【プレミアム限定】秋田:中村HC 富樫、田口 千葉:冨山HCインタビュー(2月23日)

2月23日(土)浦安市運動公園体育館で行われた千葉ジェッツ対秋田ノーザンハピネッツの試合後インタビュー。秋田は中村和雄HC、富樫勇樹、田口成浩選手。千葉は冨山晋司HC。
(定山 敬)

千葉ジェッツ

冨山晋司HC

-今日の試合を振り返って
勝ちたい試合でしたが、最後に勝ちきることが出来なくて残念です。選手は最後まで戦う姿勢をみせて、追い付くことまでは出来たので、明日は自信を持って戦えると思います。

-前半点差を広げられましたが、悪い点は何処に
個人の準備の仕方が悪かった。そこに尽きると思います。

-準備というのを、もう少し具体的に
気持ちの部分、戦術的な部分、そういった部分全部ですね。秋田の方がうちよりもしっかり準備してきていたかなと思います。コンディショニング、戦術、メンタル含めて準備不足でした。

-ハーフタイムでの指示は
前半はピックアンドロールでやられていたので、ピックアンドロールの部分は少し改善されましたが、あとはコーチの準備不足でしたね。コーチの失敗を選手たちがハッスルして尻拭いしてくれた感じです。明日は(コーチを含め)全員で勝ちたいと思います。

-試合を決める3Pシュートを含め、相手3Pシュートへの対策は
確立自体が30%くらい(29.4%)に抑えています。本数を多く打つことは分かっていましたが、反対に試合序盤アウトサイドを警戒しすぎて、インサイドで得点を決められたことですね。如何に確立の悪いシュートを打たせるかがカギになると思います。

-今後の順位が気になるが、残りの試合で4位以内に入るには
そうですね。1試合1試合が全て大切な試合になるので、直近で5位と6位が試合する事や西のチームと試合する事で、特別気持ちの部分でコントロールする事もありませんので、1試合1試合が大事です。今日の試合も大事ですし、明日の試合も大事ですし、来週も変わらないですね。
今日来たブースターでけでなく、これから来てくれる人にとっては、その来た試合が重要になるので1ゲーム1ゲームを全力でプレイする姿を見てもらいたいと思います。

-マーキス・グレイ選手の怪我の具合
今はリハビリを兼ねて練習中です。できるだけ早く戻って来られるよう努力しています。今日は試合には出場していませんが、ベンチで声を出してくれていました。

※ここから単独インタビュー
-外国人選手が一人怪我でチーム編成が難しい
確かに一人出場出来ない状態だったですけど、こと1試合という事に関しては影響はないですね。これで5試合6試合勝てないということになれば、外国人選手3人の疲労の問題とかも出てきますが、今日負けたことは直背的に関係無いと思います。

-11月の対戦から秋田の印象は変わった?
全然違うチームですね。プレイスタイルも変わったと思います。今日の試合でもディフェンスがマンツーマンでくるというのはこちらも3割くらいしか想定していませんでした。先週の仙台戦もマンツーマンとゾーンディフェンスをやっていたので、どちらもあるとは思っていましたが、こちらが(ゾーンでくると)想定し過ぎた部分もありますね。
決め過ぎないで、選手たちの気持ちをフラットに準備させることが出来なかったコーチの責任だと思います。

-前半、日本人選手たちのシュートが決まらなかった
結果的には3点差なので、あのシュート、そのシュートと挙げていくと霧がありませんけど、佐藤、板倉、田中らは試合後もコート使える時間いっぱいまでシュート練習しているメンバーなので、(自分を)信じてシュートを打っていって欲しいと思います。

-この中から一人ステップアップして欲しい選手は
それは全員です。佐藤、田中、板倉、石田、一色、中村、狩俣、全員ですよ。みんな良い物を持っていますから。私自身がステップアップしていかないと。

********************

秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

-今日の試合を振り返って
崖っぷちにきていた。どん底の状態だった。その前の仙台戦からマンツーマンでちょっとやってみようと。あまりにもディフェンスリバウンドが取れないので。ディフェンスリバウンドが取れないディフェンスはディフェンスではないから。今日はプライドも持って戦おうとしていた。自分のマークマンに対してプライドを持ちながらバスケットしていたことは良い材料かなと思いました。
ただちょっとどうだろうかな。正直、点差が(前半で19点差)離れたので、ベンチのメンバーにもチャンスを与えてやろうと、私自身に色気が出てしまった。色んなケースを考えてチャンスを与えてやろうと。
(その事でクロスゲームになってしまったことは)選手に対して済まなかったなと思っています。ハリスとマーシャルの二人がポイントの軸なので、二人には軸として自覚を持てと言い続けてきました。それから日本人選手の田口、菊地。菊地は怪我をしているけど、あの(3ポイント)シュートの(確立)が戻って来ない。(田口選手は)キャリアも浅いので緊張する。どつぼにはまっていて、底なしにズルズル向かってしまっている。試合で緊張しない為に、色々な事を試してみているし、肩も揉んでやりました。『頼むぞ!緊張するな、緊張するな』と。固くなったいるのが見ていて分かりますよね。二人の3Pシュートが戻ってくるともう少し展開が楽になるかなと思いました。負けが込んできていて、大変なのですが、選手たちのプライドを尊重して一戦一戦たたかっていきたいと思います。
千葉のチャンドラー選手には力があることは十分わかっているつもりです。良い状態にあることは分かっていましたし、彼とワーナー選手については相当注意したのですが、それでも(勝負どころで決めてくるのは)中々でしたね。追い上げてきていた時のベル選手の3Pシュートもなかなかでしたね。

