【プレミアム限定】滋賀vs京都 プレーオフ滋京ダービーを制したのは京都(5月5日)

5月5日(日) 野洲市総合体育館で行われたウェスタンカンファレンス プレーオフファーストラウンド第2戦 滋賀レイクスターズvs京都ハンナリーズの試合は、京都が滋賀に2連勝してセミファイナルへの切符を掴んだ。滋賀は主力の怪我が響き2連戦とも力を発揮できずに終わった。京都のセミファイナルの相手は昨年優勝チームの沖縄。沖縄とは昨年のファイナルズ準決勝で敗戦。今シーズン、レギュラーシーズンは沖縄に対して勝ち星なし。京都としては第1戦を取って勢いに乗りたいところ。

試合後インタビュー
京都:浜口炎HC、瀬戸山京介選手
滋賀:アラン・ウェストオーバーHC、ウェイン・アーノルド選手、藤原隆充選手
(文・写真/金澤朱志)

滋賀

アラン・ウェストオーバーHC
このファーストラウンド2連敗してがっかりしています。ファーストラウンドに勝って次に進めると自信を持っていましたけど、シーズンの最後にひっくり返されてしまいました。京都とは全部で9回戦って5回勝ってる。そして最後の最後でふたつ負けてしまったということで非常に残念ですが、京都は非常によくやったと讃えたいと思います。これからまだバスケット人生は続きますので前を向いていきたいと思います。

―今日の敗因は?
自分たちはベストな状態でのバスケットが出来なかった。オープンショットは打てていたが外してしまった。レイ(ニクソン)をこのシリーズで使ったのはミスだったかもしれません。というのは怪我で8週間離脱してわずかな時間しか練習できなかった。彼のベストではなかったと思います。

京都は良いプレーをしたと思います。バスケットにアタックできていましたしクザン選手のゴール下での存在が大きかったと思います。

―シーズンを振り返って。
プレーオフに進むことが出来ましたのでそれに関しては良かったと思います。ウェスタンは強豪揃いで苦しいシーズンだったと思います。接戦をいくつか落としてしまって、そこのところはがっかりしています。ただ京都、浜松、大阪、高松と競争しましたが彼らよりも上に行けたのは良かったと思います。大阪、高松は良いチームでしたがプレーオフに進めなかったというところと、32勝できたのは良かったと思います。

小川伸也を怪我で失ってシーズン後半は出れなかったんですけど、チーム全体で怪我に苦しんでフルメンバーで戦えたことがなかったと思います。外国人選手が2人、3人の状況で戦うこともありました。トレーナーには無理を言いましたけど、良い仕事をして選手を何とか良い状態にしてくれました。本当に怪我に苦しんだシーズンだったと思います。

―昨日、藤原選手が怪我しましたが今日は先発で起用。どういう意図がありましたか?
ワラがプレーできるとは思ってませんでした。試合開始20分前まで満足に動けない状態でした。チームドクターに診てもらって、自分で頑張る意思を見せたので使ったんですけども、彼もレイ・ニクソンも怪我で痛いんですけども何とか頑張るという意思を見せて、自分を犠牲にしてまでチームを優先してくれた。2人とも明日痛みで苦しむんじゃないかと心配しています。

―コーチにとって選手達はどういう存在でしたか?
本当に感謝しています。練習かハードにしてくれてゲームでもハードにやってくれました。何よりもチームを優先してやってくれた。仲が良くて一緒にいて楽しいグループでした。だからこそ負けてしまって本当に悔しいです。このチームをコーチ出来たことは楽しかったですし誇りに思ってます。

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ウェイン・アーノルド選手
京都はアグレッシブにプレーしていたと思います。特にトランジションでアグレッシブでした。91番(片岡大晴)と8番(村上直)が非常に良いディフェンスでうちのガードが苦しめられたし、ビッグマンにもプレッシャーをかけてきた。京都はタフなチームだと思いますし、自分たちが必要な時にシュートを決められなかった一方で、京都はそれが出来た。それが違いだったと思います。

―相手のチームのプレッシャーがきつい中で、どういうプレーを心がけたましたか?
個人的にはプレッシャーに対しては何とか出来ると思ってますので、個人でいえばそこまで問題じゃなかったです。他の選手は苦しんでいたと思います。

チームとしてプレッシャーを感じていたと思いますがベテラン選手は感じてなかったと思います。若い選手はなかなか難しかったと感じます。そういう雰囲気が出ただけで相手はそこを潰しにかかってきます。

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藤原隆充選手
噛み合わなかったというのが正直な感想です。チグハグな部分を感じました。それがオフェンスに出たりディフェンスに出たりしたと思います。

―噛み合わない部分について連携の部分なのかナーバスになってしまったからなのか。
ナーバスというよりはやっぱり気持ちの強い部分があって、いつもの悪い時の一人でやってしまうところ。あの辺がチームとして戦ってきたシーズンだったのに個でいってしまった。負けようと思ってやってるわけじゃなくて、何が何でも勝つぞという思いの中でやっていたと思うので、特に責めることでもネガティブなことでもないです。結果を受け入れて個々がしっかりと成長出来ればと思います。

