2月12日(土)富山グラウジーズ vs ライジング福岡 試合後のインタビューとゲームレポート

新たに下地体制となった富山グラウジーズのホームデビュー戦は、ブザービーターで決着する劇的な試合となりました。試合後の記者会見の様子と、ゲームレポートは以下になります。

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ライジング福岡

小川忠晴HC

-今日の試合の総括について
「最後まで試合がもつれるゲームという事で、今日、来てくれたブースターの方々はハラハラドキドキで面白い展開だったと思います。

試合内容からしてみれば、僕たちはレイアップとかシュートをいい形で持っていっても、(リングに)嫌われてシュートを決めきれなかった。そういったところをしっかり決めていれば、もうちょっと僕らの点数が伸びていたのではないかと思います。

数字(スタッツ)を見たときに、まず3ポイントについて、打ってる本数が8本とそんなに多くはないのですが、そこでの確率ですね(1/8、12.5%)。またFTの確率(11/22、52.4%)。こういった混戦ではやっぱりそこを決めていかないと、やはりもつれたゲームになる。やはりFTは大事なんですが、そこもひとりひとりのメンタルが大事だと思うので、そこをしっかりと集中してもらいたいです。

今日の(ゲーム前の)ミーティングの時に、まずオフェンスで気をつけなければいけないのがターンオーバー、これについて言いました。そのターンオーバーも、それによってオフェンスチャンスを失い、自分たちの得点が減るということを話したんですけど、(試合)トータルで18もターンオーバーしています。パーカーは7もしています。彼が7つもするのは、僕が指導をはじめてから無かった数字です。(パーカーは)主力選手だし、メインに出ている選手が安易にターンオーバーすると、チームの士気が下がる部分もあるので、その辺をもう1回、ですね。今回はパーカーが(ターンオーバーが)多かったですけど、ひとりひとりがしっかりと認識しなければいけないゲームだったと思います。

最後の部分の指示については、(72-72の)同点で、(富山ボールで)タイムアウトだったんですが、ファウルゲームで相手にFTを打たせて、その後に自分たちのオフェンスにするという手段もあったと思うのですが、僕たちはディフェンスがいい流れで来ていたので、残り20秒で、向こうがその時間を使ってくるだろう、ということで、その中でしっかりとプレッシャーをかけて守りなさいという指示をしました。そこで、いい形で(水戸選手の)シュートが落ちて、延長になる可能性があったのですが、やはり最後までリバウンドを頑張らなければダメだよ、という中で、そこの所で富山さんの気持ちが上回ったのではないかと思います。」

-新加入のクウソーをスタメン起用しましたが、彼の評価について(14pts、FG6/10、FT2/4、9reb、3TO)
「(チームに)合流して3日間という中では、いいパフォーマンスをしてくれたと思います。チームの細かいこととかまだ分からない中で、今日のゲームについては、2週間位ゲームから離れていたので、まずは楽しんでやりなさい、と。ひとつふたつのミスは気にすること無いから、思い切ってやりなさいと言いました。あとはリバウンドを頑張れということですね。」

-そのリバウンドについては、やはり新たにチームに加わるフーガ選手に期待する部分は大きいでしょうか?
「まだ実際のプレーを見ていないのですが、体の幅もあるし、高さの面ですね。今は(リバウンドで)競って負けているので、その意味で、ビッグマンを補強したいと思っていました。実際にどれくらい(リバウンドを)取れるか、リング下で「壁」になれるかどうか。そこが彼に期待している所ですね。」

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富山グラウジーズ

下地一明HC

-今日の試合の総括について
「前半はもう見てられなかったです。(ディフェンスで)ハッスルバックしない。福岡さんは走ってくるから、トランジションディフェンスがキーだぞ、徹底しなさいと言ってたのですが。全員が戻ってなかったです。そこを徹底しきれなかったのは、僕の責任です。

それでも後半は自分たちのバスケをやろうと表現してくれたので、トランジションディフェンスで多少やられた部分はありますけど、後半が進むにつれて徐々に修正できたと思います。

あとはターンオーバーが多いですね(17)。つまらないミス。これは課題なので、練習の時から改善していきたいと思います。

今日はブースターのみなさんが勝たせてくれたと思います。」

-富山のHCとして3試合目ですが、グラウジーズというチームの印象について
「彼らのバスケをずっと見ていると、全員が(ボールを)プッシュできると思います。みんなよく走るし、ランニングプレーが得意なので、その特徴を生かしてあげながら、みんながボールをシェアできるように改善中です。」

