10月20日(土) ニチイ学館体育館で開催された兵庫ストークスvs豊田通商ファイティングイーグルスの試合は、兵庫ストークスが豊田通商を3点差でくだしての勝利。対豊田通商戦としては創設以来初めての勝利をあげた。試合のMVPには16分の出場ながら15得点をあげたルーキーの#13道原紀晃選手が選ばれた。
(写真/文=金澤 朱志)
スコアボード
10月20日(土)18:00
– | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
兵庫ストークス | 21 | 15 | 17 | 20 | 73 |
豊田通商ファイティングイーグルス | 11 | 17 | 21 | 21 | 70 |
【スタート】
兵庫ストークス:#1中西良太、#3松崎 賢人、#9谷 直樹、#10マイケル・リファーズ、#31松山 晃士
豊田通商ファイティングイーグルス:#7前村 雄大、#8岩鶴 孝則、#31神津 祥平、#16坂本 健、#33ラマー・ライス
試合後コメント
BTテーブスHC
―今日の試合を振り返って
ディフェンスがすごく良かったです。アイシンAWの2試合目で良いディフェンスができて、それが継続できた。リバウンドが課題として残ります。ただ最後の3分で豊田通商がリバウンドに積極的に来られたというのがありますが。
大事な時にリバウンド取れなくなって少し危なかった。オフェンスのシステムを正確にやってくれなかった。オフェンスを適当にやって1対1のオフェンスが多かった。第3Qまでは良いスクリーンをかけてカッティングも良かったしパスも良かった。ボールスクリーンだけじゃないスクリーンオフェンスをたくさん練習してたのに大事な時に使ってなかった。それを修正しないといけない。
数字的にはうちは2Pの確率が高い。豊田通商相手に対してありえないこと。今まで55%というのは無かった。逆に向こうの39%というのは豊田通商にとってはありえないこと。でも、やっぱりそれはうちのディフェンスのおかげだと思います。もっと選手を使いたかった。8人しか出てないし明日はちょっと大変そうなので他の選手も使いたい。
自分にとって一番大きなポイントはビリー・ナイトが全然ダメなゲームなのに勝ったことです。ある意味、日本人選手に頼って良い結果が出たということ。ビリーがこういう状態の中で勝ったことは日本人選手の成長とチームの発展を感じました。
スコアはしなかったけどマイケル・リファーズは今日はすごく良いプレーをしたと思います。9リバウンドを取ったこと、ハニーカットに対してのディフェンスが良かった。けれど結局、中西(良太)は15点3リバウンド。今までのアベレージだと10ぐらいあったけど豊田通商の大きな選手は大きいだけじゃなくて体重もある。中西にとっては大きな挑戦です。
スコアはバランスよく取ってます。ディフェンスはチームディフェンスでリバウンドはたくさん取った。満足は無いけど良い勝ちです。
―過去2戦で豊田通商は3Pの確率が高かったがそこの対策は?
今日は24分の5(20.8%)、うちはずっとクローズアウトのディフェンスをしていた。あとはポイントフォワードみたいな役割をするハニーカットはパスが上手。ボールがハニーカットに入った時にうちのガード陣は自分のマークマンにひっついていた。今まではハニーカットを見すぎてカバーダウンをするから結局オープンショットを許していた。豊田通商のガード陣はポネトレイトが少ないチーム。ペネトレイトするけど結局はキックアウトすることが多いです。それを許さないディフェンスをしていました。
―松山、ビリー、中西のファールが序盤に混みましたが?
そこらへんはしょうがない。
―しょうがないファールという捉え方ですか?
ダメなファールもありました。ビリーのファールはほとんど良くなかった。本人にも言いました。最後のほうは落ち着きのないプレーをしていたし。点を取るということは全く別の話。ベテラン選手としてもうちょっとリーダーシップを取って欲しい。今は本人がすごく落ち込んでいたけど「明日はちゃんとやります」と言っていました。
ファールに関しては、やっぱり豊田通商のインサイドの選手達、神津・ハニーカット・ライスを1対1で守るのは無理だと思う。だからチームディフェンスで守った結果ファールが溜まった。
―試合を通して良いところ、悪いところ両方出たゲームだったのでは?
リバウンドだけうちは圧倒したけど最後のほうは良くなかった。3Pは全然だったけど2Pの確率が良かった。FTは最近良くなってきたんですよ。今シーズン、うちは50%ぐらい。たくさん打ってるけど入らない。でも今日は良かった。
―厳しい時間帯もあった中で勝ったのはチームの成長とみていいのではないでしょうか?
