5月5日(土)新潟市鳥屋野総合体育館で開催されたbjリーグプレイオフファーストラウンド、新潟アルビレックスBBvs富山グラウジーズ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)
昨年同様、鳥屋野総合体育館で開催されたプレイオフは、両チームのブースターが熱い声援を送る緊迫感ある中での試合となった。しかし試合は終始新潟のペースとなり、両チームのインサイドは均衡した状態だったものの、アウトサイドからは序盤の池田、第3Qの公威、第4Qは小松と新潟の3ポイントが良く決まった。富山は新潟のタイトなディフェンスを攻めきれず、第3Qには城宝の3連続3ポイントなどで一気に追い上げたものの最大21点差のビハインドは覆せず、新潟がまず1勝を飾った。
********************
富山グラウジーズ
下地一明HC
-今日の試合の総括について
何もありません。以上です。やられただけです。ウチの今のチーム状況を表しています。以上です。もう一切質問は無しです。
この戦い方したら、もう何かありますか?悪すぎるのはしょうがないです。
-シーズン中と同じく、5点差まで詰めながら勝てませんでした。この時の指示は(ラジオ)
とにかくアウェイでビハインドを背負うということは、厳しいですよね。20点開いていて、5点差まで追い上げて、息切れするのも当然です。バスケットって難しいですよ。
その中でもイケイケムードだったので、城宝も2本来ていたので、同じ指示をしました。そしたら成功して、あの点差になった。そこまでは良かったと思います。
-今日は新潟の3ポイントがかなりの確率で決まりましたね(ラジオ)
本当ですよね。池田も小松も公威も、本当に。
-逆に富山は3ポイントを入れさせられませんでした(ラジオ)
いや、そんなことはないですよ。ただ前半はみんなが中に行こう、行こうとしていて。スタッツのチャートを見ていても、みんな中にしか行ってないんですよ。オープンで空いているのを打てばいいのに。もったいないのはそういう所ですよね。大事に行き過ぎたというのはあると思います。
-明日について(ラジオ)
もうやるだけです。優勝しなかったら意味ないんで。やるだけです。
-今日の試合で上手く行った点、行かなかった点は(新聞)
負け試合にいい点は無いと思います。ダメです。
小松も池田も、正直タフショットを入れてますからね。大したものですよ。さすがだなと思います。公威はゾーンで(3ポイントが)2本でしょ。それ以外は、池田もチェック喰らって打っているから。あれを入れるのは大したものですよ。
だから、(シュートが)入ったらチームは勝ちますよ。それだけです。それを作るまでの過程。こっちはそれが出来なかった。
スタッツ見ても、アシストを見れば分かる通り(新潟18-11富山)、そこじゃないかと思います。
-明日は新潟のアウトサイドをどのように止めますか(新聞)
プレッシャーを掛けるしかないと思います。
-試合後の選手達にどのような話をしましたか(ケーブルテレビ)
もう切り替えるしかないですね。何もない訳だから。自力でプレイオフに出て、経験者も少ない中、やはり新潟は経験を積んでいるわけですよ。どれだけやりやすいかということですね。ホームだし。だからと言ってウチが弱いという訳ではありません。今日は出だしに緊張しすぎてしまって。間違いなく緊張していましたよ、水戸も。動きが硬かったです。出だしでイニシアチブ取られて、そのまま第2Qになって。
だからもう大丈夫じゃないですか。雰囲気も感じたし。明日はやるでしょう。僕はそれを信じるしかないです。
-明日の試合について、体力的にキツいと思いますが、その点については(ラジオ)
戦うしかないと思います。
-下地HCですからディフェンスからこのゲームに入る指示をしていたと思いますが、序盤に新潟にイニシアチブを取られてしまい、それが最後まで影響しました。先ほど緊張していたという話がありましたが、チームのメンタル状態が立ち上がりのビハインドに大きく影響したということでしょうか(バスナビ)
大きかったですね、見ていて、間違いなく(彼ら)らしくなかった。それはあったと思います。
正直今週は、昨日もいい練習が出来なかったです。やはり練習の成果が(試合に)出ますよね。人間なのでアップダウンもある、その中で僕がよくコントロール出来なかった。だから僕の責任です。選手はよくやってくれたと思います。
********************
#9水戸健史選手
-今日の試合について
向こうのエナジーにやられてしまって、ディフェンスが崩壊してましたし、90点取られたら絶対に勝てないです。ディフェンスとリバウンドですね、それだけです。
-出だしからチームが固かったようですが、水戸選手自身はどうでしたか(ラジオ)
