11月13日(土) 新潟アルビレックスBB vs 富山グラウジーズ@五泉市村松体育館
新潟-富山
第1Q 24-10
第2Q 18-13
第3Q 24-21
第4Q 15-16
最終スコア 81-60
スタート
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
富山:#92東、#9水戸、#3デービス、#21ハーパー、#13カイル
レフリー
#5デービス、#15平出、#27佐藤
観客数:1,373人
主な個人スタッツ
新潟:アシュビー18pts、FG8/12、5reb、2blk、アンドリュース18pts、FG7/8、12reb、4stl、3blk、コナーレ15pts、3pt2/4、2pt4/5、5reb、ヴィーズリー11pts、3pt3/4、FT0/3、池田8pts、3pt2/6、澤岻6pts、FT4/4、2ast
富山:ハーパー20pts、FG7/17、FT5/11、19reb、カイル14pts、FG6/7、5reb、デービス9pts、スミス8pts、水戸6pts、FG2/10、38:1min、加藤0pts、FG0/0、23:38min
※試合後の記者会見の様子はこちら。
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第1Q 新潟24-10富山
両チームいずれもマンツーマンディフェンスでスタート。新潟はアンドリュースのゴール下アタックで攻める。アシュビーに続くポストオフェンスを確立したい新潟としては、実戦で試すなら試合の序盤が最適。
富山もエースのハーパー、ゴール下のカイルを中心として攻めようとするが確率が悪い。
新潟はアシュビーのスティールから速攻でヴィーズリーの3pt、更にゴール下のアンドリュースからのパスでヴィーズリーが再び3ptを沈める。
富山もハーパーの派手なダンクが決まるものの(新潟のディフェンスミス)、オフェンスが単発な印象は否めない。
中盤、新潟の池田が交代したばかりの山城をポストで攻めてFTをもらう。167センチと小柄な山城がコートインするとすぐに池田(192センチ)のミスマッチを攻めるというのは、チームとしてもスマートな判断。
中盤まで12-8の新潟リード、しかしここから一気に新潟が畳みかかける。コナーレの3ptがバスカンで決まると、続いてヴィーズリーのスティールからアシュビーがジャンプシュートを沈め、18-8と点差が開いたところで富山のタイムアウト(4:18)。
富山は時折好プレーも出るも(ジョンソンの素晴らしいオフェンスリバウンドなど)、ゲームの流れを変えるには至らない。
新潟はアシュビーがかつてのチームメイトであるスミス相手にポストからシュートを押し込むと、次はディフェンスでブロックショット。続くプレーで澤岻へのアシストパスを決めるなど、アシュビーがその存在感を発揮する。
富山はターンオーバーだけでなくシュートの決定率も低く、新潟が24-10と大きくリードして第1Qを終える。
※新潟のFGが3pt3/4、2pt4/5、更にFTが7/8と高い確実性を見せたのに対し、富山はFGが5/17(29%)、FTが0/4と新潟とは対照的な数字が並ぶ。それでもリバウンドでは富山が12-7とリードしているももの、そのうちオフェンスリバウンドが9個、つまり富山の低いシュート確率の結果としてのリバウンドもあるので、それを得点に繋げられないというのは苦しい。ターンオーバーはお互い6個もあるとは言え、アシストでは新潟が4-2とリードしています。
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第2Q 新潟18-13富山
インサイドでは決して負けていない富山は、ポストでのアタックでオフェンスを組み立てます。カイルのポストプレー、更にオフェンスリバウンドが2本連続で決まり、カイルが6連続得点。24-16となったところで新潟のタイムアウト(8:17)。
新潟は第1Qの終盤からアシュビーをベンチに下げていた事もあり、リバウンドを確保できない。廣瀬HCはここでアシュビーをコートに戻し、更にディフェンスを3-2ゾーンに切り替える。
