東北カップ1回戦・秋田-仙台 秋田:中村HC、加藤選手、デマーシー選手 仙台:ピアスHC インタビュー

9月22日(土) 秋田市立体育館で行われたプレシーズンゲーム「東北カップ」の1回戦、秋田ノーザンハピネッツ―仙台89ERSの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、加藤真選手、ジョーダン・デマーシー選手。仙台:ロバート・ピアスHC。
(文・写真/宮川 紀元)

仙台89ERS

ロバート・ピアスHC

―今日の試合の総括
まずは、この時期に東北カップという大会を開催してくださった秋田ノーザンハピネッツの球団の皆様に感謝したいと思います。
今日の敗因ですが、残り4分までは同点だった場面から、離されてしまいました。その要因のひとつが、1試合で20のターンオーバーをやって、そのうちの9つが第4Qにあったということだと思います。
私たちにとってははじめてのプレシーズンゲームで、秋田さんはここまでに4試合やっていると思いますが、その辺の経験の差というか試合慣れが出たのもあると思います。

私たちのところにいる外国人4人はこれが最初の日本での試合なので、本当にいい経験になったと思います。
チームとしても、今後こういった点数を追いかけているところからしっかりと逆転をして、勝利に結びつけることの大切さを学ばせたいと思います。

―秋田の印象はどうですか?
個人個人ではなくチーム全体での話ですが、向こうはこちらのいい流れの時にことごとく3ポイントをしっかり決めてきていました。そういう選手が何人かいたというところが、今日の試合では印象に残りました。
逃げれそうなんだけども逃がしてもらえないというか、追いつかれてしまうところですね。

―終盤は秋田の主力がファウルアウトしていたのに勝ちこされました。
カミングス選手と菊地選手がファウルアウトになって、チャンスかなとも思ったんですけど、そこは4試合やっている秋田の方がディフェンスなどでも試合慣れしていたんだと思います。自分たちは練習しか今までできなくて、これが初めての試合なので、逆にターンオーバーを増やしてしまいました。その差かなと思います。

―収穫はありましたか?
第3Qに8点ほど離された時間に日下と野上、それから新井や薦田も入った時間がありましたけど、彼らがしっかり走って、特に野上は走り続けてくれて、グッと点差が縮まりました。それでこっちのムードになった時間がありましたので、そういうところが見れた、実践でそういうプレーをできた選手がいたというのは非常に大きな収穫だと思いました。

今日は野上がそういう風にいい流れを引き寄せてくれたので、試合の最後も使おうかとも思ったんですけど、そこは先輩格の薦田への期待もあって、薦田という采配をしました。ベンチの人間もすごく貢献してくれたというのが今日の収穫です。

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秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

―今日の試合の総括
長くなりましたので、さっと終わりましょう。

なかなか、フリースローの練習をしてないわけじゃないんだけどフリースローがダメで、それからゴール下のシュートはどうやったら落とせるのかってくらい落とす。あの2つがなければもうちょっと。

何かディフェンスの形を持たなきゃダメかな、ってずっと思ってて、沖縄戦の1戦目終わった後で夜中の3時くらいまでちょっと考えて。で、沖縄あたりに行くと神のお告げがあるんだ。もしかしてこういうディフェンスがいいんじゃないか、って頭の中でささやいた。それでちょっと、帰ってきてから1日やってみた。ファウルアウトとかいろんなことがあって、みんなポジションが全く違うところをやったりしたんだけど、これからまずディフェンスの強化を第一にしていこうと思いますね。

あとやはり見てわかる通り、菊地、庄司のところに田口がどうしても必要なんですよ。あとハリスは、僕もまだわからないんです。試合のたびにいろんなものを持ってくるんですよ。3ポイントもあるしジャンプショットもあるしペネトレイトも、何でもありなんだ。だけど性格がシャイだから、出し惜しみしてるんだおれから見れば。もうちょっとこう…。

まだまだかな。でも大きな違いは、今年はやはり、去年がどうとかじゃないけど、ハートがいい。計算通り韓国のチームに負けて、沖縄に行った日にコテンパンにやられて。外国人を相当怒りやすくしてくれた。もうね、ありったけ怒りやすくしてくれた。これはもう最高、やっぱり計算通りだったですね。自分のやりたい、おれのやりたいバスケットをやらすということは、アメリカ人は相当抵抗あるんですよ。違うんじゃねえか、って。だから、いやいや違うと。こっちの好きなことにおまえらがはまってこいということで、やっていきたいかなと思いますね。

あとは、定まらないんですよね、ポイントガードが。今日のティージェイのファウルアウトの時、その前の水町はアホみたいなファンブルじゃないですか。2対1で。あんなの普通ファンブルしないでしょ。佐賀に帰すかな、ほんとに。あのファンブル(が起こったせい)で、(カミングスが)ファウルアウトじゃないですか。だから僕はね、ポイントガードはやっぱりああいうことは許せない。ポイントガードはああいうことやったらだめですよ。もともと水町にしても山口にしても、いいプレーは望んでない。今日もルーズボールで、「山口、おまえのルーズボールだろうが」って場面で一呼吸おいてるんだ。それを取られて3ポイントやられた。だから、いいことしなくていいから、困んないようにポイントガードをやってくれれば。あとはハリスもちょっとできるから。だから、あの二人はもうひと踏ん張りですね。