特にプレイオフだからとか、そういったことは無かったです。最初からディフェンスが崩壊していた、本当にそれだけです。
-特に緊張とかはないと(ラジオ)
はい。
-この試合に向けての準備は十分でしたか(ケーブルテレビ)
対策なり、自分達がやるべきことをやってきて、臨んだ試合の結果がこれだったので。十分だったかと言われれば・・・僕は十分だったと思います。やはり試合はやってみないとわからないので。今日は新潟のアウトサイドもすごく入ってましたが、明日はもっとディフェンスでやれることがあると思いますし。
-明日は50分戦わなければいけませんが、スタミナ面については(ラジオ)
僕らはもう崖っぷちなので、総力戦、全員で戦うしか無いと思います。最初から飛ばしていきたいと思います。
-今日はファウルアウトしましたが、悔しかったですか(ラジオ)
自分の納得いかないところでファウル吹かれたりしたので、悔しい部分もありますけど、でもそれは仕方ないです。
********************
新潟アルビレックスBB
-今日の試合の総括について
シーズンを区切って考えた時に、ポストシーズンで最初の勝利を挙げられたことは素晴らしいと思います。我々のやるべきことに関するプロセスについては、いい内容のゲームが出来たと思います。
富山さんを73点に抑えられたことは我々のディフェンスがすごく良かったと思います。前半はオフェンスリバウンドを取られすぎたのですが、後半はリバウンドのパフォーマンスは向上したと思います。
オフェンス面に関して言うと、前半から中盤にかけてよくシュートが入っていました。4Qに入ってオフェンスが少し重たくなったのですが、その後に選手達が走ってテンポを上げてくれたので、最後まで重くならずにテンポを上げていけたのは、オフェンス面で良かった点だと思います。
第1戦を勝利することが出来たのですが、どの試合でも向上しなければ行けない点はありますし、勝ったことは嬉しいですが、すぐ切り替えなければいけません。全ては明日だと思っています。明日勝たなければ意味が無いですし、今日勝ったからといって決して満足してはいけません。しっかりと準備をして明日の試合に臨みたいと思います。
明日は富山さんも今日以上にアグレッシブに3ポイントやインサイドにアタックしてくると思いますから、我々も今日以上に激しく戦いたいと思います。
-21点差までリードを広げながら突き放せず、第4Qには5点差まで詰め寄られました。明日はどう修正しますか(新聞)
連続得点を富山さんに許して点差を詰められているんですけど、全体的にはディフェンスは悪くなかったと思っています。城宝選手が3本連続で3ポイントを決めましたが、そこ以外は悪くなかったと思います。詰められた後にしっかり突き放すことが出来たのは、オフェンスでテンポを落とさなかったこと。オフェンスが重たくならなかったことが良かったと思います。テンポが重くなっているところではいくつかタイムアウトを使いましたけど、修正してアジャストすることができました。
大事なことは、シュートを決められて点差を詰められているんですけど、ディフェンスは決して崩れていなくて、向こうのシュートが入っていたということです。ディフェンスが崩壊しなかったことは大事なことだったと思います。
バスケットにおいては、いいチームは連続得点、Runを作りますから、流れの中でRunが出ることはありますけど、その中でもディフェンスが崩れなかったのは良かったと思います。明日もどちらもチームもRunを作る場面はあると思いますが、しっかりとやるべきことをやることが大事になると思います。
-明日は富山のどこに気をつけますか(雑誌)
明日は富山さんは今日以上にインサイドに激しくアタックするでしょうし、1on1も仕掛けてくると思います。3ポイントも狙ってくると思います。大事なのは、(富山がアタックしてくると)わかっているので、それに対して気持ちの面でしっかり準備をすること。そしてチームディフェンスとしてしっかり止めることが大事になると思います。チームディフェンスのルールをしっかり守ることと、自分のマークマンの傾向、やらせてはいけないプレーというのを選手達は理解しているので、今一度それを確認して、得意なプレーを出させない。これをそれぞれの選手が遂行しながら、チームディフェンスで守るということが明日は大事になると思います。
-このシリーズでは富山のサイズが新潟にとっての脅威となりますが、今日はインサイドでは互角の戦いを見せました。逆にアウトサイドは高確率で決まりましたが、明日はこの部分へのチェックが厳しくなることが予想されます。ここはどう対応しますか(バスナビ)