これが、富山のオフェンスを完全に沈黙させてしまう。フレックスに動く新潟のゾーンで、富山のインサイドは機能しない。やむなくガード陣が3ポイントを放つものの、それがことごとく外れてしまう。富山はオフィシャルタイムアウトまでの約4分で無得点。
一方の新潟は根東のアシストでコナーレのゴール下、カイルをフェイクで跳ばしてアシュビーのパワーダンク、そしてコナーレの3ptと着実に得点。中盤には小松の3pt、そしてアシュビーのジャンプシュートがバスカンとなり36-16、20点差まで新潟のリードが広がる。ここでオフィシャルタイムアウト(4:43)。
その後、富山オフェンスもやっと機能しハイ・ローのプレーからスミスのゴール下、水戸のジャンプシュートが決まるなどするものの、新潟ではコートに戻ったアンドリュースが奮闘。ハイポストからの1on1で難しいフックシュートを決めると、次は粘り強くオフェンスリバウンドに跳んでプットバックを押しこむ。これで42-21、富山のタイムアウト(2:07)。
Qの終盤には富山スミスのゴール下が決まるが、42-23と点差が詰まらないままハーフタイムへ。
※富山はリバウンドのリードを14-9とキープしつつ、2ptFGが6/12と改善。しかし相変わらず3ptが0/4、更にターンオーバーが5個もあり(新潟は1)、リードは縮まりません。新潟はアシュビー、アンドリュース、コナーレの3人が2ptFGを6/8と確実に決めて、これが着実にリードを広げる要因になりました。
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第3Q 新潟24-21富山
前半の富山オフェンスは酷かった。外国人選手を中心に1on1やピックアンドロールを繰り返すも、そのほとんどが単発なもので確実性に欠けており、守る新潟としてもかなり楽だったはずです。しかし、さすがに後半はオフェンスの組み立てを修正してきました。スタートからPGを落とし、水戸、加藤のガードコンビで後半開始。
チームのオフェンスを支えるのは富山のフロントラインですが、もちろん新潟もアシュビー、アンドリュースで対抗します。第3Qは前半よりかなり得点が動く。
富山のオフェンスはハーパーが引っ張るものの、そこにカイルも絡んでくる。カイルの能力は限られているものの、サイズはあるし、愚直なまでにリバウンドに跳び込んでくる。新潟のアンドリュースが目を見張るようなジャンプ力でボールに喰らいつくのとは対象的だけど、シュートが決まれば同じ2点。
新潟はそのアンドリュースがヴィーズリーのシュートミスをティップインのバスカンで押し込み、また澤岻のドライブから綺麗にパスが回り池田の3ptも決まる。オフェンスリバウンドからアシュビーのミドルシュート、そしてスクリーンプレーから池田の3ptが再び決まる。24秒クロックが迫る中でのシュートミスもアシュビーがオフェンスリバウンドに飛び込み、FTをもらう。ここで富山のタイムアウト(6:28)、スコアは新潟の54-28。
中盤以降は新潟にミスが出るようになる。エンドラインからのパス出しでスティールされたり、コナーレがラインを踏んだり(今シーズン、新潟の選手がラインを踏むのを毎試合見ているような気がします)。ヴィーズリーがFTをもらっても0/2と決められない。
一方の富山オフェンスはカイルがゴール下でファウルをもらい、そしてハーパーの1on1で連続してファウルをもらう。しかしFTを決められないのが痛い(この数分でハーパーのFTは2/5)。
新潟ではヴィーズリーが3ptを沈めれば、富山もデービスがゴール下でバスカンを押しこむ。新潟のタイムアウト(1:59)の後も、お互いに得点を重ねる流れが続く。コナーレのミドルシュートが決まれば、スミスもジャンプシュートで返す。ここではアンドリュースが2回連続でブロックショットを決めるハッスルプレーがありましたが、富山も最後によくシュートを決めました。
富山は終盤にデービス、そしてハーパーが得点し、66-44の22点差で第3Qを終了。
※この10分で24-21とやっと普通の試合になってきました。富山はこのQをほぼ5人で回し(デービス、水戸、カイル、ハーパー、ジョンソン)、2ptは6/11、FTも9/14と得点を重ねました。しかし新潟もリバウンドで15-12と盛り返し(アンドリュースが8reb)、またFGも10/19と50%をキープ。ヴィーズリーと池田と3本の3ptを決めたのも大きい(富山はここまで3ptが0/8)。
