8月1日、千葉県の船橋アリーナにて、今季からbjリーグに参戦する千葉ジェッツのシーズン初練習が行われた。選手たちはシューティング、状況に応じた1対1や2対2などを行った。現在、契約している選手は日本人選手7名。外国籍選手はこれから加入する予定とのこと。9月3日(土)には船橋アリーナにてプレシーズンゲームが開催される(※対戦相手は未定)。
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以下、エリック・ガードHC、板倉令奈選手、田中健介選手、中村友也選手、石田剛規選手へのインタビュー。
■エリック・ガードHC
-いまの揃っているメンバーを見てどう思いますか?
とても良い土台ができたと思います。一歩つづ、チーム作りができればと思っています。それには、チームワークが不可欠だと思っているます。ベテランも若い選手も揃っているので、良い感じでみんなフィットできると思います。今のメンバーに外国籍選手と日本人選手を何人か加えて、良いチームにできると思います。千葉県に能力が高いバスケットボール選手はまだまだたくさんいると思うので、プレーを希望される方は是非ここまで。というのも、若い子供たちの年齢から千葉ジェッツのクリニックやキャンプに来て頂いて、スタートして下さい。千葉ジェッツの選手と私から学べるチャンスだと思うので、是非良い機会だと思います。
-地元の千葉県民へのメッセージを頂けたらと思います。
まず、私と私の家族を暖かく迎えてくれてありがとうございます。本当に感謝しています。私のバスケットボールに対する気持ちと知識を、千葉ジェッツに還元できるように頑張っていきたいと思います。いろんな形でチームをサポートできますので、是非フロントに問い合わせてしてください。試合に来ていただいて応援をお願いします。個人的な目標になりますが、シーズンが終わるまでには皆さんと日本語でインタビューができるように頑張ります。
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■板倉令奈 ♯7
-本日の練習を終えての感想をお願いします。
久しぶりに練習をしたので、ちょっと体がびっくり、ですね。トレーニングとはしていたんですけど、バスケットボールの動きは少し特殊なので、良い刺激になりました。
-この練習が始まるまでの期間はどれくらい体を動かしていましたか?
ちょっと今シーズンは動きだしが遅くて。動かし初めたのは今から2週間くらい前ですかね。最近です。
-例年は結構長い期間をかけて?
そうですね。6月くらいから始めていますね。
-ドラフトで岩手ビッグブルズから指名を受けました。それでも千葉ジェッツに来た理由は?
契約が合意に至らなかったので、正式な手続きをとりフリーエージェント(FA)となって、その後に合意したのが千葉ジェッツだったということです。
-岩手ビッグブルズに行かなかった理由は?
理由はいろいろというか。様々な面で合意ができませんでした。ちょっと細かいことは言えないです。
-知っている方もたくさんいると思うんですが、千葉ジェッツというチームの印象はいかがですか?
そうですね、ジェフ(※勝久ジェフリー:アシスタント・マネージャー兼通訳)も(田中)健介も…知らない人のほうが少ないくらいなので、マネージャーも三菱で一緒で、(石田)剛規もユニバーシアードで一緒だったので。なんか、移籍した感じがあまりしないので、新鮮さはないですね。
-今シーズンの目標はどこに置きますか?
やっぱり、やるからには優勝を狙いたいですね。新規のチームは僕も入るのは始めてです。新規でないチームでも大変なところはたくさんあったので、新規はもっと大変だと思います。あとは、今まで最年長という立場でチームに所属していることはなかったので、やることは変わらないですけど、責任を持って、試合に出る出ないに関わらずチームにできることを一年間追求していきたいです。若い選手も多いので、模範になれるようにと思っています。
-個人としては、最年長、という部分が大きいんですね。
もちろん、コートに出てチームに貢献するということは絶対です。でも、やっぱり浮き沈みはあるので、練習態度やベンチにいるときだったり、常にチームが勝つために何が必要なのかというのを追求していきたいですね。
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■田中健介 ♯9
-本日の練習を終えました。どのような印象を受けましたか?
