【プレミアム限定】bjリーグ開幕戦 秋田vs富山 富山:ナッシュHC 秋田:中村HC、菊地選手、加藤選手、カミングス選手、ケント選手 インタビュー(10月13日)

10月13日(土) 秋田県立体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―富山グラウジーズの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、菊地勇樹選手、加藤真選手、アンソニー・ケント選手、ティ・ジェイ・カミングス選手。富山:ボブ・ナッシュHC。
(文・写真/宮川 紀元)

富山グラウジーズ

ボブ・ナッシュHC

―今日の試合の総括
ミナサン、コンニチハ。
今日は非常にエキサイティングなゲームだったと思います。第4Qに関して、秋田は本当に素晴らしいプレーをしました。重要な場面でしっかりとシュートも決めました。それに対してうちが少しミスもあり、シュートも決めれなかったのが最後の敗因だと思います。
今日はファンの皆さんにとっても非常に楽しめたゲームだと思います。でもうちとしては、勝つにはもう少し改善が必要です。

うちは外国人選手3人という状況だったんですけども、それでもシュート成功率42%を残せたのはプラスの材料だと思います。

―秋田のディフェンスの印象を教えてください。
今まで見た中でもトップクラスのディフェンスだったと思います。マンツーマンからゾーンディフェンスから、素晴らしかったのでうちもミスが出てしまいました。

―ホワイト選手はいつごろ合流できそうですか?
ホワイトに関しては、今コメントすることはできません。
(試合終了後、チームからホワイト選手との選手契約は合意に至らなかったことがリリースされました。)

―ターンオーバーが多かったように感じますが。
13ターンオーバーでしたが、基本は10から12くらいまでならOKだと考えています。ターンオーバーの数より、シュートのミスが響いたと思います。

―第2Qに秋田を9点に抑えることができました。
うちはもともとディフェンスに力を入れるようにしてやっているので、第2Qの9失点は非常に素晴らしい出来だったと思います。

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秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

―今日の試合の総括
ちょっと予想外かな、シュートの当たりが。ほんとにシュートに関しては、おれの関知するところじゃねえんだ。田口はずっと試合から遠ざかってたから、まああのくらいのザマかな、って。これでちょっと自覚してくれれば。去年はノーマークで(リーグに)入ってきたからちょっとやれただけで、あとずっと怪我して。田口のシュート、(前半の)ハリスのシュート。これが痛かったかな、と思いますね。

守ることは、もうちょっとこう。まあ(レギュラーシーズンを)やりながらやっていけるかな、って気はするんだけど。一応は、これでやるぞ、って形ができてきてると思うんで、あれに磨きをかけていければいいかなって思いますね。どうしても、ずーっとディフェンスに集中し続けられないのは気になりますがね。大丈夫だと思って打たれたり。一番やっぱりね、こういう風に競った展開になった原因は、第1Qに加藤が城宝に、目の前で3ポイントをポンと打たれた。次に0番(藤江)に、田口が目の前で打たれた。この6点が相当痛かったかな。6点が痛かった。加藤と田口がディフェンスで、「よもや」と思ったところで打たれたのが痛かったと思いますね。

あと、難しい…。ティージェイはちょっとボール持ちすぎるきらいがあるけど、ティージェイはティージェイなんですよ。で、見てわかる通りティージェイはあまり守ることに意欲的じゃないんですよ。ハリーバックに対しても。ようわからないですねー。UCLA出て、それなりの実績持ってて、でもハリーバックとディフェンスに対してあまり気乗りしないんですよね。あれがもうちょっと頑張ってくれればいいとは思うんだけど、ただ、彼にはそれだけのキャリアがあるから。ちょっとこう、任せながら、だんだんわかってくれればいいかなって感じはしますね。

歳があれだから、庄司はやっぱりああいうチョンボ(終盤にスタンディングで城宝にボールをスティールされ、ワンマン速攻で逆転を許したプレー)をしちゃいかんですね。大切なところで、あそこでボール取られるのはおかしいじゃないですか。歳なんだから相当注意しておかないと。フッときたらウッと。要するに瞬発力がないんだから。歳と共にそうなるのは当たり前だから。だから気を付けときゃなんてことないんだけど、気をつけないとああいう無様な格好になるかなって感じがしますね。勝負どころでもうちょっと丁寧に、勝つために、がんばっていってくれればいいと思いますよね。

