【プレミアム限定】粘るパナソニックを振り切ったアイシンがファイナルへ進出(76-64)

4月10日(火) パナソニックアリーナで行われた パナソニックトライアンズ vs アイシンシーホース セミファイナル第3戦。粘るパナソニックを振り切ったアイシンが振り切りファイナルへ進出した。
(写真/文・大嶋はづき インタビュー・金澤朱志)

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スコアボード

4月10日(火)19:00

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
パナソニックトライアンズ 17 10 23 14 64
アイシンシーホース 15 31 13 17 76

【スタート】
パナソニックトライアンズ:#13渡邉裕規、#14金丸晃輔、#20エイドリアン・カスタス、#24広瀬健太、#31青野文彦
アイシンシーホース:#2朝山正悟、#3柏木真介、#4ケビン・ヤング、#24古川孝敏、#32桜木ジェイアール

【レフリー】
Jakub ZAMOJSKI (POL) / 渡辺 雄吉 / 久保 裕紀

【主な個人スタッツ】
パナソニックトライアンズ:金丸晃輔13点5リバウンド、広瀬健太13点6リバウンド2スティール、チャールズ・オバノン11点7リバウンド3スティール
アイシンシーホース:アンソニー・リチャードソン20点、桜木ジェイアール17点13リバウンド7アシスト2スティール、柏木真介13点

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試合レポート

セミファイナル(以下:SF)Game1を逆転で落とした後、Game2に勝利して1勝1敗に持ち込んだパナソニック。#31青野文彦を中心に、初のSFに挑んでいる#13渡邊裕規、#14金丸晃輔の若いガード陣の中において、シーズン前の怪我で離脱していたベテラン#6永山誠がプレーオフから本格復帰したのは心強い。永山はじめ、#1木下博之、#5オバノンといった経験豊富なプレーヤーがベンチに控える。自らのホームアリーナに帰ってきて迎えるGame3、地元のファンの前で悲願のファイナル出場を決められるか。

対するレギュラーシーズン首位でSFを迎えたアイシン。PG#3柏木真介やレギュラーシーズン(以下:RS)MVPを受賞した#32桜木ジェイアールをはじめとするスタメンのプレータイムが長くなっているのが気になるところ。Game3もタフな試合が予想されるだけに、ベンチメンバーも含めて40分間戦い抜けるか。Game2は落としたものの、柏木や桜木、Game1逆転勝利の立役者となった#54リチャードソンが好調なのは明るい材料。2年越しの王座奪還への挑戦権を相手パナソニックのホームコートで手に入れられるか。

青野、桜木の両センターの出来とベンチメンバーの起用が鍵を握るこの試合、先にセミファイナルを勝ち抜けたトヨタ自動車とファイナルで戦うのはどちらか?

◎第1ピリオド
両チームとも思うようにシュートが決まらず、重い展開。パナソニックが#31青野のゴール下で先制をすると、#13渡邊、#14金丸と続きGame2同様序盤の主導権を握る。しかしその後ターンオーバーが続き波に乗れない。この間にアイシンが#3柏木を中心に得点を重ねてイーブンに戻すと一進一退の攻防となる。終了間際、パナソニック#1木下のパスからインサイドへの#5オバノンのシュートがブザービーターとなり、17-15とパナソニックリードで第1ピリオドを終える。

◎第2ピリオド
アイシンはPGを#0橋本竜馬に、外国人を#54リチャードソンに交代。#32桜木の連続得点と#0橋本の3ptシュートでこの試合初めてリードをすると、#54リチャードソンのダンク含む連続得点でたまらずパナソニックはタイムアウト。パナソニックは#24広瀬健太のスリーや#31青野のダンクで粘るものの、アイシンはさらに得点を重ねて点差は広がる。アイシンのディフェンスを前にパナソニックは攻めあぐねてこのピリオドの後半は無得点。終了間際に#32桜木のシュートが決まり、さらにアイシンがリードを広げて前半を終える。好調#32桜木と#54リチャードソンに加え、#0橋本の2本のスリーと2本のチャージングを奪う活躍もあって、アイシンが一気に試合の主導権を握った。

