【プレミアム限定】兵庫ストークス、創設2年目でJBL2西地区優勝(3月16日)

2013年3月16日(土) グリーンアリーナ神戸で開催された兵庫ストークスvsデイトリックつくばの試合は、兵庫が73-65でデイトリックをくだし西地区の優勝を決めた。この日のMVPには谷直樹選手が獲得。試合序盤から活躍し27点5リバウンド1スティールを記録。チームがゾーンオフェンスに苦しんだ中でビリーとともに外角からシュートを決めてチームを救った。


(写真/文=金澤 朱志)

スコアボード

3月16日(土)13:00

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
兵庫ストークス 16 21 14 22 73
デイトリックつくば 17 10 21 17 65

【スタート】
兵庫ストークス:#3松崎 賢人、#9谷 直樹、#10マイケル・リファーズ、#13道原 紀晃、#31松山 晃士
デイトリックつくば:#1浅野 崇史、#7佐々木 瑛、#20河相 智志、#31木村 蓮、#55ラマー・サンダース

試合後コメント


BTテーブスHC
―JBL2西地区優勝、今の感想は?
さっき(試合後のインタビュー)も言いましたけど、なんとなく勝ちました。半分は良く出来て半分は良くなかった。うちのゾーンオフェンスは3つあるんです。作戦よりも選手の攻め方が急に遠慮し始めて、外だけのボール回しが増えた。そこからどんなオフェンスを使っても良くなかった。最後にダブルハイスクリーンしてからそこからオフェンスのリズムが戻ってきた。(選手が遠慮し始める)その前はとってもストークスらしいバスケが出来た。今、一番大事なことは勝つこと。来季からちゃんと育てることを考えますけど、今は結果。今日は結果が出てすごく嬉しいです。

―その結果が求められた試合だったと思いますけど、その中でゲームの入り方は選手達にどう伝えましたか?
時々相手によってだらしないプレーが多かった。今日は開始から第2Qの中盤ぐらいまでしっかり良いプレッシャーディフェンスをしてそこから速攻が生まれた。そこがすごく良かった。

―またプレーオフであたるデイトリックとの試合ということで戦いにくさはありますか?
まずはマイク(マイケル・リファーズ)の怪我。もし出られなかったらいろいろ変えないといけない。彼はうちのリバウンダーです。最後のほうはビリー(ウィリアム・ナイト)がラマー・サンダースにマークしたけど難しかった。すぐファール溜まったでしょ。サイズも違ったから。マイクの状態によってゲームプランを考えないといけない可能性があります。

―リファーズがいなくなった場合のことは今考えてますか?
今シーズン、マイクはずっと元気でした。でもバスケは誰かが怪我したら誰かがステップアップしないといけない。他の選手にチャンスがあります。そのチャンスを掴んでほしい。今シーズンのスローガンは「ステップアップ」。今、ステップアップが大事です。今日は中西(良太)が頑張ったと思います。最初にインサイドで点を取って最後のほうは一生懸命リバウンドした。

―最終Qに入る時にリードは3点でしたが、最終Qの時の戦い方は?
ハーフタイムの(ロッカールームでの)僕のスピーチは、このリードは関係ない、このリードはすぐなくなると思う。向こうは上手いから。点数よりどういう攻め方をしてるか、どういうプレッシャーディフェンスをするか。このゲーム、最初はシーソーゲームになると思ってたんですよ。最大13点リードをした時もそういう話をしました。で、実際に逆転されたけど誰もびっくりしてない(笑)

あのゾーンディフェンスがそんなに上手いとは思わないけど、うちの攻め方が悪かった。今シーズン、何度もゾーンディフェンスにやられたけど選手はほとんどマンツーマンオフェンスを練習しました。ビデオを見てもデイトリックはあまりゾーンディフェンスを使わないチームです。だから(プレーオフでも)向こうが使うかもしれない。いきなりゾーンディフェンスをやったら、うちが上手く対応出来なかったから、それを続けたと思います。うちの選手達には精神的に切り替えして欲しかった。タイムアウトを取ってゾーンオフェンスのやり方を繰り返したけど、そういう問題じゃない。こういう時でも選手達はいつものレベルでアグレッシブに攻めてほしい。

―来週のプレーオフに向けて出し惜しみした部分はありますか?
ありますよ。プレーコールはたくさん使いませんでした。でも向こうはゾーンディフェンス使うでしょう(笑) だから今週はもうちょっと練習します。

―谷選手含めてこれだけアウトサイドのシュートが入らなかったら、もっと厳しい戦いになったのでは?
例えば向こうの7番が25点取りました。今シーズンのハイかもしれない。この選手が25点取ってなかったらうちは余裕で勝ってました。逆にうちのゲームプランは20番の河相(智志)とサンダースをいつものアベレージより抑えること。そうすることで勝つ可能性が高くなる。うちがそれをちゃんと出来た。河相とサンダース合わせて22点だけ。

向こうの7番が今日の谷(直樹)みたいに素晴らしいゲームをした。けれど足りなかった。谷の場合も27点はどう見ても爆発という感じ。でもいつものように道原(紀晃)に12点取ってもらって、ビリーがビリーらしくて21点。

松崎賢人はオフェンスのスランプがあるのでそれが大きかった。また来週同じプレーを繰り返したら勝つことは無理だと思うんです。デイトリックはアウトサイドが結構上手い選手のスタメンが今日一人来なかった。だから賢人がステップアップしないと。

しかも(今日出なかった)77番がいないのにプレータイムがあまりなかった31番が賢人のマッチアップ。それでもこの数字(9点3リバウンド)が出た。本人もそれはわかってると思います。