-ブースターの熱い想いは伝わっているか
イヤというほど伝わっています。

-試合前に選手たちにどんな言葉をかけたのか
人間は土壇場になった時にそこで進化できるかどうかで、自分たちの人格が決まるのだと。のほほんと生きている人はのほほんとしているだけだから。今は逆にチャンスだと思います。100人中99人が敵になって、『ざまあみろ』と言ってきても一人だけでも応援してくれる人が居るのであれば、その一人の為に頑張りなさいと。
今、君たちを支えてくれる人たちが真の友だちだと思いなさいと言いました。こういう時に人間関係が出来ると毎日説教じみた感じで言っています。

千葉のチャンドラー、ワーナーに対するケント、ブラウン選手のマッチアップについては
(試合)途中までは上手くいっていたと思います。非常に良く守っていたかなと思います。ワーナーはチームに合わせてプレイしますし、チャンドラーは、彼にチームが合わせてくる全く異質な選手で、怖さがあります。アンダーソンもブラウンも(残り1秒の)最後のプレイで自分がチャンドラーにマッチアップするともめたくらいにプライド持ってプレイしてくれたことは良いことだったと思います。

-新加入のマイク・アンダーソン選手が積極的にインサイドを攻めていたことについて
シュート決めてくれていれば…。まだ来日してから3試合目くらい。今日の試合で初めてちょっと使えそうかなという感じが見えたかな。兎に角(性格が)明るい。ゲームでもあれやりたい、これやりたいと言うので、うるさいって言ってやった。最後に決めるのは私だが言いたいことあったら、『どうぞ』』と。その(彼の)明るさを活かしたい。

-ケント選手の負担が減りそうか
どちらかと言うと、(アンダーソンは)4番の選手。5番をやりながらも運動能力があるので、今の状態でプレイしてくれれば良いかな。

-富樫選手のプレイについて
今、彼は悩んでいると思いますね。ストレスから身体中にアレルギーが出ている。(彼の血液型が)AB型だし、どうでも良いやという考え方を持っているタイプだと思っていたけど、やはり19歳。中学以来はじめてこういう(プレイメイクも攻撃も積極的に参加する)ゲームをやっているわけですよね。アメリカでは全くシュートに行かないチームだったので、今は私が『シュートに行け、シュートに行け』と言っているから、相当悩んでいるかな。あまり怒られることが無かったから、あの子の為にと思って、今は「ガツンと」やりたいなと思っています。

-第3Qで追い上げられる時に高い位置からパスミスがあったが、新加入選手の影響か
そうだな。あるかな。富樫だと思うなぁ。あそこで富樫がどう処理するかが彼の役割だと思いますよね。今日は(0点)屈辱的で、『ざまあみろ(笑)』と思いますが、(富樫選手の事は)あたたかく育てて行きたいと思いますね。

-改めて富樫選手の評価。これからに期待する部分は
相当良いですよ。彼のやっているバスケット、周りの選手と相手ディフェンスの選手との慣れがまだしっくりいっていないかな。色々な事がこれから起きるでしょうけど。今はあまりにも忙しいね。スポンサーや秋田の様々な人が彼に興味を持っているから。毎日忙しい。でも、それは彼がスター選手だから仕方がない。プレイではシュート決めること。中学校までは(シュートが)入っていたのだから。高校三年間で入らなくなって帰ってきた。シュートフォームも変えさせられた。アメリカのコーチ(コーチング)が全て良いわけではないね。中学まで入っていたのだから。(ボールリリースが)斜めから出てくる。もう少し真ん中から出てくればね。だから今は(シュートフォームを)修正しています。彼がシュートが決まればもっと良い状態でプレイ出来ると思いますよ。