今日は積極的にアウトサイドからシュートを狙い、それが決まっていたと思います。明日は今日以上にインサイドにアタックできると思います。今日の試合も、もっとアタックするというのが元々のプランでした。今日以上に(ボールを)インサイドに入れられると思いますし、そこからディフェンスを崩すということが出来ると思います。
今日の朝、確認してまだ使ってないプレーもあるので、明日はそれも使いながらインサイドを狙っていくことが、アウトサイドが入らない時に我々に出来ることだと思います。
********************
#3アーロン・マキシー選手
-第4Qに相手を突き放すインサイドでの活躍がありました(新聞)
試合に入るときに、とにかく一生懸命走って、相手のビッグマンをフィジカルに守ろうと思っていました。自分が走ることによってディフェンスを広げることが出来ると思いましたし、ディフェンスが広がればシューターがオープンになるので、とにかく走って行こうと思っていました。それがしっかり出来たと思います。
-ホルム選手がファウルトラブルでベンチに座る中、ベネット選手と共にディフェンスでの頑張りが見られました(新聞)
いつも通りの状況というか、練習でもクリス選手を守ってますから、自分より大きい選手を守るというのは常にやっていることです。シーズンで53試合目になりますけど、どの試合でも自分より大きな選手に付くことはありますから、特別なことだとは思っていません。クリス選手、ベネット選手と体をぶつけあってプレーしているので、クリス選手がファウルトラブルになったことは残念ですが、誰かがファウルトラブルになれば、誰かがその穴を埋めていくということなので、それがたまたまクリス選手だったということです。こういった状況でしっかり穴を埋めることが我々の仕事なので、それをやるだけです。
-明日の試合について(新聞)
とにかく出だしからアグレッシブにプレーすることだと思います。富山さんは崖っぷちですし、今日はそんなに3ポイントを打ってきていません。明日は今日以上に打ってくると思います。ただ、相手がどうだと心配するのではなく、自分達がやるべき事をやるのがもっと大事だと思っているので、しっかり自分達のやるべきことをやって、自分達のゲームにすることが明日は求められると思います。もし相手の強みを出させてしまったら、我々にとって不利な状況になってしまうので、しっかりとやるべきことをやって、相手にやりたいことをやらせない。それをやり通すだけだと思います。
-大学時代、またプロとして世界各地での経験がありますが、今日のbjリーグのプレイオフの雰囲気はどう感じましたか(バスナビ)
最高の雰囲気だったと思います。富山さんも新潟も一生懸命応援してくれるファンがたくさん会場に来てくれて、大きな声で応援してくれました。あれだけ声を出して応援してくれると、選手もいつも以上の力が出るものですし、すごくいい雰囲気の中で戦えたと思います。
ゲームとしては、プレイオフはよりフィジカルになりますし、するとどれだけチームワークを発揮できるか、どれだけやるべきことを遂行できるかというのが大事になってくるので、今日はいい雰囲気の中でプレー出来たと思いますし、ですが明日負けてしまったら意味がないので、しっかりと明日勝って、次のステップに上がって行きたいです。
********************
#20ナイル・マーリー選手
-今日の自分自身のパフォーマンスについて(新聞)
チームとしてとてもいいプレーが出来たと思います。自分自身のプレーも悪くなかったと思いますし、ただ3ポイントはもうちょっと決められると思います。チームとしてのディフェンスは良かったです。
思っていたのは、どこかで富山さんが連続得点をしてくるのは分かっていたので、そういった展開があるというのは心の準備をしていました。その時に思ったのは、アグレッシブに行こうと思っていました。向こうの連続得点の時に消極的になって流れを渡すのではなくて、我々の強みであるアグレッシブさを失わないようにプレーしようと思っていました。
-5点差に詰められた場面、その後の7点差の場面で連続得点していますが、あそこは自分で得点しようと決めていたのですか(雑誌)
最初のバスケットカウントを決めた場面は、流れが少しずつ富山に行きかけている状態だったので、自分がプッシュしてディフェンスを後退りさせるような場面を作るように、強く行こうと思っていました。限られた時間の中で自分のプレーを作るというのは難しいので、とにかく積極的に行こうというのは思ってました。今日はディフェンスでチームのモチベーションを上げていこうと思っていたので、それはすごくいい成果が出たと思います。
-チームが苦しい状態の時は、いつも自分が決めようと思っていますか(雑誌)