-ホームでは初の試合でしたが、どんな気持ちでしたか?
「いつもどおりバスケットの試合をする、それしかなかったです。彼らにも日頃から伝えているのは、バスケットで戦うんだ、と。そこしかありません。自分たちのやるべきことをしっかり表現して、最後まであきらめずに戦うことです。練習中から同じことを言っているんですけど、彼らにそう伝えました。」

-チームはイーストの下位に甘んじていますが、これからどこを改善していきたいですか?
「まずは全体的なスキルアップです。ドリブルや、ハンドリングのスキルも無さすぎるので。シュートに関しても、正直、みんな下手です。シューティングとはこういうものだ、という事を徹底して教えています。具体的には言えませんが、彼らの成長を今後も見ていてください。」

-選手たちにはどのような意識付けをしたいですか?
「チームにはルールがあるんですけど、そのチームルールで、今やるべきことが出来ているか?ということをベンチメンバーにも聞いたり、実際のゲームの状況の中でどうだったのか?と聞いてます。やはりバスケットは状況によって全て変わるので、それに対する引き出しが多い方が、間違いなく武器になります。その意味でも、今は少しずつ積み重ねていけるように練習しています。」

-勝った瞬間はどんな気持ちでしたか?
「正直に、嬉しかったです。彼らに勝たしてあげたいという思いしかないし、実際にゲームをやるのは選手です。今もミーティングで「お前たちの力で勝利を掴んだんだ、自信を持ってこれからもプレーしていこう。苦しいときもいい時もあるだろうけど、自分たちを見失わず、最後まで富山らしいバスケをやっていこう」と言ってきたんですが、毎回同じ事を伝えています。」

-同点で残り20秒の場面で、どのような指示をしたのでしょうか?
「やはり僕は日本人が外国人をやっつけるのが面白いと思うので、水戸に「お前に全て託しているから、行きなさい」と。しっかりボールがバックコートに帰った状態で、1対1をしなさい、と。状況を見て(福岡が)ファウルをしてくるかな?と思ったんですけど、(ファウルを)してこなかったので、これはもしかしたら行けるのかな?と思いました。残り7秒、8秒まで待ちなさいと、彼も僕の声が聞こえたと思います。その後、(1対1に)行ってくれました。結果はあのような形になりましたが(水戸の落としたシュートをジョンソンが押し込んでブザービーターで試合終了)、水戸も反省してますね。「右のドリブルを覚えなさい」と。(ディフェンスに)左に方向付けされてしまったら抜けないので。今後彼には、徹底してドリブルも教えていきたいです。」

-明日の試合に向けて
「福岡さんはこんなものじゃないので、もっともっとプッシュしてくるし、1対1もガンガン来ると思うんですよ。ただ、今日は3ポイントを8本しか打たしてないのは、やはり第2Qにあれだけ日本人がディフェンスを頑張ってくれたのはあると思います。あれだけ気迫あふれるディフェンスを、外国人も含めて全員でやっていけたらと思います。

明日勝たなければ意味がないので、また明日も全員で戦いたいと思います。」

-明日の鍵はディフェンスですか?
「そうですね、まずは失点を減らそう、と。やはり失点が多いので。ディフェンスのスキルも練習してます。なので、まだまだやることはいっぱいあります。彼らには冗談で言うんですけど、(俺は)練習の方が好きなんだ、と(笑)。でも、たぶん名監督と言われる人は、みんな練習が好きだと思うんですよ。僕も、彼らと一緒に練習して、彼らがどんどん成長していく姿というのを見ていきたいので、もっともっと練習して、もっともっとみんなとコミュニケーション取って、やっていきたいと思ってます。」

-下地HCになってから選手の起用方法が大きく変わっていますが、どのような意図がありますか?
「それは練習からの判断ですね。彼ら各々に課題を与えているのですが、その課題を克服できたら、試合に出るチャンスがあると思うんですよ。だから、フォワード陣には、「水戸をやっつけろ」と言ってます。加藤も一緒です。「山城をやっつけろ、水戸をやっつけろ」と。(試合に)出る、出ないはあると思うんですけど、今日だとマット(#13カイル)なんかも、ハーフタイムに「コーチ、前半はソフトにプレーしてしまって申し訳ない、後半はハードにやるから任せてくれ」と言ってきたんです。ただ、JJ(#36スミス)が良かったので、「彼で行くぞ」と言ったら、彼は「分かった」と言ってくれたんです。

プレイヤーはやはり試合に出たいじゃないですか。試合に出てナンボですから。でも彼は我慢して、チームの為に仲間を見守ってくれた。だから僕は彼に対してすごく感謝してます。明日はやってくれると思います。」