-逆転のシュートを決めたハリス選手には何か声をかけますか
ああ、その前に1回チョンボしてるから。無理して攻めに行く事なかったな。3人4人に囲まれたら無理せずパスしてくれれば。そのプレイもハリス。今まではボール持ちすぎるのを嫌ったけど、今週は好きにプレイして良いと言った。彼はもっとそんな感じで使っていきたいかな。ボールを持って1対5になっても構わないと言ってます。ボーっとしてるから決められるんでしょう。あまり気にしないタイプだから。

********************

富樫勇樹選手

-今日の試合を振り返って
前半は良い形でプレイ出来ていました。点差も20点近く開いて第3Qまでは良い感じでプレイ出来ていましたが、集中力が切れたのかわかりませんけど、いつもように第4Qで詰められるという試合をしてしまって…。勝てたことは良かったのですが、課題の残り試合でしたね。

-個人のプレイについては
個人的には課題だらけでしたね。アウトサイドシュート決められないと、ドライブで引きつけてパスも出来ないですし、得点しなければ相手ディフェンスも怖くないと思うので、試合終わってからもシューティングしてました。パスからではなくシュートに行く感じでドリブルやスクリーンが使っていければなと思います。

-今の体調は
全然大丈夫です。正直疲れもありますが、ブースターの方々も沢山来てくれるので、集中して毎試合全力でプレイしなければいけないと思います。

-疲れはない
そうですね。今日は少しありますけど、試合時間が早かったので、しっかりケアして明日の試合に挑みたいです。

-試合中にお腹のあたりを擦(さす)ってましたが
相手のコンタクトが凄く、試合中にエルボー(肘)が入ってくるので。接触は仕方ないですけど。

-(フィジカルな部分で)アメリカの高校とbjリーグは違う
そうですね。プロは『重い』という感じがしますね。チャンドラー選手にスクリーンに行く時でも重いなと感じました。

-サイズも問題からミスマッチになり易いと思いが、今後どう解消していくか
脚(脚力)がまだ戻ってきていないです。10ヶ月近く試合していなかったので、ディフェンス面でまだ足がついていかないという部分があります。スクリーンの対応であったり。5対5の試合形式の練習をを殆どやらないまま(bjリーグの公式)試合に出ているので、その部分(脚力)が戻ってくれば、もう少し活躍できるかなと思っています。

-何%くらい戻ってきていますか
何パーセントとかは判らないですけど、オフェンスに関しては少し戻ってきています。ディフェンスに関しては、正直スクリーンがあると自分の位置がどこにあるのか判らない状態です。しっかり修正してやっていきたいと思います。

-パスに行くのか、シュートに行くのかその見極めやチームとのコミュニケーションは出来ているか
今は新しいプレイ(フォーメーション)に入って来ているので、チームの皆で言い合いながらやっています。もう少し時間がかかりますが、もうこれからは負けられないですし、そんな事も言っていられないので、勝つことに集中していきたいと思います。

-チームに合流したのはいつ頃から
1月15日、16日の横浜の遠征が終わった後です。その時もスタメンの相手として練習していました。ケントやブラウン選手とプレイするのは試合に入ってからでした。

-この2,3試合を通して手応えを感じる部分は
シュートの確立も正直今は良くないです。アシストが多く出せている時間帯はチームでも良い攻撃が出来ていると思うので、走ること、ファーストブレイクを出すことが自分の役割だと思います。もっとチームを(速攻に)走らせたいですね。

-コーチからが得点することは求められているが、自分の中では何を求めているか
コーチからは得点、シュートを狙いなさいと言われ続けてきて、アメリカに居た時はアシストがメインだったので、日本でプレイする時もドライブする時に見方の位置を探しながらアシスト出来るようにドライブしていました。その部分(シュート狙う)はまだ難しいですけど、もっと練習して確立を上げていきたいと思います。

-それ(シュートへの積極性)は11ヶ月ほどのブランクが理由か
それよりも高校の3年間が大きいと思います。高校3年間でスクリーン使ってシュート打つ事なんて1回も無かったですけど、しっかりアジャストしていきたいと思います。

********************

田口成浩選手
-今日の試合を振り返って
出だし良くスタート出来て20点差近くつきましたが、最後に接戦になるということは、気の緩みだと思います。勝ちは勝ちですけど、チームとして明日はもっと集中していけば、今日よりももっと良い勝ち方が出来ると思います。
個人的にもまだ確立の良くないシュートを打っているので、もっと確立を上げて行きたいと思っています。

コンディションは?
コンディションは大丈夫ですけど、シュートの確立を見るとやはり悪いので、まだ精神的に弱い部分があるのかなと思っています。

-コーチも同じ事を言っていました。
毎回同じ結果ですし、それでは変わらないので、どこかでキッカケを掴んでリズムに乗ることが出来ればと主言っています。我慢して我慢して練習し続けたいと思います。諦めずに前を見て続けていくだけです。