◎第3ピリオド
パナソニックは開始早々#5オバノンのバスケットカウントでスタート。フリースローも決まって反撃に出る。その後もディフェンスでアイシンの追加点を許さずオフェンスにつなげようとするが、アイシンも反撃を許さず両チーム無得点の状態が続く。2分30秒が経過して、アイシンがこのピリオド初めての得点となる#54リチャードソンのバスケットカウントや#3柏木のフリースローで、この試合最大の21点差リードとなる。

その後パナソニックは#24広瀬のオフェンスリバウンドからのシュートファールでフリースローを決めると、途中から入った#10大西崇範、#24広瀬の連続スリーと、アイシンターンオーバーからの#24広瀬の速攻でアイシンはタイムアウトを請求。明けてからも#10大西、#5オバノン、#1木下らが得点を重ね、残り2分で8点差まで追い上げる。しかしその後は膠着状態が続き、50-59とアイシン9点リードで第4ピリオドを迎える。

◎第4ピリオド
アイシンは#0橋本のフリースローでリードを2ケタに広げると、パナソニックは#6永山のスリーで再度点差を戻す。しかしその後はともに決め手を欠き、残り5分を経過したところでアイシン9点リードは開始時点と変わらず、パナソニックはタイムアウトを請求。
タイムアウト明け、パナソニックは#5オバノンと#14金丸のシュートで点差を詰めると、アイシンは#32桜木が決めて追撃を許さない。その後は両チームとも激しいディフェンスで時間が経過。残り1分となったところでパナソニックはファールゲームを仕掛けるが、#32桜木、#54リチャードソンらがフリースローを確実に決めてアイシンがGame3を勝利、ファイナル進出を決めた。

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パナソニックトライアンズ

清水良規HC
―外国人選手と青野選手がキーマンになると仰ってましたがどうでしたか?
もうひとつのキーはやっぱりガードです。うちにガードの力がもうちょっと無いと厳しいです。ゲームをコントロールするということが出来なかったから。相手にプレッシャーをかけられるとボールを離してパスばかりになった。バスケットに向かっていくっていうことが無いからディフェンスが小さくならない。それはガードだけじゃなくてみんなにも言えることだけどね。

やっぱりポイントガードがゲームをコントロールしたりゲームメイクをしたりするということ。誰にどういうシュートを打たせてどういう動きをするんだという部分。

―そういう部分で広瀬選手や青野選手のシュートセレクションが非常に悪い場面が多かったですけども、いかがですか?
後半は4メンアウトで動きながら点を取りなさいよ、という指示だった。やっぱり点を取りに行っちゃう。結局打たされてリバウンドを取られて走られてという悪いパターン。あれが入っていれば別問題です。

―もし入っていればビッグショットという形で繋がっていくという形でしょうか。
でもあれだけのプレッシャーがかかっているとそうは簡単に得点できない。ただ救いがあるとすれば20点差をあそこまで追い詰められたということぐらいですよね。

―来シーズンの課題はどういうところだと思いますか?やはり話に出たガードの選手ですか?
ガードがもうちょっとレベルアップすること。

―清水監督から見て次のファイナルの予想は?どちらが勝つと思われますか?
僕はアイシンだと思います。やっぱり底力を持ってます。トヨタとアイシンのバスケットの違いですよね。アイシンは「2点」を取るために一生懸命やる。トヨタはアメリカの大学みたいなバスケットです。スクリーン、スクリーン、スクリーン。アイシンが一歩上手。そしてガードが良い。ガードがしっかりしてる。それとトヨタはジェイアールをどうやって抑えるかが大きなポイントになると思います。

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金丸晃輔選手
―今日の試合について。
前半20点差をつけられたのが一番の敗因だと思うし、おととい(日曜日のゲーム)でうちがやったようなことを全体的にやり返された感じがしました。

