終盤に勝負強さを発揮した沖縄、接戦制しファイナルへ(ファイナルズ・ウエスタン決勝)

前半終了間際3Pのブザーブーターを決める沖縄#12パルマー
5月19日(土)有明コロシアムで行われたウエスタンカンファレンスファイナル、琉球ゴールデンキングス対京都ハンナリーズの一戦は、苦しい戦いを強いられながらも終盤に勝負強さを発揮した琉球ゴールデンキングスが勝利し、2年連続のファイナル進出を決めた。
(文=宮川 紀元/写真・金澤 朱志)

ゲームレポート

しぶとくシュートを決め続けた京都#11川辺第1Q
このカードで一番の注目を集めるプレイヤー、沖縄・並里のドライブからの得点でゲームは幕を開ける。沖縄はこの得点を皮切りに、並里を中心とした速い展開のバスケットでリズムを掴む。一方の京都は沖縄のディフェンスに苦しみ、なかなかいい流れでシュートを打つことができない。それでも中盤にはボイェット、川辺の活躍で一時1点差と食らいつく。それでも沖縄は再び立て直し、残り1分には並里に代わって入った与那嶺のアリウープパスからマクヘンリーが豪快にダンク。さらに山内が1on1で終了ブザーと同時にミドルショットを沈め、9点差としてこのQを終える。

第2Q
両チームともにシュートが入らず、我慢の展開となる。両チームとも開始から約4分間無得点だったが、沖縄・ラーカイがオフェンスリバウンドをティップでねじ込むと均衡が破れる。京都もクマードがドライブでバスケットカウント、すかさず沖縄もインサイドアウトからコーナーで待ち受けていた山内が3ポイントを決めて応戦。京都はさらにボイェットが3点プレーを決めると瀬戸山の3ポイントも決まって反撃。しかし7点差以上の追撃を許さない沖縄は、タイムアウトからのラストオフェンスでスクリーンを使ってフリーになったパルマーがブザービーターとなる3ポイントを沈め、10点のリードで前半終了。

沖縄#12パルマーの活躍がチームを救った第3Q
京都がようやく沖縄のアップテンポな展開を阻み、ディフェンシブゲームに持ち込む。それでも中盤までは沖縄がフリースローで粘り、5:30には速攻で並里からマクヘンリーのアリウープが決まるなど意地を見せる。しかし中村が冷静に2本のフリースローを決めてからは、京都ペース。ボイェットの3ポイント、クマードもうまくインサイドの隙をついて得点、Qごとの得点で初めて沖縄をリードし、7点差として最終Qに突入する。

第4Q
前のQの勢いそのままに、京都が川辺の3点プレーで先制。勢いは止まらずリカートがオフェンスリバウンドからダンク、ボイェットの3ポイントと続き、残り4:40にはオーレッドの3点プレーでついに2点差とする。流れは完全に京都の中、沖縄を救ったのはパルマー。直後のオフェンスで、相手に背中を向けた状態からの1on1で2本のシュートを決めて、嫌なムードを断ち切る。京都はタイムアウトを取って仕切り直しを図るが、直後にクマードが痛恨のファウルアウト。ここぞとばかりに沖縄が並里、そしてまたもパルマーのミドルショットで10点差と畳みかける。京都はファウルゲームを仕掛けて川辺の3ポイントなどで粘ったが追いつけず、沖縄が2年連続でファイナルに進出となった。

総括
序盤は沖縄が並里を起点に速攻を連発し、好スタートを切った。しかし第2Q以降シュート決定率が落ち始め、試合終盤には京都がリズムを掴む。ゲームの行方が渾沌とする中、勝負を決めたのが沖縄のパルマー。1on1から次々と得点し、勝負強さを見せつけてチームを勝利に導いた。沖縄はこれで先にイーストを制した浜松とファイナルで2シーズン連続で激突することになった。
一方の京都は中盤以降沖縄のトランジションゲームを食い止めたが一歩及ばず。最後の最後にパルマーに活躍を許した他、リカートが不発に終わるなど試合を通して持ち味のインサイドでアドバンテージを取ることができなかった。
勝利後ブースターに挨拶をする沖縄の選手達

スコアボード

5月19日(土)18:10

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
琉球ゴールデンキングス 21 15 17 26 79
京都ハンナリーズ 12 14 20 28 74

【スタート】
琉球ゴールデンキングス:#1ディリオン・スニード、#5アンソニー・マクヘンリー、#9小菅直人、#37並里成、#50ジェフ・ニュートン

京都ハンナリーズ:#0瀬戸山京介、#2ジャーメイン・ボイェット、#7リック・リカート、#9中村直人、#30リー・クマード

【レフリー】
伊藤 正志(いとう まさし)/漆間 大吾(うるま だいご)/デビッド・ロウ(David Law)

【観客者数】
7674人

【主な個人スタッツ】
琉球ゴールデンキングス:パルマー17点、マクヘンリー16点8リバウンド、ニュートン11リバウンド
京都ハンナリーズ:ボイェット24点8リバウンド、川辺12点

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【プレミアム限定】インタビューはこちら
沖縄:桶谷大HC、与那嶺翼選手、山内盛久選手、デイビット・パルマー選手、並里成選手/京都:浜口炎HC、ランス・オーレッド選手、瀬戸山京介選手、川辺泰三選手、仲村直人選手、ジャーメイン・ボイェット選手。