9月9日(日) 大仙市大曲体育館で行われたプレシーズンゲーム、秋田ノーザンハピネッツ(bjリーグ)―原州トンブ・プロミ(韓国・KBL)の試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、田口成浩選手、ディオン・ハリス選手。原州:カン・ドンヒHC、キム・ジュソン選手。
(文・写真/宮川 紀元)
原州トンブ・プロミ
カン・ドンヒHC
―今日の試合の総括
全体のスコアから見て多くの得点ができなかったこともそうですし、体育館がすごく滑りやすかったのもあって、あまりスムーズにゲームができなかった。
―今日の秋田の印象はいかがでしたか?
全体的にみて、5番(田口成浩)と12番(菊地勇樹)の2人が3ポイントをたくさん決めたことがチームにとって効果的だったと思います。しかし、それ以外の選手が均等に活躍できていない印象を受けました。5番と12番の頑張りのおかげでこのスコアになったんだと思います。
―3ポイントに対するディフェンスのプランは?
特に5番の選手に関しては3ポイントがそこまでうまいという認識がなかったので、2対2のマッチアップなどでミスが出てしまいました。
―秋田のファンの印象について
プレシーズンにもかかわらずこんなに多くの方々が来てくれたことにとても驚いていますし、とてもいいことだと思います。これからレギュラーシーズンに入ると思いますが、秋田のファンたちの熱狂的な応援の期待を裏切らないように、もう少し秋田には頑張ってもらいたいと思います。
―もし秋田にアドバイスがあれば一言お願いします。
他のチームの監督なので具体的なことよりは、本当にファンの皆さんの熱狂的な声援が印象深かったので、秋田の選手たちがその声援を背負って、責任感を持っていい成績を残してほしいと思いました。
―秋田での滞在期間について
原州も秋田と同じで、大都会ではないので、はじめて来たのにそうは思えない雰囲気で、とても楽して暮らすことができました。体育館の設備や、熱狂的なファンがいるという点も原州と似ています。昨日と今日、体育館が暑かったということ以外は(笑)、とてもよかったです。
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キム・ジュソン選手
―どんな2日間でしたか?
まずはファンの方々とチームの方々からすごく熱い歓迎を受けてうれしかったです。2日間とても楽しい試合ができましたので、とてもうれしく思っています。
―プレーの内容について
試合は試合なんですが練習をさせていただくという気持ちできていまして、もちろん秋田もそういうつもりだったと思います。外国人選手と国内の選手のディフェンスやオフェンスのやりとりを中心的に練習させていただきました。
―秋田チームの印象について
bjリーグは外国人選手を3人使うことができると聞いていました。実際来てみたら、外国人選手と国内の選手のやりとりがもっとうまくいくようになったら、いい成績が残せるのではないかと思いました。特に2名のいいシューターを見つけましたので、その選手たちを中心に練習してほしいなと思いました。
―ちなみにその2名とは?
5番(田口)と12番(菊地)の選手です。
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秋田ノーザンハピネッツ
中村和雄HC
―今日の試合の総括
(報道陣に対して)暑いところご苦労さん(笑)。
まだバスケットやれる状況ではないんだけど…。今日もフリースローとつまらないターンオーバーを大切なところでボロボロ出したような。最初にあれだけタフなチームとゲームをやれたことが幸せだったかな。これで、外国人も「もっと練習やるぞ」とかいろいろ言ってるから、そういう意味ではいいゲームだったかな。
それから、ああいうように菊地と田口が両ウィングでいつでもシュート入れれるぞ、っていう状態を作ってくれれば、非常にチームとしてはありがたいかな、って。
ポイントガードは日本人にやらせたけど、なかなか納得がいかなくて。山口も水町もうまくいかなくて、またハリスをちょっと使ってみて。まあ、菊地と田口がああいう状態であれば(ハリスをポイントガードにしてもなんとかなる)。
カミングスとは、昨日終わってからだいぶ話した。昨年も10月いっぱいくらいまでは悪いコンディションだった。11月か12月くらいからいいコンディションになっていったんですよ。子ども生まれたばかりで、3人もいて、きっと練習する暇がなかったと思うんで、あいつは(笑)。カミングスがもうちょっと調子を上げてくれれば。ケントはケントで、あんな感じかな。
菊地と田口はプレッシャーかけてしごけるから、これから良くなってくれると思うんですよね。彼らがもしかしたら、アメリカ人よりどっちかが点数取るような状況になってくれれば、チームは強くなるということは明白なんだ。
ハリスとジョーダンも一応スコアラーだから、ああいう感じで終わらない…だろうと思うんですよね。だから彼らにちょっと期待はしてます。
あとは吉宗、庄司、加藤はちょっと出遅れたかな、って。特に庄司はちょっと出遅れたかな。日本の選手は、ディフェンスをやると守ろうとするんだ。韓国の選手はボールを取ろうとするんだ。この違いは非常にありますよね。だから庄司みたいにちょっと遅いと、取られていく。
でもね、菊地と田口が表に出て、庄司があとから出てくるような、それで庄司がどう吹っ切ってくるかがこれからのカギになると思うんですよね。庄司がメインではなくて、菊地、田口がメインでその欠点を庄司が補えるようなチームになればいいかな、って。
あとはやっぱり山口、水町のところがもうひと踏ん張りしないとダメかな。いい2日間だったと思います。相当思います。いい2日間だったと思います。非常にね。
審判もどっちかと言うと僕らから見ればアウェーでやってるみたいで、非常に良かったと思いますね。韓国のチームからすれば、自分たちのホームゲームみたいだった、って喜んでました。日本に来て初めてこういう審判にあった、って感動してました(笑)。いい審判だった、って。そうすると俺らには悪い審判に決まってるじゃんな(笑)。でも審判もたぶんこういう時期だから、友好的にやったと思うんですよね。これはこれでよかったかな、って思います。
でも本当にトンブが来てくれて、こうやってやれたことは良かったと思いますね。昨日も向こうと話してたんだけど、来年はぜひトンブのホームで、チャンスがあったらぜひ8月の終わりに来てくださいね、って。9月にまた自分らも(日本に)来る、っていうんで。もっとも強いチームなんです。だから、そこと交流できれば。それからこれを機に秋田と韓国の交流ができたら最高かな、という感じはありますよね。乱闘もなく、何事もなく終わってよかったと思います。
―韓国のチームと出なければ得られないものはありましたか?
