【プレミアム限定】秋田vs東京 東京:青木HC 秋田:中村HC、菊地選手、カミングス選手、ケント選手 インタビュー(11月3日)

11月3日(土) 秋田県立体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―東京サンレーヴスの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、菊地勇樹選手、ティ・ジェイ・カミングス選手、アンソニー・ケント選手。東京:青木幹典HC。
(文・写真/宮川 紀元)

東京サンレーヴス

青木幹典 HC

―今日の試合の総括
まず今日に関しては、うちが一番課題のターンオーバーを減らすことができませんでした。特に第2Qと第3Qの出だしにターンオーバーが集中して、そこを効率よく秋田さんに決められてしまった、というところの点差だと思います。明日はそこを修正すれば、絶対試合は成立すると思うので、少ないメンバーですけどしっかり勝ちにいきたいと思います。

―青木選手は、明日は出られますか?
あのー、わかりません。

―秋田のディナイディフェンスに対しては、やりづらかったところはありますか?
やりづらいというよりは…まあハードにやってきてはいると思いますけども。うちがサイズで有利だというところで、そこだけをうちのボールマンがパスしますよーしますよー、1,2の3でパスするから、そりゃあミスになる。そこだけだと思います。なのでもう少しボールマンがしっかり、バスケットにアタックすればいい結果は出てくるんじゃないかなと思います。

―序盤は秋田に3ポイントを打たせていないイメージがあったのですが。
秋田は外角中心のチームだとスカウティングしてきましたので、今日は出だしから特に菊地選手、庄司選手、田口くんと、日本人のシューターには簡単にシュート打たせないように、練習をしてきました。そこはもう第1Qしっかりできたんですが、逆に第2Q自分たちからオフェンスから崩れていってしまって、結局そこから第1Qできていたディフェンスが粗末になってしまったということですね。

―インサイドのディフェンスに関してはどういった指示をしていましたか?
インサイドに関してはやっぱり…カミングス選手は、うまいですねやっぱり。しっかりうちもマッチアップしてるんですけど、あそこまで高確率にミドルレンジのショットを決められるとちょっと厄介ではあるんですけど、まあでも彼が50点60点取る選手というわけではないので。そこで取られたとしても、それよりも秋田の外角、3ポイントを明日はしっかり押さえていきたいと思います。

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秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

―今日の試合の総括
得点取るとか、今どうとかじゃなくて、5月(ポストシーズン)にどうするかが問題なんだ。このバスケットが5月にどれくらい発展していくか、要するにビジョンがなきゃダメ。で、選手にはまだそれがないじゃないですか。ちょっと点数取ればいいんじゃないか、とか。そういう問題じゃないってことを、(ロッカールームで)言ってきた。相当、怒ってきた。ホワイトボードに具体的に書いて、怒ってきた。相当怒った時は(ミーティングが)早く終わるんですよ。長引いてもしょうがないから。怒りを爆発させて帰ってきました。
もうちょっと明日は…やっぱり、甘いと思うんですよ。田口とか菊地というのは。(大切なのは)シーズン終わってから、入ったとか入らなかったなんですよ。あいつら今日はいれば、前のゲームでシュートが入れば、もしかして入るんじゃないかって錯覚するんですよ。無我夢中がほしいじゃないですか。田口も菊地も無我夢中でシーズン終えて、それで出た結果として初めて良かったという(判断基準の意識)がまだないんだ。菊地と田口には言ってるんだ。積み重ねていく時は苦労するんですよ。頑張って頑張って、何とか通用するようになって。でもそれがダメになる時は、一瞬なんだ。あっ、と気づいたらもう。そこからもう一回這い上がるのは大変なんだ。だから早く注射を打っておきたいと思うんだ。あの二人には、相当期待があるだけに。はやく注射を打って甦らせて、その後落ち込むことがないように。(せめて)最低のラインをね。今日菊地は3ポイント0/5だからね。くだらないファウルやって、それで何にもしないで0/5ってのはあり得ないわけだ。だから、ああいうことがないように、と思いますよね。