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第4Q 新潟15-16富山
追い上げたい富山は再びハーパーがラッシュをかける。3ptに続いて自らのシュートミスを拾ってダンク。新潟ではアンドリュースが齋藤からのアシストでゴール下のバスカンを押し込む。フィジカルなコンタクトが続いていた両チームの#21(ハーパーとアンドリュース)がヒートアップし、一時はNose to Noseでにらみ合うなど緊迫の空気が流れる。その後、ハーパーがファウルを取られベンチへ。
少しバタバタした展開だった第3Qに比べ、さすがにこの第4Qはお互いに大事にプレーしようという雰囲気。新潟では引き続きアンドリュースが、そして富山ではデービス、ジョンソン、スミスらのインサイド陣が攻めるも点差は詰まらない。
オフィシャルタイムアウト(4:50)の後も同じ流れが続く。アシュビーとアンドリュースでポストを攻め続ける新潟はゴール下とオフェンスリバウンドで得点。アンドリュースの派手なダンクも決まる。富山は最後まで流れをつかめず、81-60で試合終了。
※富山は第4Qでもリバウンドで19-8と圧倒。試合を通じては56-38と、実に18ものアドバンテージがありながら、3ptが1/14と全く決まらず、2ptは21-47とそれほど悪くないながらもFTは15/28(53.6%)と低調。ターンオーバーも21個を数えました。しかし新潟もFTは13/23と富山と同じようなもので、ターンオーバーに至っては23個もありました(アンドリュース5、コナーレ4、ヴィーズリー4、アシュビー3)。インサイドアタックこそ機能していましたが(アシュビーとアンドリュースの2ptFGは15/20)、まだミスも多く、とても楽観視できる内容ではありませんでした。
ただ、この試合に関してはあまりに富山のオフェンスが悪かった。プレシーズンで見た富山ー秋田戦、この時も富山のチームオフェンスは酷かったけれど、それでも試合後の衛藤HCのコメントを聞くとまだ期待できそうな雰囲気でした。
ところが、この試合の前半はチームオフェンスが全く組み立てられず(前半のFGは11/33で33%)、外国人選手を中心に効率の悪いシュートをポンポン打ってはポロポロと落とすばかり。ここしばらくで見たbjリーグの試合でも最も悪い内容でしたが、試合後の衛藤HCのコメントを聞けばその理由も理解できます。つまり、チームとしてプレーのコンセンサスが取れないまま中途半端に試合に突入してしまい、そのビハインドを取り戻す事ができないまま終わってしまった試合でした。
続いて、日曜の試合。
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11月14日(日) 新潟アルビレックスBB vs 富山グラウジーズ@五泉市村松体育館
新潟-富山
第1Q 17-7
第2Q 8-17
第3Q 9-22
第4Q 27-19
最終スコア 61-65
スタート
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
富山:#92東、#14加藤、#3デービス、#21ハーパー、#13カイル
レフリー
#5デービス、#15平出、#27佐藤
観客数:1,339人
主な個人スタッツ
新潟:アシュビー15pts、FG5/13、5reb、5ast、池田11pts、3pt3/7、コナーレ11pts、2pt3/4、12reb、澤岻8pts、2pt2/3、2ast、3TO、アンドリュース6pts、15reb、6stl、5TO、ヴィーズリー6pts、3pt2/4、FT0/2、3stl、4TO
富山:加藤17pts、3pt2/4、2pt5/8、3reb、2ast、2stl、デービス11pts、7reb、水戸9pts、3pt1/2、4reb、3ast、4stl、5TO、ハーパー9pts、3pt2/4、2pt5/8、ジョンソン7pts、8reb
試合後の記者会見の様子はこちら。
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第1Q 新潟17-7富山