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#9水戸健史選手

-今日の試合について
「前半ちょっと重たいゲームになってしまって、コーチがしたいバスケを僕らが出来なかったと思います。後半は切り替えて、早い展開とディフェンスを集中してできたのが、福岡のミスを誘っていい展開になったと思います。」

-今日の勝利の鍵はディフェンスですか?
「そうですね、福岡はすごく得点力のあるチームなんですけど、70点台に押さえられたという事で、自分たちのペースに持って行けたと思います。」

-最後の場面では、HCから試合を託されましたが?
「正直、言われた瞬間はドキッとしました。ただ、すごく信頼してもらっているというのは伝わっているので、決めてやろうという思いで行ったのですが、(結果的に)いいパスになってしまったかなと思います。」

-最後の1on1の場面では、シュートを決めに行きましたか?それともファウルをもらいに行きましたか?
「ファウルをもらうという考えは無くて、シュートを入れに行きました。」

-HCが変わってから2勝1敗ですが、チームとしても上向きでしょうか?
「まだ2週間しか経ってないので何とも言えないのですが、自分たちが目指すバスケット、コーチが目指すバスケットをしっかり選手が理解してやっていけば、いい結果に繋がっていくのではないかと思います。」

-明日に向けて
「日曜が弱いといつも言われているので、明日も勝ちます、はい。頑張ります。」

-下地HCの印象は?
「僕が今まで教わらなかった事を、この2週間でどんどん提供してくれているので、自分の中では毎日が新しい発見という感じです。すごく勉強になります。今まではどちらかと言うと、能力を生かすというか、走るスピードだったりとか、そういった所で勝負してきたんですけど、そういった所ではない部分、たとえば(ボールの)ミートだったりとか、ボールをもらう前の動きだったりとか、ディフェンスを見る目だったりとか、今まで習わなかった事を教えてもらっているので、すごく勉強になってます。」

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#31ハキーム・ジョンソン選手

-今日の試合について
「今日はチームとして戦えた試合だったと思います。今週から新しく提供された練習を、実際に試合で試すことができて、いくつかは成功することができました。その意味では、ものすごく成長できた試合だったと思います。また、明日の試合に向けてHCから修正点があると思いますが、明日はそこをしっかりやりたいと思います。」

-最後の決勝シュートを決めたときの気持ちは?
「タイムアウトの時にHCが指示したのは、ラストショットは水戸選手で行くという事で、水戸選手にすべてを託したプレーではあったんですが、ボールがこぼれてきた時に、自分に出来ることは、とにかくボールを取ってリングに入れること、そこだけに集中していました。」

-ハーパー選手が5ファウル退場した事によってジョンソン選手にチャンスが回ってきたのですが、その意味では今回のプレーは自信がついたのではないでしょうか?
「ハーパー選手が抜けたということで、チームにとっては大きな穴であるのは確かなのですが、そこを自分が簡単に埋められるとは思っていないし、やはりハーパー選手はそれだけの選手だと思います。そこでコートに入るときに、下地HCからターンオーバーには気をつけろと言われたので、その点は気持ちを引き締めて入ることが出来ました。そういった場面でミスすることなく試合を終わって、しかもチームが勝ったというのは、非常に嬉しく思っています。」

-明日の試合に向けて
「自分を含む外国人選手が、点を取る所はしっかり点を取って、もっともっとチームを引っ張っていければと思います。もちろん、明日修正しなければいけないところもあると思うので、そこもしっかり引き締めて、試合に臨みたいと思います。」

-今までブザービーターの経験ははじめてですか?
「プロになってからは初めてだと思うのですが、そもそも、このような試合運びにはしたくないですし、しっかり最初から勝っていけるというのが、本来の強さだと思います。もちろん、自分のラストショットで勝てたというのは、素直に嬉しいと思ってます。」

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ゲームレポート

ライジング福岡 vs 富山グラウジーズ@ありそドーム(2011.2.12)

富山-福岡
第1Q 14-20 
第2Q 18-10
第3Q 19-19
第4Q 23-23
最終スコア 74-72

【スタート】
富山:#9水戸、#14加藤、#3デービス、#21ハーパー、#36スミス
福岡:#8竹野、#21加納、#15マーリー、#3パーカー、#31クウソー

【レフリー】#24関口、#31堀田、#34永島

【観客者数】
1,102名

【主な個人スタッツ】
富山:スミス22pts、FG8/13、FT6/9、13reb、4stl、2blk、ハーパー14pts、2pt6/11、6reb、5TO、デービス11pts、FG3/6、9reb、ジョンソン9pts、2pt4/9、水戸8pts、2pt4/9、6reb、5ast、4TO、山城5pts、FG2/3、4ast、加藤5pts、FG2/10、4reb
福岡:マーリー23pts、2pt9/13、FT5/6、7reb、クウソー14pts、FG6/10、9reb、パーカー13pts、FG6/17、FT1/5、6reb、3stl、7TO、仲西11pts、FG4/7、3reb、竹野7pts、3reb、4ast