もし負けると、相当気が入って明日を迎えるんですよ。ヘボなゲームやっても、勝てば勝ったと思って悠々とやるから、足元すくわれる。ふたつ勝つっていうのは結構きついんですよね。だからそういうことがないように、明日の午前中にもう一回(気を引き締める)。バックドアでゴール下が空いて。誰かがミスってるんだから。あれが誰やったかっていう犯人捜しをちゃんとやって。それで、「お前だ」ってのをちゃんと見せつけて。で、ああいうつまらないところのターンオーバーがなくなればもうちょっといいかな。

あとは得点かな。得点がもうちょっとこう絡めれば、いいかなって感じはしますよね。ティージェイと、ハリスに得点は求めてるんですよ。ハリスに。前半は、3ポイント0/4できたんですよ。あそこでハリスがもう2本くらいでも入れておけばもうちょっと落ち着くんだけど。オフェンス面では、アメリカ人はティージェイとハリスに得点を求めてるんですよね。ジョーダンは今日はあまり使わなかったんだけど、もうちょっと使ってやれば活きてくると思うけど。そういう意味ではちょっとかわいそうだったかなと思いますね。

―ディフェンスのうまくいったところはどんな部分ですか?
あのね…。おれちょっとその質問がわからないんだけど(笑)、あなた方が新聞とかテレビとかで「今日は何点取った」「何点取られた」とかっていう基準でいうと、それは難しいです。その場面場面の話だから。
(富山は)気分良く打ってはいないと思うんですよね。相手が練習をやっているように、できてはいないと思うんです。

―かなりプレッシャーはかけれたということですか?
いや、かける時もあればかけない時もありますよやっぱり。プレッシャーかけたから全部いいってわけじゃないでしょ。チェンジオブペースが大切ですよね、その時その時でね。
あの、何かってことはない。ないんだ。一応みんなで守って、みんなでやってる時に誰かがチョンボするとああいうつまらないレイアップをやられる。今日2本、完全にあったから。後半でね。ああいうことはやっぱりなくしたいですよね。

―富山は外もけっこう決めてきましたが。
いや、取るんですよ点数を。70点くらいは。それが、0には抑えられないわけです。外から取ろうが中から取ろうが、70点くらいは取るんです。だからそれは…。ちょっとわからないな質問が(笑)。良ければ勝つじゃないですか、富山が(笑)。負けたんだから。負けたってことはこっちがうまくいったってことだから。おれ富山の新聞に答えてるじゃないんだから。秋田の新聞に答えてるんだから。ちょっとピントずれてるなって感じはします。

―去年の開幕戦で「ぶっ倒してやりたい」と言った菊地選手が今年の開幕戦では活躍しました。
あのね、落ち着きが出てきたんだ。去年の終わりくらいに、庄司に代わるような感じがあったんだけど、代わりきれなかった。今年になってようやく、僕から見ればもっとも落ち着いた状態に見えてきた。去年はこう、田口みたいに持てば撃て、持てば撃て、あとはどうでもいいって感じだったんだ。それがちょっと落ち着いた感じに見えてきた。練習中にね。みんな、「日本人の一番手は誰か」と聞かれると「菊地」と即答してた。オフで痩せてきたし。
この前、一回だけシュートが入んない日があったんだ。良く聞くと、一日半練習が休みだった時に酒飲んだんだ。やっぱり飲んだって。あの野郎、ほんとにな(笑)。正直っちゃ正直だけど。「はい、2杯飲みました。」って。その2杯がわかんねえんだ、あいつの2杯が。どんな2杯かわからないんだ(笑)。もうね、わからない。丼ぶりにビール注いで飲むってこともあるから(笑)。ただ、そういうことを言えるってのはいいことだと思うんですよ。まあ色々あるかも知んないけど、菊地は練習からずっといい感じではありました。

―このくらいはやれるようになるだろうな、っていうのは最初から頭にありました?
わからない。ただ田口も、あれだけのシュート力を持ってる子だから。田口も奮起してくれればいいと思いますよね。庄司はいっぱいいっぱいで持ってるから、持ってる間に菊地と田口が成長してくれれば、チームは安定してくるかな。

