【プレミアム限定】大阪エヴェッサ、島根スサノオマジック、HCと選手へのインタビュー(3月18日)

3月18日(日) 住吉スポーツセンターで行われた大阪エヴェッサvs島根スサノオマジックの試合後インタビュー。大阪はライアン・ブラックウェルHC、マイク・ベル選手、青木康平選手、小淵雅選手、島根はジェリコ・パブリセビッチHC、仲摩純平選手です。
(写真/文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
昨日に引き続き素晴らしい試合でした。特にオフェンス面においては選手が自信を持って自由にプレー出来たのが良い結果に繋がっている。その中でもボールがよく回ってますしチームメイト同士スクリーンをセットしたり動いたりというところで本当に効果的なオフェンスが展開出きているというのが今日の感想です。島根さんも何度もファイトバックしてくる状況がありましたが、そこに怯むこと無く立ち向かって、点差を広げることも出来たのが褒められる内容かなと思います。

オフェンス面は非常に良いところが見られたと思いますけど、ディフェンス面に関して言いますとオフェンスリバウンドを22本も取られていますので、誰がというところではなくガードの選手も含めてチーム全員でボックスアウトの徹底することと、もしリバウンドを掴むことが出来なければチップするなど何かの形を取ってゴール下で簡単にセカンドチャンスを与えないというところを今後は気を引き締めてやっていきたい。

―マイク・ベル選手とボビーセント プルー選手の疲労面が心配されますが今後どういったふうにプレータイムを分けていくのでしょうか?
確かに今日も40分ずつ二人とも出ているんですけどシーズン途中から加入した二人ですし他の選手と比べるとまだフレッシュというか元気も残っていると思っていますので、その点に関してはそんなに問題にしていないです。僕自身も40分ぐらいプレーしていたこともあるし、彼らも若いですから問題ないと思います。

―昨日と今日の試合は今後戦っていく上でひとつのスタイルになるような内容ですか?
オフェンスの核となる選手を欠いてるんですけどチームには身体能力に優れコートを走れる選手が揃っている。これが昨日、今日見せたスタイルは我々の新しいスタイルと言っていい。これからの希望というか明るい光が見えたと思います。マイクとボビーがもっとコンディションが整っていけばダンクも出るでしょうしもっと派手な展開になると思います。もっと楽しいバスケをお見せ出来ると思います。

―第3Qの島根のプレッシャーはすごかったと思いますがどうやって凌ぎ切ったのですか?
3Qに関しては疲れとかいろんな要素があったと思いますし、その中でアグレッシブにやられたという点はありますけども、緊張の糸を切らさずに立て直すというところで4Qで修正してプレッシャーをはね除けて立ち向かっていけた。選手らが精神的に準備をして集中出来たのが大きい。

―この1週間精神的なコンディション作りが難しかったと思うんですけど、どんな言葉をかけてここまで持っていきましたか?
特に何か特別な言葉をかけたというのは無いんですけど、去年から(一緒に)やっている選手たちは私がどういった人間かというのをわかっていると思いますし、何を望んでいるか何を期待しているかっていうところもみんなわかっていると思います。日々、前向きにやっていくしかない。人生何が起こるかわからないんですけども毎日時間は流れていきますので前向きにやっていく、そしてこのような状況ですけど有明に行ってチャンピオンになる可能性は十分に秘めていると思いますので、言ったとすればそれだけですね。

―来週は沖縄戦ということで今シーズンを占う上でかなり大切な試合になると思います。ヘッドコーチ自身はこの試合をどのように捉えてらっしゃいますか?
私も選手たちもみんな含めて非常に楽しみにしていますし今から沖縄に行くのが待ち遠しい。1つだけと言わずに2つ勝つつもりで準備していますし、そこに向けて今週精度を上げて練習していきたいと思います。

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マイク・ベル選手
―昨日と今日、素晴らしいゲームでしたがいかがでしたか?
個人的にも素晴らしい出来だったと思いますけど何よりチームとして良い出来になった、チームとして勝てたことが非常に良かった。またここ1ヶ月間、全員が揃って練習してきた結果をコート上でアグレッシブだったりが表現出来たことが素晴らしいかなと思います。

―チームメイト同士で話し合う機会が多くなったように見えましたが何か意識されてますか?
柱となる選手がいなくなった状況で今まで頼り切っていた部分があったんですけど、それがなくなって全員で戦う姿勢というのが増えてきた。試合の中で足を動かすスクリーンをお互いにセットする、お互いを助け合うっていうところが増えてきた。そういった意味でコミュニケーションが増えてきたんじゃないかなと思います。

