び沖縄オフェンス、今度はマクヘンリーのシュートミス。またまた小菅がオフェンスリバウンドを奪う。残り1分強という状況で、オフェンスの機会が1回ではなく3回もあるというのは非常に大きい。そして、最後はパルマーがファウルをもらいFT。コナーレはこれで5ファウル。パルマーはもちろんFTを2本とも沈めます。新潟で鍛えられた小菅が、その頑張った結果をチームのために報いる。この場合は新潟への恩返しであり、FAで契約してくれた沖縄の両方の意味があります。

もう決めるしかない新潟、しかしアシュビーから根東へのパスはミスとなっていしまう。勝負を決定づけたい沖縄も、パルマーが肘を使ってオフェンスファウルを取られる。これもアシュビーの小菅に対するオフェンスファウルと同じで、守っていたヴィーズリー相手に1回肘を出し、2回目の肘でファウルをコールされています。

新潟は再びアシュビー。文字通り「押し込む」ようなシュートをマクヘンリーの上から決めて、また同点に追いつきました。続くオフェンスはマクヘンリーを守りきり、残り5秒で新潟のタイムアウト。

新潟最後のオフェンス、ボールを持った澤岻はトップから右へドライブ。ディフェンスのマクヘンリーをかわしたところで接触、これがマクヘンリーのファウル(5ファウル退場)となり、FT。しかし1本目を決めたものの、2本目を落としてしまう。FTの時点で残り1秒、落としたリバウンドを取ってすぐに沖縄のタイムアウト、これで残り0.7秒。

今度は沖縄最後のオフェンス。サイドラインの小菅から、ゴール下に飛び込んだディクソンにパスが通り、アリウープのシュートがブザービーターで決まり、80-79で沖縄が奇跡的な逆転勝利を収めました。

※OTに関しては、この通りアシュビー対マクヘンリーだったのですが、彼ら2人はいずれも5pts。それ以外の部分で差が付きました。この試合、新潟の3astに対して、沖縄は18ast。新潟が今一つ効果的なバスケットを展開できなかったのに対し、沖縄は最後までチームバスケットに徹した結果が、この2連勝という形に現れたのかもしれません。

最後のプレーについては、改めてレビュー記事でまとめてみたいと思います。