【プレミアム限定】富山:ナッシュHC、ブラウン選手 千葉:冨山HC、グレイ選手のインタビュー(4月6日)

4月6日(土)千葉ポートアリーナで行われた千葉ジェッツ対富山グラウジーズの試合後インタビュー。富山はボブ・ナッシュHC、アイラ・ブラウン選手。千葉は冨山晋司HC、マーキス・グレイ選手。
(定山 敬)

千葉ジェッツ

富山晋司HC

-今日の総括から
明日はホーム最終戦になるので、ブースターに喜んでもらえるような試合にしたいと思います。
以上です。

-具体的に今日の試合を振り返ってもらえますか
怪我(ワーナー、チャンドラー)の状況で不利なシチュエーションではあったのですが、ディフェンスでやりきれた部分とやりきれない部分がありました。そういう不利な部分で負けたというよりもアグレッシブさに欠けたというか、前半から(積極性で)負けた部分があったと思います。それが後半にも響いた形になったのかなと思います。

-故障者(ワーナー、チャンドラー)復帰の目処は
今の状況ではいつから(復帰)は言えないです。明日プレイ出来るかもしれないですし、Day-by-Day(日々の状況で変わる)だと思います。

-日本人選手の得点割合が25%位(74点中19得点)しかなかったが、明日はその(欠けている)アグレッシブさをどう出していこうと思っているのか
うちの良さは走ることとしっかりボールを動かすことです。それが武器だと思っているのですが、前半から重たい(動きが悪い)試合になってしまいました。日本人、外国人選手に限らずボールを回すよりもボールを持ってからピックアンドロールで崩そうとしていました。先週の京都戦ではピックアウンドロールが上手くいっていたので、それを今週も引っ張りすぎたというか、悪い癖が出てしまいました。フォーメーションや決まった動きもしっかりとエクセキューション(実行)出来ていない部分もありました。勿論、相手がしっかりとスカウティングして、対応(アジャスト)してきたことも大きいと思います。そういう所が原因だと思っています。ボールをしっかり回す、ボールスウィング(左右にしっかり振る)をしていかないと中々難しいと思います。スクリーンをOFF BALL(ボールの無い所)でしっかりとかけていく。その(ディフェンスとオフェンスの)ズレを作ったところで、日本人選手にボールを渡すことが出来るのかが、得点できるかどうかのカギになっていると思います。1対1で得点していくチームではないので、その部分を改善していきたいと思います。

-第3Qに相手に差をつけられ、ターンオーバーもそのQだけで5つあったが、今日の勝敗を分けるターニングポイントだと思うか
そうですね。積極的に行った結果でターンオーバーになるのと、防がなければいけないターンオーバーを分ける必要があるとは思います。ターンオーバー自体は今日12でしたが、12全てがやってはいけないという訳ではないですけど、ミスした内容ですね。チームで決めたプレイをせずに、タフなシュートを打ったり、ターンオーバーしていたと思います。例えば相手がチームファール4つで、ペネトレイトでアタックしたが運悪くファールがもらえないというのはゲームの中にあるので、仕方ないと思います。タイミングとして痛いターンオーバーはあったと思いますが、結果として12というのは多いという数字ではないと思っています。

-特にロングパスを出して相手に奪われるというターンオーバーが多かったと思いますが
そうですね。痛かったですね。

-スタートの外国人選手(ワーナーとチャンドラー)が居ないので、ベル、グレイ選手の出場時間が増えると思うが、何か制限をかけることはあるのか
いいえ。勝つことがプライオリティ(第1条件)なので、必要であれば40分フルに出場してもらうこともあると思います。今日も交代させた時間があるのはパフォーマンスが落ちた時間帯があったからで、パフォーマンスがよければ40分間出すと思います。ファールの数であったり、パフォーマンスもありますが、結果的に出場時間をシェア(共有)するのがベターだと思います。最初から40分間出場しろというと選手もコントロールしてしまうので、頑張れる所まで頑張ってもらって、あとはベンチ(コーチ陣)でコントロールしていきたいと思います。