―来週は沖縄戦になりますが何か意識はされてますか?
沖縄が相手ということを意識せず、我々が1ヶ月半後にどこを目指しているかというと有明になりますので、どこが相手だろうとしっかりと目の前のことに集中して日々良くなっていくことをやっていこうと考えています。

―チームの弱い面としてプレータイムのシェア、リバウンド面などはどういうふうに克服されていきますか?
試合を通してコンディションなどそういった部分はあるんですけど自分自身としては(例えとして)土曜日に40分出場して次の日に50分プレーすることもできます。それに向けてしっかりと食べることなど準備はしっかり重ねていますしバスケットボールが仕事でこのために来てますし、その点に関しては問題なくやっていきたいと思います。

―今シーズン初めて前半だけで50点取ったのは知ってましたか?
知らなかったです。ひとりが全てをやるっていうことがなくなりますので、これからは全員のアベレージ、得点だけじゃなくてリバウンドやアシストだったりいろんな面で全体的にレベルアップしていくと思いますし、その結果良い方向に向かっていくと信じています。ひとつになって戦うこと、それが鍵となります。

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青木康平選手
―昨日に引き続き良いゲームでしたがいかがでしたか?
見たままの通りですね。みんな同じこと言ってると思うので。ひとつになった結果です。

―第3Qは得点が取れませんでしたが、相手にも点を取らせなかったのが今のチーム状態を表している部分かなと思いましたが。
リバウンドを頑張らないといけないという意識をみんな持っていたので、誰かに頼ることなく全員の意識で取れたというのがあそこを詰められなかったところだと思います。

―今までのチームなら悪い流れになるとずるずるいってしまっていました。
ボール出しを誰もしなかったりとか悪い部分が3Qの時は出ていた。それでもあの時間帯を耐えれたっていうことが成長ですよね。

―こういう試合が続けて出来たことで残り12試合もっと楽しみになってきましたか?
来週ですね!沖縄は僕らの今の力が一番試せるすごい良い相手。沖縄はどっちみち倒さないと上には行けないと思うので、良いテストケースですよね。

―自信の程は?
ありますね。誰がどうこう、自分がどうこうというよりチームで戦っているので、一人ひとり責任はあるんですけど、勝利に対する意識がひとつになっているので、それで行けば良い結果が生まれると思います。

―ベンチの雰囲気もかなり変わりましたね。
リン(ワシントン)という大きな穴が抜けたのもありますけど、みんなで埋める意識もあるし、そういうところでもベンチでもチームがひとつになろうっていう意識はすごく強いので。コートに出てる僕らもわかってるし、そういうのも今の強さのひとつですよね。

―チームのGo to Guyがいなくなったことで終盤の竸った場面で誰がシュートを打つのかという選択肢が大切になってくると思いますがどうですか?
今日で言うとボビーとか、マイクは合わせてくれるし、ボビー、マイクやウェインのピック&ロールだったり、僕のピック&ロールだったりとか。誰がシュートを打っても良いメンバーだと思うんですよね。誰にボールを渡すかっていうところは僕とかブチ(小淵雅)がコントロールすれば良いだけの話。いろいろオプションがあるのでその辺はあまり気にしてないです。

―ワシントン選手が抜けても青木選手はシュートよりもパスを供給するという意識ですか?
今で言うとその意識はすごく薄いです。というのはやっぱり流れの中でプレー出来ているので意識しなくても自然と空いてる選手にパスが出来てるしパスも返ってきてるし、みんながボールをシェアしてるっていうところで、今はパスをしようっていう意識は無いですね。

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小淵雅選手

―今日だけでなく、この2日間を振り返っていかがですか?
たまにボールを出さないで遅くなる時があるんですけど、パスがよく回るし相手に決められてからの次の攻撃に移るまでのスピードが早かった。今週の練習の時から意識出来ていて切り替えという部分ですごく良かったんじゃないかなと思います。

―小淵選手自身もボールを前に運ぶスピードをあげることを意識されてるんじゃないかなと感じましたが。
そうですね。僕が持った時は出来るだけプッシュして1対1で崩せる時は崩して、ヘルプが来たらヘルプが来たところの空いてるところにパスをするという単純なんですけど、それを練習中からやっていて、やってる方は結構ハードなんですけど、それが形になってきたら良いんじゃないかなと思います。