結構ハードでしたけど、凄い充実していました。バスケットボールから少し離れていたので、楽しいなというのを感じながら、スタートを切ったと思います。
-初練習が始まるまでの間、個人で動かれていたんですか?
個人でトレーニングをしたり、ランニング程度で走ったりもしていました。
-昨シーズンの途中で東京アパッチの活動が終わってしまいました。リズムがくるった、体がなまったといった感覚はりますか?
練習が始まってまだ一日目なので、これからバスケットの動きとかを見てなまったなというのは実感するかもしれないけど、それを言い訳にしたくはないです。とにかく直ぐに戻せるように頑張ってきたいなと思います。
-今シーズンの目標は?
個人としてはガードしても成長したいです。プレーヤーとしても、人間としても成長していきたいなと。チームとしては初年度で、優勝を目指してはいますが、難しいところもあると思います。まずはプレーオフを出て、ファイナル4。有明に行きたいと思います。
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■中村友也 ♯19
-本日は初めての練習でした。どんな印象を持ちました?
チームトライアウトで初めてコーチに挨拶をしました。トライアウトの内容を見たりして、基礎的な部分からどうチームを作りあげていくのかが楽しみでした。新しいチーム、新しいHC、やっぱりこの時期は楽しいというか。いろんなことを吸収できるじゃないですか。だから、自分はエリックHCとの練習が出来て良かったです。楽しかったです。
-昨シーズンのボブ・ヒルと比べて、初練習の違いは大きかったですか?
昨年はスタートは9月のアメリカでの合宿でした。徐々にあげていくという感じではなく、初日は何十時間かけてアメリカに行って、休むと思ったら、急にスポーツテストから入りました。昨年は調整をミスしてしまい、アメリカですぐに肉離れをしてしまったんですけど、今年は時間もあるので徐々にあげてきています。
-東京アパッチのシーズンが途中で終わってしまい、長い時間が空いたと思うんですが、その間は?
大学やクラブチームに行ったり。他ではプレーできないので。自分で体育館を借りたりしていました。
-来期の目標は?
チームとしてはプレーオフに絡んで、優勝できれば一番です。自分はそれまでの過程で、チームの歯車、原動力になれれば良いなと思っています。
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■石田剛規 ♯31
-本日が初めての練習でした。いかがでしたか?
みんな緊張しているところもありましたが、全員で声出していく、盛り上げていく雰囲気はすごく良かったのです。コーチもリラックスしてやろうと言ってくれていたので、やりやすかったですね。こういう緊張感は久しぶりだったので楽しかったです。
-新規チームということで、選手ひとりひとりが既存のチームより注目されると思います。
みんなプロ意識は高いし、今できることをやるのがプロフェッショナルだと思います。その繰り返しです。もちろん、ひとりひとりの責任とか役割もあると思うんですけど、今できることをやれば自ずと良いプロセスを踏んでいけるんじゃないかなと思います。 だから、あんまり気負いというのはなくて、どっちかというと楽しんでいく気持ちです。今日も怪我なく練習が終わり、幸せだったなと思いますね。
-今シーズンの目標はどこに置きますか?
やっぱり優勝を目指さないと意味がないと思います。2位や3位で良かったという環境じゃないですし。これはことあるごとに意識して、口にも出して、それなりの行動もしていきたいと思います。
-トライアウトの際、「2年前はバスケットのコートには戻ることは考えていなかった」と言っていました。トヨタを辞めた後、どんなビジョンを持っていたのですか?
