2016年9月から男子バスケのB.LEAGUEが開幕する。
(画像© B.LEAGUE)
スタートから3つの階層に45チームが存在する大きなリーグということもあり、まだルール作りに追われている印象だ。
その中でも選手契約の情報についてはリーグ公式ホームページ(以降HPと表記)を確認するか、各チームから発表されるリリース以外にはその情報を得る術が殆ど無い。
3月22日にリーグが発表した選手契約ルールと時限的に設けられた移籍金の文言(もんごん)を正しく理解出来たは人は少ないのではないかと思い、選手契約の交渉を司る複数のFIBA公認エージェントに問い合わせることにした。
以降、リーグ公式HPに沿って解説していく。
http://www.bleague.jp/news/20160322.php
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いつから各チームは選手との契約交渉が出来るのか?
(1)現行選手契約満了後の移籍については、移籍希望クラブが現時点(3月2日理事会終了後)から移籍交渉可能
と記載されているが、これは契約継続の意思とは関係なしに各チームが選手全員と3月2日から交渉可能を意味している。
3月2日以降、チームは他のチームに所属している選手に対して自由にオファーすることが出来る。
(2)現行選手契約満了後については、現行契約クラブに一切の保有権はなく、選手は自由に移籍を選択することが可能
NBLのチーム拡張による優先交渉権やbjリーグの仮保有権というものは存在せず、契約期間満了後は全てフリーエージェントになる。ただし、保有権がなくなった代わりに特定のケースで移籍金が発生する。
B2、B3所属選手が上位リーグに移籍するときは移籍金という縛りが発生する事になる為、自由に移籍する権利を保有出来ると同時に、選手や移籍先チームにとっての障壁ともなりうる。
どうすると選手自由交渉リストに掲載されるのか?
一つ目は所属チーム及び選手双方の同意がある場合にリスト入りされる。
さらに細かくすると、
1.選手が再契約を望まない場合
2.所属チームが再契約を望まない場合
3.選手が所属チームとの再契約の可能性を残したまま他チームとの交渉を希望する場合
二つ目は選手契約期間満了するとリーグから自動的に自由交渉リスト入りされる。
移籍金と何か?
上位リーグへの選手流出の可能性が考慮し、流出したクラブへの補償として「移籍金」を2016-17シーズンのみ設けている。移籍金は選手に支払われるものでは無くチームに支払われる。
公式HPには
(3)上位カテゴリーに移籍する場合、現行シーズン終了時のみ、別途リーグが規定する移籍金が発生する
とあり、上位カテゴリー(B3からB2またはB1、B2からB1)に日本人プロ契約選手(社員契約選手と外国籍選手は除く)が移籍する場合、移籍先(新所属)チームから移籍元(前所属)チームへ移籍金支払い義務が課せられる。
移籍金支払いはシーズン中でも発生するのか?
例えば、元B2カテゴリー所属選手がオフシーズンから海外でのプレイを希望。しかし海外で契約出来ず日本に帰国。シーズン開幕後にB1所属のチームと契約した場合に移籍金は発生するのか?
答えはシーズン中でも発生する。
2016-17シーズンの選手登録可能な期間(正式な期間発表は無いが、2016-17シーズンであれば恐らく2017年3月中旬頃)までの上位カテゴリーの移籍は全てのケースでも移籍金が発生する。
海外契約は抜け道となる可能性があるため、移籍金は発生するが、あくまでの直近の日本所属チーム間でのやり取りに限定される。
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ここまで公式HPから分かりにくい部分を選んで解説を加えた。
B.LEAGUEは始まったばかりで今回の契約方式がこのまま続いていくとは考えにくい。
プロ野球契約更改の様にオフシーズンでもブースター、ファンの興味を持続させられるルール作りを切に希望すると同時に2016-17シーズン契約ルールの理解の手助けになれれば幸いだ。
(文=定山 敬)