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第1Q 富山14-20福岡

両者マンツーマンでスタート。そして、お互いのビッグマンでインサイドを攻める。

福岡は琉球から加わっていきなりスタメンになったクウソー。富山はスミス。この2人、体型的にもプレースタイル的にも似ています(クウソー:206センチ、112キロ、スミス:203センチ、107キロ)。プレーはお互いゴリゴリ系で、器用さは無く、とにかくディフェンスを押し込んではゴールから1m圏内でシュートを押し込むイメージ。

この2人を中心としながら、ハーパーのダンクやマーリーの速攻などでそれぞれ得点を重ねます。12-10と福岡がリードしたところで富山のタイムアウト(4:01)。ここまでクウソー対スミスのマッチアップは、8-6でクウソーがリード。しかしここでコルデイロがそのクウソーに代わりコートイン。

得点が動き出すのは中盤以降。マーリーの速攻が決まると、続くディフェンスで3-1-1プレスと変化を見せる福岡。さらに竹野の難しいジャンプシュート、マーリーの速攻が続いて18-12とリード。

富山もカイルのブロックから水戸の速攻が決まり、14-20と追い上げたところで第1Qを終了。

※中盤以降はシュートが決まらなかった富山に対し(FG7/25:28%)、福岡はFGを9/18と確実に決めました。引っ張ったのは8ptsのクウソーのインサイドと、6ptsのマーリーの速攻。

富山はハーパーとスミスの2人で12pts、2ptFG6/11と得点を重ねていますが、それ以外のシュートが決まらない。

また、お互いにターンオーバーが5ずつあり、今一つ締まらない、雑然とした印象の展開です。

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第2Q 富山18-10福岡

立ち上がり、お互いに流れを掴めない両チーム。富山はプレスからのゾーンディフェンスに切り替えるなどするが、得点は伸びない。福岡もターンオーバーが相次いでしまう。

ここで加藤の3ポイントをきっかけに、富山ディフェンスが奮闘。リバウンドを奪うと速攻に突っ走り、3本連続で速攻が決まって28-23とリードを広げたところでオフィシャルタイムアウト(4:40)。福岡ベンチはこのオフィシャルタイムアウトを待ったのかもしれませんが、あと1本、いや2本早い場面で取るべきだったかもしれません。

ところがこの後は一気に流れが変わります。福岡が2-3ゾーンに切り替えると、富山のオフェンスは沈黙してしまう。一方の福岡は仲西のジャンプシュートに始まり、竹野のドライブからのFT、パーカーのシュートに、クウソーがゴール下から上手いターンで得点。あっと言う間に30-28と逆転してしまう。

ここから盛り返す富山。再びディフェンスから速攻を連発し、加藤とスミスが速攻から得点を決める。福岡はFTをもらうも決められず(このQのFTは1/6)、富山が32-30と僅差でリードを保ってハーフタイムへ。

※ディフェンスを頑張っては速攻に走った富山。このQの18ptsのうち、実に12ptsが速攻からの得点でした。

逆に福岡は大ブレーキ。FGが4/15(26.7%)と確率が落ち、相変わらずターンオーバーが5もあります。特にエースのパーカーが不調で、前半はわずか4pts、FGが2/9、FTが0/3、そして5ターンオーバーと全くいいところがありません。

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第3Q 富山19-19福岡

後半の立ち上がり、そのパーカーが速攻にFTと連続得点を決めますが、その後が続かない。

富山はいきなりハーパーが4つ目のファウルと取られてしまうも、ここでベンチはハーパーをコートに残す選択をします。そのハーパーがデービスの3ポイントを演出し、またそのデービスはポストのスミスと上手い合わせからゴール下でFTをもらいます。また、相変わらずスミスとクウソーはゴール下でバトルを繰り広げています。

福岡がマーリーのドライブや、速攻で竹野からパーカーへのパスが通れば、富山も水戸のアシストからデービスのゴール下、そしてスミスのオフェンスリバウンドと続きます。

福岡のミスから富山が速攻に走り、ハーパーがダンクを叩きこんだところで福岡のタイムアウト(3:35)。

次は福岡。仲西が鋭いドライブから見事なターンで得点し、スクリーンから竹野が綺麗にジャンプシュートを沈めて45-47の2点差まで追い上げ、ここで富山のタイムアウト(2:05)。

