5月19日(土)有明コロシアムで行われたイースタンカンファレンスファイナル、浜松・東三河フェニックス対横浜ビー・コルセアーズの一戦は、終盤に大逆転を見せた浜松が横浜を下し、3連覇に王手を掛けた。
(文=宮川 紀元/写真・金澤 朱志)
ゲームレポート
第1Q
序盤、浜松はポマーレの6得点こそあったものの、動きが固く大苦戦。横浜はマクファーランドとバーレルのダンクで応酬。バーンズやムールのインサイドでの連続得点でみるみる点差を広げる。浜松はボールがうまく回らず、放ったシュートもことごとくリングに嫌われてしまう。
第2Q
浜松が徐々に速い展開に持ち込みはじめるが、フィニッシュできずにリズムに乗れない。対する横浜もシュートが入らない中、浜松・アーノルドが2本の3ポイントで何とかつないでいく。しかしこれで横浜にも火がつき、いずれも24秒ぎりぎりでバーレルの3ポイント、久山のミドルシュートが決まって13点のリードで前半を終える。
第3Q
このQはお互いにテンポアップ。友利の3ポイントを皮切りに浜松が速攻から得点を重ねる。横浜も山田の3ポイント、バーレルの個人技で応戦。中盤からはベテラン・大口の2本の3ポイントなどで浜松がさらに追撃のペースを上げる。横浜もフリースローで得点をつなぐが残り1:37からディクソン、ポマーレの活躍で浜松が1歩抜け、点差を6点まで縮めて最終Qに突入する。
第4Q
浜松・ディクソンに徐々にエンジンがかかり始めるが、横浜もシモンズの3点プレー、バーンズの3ポイントなどで譲らない。試合が大きく動いたのはこのQのちょうど半ば、横浜のマクファーランドが4つ目のファウルを犯してベンチに下がってから。浜松のポマーレが変わって入った横浜のムールを相手に続けてポストプレーで得点。猛追に焦りが出たのか、横浜が浮足立ち始める。
ここを見逃さなかったのが大口。横浜のスローインを背後から見事にスティールし、そのままバックシュート。これで2点差とすると続けて岡田がオフェンスリバウンドをタップしてついに同点。さらに好調・ポマーレが再びインサイドで得点し逆転に成功する。流れを失ってしまった横浜も、バーレルがファウルを受けながらも得点して再び同点とするが、フリースローを落として逆転できない。勢いが止まらない浜松はまたもポマーレの得点で決定的なリードを奪うと、ディクソンがファウルゲームで得たフリースローを冷静に沈めて大逆転勝利を収めた。
総括
序盤動きが固かった浜松を尻目に、横浜が得意のスローペースなバスケットに持ち込んで試合の大半を優位に進めた。しかし後半に入ると自分たちの仕掛けたはずのフィジカルなゲーム展開に冷静さを失い始め、徐々に浜松の足音が聞こえ始める。この動揺を勝負師軍団の浜松が見逃すはずはなく、エースのディクソン、ベテラン大口、さらには相手インサイドを突いて意外ともいえる大活躍をしたポマーレを中心に逆転に成功。
エースのバーレルをはじめとしてこの波にのまれてしまった横浜は最後の4分半で僅か3得点に終わり、力負け。参入1年目でのファイナル進出はならなかった。最後の最後で王者の意地を見せた浜松は3年連続のファイナル進出、そして3連覇に王手とした。
スコアボード
5月19日(土)14:10
– | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
浜松・東三河フェニックス | 10 | 15 | 31 | 31 | 87 |
横浜ビー・コルセアーズ | 21 | 17 | 24 | 16 | 78 |
【スタート】
浜松・東三河フェニックス:#5友利健哉、#9ジャメイン・ディクソン、#21ジェフリー・パーマー、#25仲西翔自、#42ジーノ・ポマーレ
横浜ビー・コルセアーズ:#1チェイス・マクファーランド、#2ドゥレイロン・バーンズ、#3蒲谷正之、#13山田謙治、#24ジャスティン・バーレル
【レフリー】
石榑 芳弘(いしぐれ よしひろ)/鬼頭 英伸(きとう ひでのぶ)/ ジェラルド・シャーバー(Gerald Sharber)
【観客者数】
5457人
【主な個人スタッツ】
浜松・東三河フェニックス:ポマーレ20点、ディクソン19点10アシスト、ブラックレッジ10リバウンド
横浜ビー・コルセアーズ:バーレル19点9リバウンド、バーンズ12点9アシスト
********************
【プレミアム限定】インタビューはこちら
横浜:レジー・ゲーリーHC、山田謙治選手、蒲谷正之選手、ジャスティン・バーレル選手/浜松:河合竜児HC、大口真洋選手、太田敦也選手、ジーノ・ポマーレ選手、ジャメイン・ディクソン選手、仲西翔自選手、ローレンス・ブラックレッジ選手。