―ディフェンスの中心がケントということで、今日ケントの動きはどうでしたか?
普通だったでしょ。普通、普通。まあケントいたからやれてるんですよね。あのディフェンスは、難しいんだ実際。これから相当かかりながら詰めていかないといけない。公式がないから。公式がないディフェンスだから、その時その時で対応しなきゃいけないから。つらいんだ実際は。だから僕もね、ゲームを見ながらだれがどこが悪いかってのをチェックしながらやらなきゃいけないから。これからかな、やってくのにはね。

―あえて言うなら完成度は何点くらいですか?
これはわからない。わからない。どれが完成で、どこまでいけるのかちょっとわからないですね。ただ田口が、抜かれちゃダメなところをでかいやつにスルスルって…。ダメなところなんだ。ダメなところを抜かれていくんだ。だから田口に関しては、シュートはどうでもよかった。どうでもいいけどディフェンスは0番にシュートをボンと入れられて、ここをこう…。足の長いのにああいうところを抜かれていくと、僕も足短いから腹立つわな。ああいうところはどうして求めてほしい、上がダメなんだから。ディフェンスの約束があるんですよ。たぶん真っ白になってたんでしょう、あの子は。田口に聞いてやってください(笑)。

―明日、チーム初の開幕2連勝がかかってくるわけですが
僕はそれ関係ありません。ハピネッツがなにしたかってのは、僕には興味がないですね(笑)。頑張ります。とりあえずひとつひとつ頑張ります。去年もないし、その前もないとか言っても、関係ありません(笑)。頑張ります、はい!

―先ほどバックドアで決められた話がありましたが、今日はそういった場面が目立ちましたが。
目立ったって、たくさんはないでしょう。ないですよ。ないですよ。あのね、1本や2本や、たとえば3本くらいだったら、40分やって大したことないんですよ。それは、ないですよ。

―それぐらいなら…
あのね、取るんだから、点数(笑)。最初から70点くらいは分かってるんですよ。相手の点数は計算してるんですよ。ただね、取られ方が問題なんで。ただね、今日のディフェンスに関しては…。あなた方は新聞に、「富山は得点取る」ってワーワー書いたじゃないですか。な。書いた書いた。90点取ったとかどうとかって書いた書いた。今日の相手の点数は?そっちを聞きたい。そりゃあ、普通にやるにしたらうまくいったでしょう。全体的にあの点数ってことは、うまくいったと思いますよ。あとはこっちの方の点数、オフェンスに問題があったけど。点数取るの(笑)!絶対取るの。サッカーみたいに0点に抑えるわけにいかないじゃないですか。相手の取った点数は、アベレージ以下でしょう、きっと。これからシーズンが進むにしたら。ただおれたちがもうちょっと10点くらいは取れたかなって感じはしますよね。ハリスや田口がもうちょっと入れてくれれば、10点くらい。

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菊地勇樹選手

―怪我というのは、左の太ももですか?
はい。大丈夫です。

―動き始めたのは、今日の午後からですか?
そうですね。

―痛みはありましたか?
大丈夫です。大丈夫です。

―去年の開幕戦とは打って変わってかなり当たってましたが、どんな気持ちで臨みましたか?
もちろん大事な試合になると思ってましたし、負けで入るより勝って入った方がチームも乗れると思うので。ましてや自分は怪我してチームに迷惑かけたので、そういった意味ではいい流れで入れたのかなと思います。

―カズさんから試合後のインタビューで「これが菊地ですよ」と言われた時はどう思いましたか?
…(笑)。まあ、そういった状態が続くように頑張っていきたいです。

―第4Qでシュートを決めた後のガッツポーズは、自然と出たんですか?
まあ、僕もうれしい時もありますんで(笑)。それははい、出ます。

―出だしから3本連続で決めましたが。
まあ、そういう風な状況になったので。打っただけです。打つのはもちろんですけど決めるのが仕事ですので、入ってよかったです。

―HC曰く「落ち着きが出てきた」ということですが、何か変化はあるんですか?
まあもちろんチーム事情というのもありますし。去年はもう、もらったらシュートだ、打て打てって感じになってたので。今年はインサイドの選手が入ってきて、自分がシュート打たなくてもインサイドで点を取れるので、それが逆に余裕になってます。

―菊地選手が決める度に、会場のボルテージもどんどん上がっていきましたが。
僕だけじゃないと思うんですけども、応援してくれる方々に喜んでもらえるようなプレーをこれからもやっていきたいです。

―やはり昨季の悔しさも持ちながらプレーしてらっしゃるんですか?
なくはないですけども。やはりそういった悔しい思いをしたというのは事実ですので。悔しい思いをしないように、一戦一戦大事に戦っていきたいです。

