B.LEAGUEアーリーカップ2019東北から見えてくる各クラブの道標

9月15日(日曜) 青森-山形

青森ワッツ 北谷稔行アソシエイトヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
昨日の修正点を修正できたこととディフェンスから仕掛けて自分たちのリズムになる時間が多かったのでこの点差(84対69)になった。
オフェンスはフォーメーションやセットにこだわらずブレイクとトランジションに意識してことがうまくいった。
昨シーズンであれば、流れの悪い時間帯からズルズルいったが、今シーズンはチームでの決め事(うつむかないなど)をしっかり決めてきていることで、切り替えが出来たと思う。
今日の試合ではリバウンドもしっかり取ることができ、B1を経験している大塚(勇人)と下山(大地)がチームに新しい風を吹き込んでくれた。
(彼らのおかげで)良い流れや簡単なバスケット(速攻主体)ができた。
今日の試合は良い部分が多かったので、そこは開幕まで継承してシーズンに備えていきたい。

-菅(俊男)選手が第4クオーターだけで10得点(合計12得点)と活躍したことについて
いつもはスタート使うが今日は試したいことがありスタートから外したチーム全体の体力が下がる中で彼の運動量は落ちなかった。
その運動量がある彼が第4クオーターで体力温存できるのは、相手にとっては嫌がられる存在になるので、それを狙って後半は出し続けた。彼の本来の姿だと思う。
こういう起用法もあるなと感じた。

山形ワイヴァンズ 河合竜児ヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
昨日の試合でハート選手の怪我(床が滑り股が裂けるような状態)、内転筋を痛めたことで横の動きに踏ん張りが効かないということで大事を取って休ませた。
(チーム全体の)コンディションが良くない。
チュ(チュクゥディエベレ・マドゥアバム)もコンディションよくないこともあり、時間を制限しながら出場させた。
ひとつは選手のメンタルをうまくコントロールできなかった。勝ち癖というかウイニングカルチャーがまだない。昨シーズンまで下位に低迷していたこともあり、勝ちに対するメンタルや経験がまだない。
昨日の北海道戦で良い試合をしたということもあり、満足感があり、試合の入りが非常にゆるかった。全く別のチームになっていた。
その部分に関してはもっとコーチがコントロールしていく必要がある。チームとしてもメンタルの有りようを考えていく必要がある。
チュが復帰したが、練習自体は2,3日しかできていないことが、思うようなリズムが取れなかった要因だ。彼の責任ではない。山形ブースターにはがっかりさせてしまう。
悪いインパクトを与えてしまう試合という意味ではヘッドコーチとして責任を感じている。
けが人が増えたので、開幕までに誰がカンバックできて誰がカンバックできないのかを踏まえた上で、勝つための準備をしっかりしていきたい。

-昨日は伊澤選手、今日は赤土選手が活躍し、グラムが3番、日本人4番の手応えをつかんだか。
4番ポジションとしてオフェンスの部分は頑張ったと思う。ディフェンスも平面では頑張っていたが、高さの部分でどうやってオフェンスリバウンドをとらせないか。
自分が(ボールを)取れなくても、反対に相手にもどのようにして取らせないかを個人だけではなくチームとして行う必要がある。もう一人ガードが助けにいって2対1の状態でボックスアウトするなどを考えていく。
この大会での二人の成長ぶりは眼を見張るものがあったと思う。
グラムのところではまだまだ日本人選手との組み合わせやリズム、意思の疎通を考える必要がある。グラムに限らず外国籍選手との言葉の壁を超えなければならない。
オフェンスのコールをしても、スペースとタイミングとその時に必要なスピードでまだまだ自分たちが考えている形が表現できていないが、開幕までにはある程度修正できると思う。
あとは、毎試合毎試合チャレンジャーの状態を作っていかないと簡単に今日のような試合になる。強いハートを作っていきたい。

-リズムという面でボールハンドラーにまだ課題があると思っているか
テンポよくボールを回したいが、ディナイ(パスを簡単にさせない守備)に対してボールの動きが悪くなる。練習ではうまくできていても試合で相手がかわると上手くできない。
経験不足で片付けてはいけないが、もっと練習の質を高める。怪我はしたくないが練習でも激しくしていきたい。
選手の中には昨日の試合後に試合よりも練習のほうがつらかったといっていた。インテンシティ(激しさ)が釣り合っていれば大怪我にはならないと思うので、練習からもっとがんばりたい。