―課題が見つかったと思いますが個人としてチームとしての課題は?
僕、1年目だったんですけど何となく1年間の流れをつかめました。個人的には(レギュラーシーズンの)前半戦は出来たんですけど後半戦になると体力的な問題だとか、対戦相手がスカウティングしてきたりなどで得点が低くなったりしたので、来年は後半戦もアジャストできるように来シーズンまでにしっかりと体力づくりをして準備したい。チームとしては出だしが負けから入ったので負けじゃなくて勝利からどんどん入っていきたい。

―シーズン中は怪我人も多かったですね。
怪我人が出てもベンチメンバーで補えるのもあるし、しっかりやっていきたいなと思ってます。

―アイシンにあってパナソニックに無かったものというのは何か感じるものはありますか?
向こうも必死にやってきた。勝ちへのこだわりが(うちに)無いとはいえないですけど、向こうのほうが高かったように感じました。

―試合終盤にパナソニックの選手達が焦ってシュートを打つ場面が多く見られましたがどう思いましたか?
やっぱりあそこで冷静にしておかないと後々響いてくると思うので1本1本を大事にしていかないと今日みたいな展開になるんじゃないかなと思いました。

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木下博之選手
―アイシンとのシリーズ3戦を振り返っていかがでしたか?
インサイド勝負になるっていうことはわかっていたんですけど1戦目は完全に向こうのペースでインサイドをやられた。2戦目は上手くインサイドを守れてうちの展開が出来たんですけど、3戦目は1日空いてジェイアールもだいぶ休めたというのがあって、そこが来るかなって思ってました。

それよりもこの3戦、一番やられたと感じるのはリチャードソンのところに全然つけなくて全試合20点オーバー取られてるので、そこが一番やられたなって僕は感じてます。あとやっぱり勝負どころでの点の取り方での経験値の差を感じました。

―勝負どころの点の取り方というところで試合終盤、パナソニックの選手達に焦りはありましたか?
焦りというよりもやっぱり点差が空いてしまったので、急いで追いつかないといけないという形でのタフショットだったりという気がした。あとは勝負どころでの青野さんのファールトラブル。2戦目はファールの数を抑えられて、そこを基点に出来た。けど(今日は)最後にファールをぽんぽんっと吹かれてしまった部分が痛いなっていう部分があります。

―シーズンはたくさん怪我人が出た中でそこからプレーオフに出てアイシンと3戦目までもつれ込みました。これからパナソニックというチームがより上に行くためにはどういうことが必要だと思いますか?
怪我人が出たことで今まで出てなかった選手というのが試合を経験することが出来て、そこでここまで来れたっていうのはやっぱり得れた部分。怪我した人が僕も含めてプレータイムが少なくなった中でどういうプレーが出来るかっていう、そういう勉強も出来た。来シーズンはどういう形になるかわからないですけど、今シーズン経験できた部分をいかに(繋げられるか)。

今シーズン、出てた選手が出れなくなったとしても、そこでどういうモチベーションを持っていけるか。ふてくされるんじゃなくて、そこでもう一回頑張ろうって。競争心を持ち直して来シーズンに臨みたい。誰が出るかわからない状態になると思うんで、チーム全体がレベルアップすればもっと強くなると思います。

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アイシンシーホース

鈴木貴美一HC
―第2Qでゲームの流れがだいたい決まりましたが。
やはり2戦目はディフェンスが全然だめ、オフェンスで無理なシュートを打ったりすることがあったので、今日はそこを強調してゲームの出だしからしっかり入って、1Qの終わりぐらいからだんだん中身が良くなってきたと思ってたら2Qに爆発してくれた。パナソニックさんもおかしくなって、そこで今日は勝負が決まったという感じでした。

―積極的なディフェンスが向こうのリズムを崩した感じでしたが。
今日はこの間のディフェンスとは内容を部分的に変えてやったら、それが上手くいった。1、2戦目のデータを元にしてちょっとアジャストしたんですね。選手が徹底してやってくれました。ファイナルも残っているので内容は言えないんですけど。アイシンの守備から攻撃に繋げるバスケットが出来た。今日は3Qからオフェンスが少しおかしくなりましたけど2Qまでディフェンスが上手くいった。