-ゾーンディフェンスをすることは考えていなかった
考えてはいました。第2、4Qでゾーンをすることも考えていましたが、今日の負けはゾーンをするしないという部分では無かったと思います。ゾーンにしても解決するということではないです。

-外国人選手の自由度を高くし過ぎているのでは
このリーグで生き残るには自分の出来ることをし続けるべきだと思っています。グレイにも言っていますが、自分の得意ではないプレイをし始めたりせずに、得意なプレイだけをやり続けなさいと。トランプで言うと、手持ちのカードは全部エースだけ。NBAではPlay your Ace(最上級のカードを出し続ける)という言葉がありますが、このリーグでも同じだと思います。富山(グラウジーズ)が素晴らしいのは色々オプションがあって、相手にあわせて相手の嫌な部分がどこなのかを探している。それ(嫌がる所)突いてくるところが素晴らしいですよね。
嫌がる所を攻撃する。嫌がる所を攻撃する。
それをチームの共通認識としてもって、プレイしているのが素晴らしいですね。なだうちはそこまで成熟していないです。

-コーチが考えるキャプテンシー(キャプテンとしてチームを統率する力)とは何ですか
(個々の選手という事ではなく)私自身の事を考えると、チームがつらい時、しんどい時にみんなを一つの方向に向かわせることが出来ているのだろうかと。チームが厳しい時にだけ言ってもダメで、普段からの練習やコミュニケーションの積み重ねではないかと思います。コーチとしてもまだまだ出来ていない部分でもあります。

-まだその統率力を発揮できていない
そうですね。練習の結果が試合の結果ですから。もちろん反省はありますが、その時その時のベストを尽くしているので、後悔はしていません。

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マーキス・グレイ選手
-今シーズン、最多得点(30点)ですね
さあ。シーズンハイかどうかは分かりません。(得点を何点取るかは)関係ないです。兎に角、勝ちたいと思っています。3点か30点かは関係ないと思います。

-今日の試合を振り返って
十分に勝てる試合だったと思います。第3Q相手に流れを持って行かれた時にチームとしてレスポンス(お返し)が出来ませんでした。第4Qにレスポンスが出来た時は『時すでに遅し』でしたが、チームとしてのバウンスバック(やり返す)は出来たと思います。チームとして集中力をもって、エンドラインからパスさせずに相手にタイムアウトを2回連続で要求させることも出来たのですが、もう少し早くリズムを取り返さなくてはいけなかったです。

-明日はそのリズムを第1Qから取ることが出来るか
流れはバスケットボールの試合の中で何度も変わると思います。流れが相手に移ってしまった時に、どれだけ速く反応できるかが明日の試合の鍵になります。平均20得点するスタートの二人(ワーナー、チャンドラー)が居ない中でも、しっかりと自分たちの試合が出来たので、『流れ(リズム)』を持って行かせない、取り返すという所を意識していきたいと思います。

-NCAAトーナメントで母校のミシガン州立大が負けてしまいましたね
もちろん見てました。今思いましたが、母校が負けた試合(対デューク大学戦)と今日の試合は同じだったと思います。第3Qに相手にラン(突き放されて)されて、そのまま終わりましたから。
ミシガン州立大でプレイするということは、それだけ(ファン、メディアから)高い期待値を受けていることだと思います。ジョージア工科大でプレイしていたアンドレ(ベル)と話していましたが、ベスト16やベスト8に残ればジョージア工科としては良かったシーズンだと言えますが、ミシガン州立大で、もし同じ状況ならそのシーズンは失敗だったと言われてしまいます。幸いにも自分がプレイしていた時はBIG12カンファレンスの優勝し、NCAAのファイナル4も2度経験することが出来ました。