-岡本将大の活躍について
個のディフェンスについてはお客さんも魅了できるものがある。運動量もあり、ポイントガードとしても段々シュート力はアップしている。順調かなと思うが、今日の試合終盤で怪我した。
この二日間は河野(誠司)がいない中で秋山(熙)が出場時間をもらい、良いも悪いも経験したと思う。
(秋山選手には)二段飛ばし三段飛ばしはできないので、一段一段ステップアップさせていきたい。

-開幕にどのようなインパクトだしていきたいか
怪我について私が就任するまでの鍛え方が足りていないと思っている。これ(けが人の多さ)も産みの苦しみと思って、乗り越えていくしかない。
他の選手にとってはチャンスであるので、その時戦う状態にある選手の中で勝つことを考えていく。ホームに強い山形に注力していく。

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9月15日(日曜)北海道-仙台

レバンガ北海道 内海知秀ヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
昨日から今日にかけてディフェンスの強度を上げていこうと話をした。そうして臨んだ結果、非常に良い形が出たのではないかと思う。
目指すものが見えてきた。今日の試合でいえばターンオーバーが17あり、反省点として次の試合に生かしていく必要がある。

-守備の強度という面で橋本竜馬選手の加入についてどう思うか
最初のボールマンのところでしっかりプレッシャーをかけられる。それに周りの選手が引き連れられていく。それが今日の試合では出ていたと思う。
他の選手たちも昨日の試合でこういうようなプレイではいけないと肌で感じていたと思う。橋本以外も今日はそういうイメージで戦った。

-昨日、今日と試合に入り方が重たいと感じたが
試合の出だしの部分で(相手に)先行されると実力のあるチームだとなかなか追いつことができない。試合の出だしは非常に大切だと思う。そこは改善していきたい。

-若くシュート力のある選手たち(中野司、川邉亮平)を積極的に起用したが彼らに期待するところは
長いシーズンで若い選手たちの力が必要になる。彼らがこの大会を含めリーグでどれくらい成長していくかが鍵になる。

-ターンオーバー17の要因は
積極的に部分でのターンオーバーであれば影響はないが、ポストへのエントリーやピックアンドロールから隣の選手渡すパス。イージーなパスが最終で致命的なミスにつながりやすい。
そこは減らしていきたい。

-この試合ペイント内の得点が42点あったが、ペイントを攻めていきたいか
流れの中で攻めていければ一番良い。反対にそこがなければ得点が伸びていかないと思う。バスケではペイントでの得点は重要だ。

仙台89ers 桶谷大ヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
試合の出だしはよく五分五分(第1クオーターは14対14)で、ディフェンスのプレッシャーをかけられていた。
オフェンスも相手のディフェンスに対してアタックしてレイアップを決められたりアウトサイドへのキックアウトもあった。
良い状態があったが、中盤から相手のプレッシャーの中でプレイを遂行しようとし過ぎていて球離れが悪くなった。ターンオーバーになりゴールを見ることができなかった。
自分たちのリズムをつかみ損ねてしまった。後半も良い時間はあったが、ターンオーバーを連続でしたり、ディフェンスをあきらめてトランジションから簡単にレイアップされるケースがあった。
相手を乗せてしまい、タフショットを決められビッグプレイを出させてしまった。やらなくてはいけない時間帯に崩れていってしまった。
選手を非難するといよりも自分自身がもっと練習から準備しておく必要があったと思う。若い選手たちを育てていく中でもこういう経験は必要だ。
プレシーズン何試合か同じことが起きているので、それをブレイクスルーするには経験と練習の中で成功体験を得ていくしかない。

-練習から準備していくといったが具体的には
プレッシャーリリース(プレッシャーを受けたときの球離れ)が一番必要。練習の中ではプレッシャーを受けた状態がまだまだ少ないので増やしていかないといけない。
ファイブ・オン・ゼロ(オフェンスの動きの確認でディフェンスがいない状態)だけで、目の前のディフェンスと戦えていないことが今日の試合ではっきり分かった。
その中でも新号(健)は北海道の橋本選手とやりあっていた。良い部分はあったのでそれをしっかりつなげていきたい。

-白戸(大聖)選手の評価は
大聖はあれくらい(13点)安定してできるようにはなっている。プレシーズンでも確実に成長している一人だ。正直ボールハンドラーが少ない(月野雅人、澤邉圭太選手欠場)のでバックコートからの
ボール運びを手伝ってほしいというのは正直ある。そこが出来ればチームにとってもっともっと使える選手になっていく。

-北海道のツーガード(橋本、松島選手)に抑え込まれたか
1対1のところ、新号と橋本選手の差は経験。プレッシャーの中でも新号はできていたと思う。どちらかというと1番(ポイントガード)と4番(パワーフォワード)や5番(センター)との連動の部分でターンオーバーが出た。ボーンヘッドなターンオーバーをしていた。そういう部分で状況判断が悪い。大聖はもっと松島選手に挑んでいってほしかった。