今まで豊田通商に勝ってなかったし壁があります。どんな話しても結局勝ってない。今日(勝ったこと)は精神的に大きいです。アイシンAWに勝って今日も勝って自信になったと思う。
今日うちはルーズなプレーが多すぎたが豊田通商は無かった。18ターンオーバーがあって最後全然リバウンド取れなくて試合の終盤はぐちゃぐちゃでした。でもそれでも勝ちました。とりあえずポジティブなほうをみます(笑)
―プレシーズン通じて松崎選手、道原選手を同時に使う場面はそんなになかったんじゃないかなと思いますが。
国体のあと。道原はレギュラーローテーションに入って松崎と道原が一緒に出ても良いけど理想的ではない。(相手チームに身長のミスマッチをつかれて)ポストアップされそう。高松と谷、松山もいるので大きなマイナスではないです。道原はオフェンスの選手。松崎のバックアップを頼みましたけど最近はいろんなことが出来るようになったから責任をとって欲しい。そうすると来年じゃなくて今すぐ成長できると思う。
―二人の使い分けはプレータイムだけですか?
その試合の状態によります。試合の流れを見て何が足りない、何が大事かを見て。
―4クォーターに道原選手が点を取りましたけどあそこは点差が縮まっていく中で・・・
谷がずっと出ていて彼が急にオフェンスを意識しなくなった。あの子はいつもそう。あの子は常に良いディフェンスできるけど疲れるとシュートに興味をなくしてしまう。その時に道原を入れた。谷のディフェンスは必要だから、その代わり道原にはオフェンスを意識して欲しかった。
―昨年より使える選手の幅が増えましたね。
全然違う。でもインサイドの選手が増えたのにインサイドであまり点を取ってなかった。豊田通商相手だと難しい。マイケルは力持ってるけどポストオフェンスが上手にできない。中西はできるけど体重が軽い。ビリーは無理に頼んでインサイドをやってくれるけど元々アウトサイドの選手です。
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道原紀晃選手
―今日は、岐阜国体にも出ていて強いと意識している豊田通商でしたが道原選手自自身はどういう気持ちで入りましたか?
岐阜国体は見たことがあるんですけど豊田通商としてはどういうチームかというのは、僕はベンチスタートなのでそういうのを見ていました。神津さんやハニーカットさんとか外国人選手が強いので、チームでリバウンドをしようという話をして、みんなで頑張ったという感じです。
―その中で自分が出る時のポイントや狙い、役割は?
コーチからも相手の外国人選手がディフェンスで上まであがってこないのでスクリーンを使ってノーマークになれば全部シュートを打てって言われて思い切って(試合に)出してくれたので、最初からシュートを打てたし思い切っていけました。
―相手ディフェンスはスクリーンを使って外せた感じですか?
僕が出る前から松崎さんもしっかりスクリーンかけてたし、向こうもそれで何本か決められてタイムアウト取って修正してきた。ガード陣はうまいことそれに対応できたと思います。
―追い上げられてかなりしびれるような場面でコートに出ることになりましたね。
インサイド陣のファールが込んで松崎さんとのツーガードみたいな感じになった。僕もリバウンドに絡もうという気持ちでした。
―プロとして地元デビュー戦になりましたが緊張とかありましたか?
ホームだから緊張するというわけではないですが、先週も使ってもらってそこまで緊張する場面は無かったです。
―このリーグで通用する手ごたえは感じてますか?
手ごたえというか自分の精一杯を出し切って、全力でやってるという感じです。
―第4Qにばたばたしましたが選手間はどういうふうに思ってましたか?
歓声もあるしコートに入ってる5人はコーチの言ってることも(ベンチにいる)選手のアドバイスも聞こえてないと思うので、ゲーム慣れしていけば松崎さんもコントロールもすごい良いし、ビリーもあれだけボールコントロールできるのも大きいですけど、ボールをたくさん動かしてファールをもらえるのが一番良いと思う。そのへんは修正していきたいです。
―豊田通商に対して先入観が無かったのはプラスに働きましたか?
去年優勝しているチームなのでそれなりの実力はあると思って臨んでました。チームも豊田通商さんには2勝するって気持ちでこの1週間を乗り切ったと思います。
―今後の課題は?
毎回言ってるんですけど松崎さんのポジション、スタメンを取るという気持ちでいつも練習しています。