プロって何だろう…。第3回『プロ選手とは(網野友雄選手インタビュー)』

プロって何だろう…。

第3回『プロ選手とは(網野友雄選手インタビュー)』
網野友雄
プロ選手とは、その競技だけを専門に行い、他の仕事を兼務する事は無いと多くの人は思うのではないでしょうか。
では、反対に「二足のわらじを履いている」プロバスケ選手は居ないのかというのが今回の疑問です。
リンク栃木ブレックスの網野友雄(あみの ともお)選手はプロ選手としてプレイするかたわら、母校の日本大学バスケットボール部のアシスタントコーチを兼任しています。
網野選手に二足のわらじを履くことになった経緯などを聞いてみることにしました。

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-大学のアシスタントコーチ(以下AC)を始めようと思ったきっかけは?
ゆくゆくは指導者になりたいと思っていました。それはプロではなく、中学、高校、大学、どこかのカテゴリー中で、バスケだけではなく教育者として人間形成にも興味があったからです。そういった方向性を模索していました。
今、大学でACをしているのは、母校の日本大学、川島(淳一)監督がずっと一人で指導していて、手伝って欲しいという要請もあり、自分の行ける範囲であればということで快諾しました。

-指導者になろうと思ったのはいつ頃ですか?
プロになる以前からです。

-大学生の時、既に指導者になることを目指していましたか?
そうですね。中学高校の教職課程は取っていました。
ある程度の年齢が来たら、先生の道に進みたいとその時から考えていました。

-実際に(2014年9月からの関東大学)リーグ戦でACとしてコートに立ってみて
1部、2部に限らず大学バスケのひたむきさを改めて感じました。選手も教えられることに飢えていて、吸収も早いと思います。
私自身がプロ選手として経験してきた事を教えると、学生たちは今まで言われたことが無いような情報が頭の中に入ってくるので、直ぐに出来る時と出来ない時もあり戸惑うこともあると思います。
根気強く同じことを指摘しなければいけない時もありますけど、(選手が味わうものとは)違う喜びと楽しさがあります。

-(関東大学リーグ通算優勝回数14回)日本大学は今現在2部リーグにいることについて
低迷していると思います。日体大、日大といった伝統のある大学2校が2部にいるのは個人的に残念な事です。
体育館などの環境も整っているので、1部で優勝争い出来るチームにしていきたいですし、学生たちもにそういう経験を積んで欲しいと思っています。

-日大は部員数も多く指導は難しいですか?
そうですね。部員数の多さもあって、一人だけで教えるのは非常に大変です。
その部分は学生コーチを増やしていくなどの課題はあると思います。

網野友雄
-プロのシーズンが始まっていますが、ACとして練習に参加出来ていますか?
チーム(リンク栃木ブレックス)が休みの日には顔を出しています。

-高橋(耕陽)選手のように能力の高い選手もいますが、ACとして期待している選手は居ますか? 
どの選手という訳ではないですが、能力の高い選手が多くいるので、そういった選手がしっかりとチームプレイと基礎が出来るようになると面白いチームになるという期待があります。確かに高橋の評価は外からも耳に入ってきますが、他のメンバーを見ても彼だけがずば抜けて素晴らしいという感じもありませんし、上級生、特に刘(孟涛 りゅうもんと)をはじめ(新)4年生ですね。4年生が試合にしっかりからむことが出来るとそのチームは良くなりますので期待しています。

-先ずは1部昇格?
そこ(昇格)が今年一番の目標だと思います。

-プロ選手と大学ACの兼務は難しいですか?
確かに大変ですが、こういった経験をさせてもらうことも中々ないですし、自分自身の勉強にもなっています。
選手として(ウィスマン)コーチに指導を受け、ACとして大学生にアドバイスすることで、選手としてもプレイの見方が変わりましたし、良い面の方が多いと思います。
大変ですけど、楽しみながら両立出来ていると思います。

-他にプロの選手をしながら、コーチしている人を知っていますか?
居ないと思います。ACをすることで、両方のリーグ(NBLと大学連盟)に確認しましたが、前例が無いと言われました。

-日本大学の監督になることを考えていますか?
いいえ、私自身の責任はまだ、この地(リンク栃木ブレックス)にあると思いますから。リンク栃木ブレックスの選手であることが第一優先になりますし、その先はまだ考えていないです。

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インタビューは以上となります。
専業だけがプロ選手の形では無く、様々な形があることが分かっていただけたと思います。