-その経験を今、活かしているか
もちろん。間違いなく活かせていると思います。ミシガン州立大では勝つことがどれくらい大事なことなのかを学ぶことが出来ました。先ほども言いましたが、3点でも30点でも何点得点を取っても勝たなくては意味がありません。スカウトはグレイが30点取ったというとこよりも、チームの勝利に貢献していなかったことを見ると思います。卒業後にNBAのデトロイト・ピストンズで少しだけ時間を過ごす事が出来て、その時はちょうど優勝後の端境期(はざかいき)でした。チームが勝つことが全てだと学びました。

-レギュラーシーズン、ホーム最終戦ですが、明日の抱負を。
どんなことであっても良い終わり方をしたいです。ホーム最終戦も良い終わり方をしたいと思います。ブースターの為にも勝つことに兎に角こだわっていきたいと思っています。

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富山グラウジーズ

ボブ・ナッシュHC

-今日の試合を振り返って
今一番大事なことは選手の健康状態(怪我の無い状態)を保っていくことだと思います。うちは全員しっかりとプレイ出来る状態でしたが、相手は怪我人が居て苦しいチーム事情ですし、気の毒に思っています。試合の第1Qから第3Qまでは良いプレイが出来たと思いますが、第4Qに少し集中力を切れてしまいました。相手がしっかりとプレイしていたので、最終的に8点差まで詰め寄られました。これは千葉を褒めるべきだと思います。
その中でポジティブな面をあげると、54リバウンド出来たことは非常に評価できることだと思います。ハーフタイムでロッカールームからコートに戻る時もしっかりと選手たちが集中力を高めて、第3Qはチームとして非常に良いプレイが出来たと思います。大きくリードを保つことが出来たのですが、最終的に得点差が縮まったのは、相手が最後までプレイしてきたからだと思いますし、それ(千葉の選手たち)は評価されるべきだと思います。
特定の選手だけが得点を取るのではなく、チームコンセプトとしてどこからでも得点を取ることなので、試合ごとにMVPが変わると思います。今日はジェイコブ選手が二桁得点二桁リバウンドのダブルダブルでチームMVPだと思います。(千葉の)グレイ、ベル選手合わせて55点取ったというのは素晴らしい事だと思います。チャンドラー、ワーナー選手が明日の試合に出るかどうかは分かりませんが、彼らが出場すれば、明日はさらに激しい戦いになると思います。今日は最後得点しきれなかった事が残念なことだと思っています。

-今シーズン初の4連勝ですが、率直な気持ちを
勝てたことは素直に嬉しく思っています。4連勝出来たことで特別何かという気持ちもありませんが、選手がしっかりと練習と準備をしてくれたおかげだと思っています。

-ゾーンディフェンスで出来た部分と出来なかった部分は
それはシークレットです。

-(通訳から)良かった部分を
ゾーンをすることで試合のリズムを変える事が出来ますし、簡単にアウトサイドのシュートを打たせないことも出来ると思います。明日以降も効果的であれば使って行きたいと思います。

-岩手の敗戦もあり、上の2チーム(新潟と横浜)が射程圏内に入ったと思うが、2位以内に行けそうか
1位、2位に入ることも考えていますが、私達の目標は『勝つ』ことなので、常に次の試合に勝ち続けることだけを考えて行きたい。残り7試合ですが、何が起きるかわからないので、一つでも勝てる試合があるのであれば勝ち続けていきたいと思います。
この後、横浜、大分、長野との試合がありますが、選手の健康状態を保ち、しっかりと目の前(明日の千葉戦)の試合に集中していきたいと思います。

-ガルシア選手の怪我の具合は
プレイさせ続けることも出来ましたが、明日以降もあるので大事を取りました。

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アイラ・ブラウン選手
-今日の試合を振り返って
今日は全体としては良かったと思いますが、第4Qにもっと良いプレイが出来たとも思っています。勝てた事には素直にうれしく思っています。

-プレイオフに進出することが出来て、ここから優勝を目指していくと思いますが、そのために個人として何が必要だと思うか
プレイオフのスポット(地位)は獲得しましたが、それが私たちの目標ではなく、有明に行くことが最大の課題なので、1位、2位以内を目指していきたい。その為には自分の状態を最大値に持っていく必要があると思います。