―形になりそうな手応えは得られたと思いますか?
はい、そう思います。

―チームが大きく戦い方を変えざるを得なくなりましたが、それが逆に良い形で回っていると思いますがいかがですか?
(ハーフコート中心のバスケで)1本1本というバスケットでみんなストレスが溜まるっていうことが今は無くなってるんじゃないかなと思います。良い部分もたくさんあるんですけど、それが全て良いかって言ったら(そうじゃない)。外、外、外ってなった時に、1本欲しい時のインサイドっていうのがたまに無い時に相手に外(に大きく弾かれた)のリバウンドを取られて(速攻に)持って行かれるというのがある。意識統一ではないですけどガードももちろんチーム全体で、外一辺倒になったら中にドライブしていくとか中のウェインにパワープレーしてもらうとか、そういうのが必要だなってすごく感じました。

―今後の課題としては昨日と今日のプレーを安定させることと更なるオプションですか?
これを始めてまだ1週間ですけど、これからプレーオフに向けて形にしていくのと後はディフェンスで相手にオフェンスリバウンドをすごく取られたので、ビッグマンだけじゃなくてガードもしっかりボックスアウトするっていうのを来週から練習で意識していかないといけないです。

―チームにならないといけないと再三仰ってましたが今のチーム状態は?
本当に良いですね。勝った後に、チームで勝ったなぁという気持ちもすごく強いし、悪い時でもメンタル的に崩れるというのが今のところ無いですね。更に悪くなった時にチームでいれるかどうかっていうのは今後ですよね。それがどうなるかです。

―以前より合わせのプレーが増えましたね。
止まってプレーすると合わせづらいですけど流れてるところではみんな走ってるので合わせてくれるので助かります。

―島根は激しいダブルチームを仕掛けてくるチームではなかったので助かった部分はあったと思いますが。
だから今後。来週は沖縄なんで、今後のチームはそういうところがあるので、それにも免疫をつけないといけないです。(ダブルチームに)来た時の。

―今までの勝ちと比べての変化は?
勝ちは勝ちで嬉しいんですけど、今後の自分たちの形を考えた時に戦っててすごいスッキリする感じです。今までは(勝っても何かが)つっかかってる部分があって今後どうしていけばいいか(わからない)っていう感じだったんですけど。

―トランジションで負けていたチームがトランジションのチームになったのは少し皮肉な感じですが。
今でもトランジションのチームとは言えないですけど、これからもっともっとそういうふうに持っていくようにしないといけないです。サイズも落ちてるので。

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島根スサノオマジック

ジェリコ・パブリセビッチHC
―今日の試合の総括
まずホームチームに勝利おめでとうと言いたいです。マイク・ベル選手は今日非常に良いプレーをして、とても調子が良かったです。ボビー(セント プルー)も良い試合をやりました。また青木選手もいつも通りの良いプレーを見せました。

そういう中、自分の選手達をとても誇りに思っています。私は外国人として島根を小さい県だとわかっていますが大きいハートを持ってる県だと思っています。私たちは島根のハートを代表しているチームです。最後まで戦い続けて勝ちたい気持ちを強く見せられて男らしいプレーを非常に悪い環境の中で出来たことを誇りに思っています。

また遠くから来て頂いたブースターの皆さんにとても感謝しています。いつもの熱い応援ありがとうございました。今日はこのチームの監督でいられたことを嬉しく思っています。(最後に日本語で)ありがとう。

―第3Qの残り7分ぐらいのところで7点差まで詰めましたが、そこで大阪を捉えきれなかった要因はどのあたりにあると思いますか?
(冗談を言う感じで)イギリス人がよく言う「ノーコメント」です。

―それは何故ですか?
(笑いながら)それを説明したら「ノーコメント」にならないでしょう。

―島根のブースターが熱くてベンチも一体となったんですけど、その島根にbjリーグが根付いているなというのは感じますか?
私たちは去年、力を合わせてひとつのチームを作り始めました。私はその仕事を果たすつもりで島根に来たんです。今までの時間をかけてやってきたことをブースターが評価してくださってると思っています。今日のような試合でもブースターがこれだけ一緒に戦う姿はどれだけチームとブースターが繋がっているかを表しています。

薮内(幸樹)選手は初めてこのレベルのプレーをしていますが素晴らしい試合を今日やりました。昨日の山本(エドワード)選手は7本のリバウンドと9本のアシストを出しました。そういう選手たちを私は高く評価しています。(試合に)影響出来ないところは諦めています。次また頑張ります。

―ジェリコHCはbjリーグ2シーズン目ですが、このリーグは去年よりも良くなっていると思いますか?
ヨーロッパ史上トップ20に選ばれたコーチとして言えることは、このリーグには素晴らしいリーグになるポテンシャルはあります。素晴らしい選手もいます。また私は試合前にどのコーチともお話しして、コーチたちは勉強熱心で熱を持っていて一生懸命新しいことを学んだり新しいことをやったりしています。