トヨタを辞めたとき、自分は選手としてやれることはないんじゃないか、と凄くネガティブな気持ちがありました。 ネガティブな気持ちでバスケットボールをしているならば、一度リセットをして、 自分は裏側に回ろうと。チームや試合の運営、広告、放送。裏側の仕事はいろいろとあると思うので、そういった方向にいきたいなと思って辞めました。でも、就職のことはなかなか上手くいかず、自分に何かができるんだと考えたときに、まずはバスケットボールの普及活動をしていこうと。 各地でクリニックをやったり、試合の解説の仕事を貰ったり。
クリニッックで山梨県の知的障害者のチームに携わったのですが、そこでプレーしている子は、シュート一本を決めるにしても本当に楽しそうにしていて、みんなはしゃいで。そういう気持ちを忘れていた自分に気付きました。プロの世界に入り、バスケットボールへの接し方が歪んできちゃったのかなと感じたんですね。 もちろん、山梨のチームの件だけではないんですけど、バスケットボールに新たな形で接していこうと思いました。その後に、 クリニックや解説の仕事を貰いながら、バスケットボール協会のエンデバーという全国の高校生を指導していく仕事をしたりして、 指導の楽しさも覚えはじめて、その道というのも探り始めていたんです。一方で、自分もまだプレーを見せながら教えたり、実践出来ることを感じていました。それだけでは、選手になりたいとは思わなかったんですけど、そういう中でいろいろともやもやしている部分もありました。そういう活動だけで生きていけるほど、バスケットボールはメジャーではないスポーツなので。バスケットボールで仕事をする難しさを凄く感じていて。実際、人生どうしようかなと(笑)
そんなときに、千葉や横浜になど4つの新しいチームが出来るということで、選手という方向もあるのかと思ったのがきっかけです。一瞬、bjリーグの舞台に立てるのかなという気持ちが沸いて、若干それを消すのが難しくなってしまって。今まで何も思っていなかったのですが、ちょっと火がついて「やるのもありかな」と思ったのが、直接的な要因です。bjリーグのトライアウトの時あたりから、本格的にコートに立つことを目指して、そこからできることもあると思いました。さっきバスケットボールに対して接し方が歪んだと言いましたがが、やっぱり、もっとバスケットボールを楽しみたいし、それをいろんな人に伝えたいというのがあります。それをやるには選手になって表現するというのが一番近道なのかなと。
-「バスケットボールに対して接し方が歪んだ」というのはどういうことでしょうか?
シュートを決めなくてはいけない、ミスをしてはいけない。そのように「してはいけない」という考えでプレーをしている自分に気がついて。だから、シュートを決める喜ぶよりもちょっとした恐怖感、ネガティブなイメージと共にプレーしていることに気がついたので、これは違うなと。これなら何もかも上手くいくわけがないと思いました。
-また、外側から2年間バスケットボールを見られていて、バスケットボールのビジネス的な広がりがまだまだない、というのも感じられたと思います。
そうですね、バスケットボールに育ててもらい、それが自分の全てだという感覚でいました。けど、社会に出たら、バスケットボールは多くのひとは欠片にも思っていないということを思い知らされたんで。それが現実であることを知らされたことは大きかったですけど、やっぱり、それが悔しいという思いがあります。今すぐに何かを変えられるわけじゃないです。でも、子供たちがバスケットボール選手を目指したいということを言われて、それが厳しい世界というのを知っているので、一瞬迷ってしまう部分があるんですね。プロを目指してほしいですけど、実は厳しいんだよと。この理由は伝えにくい部分がありますが、自信を持って、心から言えるような環境にしたいなと思います。
-トヨタにいたときのプレイヤー・石田剛規を「10」としたなら、今はどれくらいの位置にいるんでしょうか?
うーん。今はそういうふうに考えるのは辞めようと思っています。トヨタにいたときを1から10で図るのなら、今はA、B、C・・・という具合に、別の単位で考えようと。もちろん、大学時代も優勝していて、その時は充実していたかもしれないです。でも、リーグが変わればバスケットボールの質も異なるし、今の自分の体の状況も以前とは違います。トヨタのときの「10」を求めていても、例えばあのときは入っていたのに・・・と考えてしまうと違った方向にいってしまうと思うので。今の自分がどうなのか、というのをしっかり見つめていきたいです。