―2Qの(点差の)貯金が大きかった。
あれを離すのに我々はエネルギーを使っているし、今度はパナソニックさんが3Qにその点数差を追いかけるのにエネルギーを使っているから最後離れたんですね。あれぐらい離れてしまうとパナソニックさんと力の差がそんなに無いので、そうなってくるとかなりうちのほうが有利。

―ファールトラブルになっていましたが。
(アイシンが)あまり何も出来ない時はファールをもらって、というそういうふうなやり方で上手く行ったと思います。時間を上手く使いながら。

―選手が個人プレーに走った2戦目を受けて昨日の練習から心がけてきたこととは?
パナソニックがどういうディフェンスをしてきているのかを確認してどういうふうに攻めるかと。そしてディフェンスをしっかりやらなければパナソニックさんは得点を取れる選手が多いので、そこがおろそかになったらパナソニックさんは強いですから。ディフェンスが出来て60点台に抑えたことが勝てた要因。

―3Pを抑えることができましたね。
最後やられましたけど7本ぐらいで、最初にやられなかった。

―ある程度3Pをやられないことが約束事だったのでしょうか?
もちろん。最後のほうはあそこはゲームが決まってしまっているのでどうしてもルーズになってしまう。

―桜木ジェイアール選手が2戦連続で長い時間出ることでバテていましたがファイナルでは不安要素になりますか?
使い方を変えます。これはパナソニックに対しての使い方であってトヨタに対しては変えます。トヨタのあのディフェンスではジェイアールの40分出場は無理です。勝てません。今回はパナソニック用の変え方。

―選手層はトヨタのほうが厚いですがどうやって戦いますか?
前にも言ったように選手一人ひとりのクオリティとチームのクオリティを上げなければ。エナジーを使いながらやるという形になっちゃうとどうしても向こうの有利になっちゃうので、そういうやり方じゃなくて精度を高めながらやるということですね。出来るだけディフェンスもオフェンスもミスを少なくする。3Pシューターがトヨタもいっぱいいますから。あとゴール下が強い外国人選手もいます。

苦しい展開になると思いますけど、どうやって接戦に持ち込むかっていうことが大事でしょうね。接戦に持っていったほうがうちのほうがチャンスがあると思う。

―ある意味、選手達も元チームメイトの竹内公輔選手とやるのは楽しみじゃないですか?
彼は彼でトヨタで頑張ってるから意識してないです。これはファイナルでお互いに勝ちたくてやるわけですから。

―トヨタはトランジションバスケを仕掛けてくると思いますがロースコアのほうが良いと思いますか?
点の取り合いっこをしたら能力のあるほうが有利なので。点を取り合いっこしないようにしないといけない。トランジションをしたらどんどんメンバーチェンジしてエネルギー使って疲れたら変えてってやったほうが有利なんですね。でもトヨタもディフェンスをしっかりしたチームで、僕らはディフェンスもやりますけどオフェンスにも力を入れてるチーム。トヨタはどちらかというとディフェンスとリバウンドにものすごく重きを置いてやってるチーム。

―橋本(竜馬)選手がかなり思い切って打ってました。彼のプレーに対する評価は?
思い切って打ってたしタイミングよく打ってた。逆にあれを打たないと、詰まってきちゃうしね。(仮に)落ちたとしてもあそこで打ってくれたってことが、我々のインサイドが空いてきたり、そこから柏木(真介)がまた違うプレーをしたりしたので良かったと思いますよ。

―あえて言えば古川(孝敏)選手や朝山(正悟)選手といったシューターがこのシリーズ不調だったように思いましたが?
アンソニー(リチャードソン)についている選手がジェイアールのカバーに来たので、彼ら(シューター陣)が空かなかったんです。だから打てなかった。その代わりアンソニーがガラ空き。アンソニーはレギュラーシーズン点を取ってなかった。けど彼はこの3戦とも良かったですよね。古川達が空かなかったけどアンソニーが空いた。

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