両チームマンツーマンディフェンスで試合スタート。新潟はアンドリュースのスティールから速攻、そして前日同様にポストのアタックで得点。アンドリュースが6連続得点を決め、6-0となり富山のタイムアウト(7:54)。特に3本目のポストプレーはアンドリュースなりに考えて、うまくその体とジャンプ力を使ったプレーでした。
その後も新潟のポストアタックが続く。しかし富山も前日から引き続きとなるアシュビーへのダブルチームで応戦。得点が動き出したのは中盤から。
ポストのパスアウトから澤岻のドライブでFT、その澤岻からのアシストでアシュビーのジャンプシュート。スクリーンプレーからの池田らしいアーチの低い3ptが決まるなど新潟が着実に得点を重ねる。
一方の富山、前日よりはパスを回そうという意識が見られるけど、シュートが決まらない。加藤の速攻からのアグレッシブなレイアップなどが決まるも、インサイド、アウトサイドともそのシュートがネットを揺らす事はない。
新潟は終盤にもアシュビーのアタックでFTをもらって確実に決め、17-7とリードして第1Qを終了。
※新潟は前日の反省からリバウンドを13-10とリードし、インサイドを軸に着実に得点。富山は前日とほぼ同じような展開でミスが多く(ターンオーバー5)、FGも2/15と前日以上に苦しい展開。
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第2Q 新潟8-17富山
それでも富山が前日と違うのは、チームメイトにパスを回そうという意識が見られること。新潟がゾーンディフェンスに切り替えたこのQの序盤、ジョンソンのドライブから加藤の3ptが決まる。これも、逆サイドでオープンになっている加藤をジョンソンがしっかり見ていました。新潟は小松、根東らの3ptが決まらずタイムアウト(7:54)。
新潟はここでも引き続きアシュビーを中心としたオフェンスを組み立てようとする。しかしそのパスからの動きが重たい。アシュビーからのパスで根東がトップから力強いレイアップを決める。しかし、その後は得点が止まってしまう。
前日の富山の前半も酷かったけど、ここから数分間の新潟もほぼ同じ。中途半端なパス回しから中途半端なシュートを放ち、それが外れては富山にリバウンドを奪われる。会場で見ている時は「新潟の自滅」と思いましたが、つまり新潟が富山のディフェンスに対応できなかったのです。富山はディフェンスを頑張ればリバウンドが取れる。ではオフェンスは?パスを回してオープンショットを狙う事です。ボールがよく回ってからの東の3pt、アシュビーのミスから加藤の速攻。そして、決定的だったのが速攻からの水戸のジャンプシュート。
ここでオフィシャルタイムアウトとなりますが(4:57)、新潟はもっと早くタイムアウトを取るべきでした。遅くとも加藤の速攻、できれば東の3ptの時点で試合を止めても良かったかもしれません。
新潟はここで澤岻、池田のスタートコンビをコートに戻し、流れを変えようとします。しかし富山のオフェンスは好調を保ちます。水戸のジャンプシュート、カイルのオフェンスリバウンドで22-19とし、再び新潟のタイムアウト(3:15)。
新潟は再びゴール下のアシュビーを中心としたオフェンスを徹底しますが、そのシュートが決まらない。それでもアシュビー、アンドリュースで徹底してポストを攻め続け、アシュビーのオフェンスリバウンドからのプットバック、そしてパワフルなダンクが決まって追い上げる。新潟のインサイドが奏効するのを嫌った衛藤HCはすぐさまタイムアウト(58:4)。
新潟は最後にポストのアシュビーからゴール下に切れ込んだ根東にパスが通り、25-24となんとか逆転してハーフタイムへ。
※ハーフで25ptsというのは、bjでの新潟ワースト記録。このQに得点したのは、アシュビーと根東の2人だけ。新潟は富山のダブルチームに対策を講じられず、逆にリバウンドでも逆転した富山(11-8)がこの10分間を17-8と圧倒しました。前日は外国人選手のシュートばかりが目立った富山ですが(60ptsのうち、日本人選手による得点は水戸、東による9ptsだけ)、このQだけで富山の日本人選手は14ptsを記録。中でも水戸は6pts、FGが3/4とキレのあるシュートを披露してくれました。アシストでも富山4-2とリードしている事からも、富山がよりチームとしてプレーしている様子が伺えます。富山としてはリバウンドは取れていますから、あとはボールをよく回してベターなショットを狙うのみ。逆に新潟はリバウンド対策、そしてアシュビーへのダブルチームに対する措置が早急に求められます。