―今年、西地区という厳しい地区での優勝は、チーム全体でどこが成長したと思いますか?
今日みたいに途中で流れが変わったら、去年のチームだとそこでお終い。今年のチームはなんとなくガッツで(笑)、いろんな選手がちょっとずつ手伝って結果が出た。去年のチームなら絶対無理だった。今シーズンのうちは同じパターンがあったと思います。前半は良かったけど後半はダメ。でもうちが勝った。勝つことが多かったです。周りはうちが強いチームと思われて、こういうことがあってがっかりな気持ちを感じてます。このチームはほんま若い。

―明日からの1週間はどんな準備をしますか?
まずはマイクの状態がわかってから。もし使えなかったらいっぱい変えないといけないですよ、オフェンスもディフェンスも。特にディフェンス。中西とビリーがサンダースとマッチアップすることになるから、どうやってディフェンスするか。今は考えたくないけど(笑) でもマイクがOKだったらオフェンスの部分を練習します。

―ゾーンディフェンスを使うことも考えますか?
今日も途中から使おうかなと考えました。(マンツーマンディフェンスの)プライドがあるから(笑) 森先生と話したんですけど、ゾーンディフェンスで一番怖いことは向こうの河相くんが外から爆発すること。急にゲームの流れが変わってしまう。なので我慢しました。

―ルーキーの道原君がどういうところが良いのか、そして課題はどこか?
まだわからないですけどリーグのルーキー・オブ・ザ・イヤーじゃないでしょうか。欠点が無い選手。体重は時間の問題。オフェンスリバウンドもいっぱい取ってくれるし、2P・3P・FTの確率は今シーズンずっとコンスタント。試合にずっと出しっぱなしでスタミナの調整でベンチに下げる。体重が足りないから時々ポストアップされてやられるけど、それ以外はあまりウィークポイントが無いです。来年を楽しみにしてます。トレーニングは今一生懸命やってます。

―来季のことは未定でしょうけどNBLができます。コーチはどのような方向にむかいますか?
まだ契約書が出来てないから来年の話はしません。でも、もし来年も(コーチが)出来たら外国人選手二人と経験のある日本人選手、スコアラーを入れたらこのチームはだいぶ変わります。残りのストークスの選手達をいろいろ育てて・・・時間がかかります。

―来週の日曜日に勝つことで大事なことなんでしょう?
大事なことはマイクのリハビリ(笑) と、オフェンス。でもゾーンオフェンスの心配はあまり無いです。初めてストークスのゾーンオフェンスを見たら「やばいなぁ」って思う人もいるけど、もっと精神的に積極的に攻める気持ちがあれば、あんなことにはならないです。

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谷直樹選手
今日勝てたことと地区優勝したことが良かったです。

―27点という結果に対してはどういう感想をお持ちですか?
出来すぎかなという感じです。久々に20点以上取れたんでチームの勝利に貢献出来てよかったです。

―どの辺から今日行けると感じましたか?
シュートの調子自体は悪くないと思っていたので、あとはメンタル面かなってコーチとも話してました。今日は勝ちたかったし、これだけ多くの皆さんに集まって頂いたんで恥ずかしいプレー出来ないなっていう強い気持ちで臨めたので、それが良いふうに繋がったと思います。

―波に乗れなかった時期で一番苦しかったことは?
試合に出て自分的には気持ち良くシュートを打ってるつもりでも決まらなかったり、それでコーチに練習中に怒られたりもしました。辛い時期が今年に入ってから長かったですけど、腐らずやるのが一番かなって。チームメイトのビリーとかにもシュートを打ち続けろと言われたので、そういう仲間がいて良かったです。

―打ち続けることによって復調のきっかけは掴めたのですか?
試合でも徐々に入るようになってきてました。今日は相手がゾーンをしてきたこともあって、外からのシュートが入らないと攻略できないってこともあったので強気で打てたのが良かったです。

―前回デイトリックとやった時と今回のイメージは違いましたか?
デイトリックが良い試合はサンダースと20番の河相さんを止められなかったらデイトリックの流れになると思っていたので、松山(晃士)さんやマイク、ビリーがサンダースと河相を抑えたので予定通りの展開という感じでした。

―火曜日の練習で怪我をして何針縫いましたか?
10針ぐらいですかね。

―怪我の影響はなかったですか?
正直怪我して次の日の練習を休んで、木曜日の練習は出ましたけど、対人の練習が少なかったので当たったら痛いかなという恐怖はありました。けど、試合が始まったら(恐怖は)無かったです。

―去年のチームと今年地区優勝したチーム、谷選手の中で成長したところと去年との違いは?
選手層の違いと誰かが悪い日は誰かが良いし、あいつを止めたら勝てると思われるようなチームじゃないのでそこが強みです。マイクと中西が入ったことでリバウンドが強くなったので、そこが大きかったです。

―そういう意味でチームメイト間の競争は去年より変わりましたか?
スタメン争い、試合に出る出ないは練習中からシビアに激しくやりあってます。

―一番意識したライバルは?
去年からずっと高松英二とか道原も入ってきて2番ポジションに厚みが出たので。藤原(岳志)さんもベテランらしく落ち着いたプレーするんで、みんなライバルでみんなに負けたくないって気持ちでやってます。

―来週またデイトリックと試合ですがどういう戦い方を意識しますか?
ゾーンに対してどう攻めるかっていうのをもう一度確認することと、相手も対策してくるのでこっちもしっかり準備して。ここまで来たら勢いがすごく大事だと思うのでそれを失わないように練習したいです。

―優勝のイメージは湧いてきてますか?
そのつもりしかないです。プレーオフも変わらずチームカラーの「ディフェンスで守って走る」っていうのを出来たらと思います。