―しきりに「前に出ろと言ってるだろ」と叫んでいましたが、ディナイディフェンスについての指示ですか?
そう、ポストの前。例えばティージェイとかはヨーイ、ドンで一回も(前に)出ないわけですよ。結局みんな後ろで守ってるんですよ。で、後ろで守ったら16番(ジョナサン・ジョーンズ)にやられる、ってのは再三注意してるわけです。相当に力のある選手だから、16番は。だからあそこの1対1は強力。経歴見たってそうですよ。高い金もらってずっといろんなチームを歩いてたわけですよ。だから、あの身長であれにはつけないから前で守れと言ったけど、もう全くティージェイは前で守らない。後ろで、後ろで守ってた。だから逆からいうとティージェイを引っ込めてケントを出して、ジョーダンを出すと、ジョーダンも何回もアホやったけどでもまあ、前へ前へと立つからうまくいく。もう明らかにわかるんです。だからここらへんが難しい。ティージェイが出ると、ディフェンスが弱くなる。その代わりオフェンスの力はある。しかし、チームとしては機能しないわけですよね。だからあそこが非常に難しいかな、って。
ハリスも最後まで、あれだけいい状態でゲームに入ったら、最後まで仕切らなきゃだめだろうと思うんですよね。これもちょっと、後半のハリスは計算外の感じがしますよ。
そうです、前です。前に立たないと、カズディフェンスは成立はしないんですよね。

―相手の2m10cmを超える外国人選手には、必ず秋田もビッグマンをつけるという形ですか?
そうでもないですよ。スイッチする時もある。その時も、ワンポイントたってすぐまたスイッチするような形であればいい。だから、たぶん今日あいつらは相手の2m16、2m11に対して、予想以上だったんだきっと。あの大きさが。それは計算内なんだけど、もうちょっとこう、ゴール下でこちょこちょした時のボールを取れるだろう、というのは僕から見ればいっぱいあったな。あそこでもうちょっと拾ってくれれば。それでも引っ掛かるんだ。ターンオーバー多くなるんだ。もう相当な数のターンオーバーを(東京は)出してる。もっと、もしかしたら取れたかもしれない。

―カミングスはオフェンス面では良かった点があったと思いますが、どうですか?
オフェンスっていうのはね、5人の中で誰かは取るんですよ。だから点数取ったどうこうっていうのは、(結局は)誰かがとるんだから。だから今日ティージェイが最初ちょっと取り出した時。やべーって思った。あー、きっともう他のことやらないなー、って。あの性格だから。案の定、そうなった。でも結果的には、ティージェイが引っ込んでた時の方がパンパンパンパンと得点が加算されていったんですよね。だからそれは、ティージェイ取らなきゃ誰かがとるんですよ。
ただ、守るのだけは4人頑張ってもひとりが頑張らないとそこでもうダメなんだ。守るのだけはダメですよね。これはだから、スポーツでは全部おんなじなんだ。8対7が、野球ではよく一番面白いっていうけど、ファンは。けどおれから見たら、1対0が一番面白いって感じなんだ。そういう緊迫したゲームがいい。1対0みたいなバスケットは、必ず秋田の目の肥えたファンは喜んでくれる。これは必ず、ディフェンスに対してだんだん(ファンの目が)慣れてくる。昨日、さきがけ新聞も見てたりしたんだけど、なかなかカズディフェンスを探ろうとしててね(笑)。NHK見てたら「こう、こう、こう。この場所はこうだ。」ってやってて(映像で解説してて)、おー、なかなかやるじゃんと思って見てた。だから、逆からいけばきっとブースターもそれをわかってくる。ディフェンスはだれが悪い、とか。そうなってくれば最高かな、って。誰が点を取る、じゃなくて。どうやって守ったか、っていう話題になってくれれば。なりそうな雰囲気はちょっとありますよね。

今日ケントがMVPを取ったけど、ケントはいままで何回もあったって言ってるんだ、おれは。おれたちのディフェンスはこういうのが形だから。でもこれは、ケントがいるからやれたんだ。やり始めた、やる気になったんだ。そういう意味ではブースターの人たちも、どうやって守ったか、っていう風になってくれれば面白いと思いますよね。
あとは菊地と田口が入れてりゃ、お客さん喜ぶんだから、勝手に。ねー。あの3ポイントバチバチバチバチ入れてりゃ、無条件で喜ぶんだ。だから、お願いだから菊地と田口はとりあえず入れてください、と思ってます。