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第3Q 新潟9-22富山
出だし、カイルのオフェンスリバウンドに、速攻から加藤の得点と、富山が走ります。この速攻は最初はボールが繋がらなかったものの、加藤がルーズボールによく跳んでシュートまで持ち込みました。
しかし新潟もダブルチームのパスアウトからヴィーズリーの3pt、そして速攻からアシュビーのゴール下が決まり、30-28としたところで富山のタイムアウト(8:10)。この試合に限れば、富山のタイムアウトの判断が早い。新潟の流れになろうとすると、すぐに時間を止めます。
富山に関しては、前半で3ファウルだったハーパーが開始1分で4つ目のファウルとなってベンチに下がった事が結果的にチームプレーをよりまとめた印象があります。ハーパーの運動能力はこの2チームの中でもずば抜けており(アンドリュースより跳びます)、シュートもドライブも出来るだけに逆にやりすぎてしまう面もある。ところが彼がベンチに下がる事により、富山はよりチームとしてプレーすることを強く意識したようです。
デービスのゴール下からFT、速攻から水戸のシュートは外れるもカイルがティップインダンク、そしてデービスのジャンプショットに、加藤の速攻からFTと得点を重ねる富山。
新潟は第3Q序盤に見せたダブルチームへの対応を維持できず、シュートミスとターンオーバーを繰り返します。34-32と富山が再び逆転したところで新潟のタイムアウト(5:31)。
新潟はディフェンスを2-3ゾーンに切り替え、オフェンスでもコナーレのドライブからアシュビーのダンクが決まるも、その流れは続かない。
富山はジョンソンのジャンプシュート、デービスのオフェンスリバウンドからのバスカンと得点を重ねる。ハーパーのようなエース的存在がいればそれだけを守ればいいですが、富山はねばり強くパスを回しオープンショットを狙い、そして新潟のディフェンスがルーズになる場面を逃すことなく得点に繋げてきます。
新潟はリバウンドを取っては速攻に走るも連続でミスが出るなど雑な展開。2:55、1:44と連続でタイムアウトを取っては修正しようとするも、展開は変わりません。
そして試合の流れの大きな影響を与えたのは東、加藤が連続で3ptを沈めた場面。富山はどの選手もシュートを狙い、ディフェンスをよく見てはパスを効果的に回しています。これに対して新潟のディフェンスは完全に後手となっていました。
第3Qを終えて46-34と富山がリード。しかし得点差以上に、そのゲームの内容に大きな差があります。
※このQのバスケこそ、富山の衛藤HCが目指すバスケでしょう。リバウンドで14-6と大きくリードし、新潟のターンオーバーを10個も誘い、パスを回して確実にシュートを決める(3pt2/3、2pt6/13)。富山は頻繁に選手交代しますが、どの選手もチームプレーに徹しているのが分かります。そして、新潟は完全にドツボにはまってしまいました。オフェンスで効果的なバスケットを展開できず、ディフェンスでも後手になる。第1Qで17-7とリードしたチームとは思えないような状況です。
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第4Q 新潟27-19富山
残り10分で12点ダウンですから、点数的には決して無理ではないですが、リバウンドの状況、そして第3Qの流れを考えると、新潟的にはなかなか苦しい状況です。そして、試合はお互いにイーブンの流れが続きます。
富山にとって大きいのは、インサイドで決して負けてない事です。カイルのオフェンスのティップインは、インターフェアを取られてしまいますがしっかりポジションは取っていました。続くカイルのポストからのパスも、根東のダブルチームをよく見てゴール下の加藤へアシスト。そして、更に速攻のチャンスでもシュートミスをジョンソンがティップインダンクで押し込んで50-37。完全に富山の流れです。