またとても素晴らしい応援の環境も整ってきています。今日も見られました。でも限界がかけてるところもありますし、なかなか成長出来ない理由もあります。これが長期的に見れば非常に大きい問題になるでしょう。

―限界がかけているというのは?
ちょっとそういう細かいことを言いたくないんです。バスケットボールのゲームに影響する全ての部分が高いレベルじゃないといけません。そうじゃない限りブースターの方々も時間が経てばおかしいということに気がつくでしょう。お客さんが来ない会場も多くあります。(沖縄や大阪、島根などを例にあげて)お客さんが来る会場もあります。このリーグがどのように今後やっていって多くのブースターが集まるようにするかをよく考えないといけません。お客さんが来ない、誰も興味無いスポーツは続けられません。私たちが試合に出て戦っているのはお客さんのためです。今日の同じ試合、同じ戦いぶりで人が全く来ていなければ何の意味もないです。

―日本代表のヘッドコーチをやってらっしゃった頃から日本のバスケットボールのために色々とお話されてきたことがあまり生かされてない気がするのがすごく残念です。
そうですね、確かに生かされてないところもたくさんありますが、受け入れられて生かされているところもたくさんあります。

例えば2002年の前のどの映像でも取って見てみてください。2003年、2004年どこまで内容が変わったか。組織的なプレーが増えてセットオフェンスが増えている。ディフェンスを気を付けるようになってきている。

コーチとして言えるのは特に大阪もそうですけど多くのチームがドライブインを持っている選手を多く揃えています。2002年より前はみんな外からのシュートで終わらせていました。それが内容的に大きく変わっていることでおっしゃるとおり残念ながら生かされてないところもあります。

自分が他のコーチと話すと、この考えは自分も真似してこういうふうにやっていますとかアドバイスをありがとうとか、そういうのをよく聞いてますので生かされているところもあるのかなと思います。私はこの年になって他の人にも何か与えられる状況になっていますのでそういうのもやっていきたいです。

―試合は2連敗でしたがブースターの応援は2連勝だったと思います。
私たちのブースターはとても熱くって、いつも応援がすごいんですね。昨日(土曜日の試合)より、もう1台多くのバスが島根から来て更に大きい人数で応援してくれました。私たちはなるべく高い順位を狙っていますが、それだけじゃなくてやっぱり楽しめる内容をブースターの皆さんに提供するのがとても重要だと思っています。

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仲摩純平選手
―連敗となりましたがこの2連戦振り返って。
手応えはあったんですけど最後に勝ちきれない。2試合とも最後の最後で勝ちきれなかったので、そこはうちがまだ大阪、沖縄のレベルに達してないかなと痛感してます。

―そのレベルに達するためにはどういったことが必要ですか?
難しいですね。(ひとつに絞って)これとは言えないんですけど、チーム力にすごく差を感じたのでチームとしてどう戦うか、数字に残らないことでも大事なディフェンスとかスクリーンとか、そういうのをもっとやっていかないといけないのかなと思ってます。

―大阪がチームが変わってトランジションの早い展開で来ましたが予想はされましたか?
大黒柱がいなくなったけれど残された選手達もすごくタレント揃いですし、前回(の対戦)とは違ってビッグマンもどんどん走ってくるしますます怖いチームになったなとは思ってます。

―勝率が5割に戻ってしまいましたが勝った時の島根と負けた時の島根はどこか違いはありますか?
勝ってる時は必然的にみんなが積極的にプレーできているんですけど、負けている時はボールから逃げるという悪い癖があって、ボール持ってる人が1対1をせざるを得ないということになって、結局流れも生まれないしミスしたらファーストブレイク走られるし。全員で戦うということを徹底しないと厳しいかなと思います。

―パブリセビッチHCが審判と戦い始めると雰囲気が悪くなってるように見えますが。
コーチが審判と話すのは、コーチは選手を守る立場として当然のことだし、選手が審判に言うようになったら乱れていくので、審判と戦うのはコーチに任せて選手は自分たちのやることをやる、それだけだと思いますね。

―元チームメイトの青木康平選手との対決でした。何か意識はされましたか?
これで2回目(の対戦)なんですけど、前回はすごく意識してて今回マッチアップもしたんですけど2試合通して楽しめました。尊敬する選手で今日も調子良かったですけど改めて良い選手だなって。味方になるとすごく頼もしいんですけど、相手になると嫌な選手だなって思いました。