-オンボール(ボールを持った状態での動き)とオフボール(ボールのない選手の動き)のオフェンスどちらを改善したいか
どちらも。オンボールは時間のコントロールができるので最後はオンボールができないといけないが、うちはオフボールの動きが得意な選手が何人かいる。
片岡、金城、白戸とオフボールが得意なので彼らをどのように活かすかを詰めていかなければならない。

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9月15日(日曜)秋田-福島

秋田ノーザンハピネッツ 前田顕蔵ヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
内容としては非常に悪い部分が出たと思う。質としては低い。ファールの仕方や試合前にいっていたことが徹底できていない。「甘さ」という部分でもまだまだレベルが低い。
ファールの使い方や、ディフェンスのクオリティを上げないと明日は簡単にはいかないと思う。

-前半浮足立っていたように見受けられたが要因は
福島が当然ディフェンスでプレッシャーをかけていたこともあるが、今日はオフェンスで課題を出していて選手が考えていたことが要因の一つだ。

-オフェンスの課題とは
チームとして共通認識をもってやっていく。選択肢が多い中でどこを狙うのか。今までは自由に攻めようという感じでやってきたので、もっとレベルを上げたい。

-4人が二桁得点、他の2人も二桁に近い数字だったが
スタッツ見てなかった。後半にオフェンスがよくなったというのはあるが、前半はターンオーバー。そこが後半無くなった。
バランス良く得点がとれることは今シーズンの良いところなのかなと思う。

-中山選手をスタートのポイントガードで起用したことについて
中山に怒られました。ポイントガードの練習できていないと(笑)相手のサイズよりも大きいラインアップで挑む中でディフェンスからリズムをつかみたかった。
対戦相手や、チームの状態で色々と試していきたいと思う。

-新加入したポイントガード(細谷将司 伊藤駿)の評価
頼りになる。「お任せ」できる時間帯が長く作れる。それぞれの役割を理解してやってくれているので良かったと思う。

-帰化選手+外国籍2人をどのように起用していくか
我々のスタイルとしては、インテンシティを保ちたいのでニカ(ウィリアムス)と外国籍選手2名を同時にコートに立たせるつもりはない。
(北海道のようなラインアップにマッチアップするにしても)同時起用は考えていないです。

福島ファイヤーボンズ 森山知広ヘッドコーチ

-今日の試合を振り返って
ゲームプラントして第3クオーター30分までは我慢できた。本気に勝ちにいったので負けたことは悔しい。最後はシュート力の差が出た。スリーポイントからオフェンスリバウンドを取られると最後は大味になってしまった。
最後まで選手たちはアタックし続けていたので、フリースロー39本という結果につながった。良いところは開幕に向けてもう少し強化していきたい。ゲーム中での状況判断をもう少し高めていきたい。
(激しい)ディフェンスからエクセキューション(遂行)させてもらえなかった部分が沢山あるのでそういった部分の修正とオフェンスリバウンドやリバウンドのアライメント(整理)を考える必要がある。
チームディフェンスをこの敗戦からしっかりと構築していきたい。

-今日のゲームプランとは
フリースローラインに立ち続ける。アタックしていくと言い続けた。プレッシャーに対してもリングから逃げない。

-村上慎也選手のファール4つ目の影響が大きかったか
中山選手のフィジカルがあるので、自分たちが想定していたスタートと違った。第3クオーターの秋田の試合巧者ぶりはさすがだった。
それまでは村上の突破力でフルコートのプレッシャーを「無」にしていたので、もう後半20分もそれをしたかったが、第3クオーターの出だしで2つファールして彼も学んだと思うし、私も学んだ。
非常に良い経験だった。

-どのような経験をつんだと思うか
プレッシャー、サイズがあり帰化選手もいる。ファールトラブルがあっても常にオンザコート2を維持できる。また野本選手のような2メートルの日本人選手がコートにいるラインアップはB2にはない。
この試合あわせてB1と公式非公式の試合を4試合行い、毎試合その中でもしっかりできた部分とできていないところが出てきた。サイズやフィジカルという経験値はついてきたと思う。
本気で勝ちに行って前半はチェンジングのディフェンスもうまくいった。チーム力で戦えれば良い結果になると思う。

-昨日から今日にかけての改善点
ターンオーバーの質。アウトサイドシュートとフリースローの確率。昨日もフリースロー入らなかったので注意して臨んだ。

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