強さだな。そういうチームとやる経験。この子たちはたぶん初めてだと思う。浜松の時は、20年くらい毎年やってたんだ。2チームも3チームも来て、毎年オフに必ずやってた。だから浜松は強かったんだ、やっぱり。だからそういう意味では、いい経験したかなって思いますよ。大きさもあったし、強さもあったし。やっつけられたことも薬かな、と思いますよね。
―第3Qはかなりイライラしていたように思えましたが。
ジョーダン。出してミス、出してミス。ずっと繰り返してたんだ。ジョーダンにいらついてたな。バカげてたな、ちょっとな。
それから山口…。タイムアウトでナンバープレーでジョーダンに入れてダンク、って言って、実際ガラ空きになって、入れなかった。これはちょっとやっぱり…死刑だな(笑)。ああいうのはな、ああいうプレーはな。タイムアウト取って指示出して、これで行くぞって言って、ジョーダンがノーマークになって。「韓国の選手が見えた」って。バカか。見えなかった。それに腹が立った。だから使わなかった、その後はね。目には目を。使わない、ああいうヤツは。ほんとに腹立つ。お父さんお母さんが東京から見に来てて、お土産ももらったんだけど。お土産はちゃんともらった(笑)。
―ポイントガードはまだ課題ですか?
いや、一応ハリスがいつでもやれるから。あとは…まあ、これからどうすっかなあ(笑)。まあ課題だけどな。誰かがひとり這い上がってくれれば。去年は水町でやってたんだから、それを思えば(まだいい)。
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田口成浩選手
―ご自身のプレーを振り返って
昨日の試合はスタートで出してもらったのに全然シュートが入らなくてチームに貢献できなかったので、今日は何とかしてチームに貢献しようと思ってました。思い切りのいいシュートを打てたことが結果につながったと思います。
―昨日との違い
昨日は固くて、シュートにも思い切りいけなかったです。今日は失敗を恐れずにいった結果、調子よく打てました。
―リバウンドを取ってくれる選手が増えたことで、心理の変化はありますか?
リバウンド取ってくれるので、そこは気が楽に打てます。
―新しいチームはいかがですか?
まだ外国人選手が来たばかりで慣れていないので、これからもっと修正していきたいです。どの場面でパスがほしい、とかコミュニケーションをしっかり取っていけば、シーズンには間に合うんじゃないかと思います。
―ご自身の役割は変わってきていると思いますか?
去年はシーズンの途中から入ったので、中村HCの言うように選手というよりは「お客様」状態だったので。今年はしっかりチームの一員として。カズさんにも「今年は行くぞ」と言われてるので。自信を持って責任を持ってやれば、シーズンもいけると思います。そこが一番変わったところですね。
―シュート以外の役割は?
シュート以外にも、ドライブして相手をひきつけてアウトサイドにさばいて打たせるとか。ディフェンスも、気がきいたヘルプとか。シュート以外にも、周りの選手を助けるような気がきいたプレーができればいいなと思います。
―中村HCが、「中も見なきゃいけなくなって難しくなったと思う」とおっしゃっていましたが。
大きい外国人がいて中も見なきゃいけないということで、思い切りの良さがなくなってしまって迷いが生まれて、練習中とかになかなかシュートが入らない時期もありました。やっぱりそこは慣れが必要とコーチにも言われて、練習を毎日やっていけばなれると思うので。そこは大丈夫だと思います。
―今日の出来についてHCからは何か言われましたか?
自分と菊地さんが印象付けた、とおっしゃっていました。でもまだまだ決めるところをしっかり決めるというか、(落とした)ノーマークも3本くらいあったので、そこを決めていればもっと波に乗れたのかなと思います。今日は今日で、また次に同じ結果を残せればと思います。
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ディオン・ハリス選手
―2日間のご自身のプレーを振り返って、いかがでしたか?
自分の力を100%出し切れていないという印象があります。まず自分のシュートが決まっていないので、これはもっと良くなるだろうと思います。
―秋田のチームの印象
いいチームだと思います。万能だと思います。インサイドの選手もいるし、いいシューターもたくさんいるし、コートを走り回れるアスリートもいます。
―このチームにどうフィットしていきたいですか?
HCは自分にポイントガードやシューティングガードなど、たくさんのポジションを任せてくると思います。なので、いろんな意味でこれからチームに貢献するチャンスが生じてくるはずです。チームに、そういった意味で馴染んでいけると考えています。
―どういったプレーをブースターに見てほしいですか?
スコアラーとして得点を取るところも見てもらいたいと思いますし、自分がぺネトレーションをしてチームメイトのチャンスを作る場面も見てほしいと思います。
―韓国チームの印象
韓国のチームはとても厳しいトレーニング、厳しい体制でやってきているような印象を受けました。ボールに対しての執着心が強く、ターンオーバーが少なかったように感じます。そういった部分を自分たちのチームも向上していく必要があると思います。