チームとブースター一体となった秋田、逆転でカンファレンスセミファイナルへ(5月6日)

第3戦


20分のインターバルで気持ちを切り替えた仙台が、デュークスの8得点でロケットスタート。秋田は勝利へのプレッシャーがかかったのか鈍い出だしだったが、絶好調グリーンの3ポイントなどで反撃。しかし前半終了間際に仙台・志村はタフショットを沈めて11―5とリードする。

勝負のかかる後半の5分間、秋田は粘り強いディフェンスとリバウンドで仙台を抑え、じわじわと詰め寄る。そして残り1:55、キアースの3ポイントでついに逆転。ホームの大観衆のアドレナリンも最高潮に達し、リズムを掴む。仙台は残り1:08、3点差の場面で志村がフリースローを得る。ここで秋田市立体育館はかつてないほどの圧巻のブーイングに包まれ、動揺したのか志村は2本ともミス。後がない仙台はファウルゲームを仕掛けるが、残り0.4秒でのフリースローを秋田のウッズが“狙い通り”失敗。仙台にスローインのチャンスを与えずにタイムアップ、秋田が逆転勝利を収めた。

前半 後半 合計
秋田ノーザンハピネッツ 5 12 17
仙台89ERS 11 3 14

【スタート】
秋田ノーザンハピネッツ:#1イージェイ・ドレイトン、#10庄司和広、#11マイカル・キアース、#12菊地勇樹、#24リッキー・ウッズ
仙台89ERS:#4志村雄彦、 #7薦田拓也、#9ジョニー・デュークス、#21ラシャード・シングルトン、#22ダン・フィッツジェラルド

総括

第2戦、秋田は不調のスワンストンをベンチスタートに。ウッズにもボールを集めず、チーム全員で得点した。また仙台のビッグマンに対してもフルフロントやダブルチームで対応、なんと38得点に抑えた。またレギュラーシーズンではほとんど戦力外だったグリーンが、ついに攻守で爆発。まさにシンデレラボーイとなり、勝利に大きく貢献した。
第3戦はスタートダッシュに失敗したものの、ディフェンスから後半に流れを取り戻して逆転。集中力を切らさずそのまま1stラウンド突破を決めた。

仙台はインサイドの有利をほとんど活かせずに完敗。第3戦ではデュークスが見事なプレーを見せたものの、全体としてアウェーの空気に飲み込まれて力を発揮できなかった印象が強かった。

この日の秋田市立体育館には3451人の観衆が詰めかけ、超満員。音が響かないと言われている体育館にもかかわらず、地鳴りのような声援が一日中やまない感動的な空間となった。また特に第3戦では仙台から駆け付けたブースターと会場を埋める秋田ブースターの熾烈な声援合戦も試合に華を添えた。
そしてキアースの逆転3ポイントが決まった瞬間の会場のボルテージはまさに圧巻。秋田ブースターはチームの勝利を大声援で祝うと、好勝負を繰り広げた仙台ブースターと選手たちも讃えた。選手や観客の満面の笑み、さらに勝利に感極まって涙を流す人の姿も多くみられ、会場は秋田のチーム名の通り“幸せを共有する”場になって、初の秋田開催となったプレーオフの激戦は幕を閉じた。

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試合後の中村、ピアス両HC。秋田の菊地選手、水町選手、キアース選手、グリーン選手のインタビュー(プレミアム限定)

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