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菊地勇樹選手

―相当スカウティングされてきてマークが厳しくなっていますが、今日もそれでタイミング良く打てなかったのでしょうか?
いや、でも本数は打ってると思うので、決めるだけだと思います。

―自分の中でも過去の4戦よりもマークがきつくなっているとは感じますか?
いや、特には。

―最近、試合の序盤でファウルがかさむケースが多いような気がしますが。
うーん、まあそうですね。少なくしたいです。

―アグレッシブにいってる結果なんですかね?
まあそれでもファウルをせずにディフェンスできるように、ちゃんと足を動かして、やっていかないといけないと思います。

―HCからだいぶ厳しいお言葉もありましたが。
当然だと思いますし、自分の仕事はもちろんディフェンスもなんですけど、シュートを決めるということなので。それを決められなかったので、当然のことだと思います。

―決められなかった一番の理由は何だと自分では感じていますか?
…練習不足ですかね。プレッシャーの激しさとか、そういうことではないです。

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ティ・ジェイ・カミングス選手
―序盤に得点を重ねましたが、自分として良かったと思う点はありますか?
まず、神様に感謝したいと思います。すべてのことは神様のご加護のおかげなので、まずそれに感謝したいと思います。
自分としてはまだ100%ではないんですけども、だいぶ近くなってきているとは感じます。今日の試合は、チームの勝利に得点で貢献できたかなと思います。

―精度も上がってきましたが、練習で気を付けたことはありますか?
まず練習では、ゲームに近いシチュエーションで集中してシュートを打っています。

―だいぶ不調からは脱却できてきているとみていいですかね?
このチームのシステムに馴染むのに時間がかかったのかな、と思います。大分では、システムというよりフリーな感じだったので、システムに順応するのに時間がかかりました。

―前のチームに比べて、やり易さややりにくさはあるのでしょうか?
まず、自分にはいつも神様が一緒にいてくれているので、どんなものでも乗り越えられると信じています。今回システムに順応するのに苦労はしていますが、これも自分へのチャレンジなので乗り越えられると信じています。

―HCが自身に求めていることは何だと思いますか?
まず、得点すること、リバウンドすることだと思っています。ただ求められることは変化していくと思いますので、その時はHCとコミュニケーションをとって確認していく必要があると感じています。でも、どこまでいってもバスケットボールなので、自分はその期待にこたえられると思っています。

―HCはもっと前で守れと指示していましたが、ディフェンスに関して今日はどうだったでしょうか?
自分としてはうまくできたと思っていますが、中村HCもインタビューで何か話したでしょうから、それについて自分が何かをいう必要はないかと思います。自分は、全力を常に尽くしています。常に良くなっていけるように頑張っているつもりです。結果、良くなってきていると思います。

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アンソニー・ケント選手
―インサイドのビッグマンを守る上で、今日一番工夫したことは何ですか?
相手の前に立つこと、ハイローに気をつけること、ディナイしてボールを入れさせないことです。

―ジョーンズ選手がボールをもつ前に潰そうということだったんですか?
カズディフェンスでまず重要なことは、ポストディフェンスで必ず前に立つことなんです。なのでどんな選手がポストにいたかというのはあまり重要ではないのですが、前に立てば中にボールは回らないし、そういったところは気をつけました。

―ディフェンスの要としてプレータイムが長くなっていますが、スタミナは大丈夫ですか?
練習でもトレーニングでもこういったことに対する用意はしているので、コーチがもっと長く使いたいと思えば、もっとプレーする準備はできています。

―秋田での暮らしについて
秋田の人たちやファンの皆さんはとても親切で、とても優しくしてくださいます。自分が初めての国、初めての環境に順応するために、とても助かっています。
特に不便は感じないです。

―今日はいつもよりもゴールに向かっていっていた気がしますが、意識していましたか?
今日は中村HCから「ボールを持ったらまずフェイスアップしてゴールを見て、ぺネトレーションをしろ」という指示があったので、今日も作戦通り、コーチの指示通りにプレーした結果がこうなったんだと思います。