バスケットはチームスポーツなので、必ずしも自分で、という訳ではないのですが、例えば1on1とか、自分の強みを出せる場面があれば、そこは迷わず出していくと思っています。それがリバウンドだったりパスだったり違う事になるかもしれませんが、自分の強みを出せるのであれば、迷わず出すようにしています。
あの状況は、とにかくウチはスコアが必要で、シュートが入ってなかったので、強くバスケットにアタックしていこうと思ってました。最悪でもファウルをもらおうと思っていました。向こうが連続得点していたので、自分のところで取れるのならばアタックしていこうと思っていました。
-今日の試合ではチームメイトにどんな声をかけましたか(雑誌)
オフェンスは1本ずつということと、あとバスケットというのはディフェンスでいかに相手を止めるのかというスポーツだと思っているので、いいディフェンスをしようとチームメイトに声をかけました。オフェンスがダメな時でも、しっかりとディフェンスで止めることが出来れば、今日のように結果は付いてくると思うので、ディフェンスをしっかりしていれば、オフェンスに流れが来るものだと思います。特に我々は走るチームですから、しっかりディフェンスをするところから、走って、レイアップ出来るような展開に出来れば一番いいので、まずはディフェンスだと思っています。
********************
#32池田雄一選手
※質問は全てバスナビ
-序盤の連続得点は、やはり試合の主導権を握りたかったということでしょうか
出だしからチームとしてリズムに乗って行きたいというのはあったし、富山さんには出だしで一気にやられた試合もあったので、出だしに集中して試合に入りました。
-お互いに波のある試合でしたが、富山も追い上げる場面がありました。富山の流れになるという怖さはありましたか
チームとしては悪い流れで、トランジションで向こうのぽんぽんとやられたのは流れが悪いと思ったんですけど、そこまで大きなダメージは感じなかったです。落ち着いてプレー出来たのではないかと思います。
-レギュラーシーズンも含めて、富山戦では城宝選手とマッチアップする場面が多くなります。今日はお互いに激しいプレーでしたが、後半は得点が取れませんでした(前半13pts、後半2pts)。城宝選手とのマッチアップにやりにくさは感じますか
城宝さんに守られていて、やりにくさというのは無いんですけど、今日は出だしからオフェンスに集中していて、後は、富山さんは城宝さんで乗ってくるチームなので、そこのディフェンスを任された以上、そこに集中していこうと思っていました。あと後半の(オフェンスの)コールがインサイド中心だったのもありました。逆に、僕にディフェンスが張り付いてきてくれたおかげで秀平が空いたし、チームでいい流れになったと思います。(後半の得点について)その辺はあまり気にしてないです。
-オフェンスに波はありながらも、ディフェンスは堅調でした。プレーしながらも、落ち着いていた状態だったでしょうか
今日はどんな状況であっても落ち着いてゲームを見ることが出来たし、インサイドで欲しい時にインサイド、オフェンスリバウンドもウチがいい所で取れていたし、そういったいい流れをずっと継続できたと思います。
富山さんが追いつくなら4Qの出だしだったと思うんですけど、そこでウチも粘ってプレーできたということで、多少点差を縮められたんですけど、また突き放せたのは大きかったと思います。
-今日はアウトサイドがよく決まりましたが、恐らく明日はマークが厳しくなります。インサイドは今日と同じく厳しい戦いが続きますが、どう対応しますか
初戦でウチのサイドが決まると、次はすごく警戒してくるのが当たり前なんですが、いつも通り迷いなく打つというのが大事だと思います。躊躇というのが一番怖くて、打てる所では打っていきたいです。インサイド中心というのは変わらないと思うので、そこからどう崩せるのか、というのが明日のキーポイントになると思います。
********************
#13小松秀平選手
-今日の試合について
いい所でボールが来たと思うし、シュートは最近調子がいいというか、迷わず打てているので、自信を持って打つだけでした。シュートが入る、入らないは二の次として、チームのリズムとして打ったシュートというのが入りました。
40分通して僕らが集中してプレーしないと(富山は勢いに)乗るチームなので、僕らが集中してプレーできたのかなと思います。
-4Qに追い上げられる場面でマーリー選手と共に活躍しました(新聞)
4Qは出だしが悪かったというか、5人が5人、何をすればいいのか、多分プレーは分かっていたと思うんですけど、タイミングであったり、ひとつのズレがオフェンスのミスに繋がって。スコアの入らない時間がありました。
明日はそこを修正しないと、正直(富山に)持っていかれると思うので、明日の第2戦で決められるように全力を出し切りたいと思います。