―怪我の状況は?プレーに影響はありましたか?
今日は安静にして来週の沖縄(に備える)と思っていたんですけど、昨日の試合が終わった後に自分の中で考えてどうすることが一番自分らしいのかを考えて、試合に出て少しでもチームのプラスになれるように、コーチがやりたいバスケットを表現するために必要なパーツであれば、しっかりと準備してやりたいと思っていました。麻酔を打ちましたけど足が折れようとも、両親が頑丈な身体を産んでくれてると思うので、九州男児っぽく「ここでやらなきゃいつやるんだ」と。

―チーム全体で怪我が多かったですけど、この2試合万全の状態でやれたらなと思いますか?
どうしても怪我はつきものなので、そういった中で他の健康な選手がどうステップアップしていくかが、逆にチャンスだったと思います。それが個々の選手につながればいいですし、それがチームのプラスになれば今年の苦しいシーズンが無駄じゃなかったんだなと思うようになると思う。怪我ゼロでやるのは難しいので怪我とどう付き合っていくか。

ただやっぱりもう少し時間があればなとは正直思いました。

―ベテランにさしかかってる藤原選手が、同じガードとして若い横江選手に対して何かアドバイスはありますか?
ルーキーなので特に多くを言うよりは彼自身の個性と感性を伸ばしたほうがチームにとってプラスだと思うので、こういうシチュエーションはこうしなさいという答えを導くんじゃなくて、まず自分の感性を信じてそれをチームに還元していきなさいということしか伝えていません。

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京都

浜口炎HC
2試合ともしっかりチームとして戦えたと思う。うちのチームは(岡田)優がFAで加入したんですけど、チーム全体として彼のために勝ちたいという気持ちでした。わたし自身もそう思っていたので嬉しく思います。

―今日の勝敗をわけたポイントは?
よく我慢してチームとして戦えたという印象です。我慢というのは連続スリーが来たりビッグショットを決められても、クリアマインドしながら普通にプレー出来ました。その辺が成長したかなと思います。

―この2試合はヘッドコーチが理想としている戦い方が出来たと思いますが、ここに来ての手応えは?
レギュラーシーズン苦しんできたチームでしたけど、開幕8連敗後は数字上はだいぶステップアップしてきました。チームとして何とかしようとする選手が多いのでプレーオフに入って経験のある選手が多いですし、その分しっかり2つ勝てたと思います。

―セミファイナルに向けての意気込みは?
僕達がプレーオフに入る前に、まず滋賀とあたるので優のためにも勝って、アウェイの沖縄に乗り込んでデイビッドのためにも勝とうとチームで話してますので、チャンピオンチームですがチャレンジしたいと思います。

―沖縄戦のポイントは?
トランジションだと思います。沖縄はアップテンポのチームですので今日みたいなコントロールバスケットじゃないといけない。並里という良いポイントガードがいますので。そこがポイントだと思います。

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瀬戸山京介選手
素直に嬉しいです。おととしのリベンジという意味でも嬉しいですし、レギュラーシーズン浮き沈みの激しいチームでしたが、こういうふうに2戦ともチームとして戦ってたなと実感できて、それが結果にも繋がって本当に嬉しいです。

―2戦ともアグレッシブに出来ていましたが、どう見てましたか?
滋賀も気合いが入ってるはずですし僕らはアウェイに乗り込んできているので、そういった意味でもプレッシャーをかけてディフェンスしたりオフェンスでもアグレッシブにできていたと思います。

―2戦ともそういう評価ですか?つらぬくことが出来たと。
みんなメンタル的にもすごく充実してる表情でしたし、しっかり戦うことが出来たと思います。

―また沖縄と対戦ということになりましたが、今どんな気持ちですか?
今シーズン一度も勝ってないんですよね。デイビッドのためにももう一回チーム一丸となって戦いたいです。今週はみんな優のために戦ったし、彼のために2連勝出来てよかった。また来週はデイビッドのために戦って良い勢いをつけて有明に行きたいと思います。

―かなりトランジションの速いチームですが、どういう対策で臨みますか?
そこも大事ですし、うちはディフェンスをしっかりするチームで戦ってきたんで、まずはディフェンスをしっかりやりたい。(沖縄は)トランジション速いですけど、うちも若くて勢いのある選手が多いので、しっかり戦えば結果はついてくると思うので、気持ちで負けないようにしたい。

―岡田選手、パルマー選手のためにというのは?
ブースター感謝祭の時にミーティングで炎さんから話があって、京都に来た選手がうちに来てよかったと思えるようなシーズンにして欲しいと。優のために戦うし来週はデイビッドのために戦う。岩手は負けましたけど、岩手と対戦することになっていれば隼人のために戦うし。来てよかったと思えるシーズンにしたいという話があって、それをみんなが共有して実現しようとやっているところです。