終盤、水戸のジャンプシュートやパーカーの速攻が決まり、51-49と富山がリードを保ったまま第3Qを終了。

※お互いに得点の動いたこの第3Qですが、相変わらずミスが多く(両チームそれぞれターンオーバーが6)、どうも締まらない展開が続いています。

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第4Q 富山23-23福岡

序盤から一進一退の展開、言い換えるならばお互いに突き放せない流れが続きます。

福岡ではマーリーの速攻からのミドルに始まり、コルデイロもゴール下でシュートを押し込みます。富山もジョンソン、水戸のミドルで応戦。

福岡が痛かったのは、パーカーが4ファウルのハーパーを攻めきれない事。第3Q開始直後に4ファウルになりながら、その後もずっとハーパーはプレーし続けています。

どうも調子の出ないパーカーに代わり、福岡を引っ張るのは元富山のマーリー。ジャンプショットに続き、ドライブからダンクを決めてきます。

富山もスミスがゴール下でバスカンを押し込み、また山城の3ポイントも決まります。この日の山城は加藤に代わってコートに立つ時間が長くなりましたが、5pts、4ast、1TOと堅実なプレーぶりでした。

61-61の同点の場面で、オフィシャルタイムアウト(4:55)。

ここから福岡は竹野、マーリーとシュートを決められないのに対し、富山はハーパーが速攻からの得点とFTで得点。そして速攻からデービスが3ポイントを沈めて68-64とリードを広げます。富山はスミスが4ファウルとなっており、またこの場面でハーパーが5ファウル退場となってしまうものの、それでもスミスがゴール下で粘ってFTをもらい、これをしっかり決め手70-64とします。

残り2分を切って6点差。万事休すか?という場面で仲西の3ポイントに対して水戸のファウル。仲西がこれを2/3で決め、さらにクウソーのブロックからマーリーが速攻に走って得点、福岡が68-70と追い上げたところで富山のタイムアウト(1:06)。

ここはしっかり守りたい福岡、ところがエンドからのパスをあっさり通されてしまい、ジョンソンがゴール下で得点。しかし逆サイドではマーリーがドライブからFTをもらい、この2本を決める。72-70と富山2点のリードのまま、再び富山のタイムアウト(55:5)。

しっかり決めたい富山オフェンス、しかしそのプレーは崩れてしまい、ジョンソンの放った3ポイントは外れる。福岡のタイムアウト後(28:2)、ボールを持つのは好調のマーリー。ドライブから浮かせ気味のフローターでネットを揺らし、これで72-72の同点に追いつきました。ここで富山のタイムアウト(20:0)、最後のオフェンスをセットアップします。

小川HCのコメントにあったように、ここで敢えてファウルをしてFTを与え、残り時間を確保して福岡オフェンスにするという選択肢もありましたが、ここましっかり守りきる策を選びます。つまり、ここでしっかり守りきれば、延長で十分なチャンスがあるとの目論見があったのかもしれません。

一方の富山。ファウルしてこない福岡を見て、指示通りトップから水戸の1on1にすべてを賭けます。トップに水戸、残りは2人ずつが両サイドに散ってスペースを作ります。残り時間10秒を切り、8秒、7秒・・・という場面で水戸が左にドライブ。しかしディフェンスに止められ、そのシュートは流れてリングの根本へ。そこへ飛び込んだのがジョンソン、ボールを奪うとすぐにリングに押し込み、これと同時にブザーが鳴り、これで74-72、富山が福岡の追い上げから逃げきって勝利をもぎ取りました。

※最後に試合を決めたのは富山ジョンソンのオフェンスリバウンドでしたが、富山は試合を通じてリバウンドで57-44と福岡を圧倒。特にオフェンスリバウンドは21-11と実に10もの差をつけていました。

両チームで3ポイントが5本だけ、2ptFGはいずれも40%台というのはともかく、FTがどちらも50%台(富山54.5%、福岡52.4%)、そしてターンオーバーが合計で35ということもあり(富山17、福岡18)、試合全体としてはバタバタしたイメージの内容となりました。

それでも、富山にとっては接戦を制したことが自信に繋がるでしょうし、なにより、下地HCがホーム初戦を白星で飾ったということに大きな意味を持つゲームになりました。

一方の福岡にとっては、新加入のクウソーがなかなかのプレーを披露したにもかかわらず、エースのパーカーがシーズンワーストとも言えるパフォーマンスということもあって、チームとしては反省点の多いゲームでした。