あと菊地はもうちょっとディフェンスにしても、シュートにしても。おととしから見れば、去年は良かった。でも去年から見れば、同じなんだおれから見れば。もうちょっと菊地がやっぱり。ちょっと庄司を追い越した感じがしてたんですよ。まあ、そうなるでしょうから。ぜひ菊地が庄司を追い越して、日本人の一番手に菊地、っていう風になれば僕らも安定してくるかなって気はしてます。

―カミングスや菊地のファウルアウトをしのいだ感じがしますが、選手層はどうですか?
まだ全然わからない。選手層のどういうとこがいいのか、全然わからない。だから今日は全く違うポジションをやってた。やらされたっていう方が当たってるか。だから、これからどういう風にやっていくか、これからかな。まだね。

ただ加藤はこのあたりからちょっとずつ繋げるようになってきたかな、って感じはしますよね。ただ、勝つところにいなかったから。何が何でも勝つんだ、ってとこにあいつはいなかったから、その甘さを今ガツガツやって。ひとつひとつがもうちょっとこう。勝つチームのプレーってのがあるから。それが出てくればもっともっと良くなるかな、って感じはしますよね。あの、顔もなんか優しい顔して人気も出そうだし、なんかああいう選手が頑張ってくれればいいかなって感じはしますよね(笑)。

―カミングスがアウトした時の戦いが重要になりますか?
いや、アウトとかじゃなくてカミングスが中心だって。中心がファウルアウトしちゃだめですよ。ずっと出てるわけでもないんだから。だからそこはカミングスの責任が大きいと思います。

あそこでちょっとジョーダンが繋いでくれたらいいかな。期待しなかったんだけどね。骨折してきて、もう大変だった。骨折を隠してきた人だから。直前までギプスしてたんだ。だから練習もしないできて。だけど今日あたりを見ると、ちょっと安心したかなって思います。

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加藤真選手

―今日の総括
チームディフェンスの中でスティールだったりとか、相手のミスを誘うようなプレーをいくつかできたことは良かったんですけど、シュートを簡単に打たれちゃったりゴール下に簡単に入られたりといったこともあったので。まあ反省の方が大きかったですね。

―3ポイントも決めましたが、ナンバープレーがあったわけではない?
別にプレーを作って打ったわけではなく、流れの中で。自分のシュートレンジでもあるので。外も中も両方やっていた経験があるので。

―以前HCが、「加藤次第で選手層が変わる」と言っていましたが、HCの期待は感じますか?
そう言っていただいているので、HCに言われたことを確実にやっていくのもそうですし、それ以上のプレーを出したいと思います。

―終盤にカミングスに代わって入った時は、どういう気持ちでしたか?
特に意識はせずに、普段やっているように自然にやってました。ケントや佐野さんなどのインサイド陣ともいつも練習で一緒にやってますので、その辺は普通に入っていけました。

―明日の抱負
今日いろんな展開になりましたが1勝できたのはチームにとって大きかったです。次の試合はまた違ったスタイルのチームが相手になるので、その中でどう戦っていくか、どう収穫を得るかというためのプレシーズンゲームだと思います。いい試合にできたらいいと思います。

―過密スケジュールの中でのゲームですが。
そうですね。こういうスケジュールの中で気持ちの強さやチームワークが身につけられるんだと思うんで、これをいい機会にしていきたいと思います。

―昨日の練習ではリングに向かえとしきりに言われていましたが、今日は意識しましたか?
そうですね。HCにはリングに向かっていけ、点を取りに行けと言われているので、そこも僕の役割のひとつだと思います。そこもしっかりできればと思います。

―後半は自分の仕事ができたと思いますか?
いいえ。まだまだです。

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ジョーダン・デマーシー選手

―今日のプレーを振り返って
最初の4試合よりも、自分的にも良くプレーができたと思います。自分としても、プロとしての自信、アマチュアからプロに転向していく自信が持てた試合でした。

―最終Qでかなり盛り返していた感じがします。
やはり最初の4試合は負けていますので、もう負けられないという意気込みで最後を頑張った結果だと思います。ディオンと自分のところではミスマッチができていたので、そこをうまく突くように頑張りました。特に今日はディフェンスでの頑張りでこのような結果になったと考えています。

―ディフェンスでは慣れないインサイドを任されていましたがどうでしたか?
大学でも4番ポジションをやっていたこともありましたし、ここでは監督に求められるもの、チームに求められるものをすべてこなしていく必要があると考えています。

―最後はカミングスの代役をこなしてやる、という気持ちだったのでしょうか?
ティージェイは自分にとってのメンターだと思ってますし、自分のことをいつも心配してくれるし、いろんなことを教えてくれます。そういった意味でもリーダーだし、チームにとってもリーダーだと思うし、あそこで自分がティージェイの代わりを務めて、彼の顔を潰すようなことはしたくなかったので、それに応えるように頑張った結果です。

―bjリーグの印象は?
bjリーグはとても高いレベルでやっているバスケットボールだと思います。そういう風に聞いていたし、実際こうやってプレーして肌で体験しています。毎年毎年、日本のバスケットボールはレベルが上がってきているように感じています。

―明日の抱負を聞かせてください。
勝つことが第一ですけれども、練習でも試合でも毎日毎日、毎回毎回良くなっていくことが目標だと思っています。もうすぐシーズンが始まりますし、それに勢いをつける意味でも勝ち続けていきたいと考えています。

―試合中にHCと話している場面が多かったですが、あれは何を話しているんですか?
中村HCとはシカゴで会って、そこでトライアウトキャンプをして自分のプレーを見てもらったんですけど、その時の自分と比べて、カズさんは自分に期待している部分が大きいと感じています。その期待に応えてくれ、とそういったことを言われています。