しかも、富山のミスからヴィーズリーが速攻の得点を決めると、すぐさまタイムアウトを取ります(7:06)。ここもタイムアウトのタイミングが早い。
新潟は追い上げるしかありません。コナーレのドライブからFT、ヴィーズリーの3pt、更にコナーレの3ptと続きます。
しかし富山も加藤の難しいミドルシュート、そして水戸が3ptで返し、55-68の9点差でオフィシャルタイムアウト(4:38)。ここを勝負どころと判断した富山はハーパーをコートに戻します。
粘る新潟はヴィーズリーのFTのミスをコナーレがオフェンスリバウンドを奪って得点。しかしコートに戻ったばかりのハーパーが3ptを沈めて58-48と10点差にリードを広げます。ハーパーは第3Q始めから15分ほどベンチにおり、そしてこのシュートがコートに戻って最初のシュートチャンスでした。このショットを見た瞬間、実は「これは落ちるな」と思ったのですが、彼のシュートは見事にネットを揺らしました。これはさすがとしか言いようがありません。
新潟は引き続き追い上げを狙うもミスが出たりと苦しい。そして澤岻がここで3ptを決めるのですが、水戸もすぐに3ptで返します。これはカイルがよくディフェンスを引きつけてからのパスアウトでした。残り1:45で富山のタイムアウト、富山が62-54と8点のリード。さすがにセイフティリードのように見えました。
しかし、新潟は諦めない。バランスを崩した澤岻からのパスで池田がコーナーから3ptを決めて54-62。続くファウルゲームで水戸のFTが外れる。
そして続く新潟オフェンス。澤岻のシュートは外れるも、アシュビーがオフェンスリバウンドで続く。返ったボールを澤岻が3ptで沈め、これで57-62。更に富山のアウトレットパスを澤岻がスティール。その前から水戸に対してかなりタイトなディフェンスを見せていましたが、ここで結果が出ました。そのボールはコナーレの手に。コナーレはトップからドライブし、バランスを崩しながら放り投げるようなシュートを放つ。これがファウルのコールでバスケットカウントとなり、ついに59-62の3点差に。さすがにここは富山のタイムアウト(59:4)。
コナーレはボーナスのFTも確実に決めて60-62の2点差、ここでボールを持つのはもちろんエースのハーパー。ドライブからコナーレのファウルを誘い、1and1のFTをもらう。しかし、前日もFTが5/11、そしてこの試合もここまで2/4と決められないハーパーは、大事な場面でのFTを2本とも外してしまう。もちろん新潟のタイムアウト(44:9)。
ここでボールを任されるのはアシュビー。ハイポストからカイルにドライブを挑み、FTをもらう。しかし、1本目は決めたものの同点に追いつく2本目を外してしまう。これで万事休す。
残り約30秒からまだ新潟にチャンスもあったものの、そのシュートを決められず、富山が65-61で逆転勝利を収めました。
※12点ダウンからの逆転を狙った新潟ですが、追い上げのスパートをかけるのが遅すぎました。10点差から差が詰まりだしたのが残り3分を切ってから。最後にチャンスはありましたが、もっと早く追い上げていればより大きなチャンスとなったはずです。逆に富山は勝ちゲームの終盤でバタバタしてしまい、危うく連敗するところでした。第4Q、新潟の3ptが6/10というのはともかく、富山のFTが4/11というのはクロースゲームでは致命傷になりかねません。
それを救ったのは富山の日本人選手達です。前日は0ptsだった加藤が第4QにFG2/2で4pts、そして水戸も貴重な3ptを沈めました。終盤にミスが相次いだのはチームの今後の課題となりますが、第1Qのビハインドにも耐え、試合を通じてチームとして戦う姿勢を維持したことが、富山の勝利へと結びつきました。来るホームでの埼玉戦、そして次は富山ホームで対戦する新潟戦への大きな弾みとなったはずです。
一方の新潟にとっては、非常に痛い敗戦となりました。特にアシュビーに対するダブルチームをチームとして打破できなかったことは、今後のリーグにおける戦いでも大きな課題となります。また、2試合連続でリバウンドを支配されたこと、そして主力選手のFTが不安定であることなど、新たな課題も浮上しています。翌週にはアウェイで仙台戦が控えており、昨シーズンの因縁もあるだけに、新潟にとって大事なシリーズになりそうです。