5月20日(日)有明コロシアムで行われたbjリーグ2011-2012シーズンファイナル、浜松・東三河フェニックス対琉球ゴールデンキングスの試合は、第2Qに奪ったリードを最後まで守り切った沖縄が勝利し3年ぶり2度目の栄冠を手にした。
(文=宮川 紀元/写真・金澤 朱志)
ゲームレポート
第1Q
浜松がパーマーのフリースローと好調ポマーレの3点プレーで先手を取る。沖縄もすぐに得意の速い展開に持ち込み、スニードのダンクや小菅の10得点で応戦。浜松も得点にパスにオールラウンドな活躍を見せるディクソンを中心に譲らない。このQは、終了ブザーと同時にブラックレッジのダンクが炸裂し、浜松が4点リード。
第2Q
序盤は太田がインサイドとミドルレンジで得点し、浜松がリードを広げる。沖縄も山内のミドルシュートで反撃を開始すると、与那嶺の3ポイントで残り4:47に同点に追い付く。守っても最後の約5分半を無失点とし、ニュートンの活躍やマクヘンリーのダンクなどで9点のリードを奪う。浜松は5:34に岡田がミドルショットを決めたのを最後に得点できず、後手に回ってしまった。
第3Q
前半はファウルトラブルで不発だった並里が沖縄を引っ張る。スピードに乗ったドリブルからレイアップ、ストップ&ジャンプショットと得点。マクヘンリーや小菅も攻撃に絡め、このQの大半を10点前後のリードで支配。しかし中盤以降、浜松のディクソンが爆発。このQ3本の3ポイントを決めたほか、25.2秒には速攻から3点プレーを決め、一気に3点差に詰め寄ってラストQにつなぐ。
第4Q
沖縄は並里とマクヘンリー、浜松はディクソンのアシストを起点に点を取り合い、残り3:46の時点で2点差とまったくわからない展開。ここで沖縄・並里がインサイドにアタックして太田のブロックをかわす鮮やかなダブルクラッチで得点。2:24には速攻からマクヘンリーのダンクが決まり、一歩リードする。その勢いのまま、並里のフリースロー、ファーストブレイクで小菅が得点し残り1:33にはリードは10点に。
浜松はたまらずファウルゲームに出るが、放ったシュートがことごとく外れ反撃できない。最終的に沖縄が16点差で勝利、浜松の3連覇を阻むと同時に3年ぶりのチャンピオンに返り咲いた。
総括
沖縄は序盤、並里がファウルトラブルで早々にベンチに下がってしまった。しかし小菅が次々と得点してチームを引っ張り、与那嶺を中心としたベンチメンバーもうまくつなぐことに成功。むしろ並里のいない第2Qに勝負のカギとなったリードを奪う。
並里は後半にコートに戻ると、スピードを活かしたプレーでチームを牽引。プレーオフMVPに輝いたマクヘンリーもゴールにアタックして25点を挙げ、チームを勝利に導いた。優勝の瞬間、メンバーは涙や雄叫びで喜びをあらわに。沖縄から駆け付けた大勢のブースターも感激の涙を流し、チームの勝利を祝った。
一方の浜松は第2Qに6点に終わる大ブレーキ。昨季のシーズンMVPとプレーオフMVPを総なめしたパーマーがわずか1得点に終わるなど、苦しい展開に。第3Q終盤からディクソンを中心に猛追したが一歩及ばず、大阪エヴェッサ以来のリーグ3連覇の夢が散った。
スコアボード
5月20日(日)17:10
– | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
浜松・東三河フェニックス | 24 | 6 | 24 | 19 | 73 |
琉球ゴールデンキングス | 20 | 19 | 18 | 32 | 89 |
【スタート】
浜松・東三河フェニックス:#5友利健哉、#9ジャメイン・ディクソン、#21ジェフリー・パーマー、#25仲西翔自、#42ジーノ・ポマーレ
琉球ゴールデンキングス:#1ディリオン・スニード、#5アンソニー・マクヘンリー、#9小菅直人、#37並里成、#50ジェフ・ニュートン
【レフリー】
上田 篤弘(うえだ あつひろ)/関口 久視(せきぐち ひさし)/Gonzo(ごんぞー)
【観客者数】
9402人
【主な個人スタッツ】
浜松・東三河フェニックス:ディクソン20点8リバウンド9アシスト、ブラックレッジ9リバウンド
琉球ゴールデンキングス:マクヘンリー25点、小菅17点、並里15点、ニュートン19リバウンド
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【プレミアム限定】インタビューはこちら
浜松:河合竜児HC、ジャメイン・ディクソン選手、ウェイン・アーノルド選手、岡田慎吾選手、太田敦也選手、大口真洋選手、友利健哉選手、仲西翔自選手/沖縄:桶谷大HC、アンソニー・マクヘンリー選手、ジャーフロー・ラーカイ選手、ジェフ・ニュートン選手、金城茂之選手、山内盛久選手、小菅直人選手、与那嶺翼選手、並里成選手、澤岻安史選手