―まだ1試合ですが、去年と今年でここが違うという部分はありますか?
身体ですかね。軽くなったのかな、という風に、周りの人からは言われます。自分ではあまり分かんないですけど(笑)。絞ったつもりはないんですけども。

―今季はどんなところを課題にして臨みたいですか?
もちろんチームの勝ちというのが一番ですけども、その中で自分ができるシュートやディフェンスだったりというのを、一生懸命頑張っていきたいです。

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加藤真選手

―古巣との対戦でしたが、意識しましたか?
いや、特には。

―出場時間は短かったですが、どんな意識でプレーしましたか?
いつもどうり、シュートならシュート、リバウンドならリバウンド、いろんなところで貢献しないといけないと思ってますので。いつもの練習通りのことができればと思って。

―出来はどうでしたか?
全然だめですね。次頑張ります。勝った中にも、すごく反省する点がいっぱいあったので。

―もう一戦ありますが。
そうですね。2連勝できればチームとしてもいい方向にいくと思いますので、その中で今日とは違うプレーができるように頑張りたいと思います。

―レギュラーシーズンは初めてのホームゲームですが、会場の雰囲気はいかがでしたか?
すごくブースターの皆さんの熱い応援がコートに立った瞬間に聞こえてきましたし、すごく力になりました。僕らが勝てばより一層盛り上がると思いますし、チームとして頑張っていきたいと思います。

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ティ・ジェイ・カミングス選手

―集まった報道陣を見て
(日本語で)オオー、ドウモスミマセーン(笑)。

―今日のご自身のプレーを振り返って、どうですか?
もっと良くできたように思います。開幕戦というのは、自分の今の状況を知る上でとてもいい判断材料になるので、これからもっと良くなるように頑張っていきたいと思います。

―もっと良く、というのは具体的にはどういった部分ですか?
細かいことをあまり考えたい方ではなくて、「こういったことをやればもっと良くなるんじゃないか」と考えるよりも、もっとリラックスして。そうやって考え始めた時に、たとえば今日の後半にも自分の動きは良くなってきたし、あまりいわれたことに執着し過ぎて堅くなるよりは、自分のスタイルを貫く方がうまくプレーできると思っています。

―HCが、全体的に得点が少なかったといっていました。
最初の試合でしたので、この試合をもとにどうしていかなくてはいけないかを判断できると思います。学校のテストと同じようなもので、これは小テストだったと思います。大事な試合なんですけども、これをもとにもっと良くなっていきたいです。

―移籍して初めてのホームゲームでしたが、どうでしたか?
(日本語で)スゴーイ!!
秋田にはたくさんのファンがいて、今日もたくさんの笑顔を見れて本当に良かったと思います。ここのファンは、インディアナやシカゴのようにバスケットに対してとてもシリアスだと思います。今日も試合中に見まわすと、自分がファウルを受けた時にファンの人たちも「今のはファウルじゃないか!」というジェスチャーをしていたのを見て、とてもうれしかったです。

―明日の抱負
Win.
特に明日は、選手それぞれが何をすべきかを考えて、それを確実にこなして勝ちたいです。ペネトレイトをする、シュートをするといった役割がそれぞれの選手にはあって、ディフェンスでもローテーションのルールがありますので、それをしっかり遂行して勝ちたいです。

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アンソニー・ケント選手

―ディフェンスで、うまくいった部分を教えてください。
ボールを持った選手に対してのディフェンスがうまくいったと思います。自分の役割は、ドライブしてきた選手を真ん中で止めることですので、自分の脚力を活かして、それをうまくできたと思います。

―逆に修正点はありましたか?
真中でディフェンスをする選手としては、もっとシチュエーションを把握して、どういった形で守ればいいのか、ベストを考える必要があると思います。

―ケント選手から見て、「カズディフェンス」の出来は今のところどうでしょう?
自分が思うには、65%から70%くらいの出来だと思います。ローテーションやボールの動きに対する反応をもっとよくできると思いますので、これからまだよくなっていきます。

―水戸選手や城宝選手が積極的にドライブしてくることは、やりづらいと思いますか?
城宝選手は中に入ってきてディフェンスの形を崩してきて、その後もたくさん動いているので、見つけるのが大変でした。9番(水戸)はとてもスピードがありました。